「少年まんがっぽい」ALIVEHOON アライブフーン コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
少年まんがっぽい
予告からは全然期待してなかったのに、めっちゃ楽しかった!
青春&天才の快進撃という、少年マンガの王道のまんまな原作があっての実写映画に見え、まるで「しげの秀一のまんがかよ」とツッコミたくなりつつ(でも映画オリジナルらしい)。
正直いろいろ問題点はあるものの、そこも含めて楽しめました。
この作品の素晴らしいところは、eスポーツも、実車ドリフト競技も、相互に高め褒め合っていて、貶めていないこと!
(eスポーツを馬鹿にする発言のキャラが何人か出てくるのだが、みな主人公にやっつけられて、逆に味方になるというベタ展開)
そして、舞台になる福島の風景の美しさも表現していて。
さらに、素晴らしい実車レースのカメラワーク。
おそらくGoProやスマホなどのカメラを使い捨てるように足元に置いて、車に刎ねさせたり轢かせたりする前提で撮影してました。
テレビカメラや観客席からでは絶対観られない、低視線のカット。
タイヤカスが舞い、タイヤがカメラを踏みつけていく。
何回か、「俺轢かれた」と思うようなカットがありました。
先に書いた問題点ですが、たとえば初めて走るはずの侵入禁止エリアの私有地にスタッフの練習でついたタイヤ跡が残っているとか、本物のレーサーやエキストラたちの演技が棒だとか。
あとは、ドリフトの勝敗ポイントがわかりにくいとか。
そんな多少の(いやかなりの)欠点について、スルーできるか納得できないかで、評価は分かれそう。
私は元々全然期待してなかったことに加えて、「まんがだ」「バカ映画だ」と思って、知性(リアリティライン)をちょっと下げて観たのがよかったのかも。
解説者たちのシーンは、実写『ドカベン』『野球狂の詩』『サーキットの狼』などを思い出しました。