ケイコ 目を澄ませてのレビュー・感想・評価
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ゆきのちゃん、凄い女優さんだわぁ
なんだか、ドキュメンタリーを観ているようでしたね。
帽子ひとつとっても、リアルというか。
下町風情の昭和感にほっこりしながら
純粋に岸井ゆきのちゃんがボクサーに見える、、
耳が聞こえないというハンデも演じて、
凄い、、っていう女優魂に感激でした。
もうちょっとだけ、ドラマチックな展開が
欲しかったけど、、。
また彼女の芝居、観たいです。
久しぶりの三浦友和さんもキラリでした!
2本立て2本目。マニアック臭漂う作品。 オープニングタイトル、BG...
2本立て2本目。マニアック臭漂う作品。
オープニングタイトル、BGMがほぼなし、カメラワーク。悪く言えば低予算臭も漂う(笑)
聴覚障害女性ボクサーの悲哀。岸井ゆきのは頑張っていたが、あまり大きな事件はなく、お子ちゃま脳の私には今一つ。様々な映画的技法が駆使されているようだが、そんなことはお子ちゃま脳にゃ、知ったこっちゃない(笑)
ラスト、ケイコはボクシングを続けるのか?まあ別にどっちでもええけど…とか思ってたら、おいおい、そう来るんかい。責任持って描けよ!フランス🇫🇷映画か!そしてこういう作品は高評価なのだ(笑笑)
「そば煮るね」以来の岸井ゆきのさん、好きです。
岸井さん、すごいですね。
決してかっこいいファイトとは言えませんが、倒されて向かって行く時の前のめりの姿がよかったです。
「百円の恋」や「レッドシューズ」でかっこいい女性のボクサーの姿を見たので、減量の反対に、この役のために太ったという岸井さんの猫背の歩き方、まさにノーメイクの表情などに圧倒されました。
最後の終わり方も好きでした。
助演男優賞
岸井ゆきのは勿論素晴らしかったのですが
佐藤緋美に助演男優賞をあげても良いと思いました!!!
岸井ゆきのが好きなので、公開前から気になっていたものの、近所の映画館では上映せず…少し遠出して鑑賞しました。
遠出しても見る価値ある作品でした!
やっと見ました主演女優賞
こんだけ映画見てて主演女優賞を見てなかったのはよろしくない。基本喋らない役。表情でよく表現できますな。ラストシーンとか。さすが。ストーリーはやや地味というか。味わう感じの映画ですな。
静かに流れていく川の如く
思ってたより平穏な映画だった
流れる川のように、
感情が揺れているうちに、
人生の時間が過ぎていく
時には石にぶつかって急流になったり、
時には落差を感じず流れていくのをやめそうになったり...
それでも川がちゃんと見ている
この世界のこと、川沿いの景色
静かで力強いようで。
私はこの映画,好き
主人公ケイコは
無音の中に生きているのに
映画を見る私には
紙に鉛筆で何かを書く音,お茶をすする音など
いろんな音がしっかり聞こえてきて
私たちは普段いろんな音の中で生活し
情報を受け取っているんだということに
改めて気付かされた。
ケイコはアウトプットも困難が伴い,
自分の得意な言語である手話を通して
自分の気持ちを思うがままに語り
意見をもらえる相手は
家族以外では
分母が少ない上に限られている。
人とのコミュニケーションが
うまくいきづらいケイコだけれど
言葉を超えて心が通じ合う人たちや
大好きなものに
出会ってしまったんだろうと思う。
それがジムの会長を初めとするジムの人たちで
ボクシングだったから
練習にのめり込んだし
ホントは休みたかったのに試合にも出場した。
最後のシーンの
相手ボクサーの言葉を聞いて
相手を尊重しているからこそ
殴ったり殴られたりするボクシングは成立するし
弟さんが言っていたように馬鹿らしいものでなく
尊いスポーツなんだと私も思えた。
きっと
ケイコもボクシングの尊さを感じられたからこそ
また,縄の音が聞こえてきたのではと思った。
それにしても
三浦友和さんは
嫌な顔つきにならず
綺麗な心が映し出されたような
お年を召され方で
画面に清々しさを生み出すいい俳優さんだと思う。
静かな映画
ここ数年で観た映画で一番静かだと思った。
諸々説明しすぎない、主人公の気持ちは少しの会話と日記のみ。言葉では。あとは表情だけ…すごい役をされているなあと思った。
ボクシングに詳しくないので、ボクサーも殴られるのは嫌なんだってシンプルに驚いた。プレッシャーや怖さとかとんでもない負荷なんだろうなあ…
逃げ出したいと思いつつも立ち向かう、人間味があって、かっこいい主人公だった。
渋い渋い渋い、渋過ぎるだろ!でも俺は好き
1941年から続く古いジムに所属し、難聴だがプロボクサーをしている小河恵子の、2020年12月から2022年3月までを描いた映画。演じるのは岸井さん(ゆきの)。
まずオープニングのジムの鏡で見せる背中。そしてコンビネーションでかわしては次々と打ち抜くミット。その心地よい音。
これだけの描写で、真面目に練習する、強いボクサーを表現しきる。うわ、かっこいい!!
鍛えたなあ、岸井さん。素晴らしいよ。
ボクシング雑誌のインタビューにジムの会長が答えて言う。
「聞こえないことは苦労じゃないかって? 聞こえないんだよ、レフリーの声も、セコンドの檄も。でもあの子は目がいいんだ。じ~っと見ている。・・・苦労じゃない」
「ボクシングする理由? 子供の頃いじめられて反動でぐれたって言ってたなあ。ボクシングしているとさ、頭が空っぽになるんだ。それがよかったのかな?」
「才能はないね。小さい、リーチがない、スピードもない。でも、人としての器量があるんだ。素直で、そう、まっすぐで...」
この映画の根底に流れるのは「硬」 な感じ。「硬」で「普通」な感じ。
繰り返し映し出される川。大してきれいではない、いや汚いといった方がおそらくあっている川が。そして電車の音。まさに下町。
「あしたのジョー」 の丹下ジムは山谷のそばの泪橋のたもとにあった。貧乏な中から、という話だった。一方、本作には貧乏といった表現はまったくない。舞台となっている荒川ボクシングジム(拳闘?楽部?)だって練習生は減っていくけれど、貧乏だと言う表現はない。ケイコの暮らしはけっこうこぎれいだ。
それでも、ボクシングと汚い川はよく似合う。下町が合う。なぜだろう。きっと、ボクシングも 「誰でもできる競技」 だからじゃないかな。サッカーと同じだ。誰でもできる? そうか? 劇中で弟が語るように 「殴り合うなんて信じられないよ」が多くの人の気持ちだろう。でもボクシングは誰でも始められる。これもまた真実だ。月謝握りしめてボクシングジムの扉を開ければ、誰でもボクサーだ。
だからこそ下町が似合う。荒川が似合う。(蒲田も、また似合う)
淡々と、ひたすら淡々と描かれる毎日。同じ場所、仕事、練習の繰り返し、繰り返し、繰り返し。
なぜ俺はこの映像に飽きないんだろう。ジムに行く短い階段。しばしたたずむケイコ。
ケイコの日常とボクシングが繰り返される映像。なんでもない絵。そして背景音。自動車の喧騒、電車の音、人のざわめき。
終盤でジムの会長夫婦が読むケイコの日記のモノローグ。「〇月○日、ロード〇km、シャドウ〇セット、サンドバック〇セット、ミット〇セット。もっと踏み込まないといけない」、「〇月○日、ロード〇km、シャドウ〇セット、サンドバック〇セット、ミット〇セット。△□×のコンビネーションを教えてもらった」 なんでだろう。日々の練習を淡々と振り返るモノローグを聞いていたら、ふと涙が出た。
ジムに入れば、ロープの音、ミットの音、サンドバックを叩く音。
この、"まったく何も起こらない99分の映画" のエンディングで感じる一筋の希望というか光。ふとしたことで、再び走り出すケイコ。そして、かすかに聞こえるロープの音を背景に閉じるスクリーン。なんてかっこいいラストなんだろう・・・
「百円の恋」の安藤さん(サクラ)、本作の岸井さん(ゆきの)。二大巨頭だ。
おまけ1
観終わったときに俺が感じたのは感動。しかし一方で感じたのは 「こんななにも起きない映画を、わざわざ観る人って多いの?いるの?」だ。しかし、ここのみんなのレビューみて、驚いた。なんだよ、みんな絶賛じゃん!!心配する必要、まったくなしじゃん! いやお恥ずかしい。
おまけ2
前半、街中で流れる放送の声 「不要の外出を自粛してください... 手洗いの徹底、マスクの着用をお願いします」。これが、この時代を象徴する 「街の音」 になるんだなあと、コロナの出口に近づいた今、ふと変なところで感心した。
おまけ3
をを。"電気ブラン" の神谷バーだ。浅草だなあ。
2023/4/1 追記
光陽さんのレビューを読んで気づいた。岸井さん、セリフないんだよね、当然だけど。演技だけで見せてたわけだ。やはり凄いな。(ということに気づかず観ていた自分も、ある意味ですごいな…あきれ…)
2023/5/6 追記
Uさんのレビューを読んで気づいた。
河原での3人でのシャドウのシーン、よかった。弟の彼女がダンスを教えるのも含めて、自分も好きなシーン。
人が共に近づき合うやり方って、こんな感じもあるよね〜、とすごく腑に落ちる場面でした。言葉じゃなくて、身体の動きをやりとりしあって、また一つ仲良くなっていく、という点が素敵でした。
生きるというのは・・・多分こういうことだよな
映画,テレビで最近聴覚障害者の世界をテーマにしたものが多く制作されています。私もCodaや、silentにはかなりはまった口です。何故なのかなと考えましたが、多分音で表現されるセリフというものが少ないので、その分観客は否が応でも映像や効果音のつながりに集中せざるをえず、それが心にダイレクトに染みこんでくるからなのかもしれないと思いました。
かつてのサイレント映画の魅力はそうしたところにあって、中には、あえて「浮き雲」のように、セリフを極端に少なくして成功している映画もありますが、身体的条件としてそうせざるをえない場合と、そうでない場合とでは、むしろ自然さという意味では前者のほうに分があるようにも思います。
本作でもそうした特徴がよく生かされていて、ケイコが無言でひたすらサンドバックを叩き続ける音が、脳裏に焼きついて離れません。いろいろな思いがこみ上げてくる場面では、思わずもらい泣きをしてしまいました。
実話をベースにした作品。
そして、誰かと闘うということではなく、自分自身と闘ってゆく、それが多分人が生きてゆくことなんだろうなと、改めて思わせてくれる作品でもありました。
人間としての器量
昭和の面影が色濃く残るボクシングジム。
会長は、ケイコについてこう語る。
「彼女には人間としての器量があるんですよ。素直で率直で。凄くいい子なんですよ」
才能とか素質はないと言う。
器量という言葉の意味に従えば、ボクシングにふさわしい能力や人徳があるということか。
耳が聞こえないというハンディ。それを克服して不屈のボクサーになったという話ではない。
さして強くもならないしさして弱くもならない。
勝った負けたではなく、楽しい苦しいではなく、笑いも涙もない。
素直で率直なケイコ、会長、トレーナーの三者の信頼関係を、カメラはただひたすら追う。
居場所を与え合う、彼らの心の鼓動だけが、ずっと波打っている。
「私映画が好きなんです。まだ上映されてるのでぜひ観てください」
ケイコ(岸井ゆきの)は、日本アカデミー賞の授賞式で、のらりくらり語った。
そこに、素直で率直なケイコの意気地がよぎった。
一人の人間の揺れ、ただそれだけを描く覚悟
ケイコという一人の人間の感情に焦点があたる。そこにあるものをありのままに映し出す。誇張しない。感情を誘導されない。障がいを持つ人がプロボクサーになる成功を描いたドラマチックな作品ではない。その物語のピントの当て方に覚悟を感じる作品だった。
ケイコは耳が聞こえないし、しゃべらない。だけど岸井ゆきのが表現する目や手話だけで揺れを描くことが成立していた。
リズミカルな音がクセになる冒頭のミット打ち。数分見ていられる画があの音と動きでつくり出される。劇中音楽は流れない。ミットを打つ音、電車の音、ペンを走らせる音、際立つ環境音。フィルムの質感や画の切り取り方もよかった。
言葉を発しないケイコの感情を追いかけたくて、目を澄まして彼女の目を見てしまう。
周囲に「強い」と思われていることとは裏腹に、ケイコの繊細さを垣間見ているという時間でもあった。弟の交際相手の自分への無関心さに釈然としない、母の一言にひどく動揺する、ジムの危機には心ここにあらず。退こうにも会長のある姿を見てすぐに揺れてしまう。これらのシーンに感情の説明もなければ言葉もないはずなのに。
徐々に浮かび上がってくる会長(三浦友和)とケイコの関係性と、その描き方がすごく好きな作品だった。
心で繋がっているのだと、言葉がなくとも。
最後がまたいいのよねー
ケイコにもハンデがあって、勿論一生懸命人生を闘っているのだけど、相手も同じなんだと気付かされる最後がー
鑑賞して3ヶ月くらい経つが、何故か主人公同等かそれ以上に三浦友和が印象に残っているんだが、シブいからか〜
あまりにも期待外れでショックだった
アカデミー主演女優賞を受賞されたと知り、勇んでわざわざ銀座まで観に行ったが、
あまりにも期待外れで腹が立ちショックだった。
話題作はひと通り親子で観に行く映画好きだが、これはあまりにも酷い!!
感動する前にいきなり終わった。
寝ないでピークを待ってたのに、さらっと終わった。
え?終わり?!と思わず声が出て呆気にとられた。
確かに岸井さんの演技は、ひたむきなろうあ者を演じ、プロボクサーとしての役作りは大変であっただろうことはわかる。三浦さんも安定の名演技である。
だけど、本当にそれだけ。
これは、ろうあ者で女性プロボクサーである女性の日常を、ただただ90分観せられたドキュメンタリー映画に過ぎなく、結局なにを言いたいのかも薄すぎる。
大概の映画を簡単に感動する娘ですら、時間が勿体なかったと、呆れていた。
90分なのに長く感じた。
なぜそこまで評価される映画なのか、逆に不思議でたまらない。
これなら「ラーゲリより愛を込めて」を何十回も観るべきだった。
あちらは脚本も主題歌も俳優の名演技も全てが圧巻であり素晴らしかった。
北川景子さんこそ主演女優賞がふさわしい。
偽りのない映画作り
劇伴音楽が全くなし。
画面から聞こえてくるのは、電車の音、車の音、パンチング・ボールを叩く音、ミットを打つ音、弟が奏でるギターの音、携帯の着信音、周りの人の会話、自らに話しかけられる言葉、、、、、。
そのすべてがケイコには聴こえない。
淡々と丁寧に描かれる、そして終盤の試合。
セコンドの指示、レフェリーの呼びかけ、カウント、ゴングの音。そのすべてもケイコには聴こえない。
聴こえない者にとってボクシングをするということがいかに大変なことか。
そして、全部聞こえている岸井ゆきのにとって聴こえない主人公を演じることがいかに大変なことか。
会長役の三浦友和も、トレーナー役の三浦誠己も、ボクシングジムの会長とトレーナーにしか見えない。
偽りのない人たちの、偽りのない人生が、偽りなく演じられ、偽りなくスクリーンに映し出せされる。
こうして真面目に作られた作品が高く評価されるのは嬉しい。
会長の妻役の仙道敦子がケイコの日記を読むシーン。
この美しい声での朗読を聞かせるために、久々にひっぱり出されたのだろうか。
昨年公開されたメーテレ制作の作品、すべて良い作品だった。もっと宣伝すれば良いのに。
(朝夕の情報番組もメーテレばっかり見てるけど、ほとんど自局制作のことに触れないなぁ)
雄弁な映画 岸井ゆきのあっぱれ
監督三宅唱
岸井ゆきの
三浦友和
聴覚障害のケイコ…プロボクサー人生と闘う。
聴こえないということは良く見ているということ。
目を澄ませて、周りの全てを見ているから
人は自分の偏見や思いやりのなさ…自分本位な心の在り方が露わになってしまう。
知らない世界を持っている人、自分との間にそれが障害と怯んでしまい、想像がついていかず気後れして踏み込めない…でも素直に見つめて踏み込むなどと気負わず軽いフットワークで伴走出来たら良いな。
岸井ゆきのが圧倒的。
ボクシングのコーチとパンチングが鮮やか、研ぎ澄まされた身体は美しい。
#刈谷日劇
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