連鎖のレビュー・感想・評価
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【“友達だよね・・”お互いに孤独な知的障碍者の男と愚かしき両親を持つ少女との束の間の友情。だが、誤解から負の連鎖が始まって・・。今作は、余りにも、切なすぎる物語である。】
ー 孤独な知的障碍者のソック(キム・デミョン)と愚かしき両親の元から、村のエステル青少年シェルターに逃げて来て、実の父を探す、少女ウンジ(チョン・チェウン:切れ長の綺麗な眼が印象的)は、村祭りの時に、ウンジが財布泥棒に疑われた時に、7ソックが犯人を捕まえた事から、仲良しになる。ー ◆感想<Caution! 内容に触れています。> ・前半は、ソックの姿や彼を見守る優しき神父の姿をコミカルに描き出す。ソックと仲良しになったウンジも愚かしき両親から逃げてきた事もあるのか、楽しそうだ。 ・だが、ある雷鳴が轟く夜に、精米所を営むソックの家にいたウンジは、感電してしまう。帰って来たソックは必死に介抱するも、その姿を青少年センターのキム先生に見られてしまう。 ー キム先生は、善人なのだが、心のどこかで身体は大人のソックとウンジの関係性を危うく感じていたのであろう。- ・ソックは性犯罪者として、拘束されてしまう。村のソックの仲間達も、彼を偏見の眼で見るようになっていく。 ・ウンジが入院時にソウルに居た母と義理の父がやってきて、無理やり連れ帰ろうとするシーンには、脳内で怒りが沸騰する。 ー ウンジの母親は、キム先生が連絡を取った時も”私の手に負えないから・・”と引き取りを拒否している。又、一見温和に見えた義理の父の腕には、入れ墨が・・。ウンジが逃げて来た理由が垣間見える。- ・ソックは2度、ウンジに会いに病院へ来るが、一度目は捕まり、接近禁止令が出てしまう。だが、それが理解できない彼は2度目もやって来る。そんな彼にウンジが言った言葉。”友達じゃない!”ソックを想っての言葉であるが、切ない。 ・その後、ウンジの父はすでに亡くなっている事が描かれるが、この辺りは脚本が粗い。勿体ない・・。 <鑑賞中、何度も”ソックは、無実が明かされ、自由の身になりウンジと、再び友達になるんだよね‥”と祈る様に見ていたが、後半は、救いがなかったなあ・・。 辛い気持ちになってしまったよ・・。 世の、知的障碍者に対する偏見は、ナカナカ消えるモノではないのだろうなあ・・。> <2022年7月24日 刈谷日劇にて鑑賞>
意図的な連鎖に心は動かない
一番大事な罪を問う部分があまりにずさんだから、せつなくさせたい目的演出ばかり目につくんですよね。 あのシェルターの責任者の先生、あの人に子供は預ける気にならない。そもそも、あの先生が1番の問題であり全部の原因。だから、本作はまともに展開していかない。「勘違い」とか「取りちがい」とか、不幸な巡り合わせが招いた結果ではなく、そういう結果にしたいから周りがそう動いているとしか見えないのです。盗人騒動の件はそのままだし、匿ってる子供たちの管理方法も最悪だし(管理してないじゃん!シェルターなのに)、そもそもソックへの理解もなく感情論ばかり先行。教育者として失格でしょ?さらにさらに村の人たちもステレオタイプばかりで。そりゃ、そうなりますよねぇって感じ。 ラストも含み持たせてますが、お話が薄いから含むものないんだよな。 どうも感情を動かそうと狙っている韓国映画は苦手です。
(原題) 돌멩이
タイトル変更しないで欲しかったです…。 前半から後半への落差が凄すぎて本当に辛かった。説明できない本人を差し置いて周りの人達が勝手な判断を下して事態がどんどん悪化してくのが本当に辛かった…社会的救済がなくただただやるせなさばかりが残るラストでした。
ダンサー・イン・ザ・ダーク
韓国版ダンサーインザダークと言ったら言い過ぎでしょうか?
知的障がい者のソックが徹底的に不幸になっていく姿を描いており、主人公を演じたキム・デミョン氏の演技が素晴らしく、本当に健気でかわいそうで涙が出ました。
何も救われないし、おそらく彼は犯罪も犯しておらず、最後の終わり方はおそらく入水してその人生を終えたのだと私は理解しましたので、陰鬱な結末なのだと思います。
他の方が書いているように、社会的に障がい者に対してなんの救済もないのはおかしい、という点等、都合のいい脚本ではありますが、私は嫌いではないです。
が、見る人が見たら趣味の悪い映画であることは間違いありません。
負の連鎖にモヤモヤとイライラが止まらない
韓国社会にもソーシャルワーカーがいて、いろんな福祉行政が行われていることは知っている。どの程度のレベルなのかまでは知らないが。
だから、本作で知的障害のある主人公の周りで福祉の匂いがまったくしないことに強烈な違和感があった。仕事もしているし、地域社会に馴染んでもいる。「自立」していると言ってもいいかもしれない。でも、彼の生活を支援するのが教会だけってのはちょっと非リアルに感じてしまった。
そこに事件が起こるって展開なのだが、その前後を曖昧にしてるから妙なんだよ。大体、ウンジは感電したって雰囲気を出していたけど、そこはなんの問題にもならなかったのだろうか。首を絞められていたわけでもなく、外傷もないのに意識を失っていたんだよ。さらに性虐待ってことだが、本当に性犯罪であればいわば未遂に当たるんじゃないか。
それなのに、神父の許してやってくれないか?論と、所長の犯罪だから罰を受けてもらいます!論が争うのはどうにも居心地が悪かった。真相の周りでウロウロしているのは、本当にモヤモヤして、イライラする。
大体、精米所を売ってしまって(成年後見人だとしても問題)、収入源を絶たれどうやって生活させるのか神父の支援もまったく感じられなかったのも嫌なところ。同情するなら仕事やれ。
それでいて感動の展開が待っているわけでもないし、スッキリするわけでもない。なんなら、後味の悪い終わり方をすることもなかった。観ている側が戸惑う終わり方だった。観ている側に何を感じさせたかったのか?監督に聞いてみたくなる。
盛り込み過ぎ。消化不良。
演者の演技は皆素晴らしく、引き込まれた。
また、ドローンを使った撮影も迫力があり、韓国の田舎の素晴らしい風景は、田舎者の自分に郷愁を感じさせてくれた。
しかし、である。
知的障害を持つ青年と虐待(予想だが)を受けた少女が逆境に立ち向かう社会派映画?と思いきや、後半はミステリー要素も。しかも尻切れトンボな回収で幕引き。
この尺なら、的を絞ってもう少し丁寧にまとめられなかったかなぁと。
また、シェルターの所長の思い込みだけで重大事件化は釈然としない。前半では、ソックはウンジを性的対象と見ていないのに、カメラワークがそれを想起させるようなスカートの裾、素足をズームしてたり。後半は、ソックに懇意にしてくれていた村人達の手のひら返しも、余りに不自然。1番親切だった店主が何故か冷酷にソックを突き放し、印象薄い男性が庇っていたり、そしてそこに至る心情描写も希薄。
起訴されて以降は、これでもか!というくらいソックが阻害されるが、そこまで執拗に描く必要があったのかな?と疑問。
最後の30分で、何らかの形で救いがあるかと期待したが、それもなし。司祭の強い後悔と決意もソックとウンジを会わせただけで、その先が見えず、所長もウンジの事故の傷に引っかかりを感じた様子ながら、そこからスルー。
消化不良で終わってしまった。
原題は、石ころ、というらしいが、個人的にはそのままで良かったと思う。ウンジが大切にしていた石。そこにソックの絵を描き、ソックに渡す。それをソックは逆境の中で握りしめていた。
石ころみたいに社会で扱われる弱者が、厳しい環境下でお互いを大切な存在として慈しむ。そんなメタファーだと感じた。
ソックとウンジ
ウンジは、性格キツかったけど、ソックと仲良くなってからとってもいい笑顔でしたね。 14歳には、見えない。 とても仲良し! 性犯罪? 無罪でしょ!判決は、「接近禁止命令」? 裁判結果が不明です。 今の父親に問題があるのでは?狼の絵 パン美味しそうにいただきました。 ラスト、意味不明です。スッキリしない。 ソックとウンジ、仲良しで終わってほしかったです。
どういう筋で観たら良いのか本当によくわからないし、ここは「隣国の」日本です。
今年100本目(合計373本目/今月(2022年4月度)10本目)。 今年の記念すべき100本目で、まぁ「大怪獣~」クラスに積極的悪害があると思われる駄作とは言わないにせよ、これはちょっとなぁ…というレベルです。まぁ怒るというより「どうするとこうなるのか…」というところが多いです(映画をチョイスしたシネマートには責任はない。中をチェックして流す流さないをすると、結果的に検閲と同じになるため)。 8歳程度の知能した持っていない知的障害(とは明示的に書いていないが、知的か精神遅滞か)の方が色々なトラブルを起こし、さらにある嫌疑をかけられ…というお話。 問題はそこからで、色々な嫌疑を起こすと理由が何であれやはり(韓国が日本以上に、日本でいう東京や大阪のよな大都市が、ソウルや釜山など以外に少ない)事情もあり、いわゆる「村社会」といいましょうか、「閉じた社会」というものはあります。 そのため「障害者は●ね」といったポスターを張る人が出てきたり(余りに不穏当なので一部は自己規制しています)、さらには「障害者は信用できない」、「障害者は店に入ってくるな」という話すら出てきます。 しかし、映画の趣旨からいえば主人公は知的障害(か、精神遅滞)であり(このことについては、下記参照)であり、「障害者は~」といえば、日本では最も多い類型が身体障害であることは事実なので、配慮不足にも程があります。しかし、身体障害をお持ちの方は(私もそうですが)分別はつくので、ここで「身体障害を除く2障害(知的・精神)は来るな」なんていう字幕に書き換えたら、それこそ問題になります。つまり、ある程度嫌な気分になることはあっても、そのまま観るしかないのです。 さらに問題なのは本映画自体は作話の範囲ですが、日本でも実際に虐待事件や当事者の犯罪行為等が問題視されている(いわゆる、累犯障がい者の話ですね)ところ、そういう問題には今では行政・地域行政(特に、福祉行政)が入っていくのが当たり前の中、その話は「一切」出てこないという状況です。素人どうしでどうするんでしょうか…。そりゃ、ボーダーギリギリならまだしも、「8歳程度の知能は」は「中度と軽度」の境目ラインであり(日本の話)、これを民間でどうこう感嘆書がどうだの示談がどうだのという話をしても余り意味がありません。「餅は餅屋」というように、福祉行政等につなげるべきなのです。しかしそれらの話は一切なし。 もちろん、ここは日本ではないので日本と同じ制度がある国もない国もあります。しかし隣国の韓国は細かい制度は違っても(統治時代の影響もあるので)憲法や民法、裁判の制度など日本と似た文化を持っているところです。また「行政」という概念も明確に持っています(日本以外で、「行政書士」の資格があるのは、韓国と台湾(便宜上の国扱い)だけです)。にも拘わらず、作話の範囲でもこうした話は一切出てこず。 そうすると「知的障害の子を産んだ親は一生責任を取れ」「できるだけ長生きして子供が迷惑をかけないように見張れ」という話(なお、成年後見といった話も一切出ません)もなければ、単に「迷惑な人が迷惑な行為をやって示談だの何だのということを民間同士で書くだの書かないだの(示談なので、相手側が許すということが前提になります)という話をやったところで、もめている状況では(極論、弁護士の方を入れようが)無理です。強制的に示談や感嘆書を書けとまでは弁護士の方が「被害者の方に」強制できないからです。 そうであれば福祉行政などにつないで適切な処理を行政という国の機関が行うべきところ、そういう話は「一切もって」存在しないので、何をストーリーで述べたいのかまったくわからず…。しかもエンディングの終わり方も謎ですし…。せめて「本作品はフィクションですが、本国(韓国)では現在こういう取り組みがされています」程度出てくれば話はまだしも、それもないので、何をどう見るのかも怪しいです(さらに3障害全部一緒にされているなど、明確に配慮が足りない)。 ----------------------------------------------- (減点1.2) 正直、どうするとこういう作品にGoが出るのか…という印象です。もちろん、知的障害をお持ちの方の社会参加権等(憲法論ですね)をテーマにしたかったのは理解はしますが、辛うじて読めるのはそれだけで、憲法論をいくらかざしても仕方がなく、現場で実際に動いてくれるのは行政(特に、地方行政)しかありません。その話が一切出てこず民間どうしでやったのやらないだのという話を延々するのは、それもそれで「配慮が足りない」(まぁ、映画館という場所の性質上、「3障害ある」といっても、大半の方が身体障害であろうことを考えれば、「身体障がい者はそんなことしないぞ」という感想はあっても、字幕不足だなとは思えても、仕方ないなと理解できる)ところです。 ----------------------------------------------- ▼ この主人公について ・ 「8歳程度の知能」と紹介されます。日本では知的障害の手帳のみ都道府県基準です(身体・精神は国の基準があります)。多くの都道府県で「7歳6か月」で軽度・中度を分けているので(8歳の県も7歳の県もあります)、「やや中度よりの軽度ではないか」というところです(なお、重度というクラスは3歳児程度の知能(IQ19以下)で、「寝たきり」であることが大半なので、トラブルを起こすことが「逆にない」のです)。 もちろん、日本の基準が韓国にそのまま当てはまるわけではないですが、日本で軽度判定のものが韓国で重度になったりその逆も考えづらいので(IQ自体が世界基準だし、日本と韓国は隣国)、ある程度の推測はつきます。 そして、そうであるなら、(日本基準で考える限り)療育手帳(知的障がい者手帳)も撮れますし、福祉行政につなげる方法はいくらでも存在します。
信じるものは…
8歳児程の知能の知的障害を持つ30代男性の平和な暮らしが崩れていく話。 周囲の人達に愛され支えられ、達精米所を営みながら一人暮らしをするソックの住む村のシェルターに、父親を捜しているというやさぐれ家出少女がやって来て巻き起こるストーリー。 ソックとウンジが仲良くなり、共に行動することが増えていく中でトラブルが起こり、どんどんズレが大きくなって行くけれど、皆が皆話を聞かないし勝手に妄想して決めつけて、しかも裁判までって、ちょっとあり得なさ過ぎて、悲しさとか胸クソ悪さとか、そういうものを飛び越えて、そんなアホなと冷めてしまった。 まあ、流石は情治国家というところなのかも知れないけれど、それにしても極端なこと。 パンの件あたりから、持ち直すのかと思ったけれど何とも中途半端な回収で、全てキレイな終わり方が好みな訳ではないけれど、自分にはハマらなかった。
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