スージーQ

劇場公開日:

スージーQ

解説

女性ロック歌手の草分け的存在として1970年代に一世を風びしたスージー・クアトロの真実に迫るドキュメンタリー。音楽一家に生まれ育ったスージーは、ロックは男のものと思われていた60年代に姉妹でガールズバンドを結成し、70年代にはソロ歌手として活躍。ジェンダー差別と闘いながら「ワイルド・ワン」「悪魔とドライブ」などのヒット曲を連発し、ロックミュージックにおける女性に対してのイメージを一変させた。歌手のみならず作詞・作曲家、ベーシスト、作家、俳優など様々な方面で活躍してきた彼女の軌跡をたどると共に、音楽一家の中で彼女だけが成功したことによる家族との軋轢や、兄弟姉妹間での競争などにも言及。活動を共にしたアリス・クーパーやスージーに影響を受けたジョーン・ジェットらのインタビューも交えながら、その功績と存在意義を深く掘り下げていく。

2019年製作/104分/オーストラリア
原題:Suzi Q
配給:アンプラグド
劇場公開日:2022年5月6日

スタッフ・キャスト

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(C)The Acme Film Company Pty Ltd 2019

映画レビュー

3.0時代に先駆けた女性ロックスターの肖像

2022年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

スージー・クアトロが日本でも売れ始めて公演にもやって来た1970年代半ばは、私が洋楽を聴き始めたころと重なっていて、もちろん名前は覚えているが、当時の関心は同時代のミュージシャンよりも60年代に活躍したビートルズなどに向かっていたせいで、彼女のヒット曲をほとんど知らなかった。本作にも出てくる、スージー・クアトロに影響を受けて登場したザ・ランナウェイズの方が十代へのインパクトは大きかったと記憶している。

そんなわけで、本人や家族、音楽活動に関わった人々の証言で浮かび上がる女性ロックスターの肖像、栄光の日々と家族との確執といった影の部分とのコントラストなど、このドキュメンタリーで知ったことも多かった。彼女のファンなら、興味深い逸話の数々を楽しめるのではないか。

一方で、音楽好きには物足りなさも残る。とにかく本人と関係者や影響を受けたミュージシャンらの思い出話が長くて、彼女の代表曲の音楽的な解説や、ベースプレイについての話はほとんど語られない。演奏場面も、テレビ番組に出演した際の映像やミュージックビデオが断片的に流れるだけで、あわせてシングルの各国でのチャート順位が紹介される程度。本作はオーストラリア製作で監督もオーストラリア人だが、スージー・クアトロの楽曲の魅力よりも、時代に先駆けた女性ロックスターとしての存在意義を強調したかったようだ。

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高森 郁哉

5.0憧れのスージー

2022年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 中学生の頃、部屋中にポスターを貼り、LPレコードをガンガン鳴らして、ずいぶんお世話(ナニに?)になりました。憧れと妄想の中、アルバム「QUATRO(陶酔のアイドル)」(1974)を買ったときに「The Wild One」がシングルバージョンと全く違っていたことにショックを受け、シングルレコードを買う余裕もなかったので、FM曲にリクエストを送りまくりエアチェックしたという苦々しい記憶まで蘇りました。今聴くとそれなりにセクシーでカッコいい曲♪

 さらに3枚目のLPを買ったあたりで、地元金沢にもコンサートツアーにやってきたというのに金がなく、結婚したという話も相まって急に熱が冷めてしまった・・・それでもたまに股間に響くビートの「Can The Can」を聴くとあの頃を思い出す。つまり、中坊のときに大好きだったわけです。

 80年代以降のスージーの活躍は全く知らなかったし、内容の濃い過去話を語る彼女に見入ってしまった。あらためて「48 Crash」カッチョええぇぇ~!とか、もうファンにとっては刺さりすぎるほど深かった。ソロ以前のガールズバンド“プレジャー・シーカーズ”とか“クレイドル”とか、全く知らなかったよぉ。やっぱり凄い!偉大だった。それに後のランナウェイズやゴーゴーズなどのガールズバンドに影響を与えて・・・凄いっしょ。

 まぁ、オープニングから涙流しながらの鑑賞になりましたが、泣き所は3ヵ所だったかな。特にラストのシェリー・カーリーの歌にはスージーの全てが書かれていたことに感動。俺だって5千万分の1だいっ!てくらい。そんでもってこの曲どうやったら聴けるのか・・・やっぱりDVDを買うしかないのかな。オリジナルではないけど、3枚目のアルバム「ママに捧げるロック」の中の「Fever」はちょっとセクシーすぎて参ってしまいますょ。

 ジョーン・ジェット、リタ・フォード、シェリー・カーリー、とにかくランナウェイズのメンバーが崇拝してるくらい(映画『ランナウェイズ』参照)だし、女子にも人気があったスージーQ。なぜベースギターを選んだのかという問いに「股間にビンビン響くからよ」などと答えた(うろ覚え)彼女。もうビンビン・・・もう一つ、スージーQ(susie Q)という曲もローリングストーンズやCCRがカバーしているが、これはダンスステップの名前らしい。そしてスージー・クアトロもその曲をカバーしている面白さ。それにしても音楽活動50周年か~ずっとファンでいても良かったかなぁ。

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kossy

3.5【レザーのジャンプスーツが無茶苦茶格好良いSUZI Qの生い立ちから、60年代から70年代のブレイク期からその後を描く。一人の女性としての見事な生き様が魅力的である。】

2022年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

幸せ

ー ファンの方には申し訳ない限りだが、年代的にSUZI Qの劇中流される数々のヒット曲は一曲も知らず・・。
  では、何故鑑賞したかというと中坊時代に聞いていたロックミュージシャンが”憧れているロックミュージシャン”と語った際に名前が出た、女性ロックミュージシャンのジョーン・ジェットが”憧れの人”と語っていた記事を覚えていた事と、フライヤーを飾るレザーのジャンプスーツが無茶苦茶格好良いSUZI Qの姿に惹かれたからである。-

◆感想

・ヒット曲を全く知らないというのは、今作の様なドキュメンタリー作品鑑賞に当たっては致命的な気はするのだが、面白く鑑賞した。

・それは、当時のプロモーションの仕方が、良く分かった事や、彼女が最初は4姉妹でガールズバンドを組んでいたのに、彼女だけ契約され、そこからデトロイトから一人イギリスに亘り、スターへの道を突き進んでいった事などである。
ー 当然、彼女と残された3姉妹との関係性は微妙である。-

・そして、何故かオーストラリアや欧州ではヒットを飛ばすが、アメリカでは売れないままだった事。
ー 劇中では”アメリカでは早すぎた・・。”と説明されていたが・・。
  近年で言えば、”ディペッシュ・モード”が欧州ではスタジアム級ビッグバンドなのに、アメリカでは売れない・・、と言ったところか。-

■驚いた事
 ・私は、SUZI Qは年齢的に、とっくに引退していると思ったら、現役じゃないの!息子と曲を作っているし・・。凄いなあ・・。

 ・更に、演技やTV番組にも出ていたり(ゲストではなく)その活動の幅広さである。

<一番凄いと思ったのは、彼女がロッカーとして第一線を歩みながら、キチンとお母さん業をしていた事、そして今では孫も新たなパートナーもいる事。
 で、幸せそうな事がキチンと顔に出ている事である。
 今作は女性ロッカーの道を切り開いた一人の女性の見事な生き様を描いたドキュメンタリー作品である、と私は思った。>

<2022年8月30日 刈谷日劇にて鑑賞>

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NOBU

3.5かっこいい!かっこいい!かっこいい!

2022年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

昨年観たドキュメンタリーで格好良さに魅了されたジョーン・ジェット。その彼女が敬愛するスージー・クアトロのドキュメンタリー。観ないわけがない。

スージークアトロ。言わずと知れたレジェンド。まさか、そんなキャリアを歩んでいたとは!って初めて知ることの喜びと、そのなんとまぁカッコいい存在よ!!!カッコよすぎ!私、久々にミーハー魂に火がつきスマホの待ち受け画面スージークアトロに変更です(笑)レザーのジャンプスーツのアレです!スージークアトロが誕生した瞬間って言われていたあのポートレートにしました!

さらにさらに作品が進むと知る彼女自身のプロ根性に脱帽します。彼女の人生に対する覚悟の半端なさを目にして、なんとまぁ中途半端な自分が悲しくなっちまいましたよ。スターになるために一般的な幸せ捨てたり、家族も二の次にしている感じだし(どーみても仮面家族な雰囲気)。さらに、スージー・クアトロ・タイムを設けているって話・・・まじエンターテイナーやん!強い!

<スージー・クアトロ>という存在にになったという客観的視点を自分に対して持ち続けられたことが彼女の強みなんでしょうね。だからこそ徹底的にアイコンに磨きがかけられて、時代を超えても輝きが衰えることも色褪せるなかったわけですしね。第一、見せられた人間がここに一人いるってことがその証明ですよ(笑)

とってもよかった。音楽好きの方には観てもらいたいですね。苦言は・・・もっともっとスージーのライブアーカイブ映像見たかったなぁ。

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バリカタ
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