リコリス・ピザのレビュー・感想・評価
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好きでもないが、嫌いでもない。
映像、音楽、キャスティング、その醸し出す雰囲気。
どれもが、なかなかのクオリティだと感じたのですが、
肝心のストーリーが、いまいちいいと感じませんでした。
主役の二人は個性的でいいと思うのですが、
感情移入できないな、こういう設定では。
でも、不思議な魅力を持った作品だと思います。
トムウェイツ、年とったねえw
ホームビデオ
時間とお金は有限。
選択をまちがえると、こんな気持ちになるのだと教えてくれる映画です。
業界では高い評価を得ているようですが、どの評論家・映画人が高評価を与えたのか、公表してもらいたいものです。今後、見る映画を選ぶのに、とても参考になるはずです。
134分、貴重な経験でした。
ちょっといびつな男女のラブコメディ
時代背景(1970年代)も含めてなんか懐かしい青春ラブコメディ。PTAとしてはお気楽な方に入るかな。クスリと笑えるセリフが多い、切れのある脚本で楽しめました。
あまりに似ているから本当の姉妹かと思ったら、思った通り姉妹でバンドを組んでいるミュージシャンだったのね。
ぽっちゃりのモテ男ゲイリー君、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子なんだね。いいじゃん。
ポップでキュートでイカしてる
全体的に街並みと音楽とテンポがとてもポップで見ていて楽しい。
最初は立場や関係性がよくわからなかったが、個性的なキャラクターが活躍しているのを観ているだけでも楽しい。また、主人公とヒロインの年齢がアンバランスなのが珍しい。
ただ、大きな波はなく、恋愛映画ではあるので、ちょっと退屈はしてしまった。
2023年劇場鑑賞13本目
ストーリーがどこに向かうかわからない。 何かどんでん返しがあるのか...
ストーリーがどこに向かうかわからない。
何かどんでん返しがあるのか?と思いきや、何も起こらないといえば起こらない。
しかし、なぜか心地よい余韻が残るのは何故なのかー
Jewish nose
haimというガールズトリオをyoutube動画で知っていた。
エロス資産を活用したあざといPV群をいくつか見たことがある。
見た目も楽曲もキャッチーだがハーモニーを削いだWilson Phillipsという感じ。
無駄にエロい姉妹──という印象だった。
その末っ子Alana Haimが、役名もAlanaで出ている。
じぶんがhaimから選ぶならブルネットのDanielleか大柄なEsteを選ぶだろう。
が、ポールトーマスアンダーソンはいちばん小さいアラナを選んだ。
慧眼だった。
アラナ・ハイムに惹かれる映画。
洋化したけれど対称を欠いた浅田真央──みたいな顔立ち。
垢抜けず、歯並み矯正もしておらず、しみそばかすも隠さない。
英語wikiの「Jewish nose」(ユダヤ鼻)にはバーブラ・ストライサンドとアラナ・ハイムの写真がある。
見本になるほど典型的なのだろう。
映画の中でも“very Jewish nose!”と言われていた。
民族をアイデンティファイする鉤鼻。
普通で自然でオーラも見えない。
なのに、なぜかすごくそそる。
なぜかすごく懐かしい。
さすがポールトーマスアンダーソンだった。
もともとアラナ・ハイムを念頭にあて書きされた脚本だそうだ。
レトロなので回顧録のような気がしたが伝聞などを継ぎ合わせたオリジナルストーリーとのこと。
重い、どっしりした映画をつくるポールトーマスアンダーソンだが、リコリス・ピザは軽快でノスタルジック。
語り口もエピカルでなく、ざっくりの羅列になっていた。
──
大きくなりすぎた子役ゲイリーと撮影アシスタントのアラナ。
ふたりが近づいたり離れたりしながら色物から色物へ商魂たくましく泳いでいく──という話。
はっきり言ってかれらが何をしているのかさっぱり解らなかったw。
それでも映画には説得力があった。
監督の盟友で夭逝したフィリップシーモアホフマンの息子がゲイリー役。
ふたりのういういしさがいちばんの見どころだったが、おそらく、この映画でもっともこだわっていたのは、ラブアンドピースな時代性を反映したアラナの緩すぎる服装だったと思う。きょうびB地区が立っているのはhaimのPVか、エロス資産利用のTiktokerくらいなもんだろう。けっきょく監督の発想のスタート地点もhaimのPVだった──のではなかろうか。
live and let live(お互い邪魔せずやっていく)
シスターフッド・ムービー『ラストナイト・イン・ソーホー』のインタビューで監督エドガー・ライトはこんなことを語っていた。
「この映画は、バラ色のレンズで過去を振り返ることへの反論です。完璧な10年なんてありません。どんな形であれ、“古き良き時代”があるという考えは誤りであり、これまで見てきたように危険なものです。過去を夢見て過度にノスタルジックになることは、現代からの後退であり、現代に対処できていないのかもしれません」
PTAの最新作はこのライトの発言に対するさらなる反論といってもよい内容になっている。
25歳の年上女性と15歳の年下男性とのつかずはなれずな関係を描いたラブストーリーは、70年代LAはサンフェルナンド・バレー(PTAの地元)への甘きオマージュに満ちているからだ。ジョン・ピータース(ブラッドリー・クーパー)やジョエル・ワックス(ベニー・サフディ)の実在人物と、実在の人物(ウィリアム・ホールデン、サム・ペキンパー)をモチーフにした架空登場人物のエピソードが虚実ないまぜに語られている。
映画には登場しないものの、映画タイトルの『リコリス・ピザ』は、サンフェルナンド・バレーにあった実在のレコードショップ・チェーンからいただいているそうで、LPレコードの隠語にもなっているらしい。若くして商売上手なゲイリーと運転上手?なアラナは、恋人同士というよりはビジネス上の良きパートナーといった感じで、そんな2人がレコード針とレコード盤のようにくっついたり離れたりを繰り返す物語なのである。
何せ10歳の年の差がある2人、ティーンの子役としてのキャリアをもっているゲイリーと付き合うなんて現実的に考えればどうかしている、とアラナ自身疑問に感じている。よってサンフェルナンド・バレーをよなよな徘徊している有名人にすり寄ってちゃんとした生活?を送りたいとも願う、(現実と夢の間を行き来する)ちょっと精神不安定気味な女子なのだ。このあたり、年に似合わず地に足がしっかり着いているゲイリーとは非常に対照的に描かれており、ある意味年齢差を利用した反フェミニズム的ストーリーになっているのである。
ウォーターベッドにレンタサイクル、ピンボールマシン専門のゲームセンター....まだまだ子供のお遊びのような幼稚なビジネスだけど、夢があっていいじゃない。社会で既に成功をおさめているピータースのようなダラちんマウント男とは違って、僕は君のことをこんなに純粋に愛しているんだよ。(仲違いしていたジョンへの和解を呼びかけた楽曲ともいわれる)ポール・マッカートニー&ウィングスの“Let Me Roll It”にのって、離れ離れになっていたゲイリーとアラナはラストにめでたく結ばれる。
過度にノスタルジックになって何が悪い。現代からの後退?バカいってんじゃねぇよ。パンデミックでむやみやたらな接触が憚られる時代だからこそ、つかずはなれずの(007のボンドのように走ってばかりの)ベタなラブ・ストーリーが逆に必要なのさ、フェミニズムで男女の対立煽ってどうすんねん。そんなPTAのマスク越しの声が聞こえてきそうな1本なのです。
楽しくて爽快なPTA作品
ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作は、1970年代を徹底的に描こうとする心意気が伝わってくるロマンティック・コメディ映画。
1970年代の西海岸として映る自動車・ファッションなど「よくまぁ、これだけ当時の物を揃えたものだ…」と思ったら、撮影機材なども当時の物にこだわって製作したらしい。
物語は、高校生15歳のゲイリー(クーパー・ホフマン)は俳優として活躍していたところ、アラナという25歳の女性(アラナ・ハイム)が現れて、ゲイリーは惚れる。
しかし、アラナは10歳下のゲイリーを子ども扱いする。そして、ゲイリーもアラナも互いに一緒に行動したりしながらも、他の異性に心揺れたりするのだが……という割と王道っぽい恋愛もの。
とりわけ印象的だったのは、ゲイリーがウォーターベッド展示会場で警官に突然逮捕されて連れていかれて、そのあとゲイリーとアラナが二人ならんで走る場面。
心地よい爽快感。
また、本作では色々な曲が流されるが、ジャック・ホールデン(ショーン・ペン)がアラナをバイクに乗せて走るシーンの後に流れる曲「♪Let Me Roll It」(Paul McCartney & WINGS)が、とても雰囲気良い。
この映画で初めて見たアラナ・ハイムという女優はそれなりに綺麗、クーパー・ホフマンは何とあのフィリップ・シーモア・ホフマンの息子ということで本作を観ながら「やっぱり、似ているなぁ…」と思った。
なお、DVD特典映像として「未使用シーン(削除シーン)」は少し過激な下ネタなどがあったりして、「NGシーン」は撮影現場が楽しくて笑っちゃったりした場面などが面白い。
また、撮影現場を映した写真では「本編映像に映る登場人物以外の俳優全員、スタッフ全員がマスクをしている風景」が写されていて、「コロナ禍での映画撮影は大変。しかも、本作は大勢が集まる場面もあり、さぞ気を使って撮影したのだろうな」と思う。
なかなか楽しくて、観たあとも心地よい素敵で楽しい映画だった。
何でも「はい、出来ます。」
リコリスもピザも出てこないようだが、15歳男と25歳女の恋愛話。
彼らはくっ付くようなくっ付かないような。
騒ぎ立てないコミカルを折々にはさんでいて面白い。
良い点
・2人の才能
・ユニークな脇役たち
・言葉最小限の脇役たち
・逮捕や電話対応など
悪い点
とくになし
その他点
・巨人である
リアリティーのある青春映画
おバカでお下品な青春が描かれていて好感がもてました。
アメリカで青春時代を送るのもけっこう大変そうですね。
それにしても妙にリアリティーがあるなぁ、この映画。
ストーリーがいきいきとしている。物語に血がかよっている。
僕自身の無節操で無軌道な恥ずかしい青春時代を思い出したりもしました。
新鮮な感覚の、風通しの良い作品という印象を受けたけど、迷走するストーリーに戸惑い、後半は「彼らは、いったい何がやりたいんだ?」と少しダレてしまった。
たしかに観るひとが観れば、かなり楽しめる「つう好み」の作品かもしれません。
好感はもてたのだけど、込み上げてくる感動のようなものはありませんでした。
でもいい映画だな、うん。
大好きなドアーズの曲を久しぶりにスクリーンで聴けたし。
タイトルの意味するところは? と、調べてみたら……そりゃ、わからんわ。
トラックのシーンが好き
観た後にじわじわと良かったと思えてくる映画。
トラックのシーンが見たことない映像で好き。
うっかり28と言うところも可愛い。映像と相まって、帰りに誰の曲か検索するぐらい曲がめちゃくちゃ良かった。デヴィッド・ボウイのLife On Mars?
“〇〇好き”のハードルの高さとは
今回は絶対に嫌われる、凄く上から目線の発言になってしまっています。
“〇〇好き”と人は簡単に言ってしまいがちですが、マニアとオタクとかになるとそういう発言に厳しい側面があり、単に好きではなくもう少し深く考察したり独特の感性で捉えられる人の事を“〇〇好き”と認めたくなります。
映画好きも同様で、単一の国・作家・ジャンルだけでなく様々なタイプの作品に対して興味を示さなければマニア、オタク、シネフィルと呼ばれる人達は、内心映画好きと認めていない様な気がします。
そういう意味では、本作は映画好きのリトマス試験紙の様な作品に感じられました。
それだけ映画好きの中には熱烈なファンがいる、映画通に愛されるクセ者監督、ポール・トーマス・アンダーソンの作品であり、まあ私も過去作品は嫌いではなく(爆)、でも大好きと言うにはちょっと気恥しい監督。何故なら、感動はしていないし本当に理解できたかどうかも自信がなく、本作も同様にそんな作品でした。
早い話、にわか映画ファンには敷居の高い、作家性の強い監督であるということです。
何故リトマス試験紙なのか?を、本作でもう少し具体的に列記すると、まず1973年のLA郊外を舞台にしているという時点で、世代ネタやローカルネタが満載であり、この時点でその時代や土地に興味のない人の半分は置いて行かれます。
そして本作、一貫しているのはただ主人公二人の恋の行方となるのですが、その合間に様々なスケッチやエピソードで綴られてはいますが、各々のエピソードにオチは無く、そちらに意識を持っていかれる恐れがあります。
本作の場合、娯楽映画で大衆が喜ぶであろうセオリーは完全に外しているので、ここでも残りの半分は脱落するのでしょうね。
更に追い打ちとして、主人公達が王道の青春・恋愛映画の美男美女でなく、キャラも分かり難いし癖も強いと来ているので、ここでまた残りの半分が消えて行きます(笑・笑)
ここまで来てこの映画をまだ面白い、楽しいと感じられる人は、作家映画独特の感覚に対応出来る人達なのだと思います。
外面がどんなに個性的あっても、その本質を捉えられる能力や感性は、幼少から十代であっても感覚的に理解できる人達と、一生解らないままの人達とに(残酷なまでに)別れてしまいます。
ポール・トーマス・アンダーソンの作品に限らず作家性の強い監督作品を鑑賞する場合は、まずそうした事を念頭に置いた方が賢明だというお話でした。
本作の内容そのものも、今まで述べた「心の奥からの好きとは?」という事とかなりリンクしていた内容の様に思えました。
置いてけぼり感も
まず、ボーイミーツガールのお話だけど、15歳の高校生と25歳の女性という組み合わせがユニーク。主役のクーパー・ホフマンは、顔つき・体つきもお父さんを思い起こさせ、少年っぽさを持ちつつ、ふてぶてしさ、貫禄めいたものを感じさせて独特の存在感。相手役のアラナ・ハイムの両親・姉妹とも本物が出演していたとのことで、結構際どいユダヤネタも許されていたのだろう。
ただ、いくら子役で稼いでいるとはいえ、15歳でウォーターベッドやピンボールのビジネスを始め、たばこを吸い、車を運転するというのは、感覚的にちょっと付いていけない。モデルとなる実在の人物がいるそうだが。
S.ペン、T.ウエイツ、B.クーパーといったカメオ出演者もそれぞれ実在の人物をモデルにしていて、登場シーンでは、異様な存在感と画面の緊迫感があるが、そのシーンが終わると、一体何だった、と置いてけぼりな感じもしてしまう。
一つ一つのシーンごとには強烈なイメージを喚起するものの、映画全体としては掴みどころがない、というのがP.T.アンダーソン作品全般に対する個人的な感想。その中で「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は凄かったけど。
70年代のLAが舞台。いつピザ屋が出てくるんだろうと思いながら観た...
70年代のLAが舞台。いつピザ屋が出てくるんだろうと思いながら観た人は僕だけではないはず(笑)。
きっと当時のLAを知る人が観たら堪らない作品なんだろうなと思い、タイトルの意味も知りたくてパンフレット購入。映画に出てくる地名や店名、監督のこの映画にかける思いなど知ることが出来、改めてもう一度観たくなった。
予定不調和な恋物語
恋ってエゴのぶつかり合い
自分の気持ちが100%わかってる人なんていないから、瞬間の煌めきに、胸が熱くなる
若い二人がとんでもなく生命力に溢れて、疾走するシーンが眩しくて仕方ない
ベテラン勢のはしゃいでるような存在感を小道具にしてしまう、凄い監督!
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