「ラストに唖然… この家族は、この後どうするんだろう」ハッチング 孵化 12shiho28さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストに唖然… この家族は、この後どうするんだろう
フィンランドのとある裕福な一家
自分が注目されることしか興味がない母の自己承認欲求を満たすアイテムとして、表向きは幸せに暮らす12歳のティンヤ
父は頼りにならず、弟は母の期待を浴びる姉に嫉妬を隠さない
自身の我慢により家族のバランスが保たれていることを自覚し、気持ちを押し殺して生きるティンヤが、ある日夜の森で鳥の卵を拾い、持ち帰ったことから悪夢が始まる
ティンヤの母親のような人はどこの国にもいるけど、イタイ若作りの服を着て、娘に自分の理想を押し付け支配し、夫公認で不倫相手の家に外泊して、とやりたい放題
挙げ句の果てに、思春期の娘に不倫相手のノロケを聞かせて、1人悦に入る始末
そして、父は傍観するだけでなく、娘に理解を求める
ティンヤの抱える悲しみと怒りが、卵から孵った生き物として具現化し、育ち、新たな意志を持っていく様が不気味でありながらも、生き物にアッリと名付けて、自分に与えられなかった「守る」という母性を向けるティンヤの切ない心情と重なり哀しみも
SNSで自己承認欲求を満たすことに執着する大人の犠牲にされた子供の内面の崩壊と、家族という共同体の破滅が、フィンランドの平和的で美しい風景との対比で、さらに悲壮感を増す
ラストは予想外の展開に唖然…
けど、そこに来てしっかり伏線が張ってあったことに気づく
そうきたか…
この監督の次作も見たいと思った
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