スパークス・ブラザーズ
劇場公開日:2022年4月8日
解説
「ラストナイト・イン・ソーホー」「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督が初めて手がけたドキュメンタリー映画で、謎に包まれた兄弟バンド「スパークス」の真実に迫った音楽ドキュメンタリー。ロン&ラッセル・メイル兄弟によって1960年代に結成されたスパークスは、実験精神あふれる先進的なサウンドとライブパフォーマンスでカルト的な支持を集め、時代とともに革命を起こし続けてきた。半世紀以上にもわたる活動の軌跡を貴重なアーカイブ映像で振り返るほか、彼らの等身大の姿にもカメラを向け、人気の理由をひも解いていく。さらに、ベックやレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、フランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノス、トッド・ラングレンなど、スパークスに影響を受けたアーティストたちが出演し、彼らの魅力を語る。
2021年製作/141分/G/イギリス・アメリカ合作
原題:The Sparks Brothers
配給:パルコ
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なるほど、面白い人たちがいたもんだと、不勉強な身としてはお勉強になりすぎないように楽しく教えてもらってありがとうございますという気持ちが一番大きい。ただ、じゃあスパークスの音楽に夢中になるかというと、そこは個人の好みもあってそうでもなかったりするのだが、全アルバムを端折ることなく伝えようというエドガー・ライトのコンセプトに飽きることなく付き合うことができた。いや、むしろ前期、中期、後期くらいに3つに分けて、ピーター・ジャクソンの『GET BACK』並に6時間あっても良かったかも知れない。しかしドキュメンタリー映画になる際に、監督が大ファンっていうのはアーティストにとって幸せなことだよなあ。 あの手この手でいろいろ退屈させないような小細工をしていて、それがうるさく感じられることもありそうなのに、スパークスへの愛情を疑ってしまう瞬間はどこにもない。まあそれもエドガー・ライトに気持ちよく転がされてるのかも知れませんが、観ていて気持ちのいい伝記ドキュメンタリーでした。
2022年11月19日
iPhoneアプリから投稿
Sparksはずっとイギリスのグループだと思い込んでいた。
理由は簡単で、独特のスレスレの気持ち悪さや、曲調。
それが素晴らしいのだけど。
ロサンゼルスのあの雰囲気の中で、こんなへんてこりんな世界を作り続けるそのブレなさに涙が出た。
変わらないブレない彼らの世界と思いきや、
皮肉たっぷりに曲を書いたり、
進化していくことをやめないその姿に心を打たれる。
こういう映画を観ると、そのグループの知られざる面が知れて、益々、彼らの曲を深く楽しむことができる。
観てよかった。
2022年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
アネットを鑑賞して興味を持ったスパークス。だってめちゃくちゃかっこよかったんだもん。それに知りませんでしたしね。興味倍増です。
監督が大ファンだそうですね。その雰囲気がなぜかバシバシ伝わってきます。みんなーこんなすげぇバンドがあるんだよー!って中学の時に友達が嬉々として教えてくれた時のような感覚にも似ているんですよね、あくまで感覚です。
現在進行形のバンドだからなのかな?アーカイブで固められたドキュメンタリーって感じじゃなくって、「スパークス解体新書」みたいな(笑)感じ。残念ながらスパークスの存在も知らず、音楽もこれまで聴いたことない僕にとっては素晴らしい教本であり新たな好奇心の種を拾った気がします。
このバイタリティと好奇心溢れる二人が作り出してきた曲や音楽スタイルには敬服しかないですね。彼らがいなかったら生まれていなかったスタイルがあるかもしれないって思えるほど。彼らの生き方自体がユーモアがあって軽やかでポップなんでしょうね。それが滲み出ている気がします。それがそのまま音楽のスタイル、ジャンルの広さ、アーティストとしての形を作っているのではないかなぁ?なんて思います。
本作ではアネットに行き着いた経緯が語られています。それは確か後半に出てくるのですが、もう納得しちゃいます。あぁ、そりゃやるよねぇって。全ての曲が好みにはならないかもしれませんが、きっと琴線に触れるものはあるはずです。色々聞き始めようと思ってます。ちなみにアネットのメインテーマは大好きな曲ですね。
ぜーんぜん畑違いかもしれませんがフランク・ザッパのドキュメント「ZAPPA」の彼の彼の言葉、「売れたものが優れているという考えは、くだらない」という作り手としての強い意志は、スパークスにも流れているような気がします。だから、彼らは強靭だし尽きぬ好奇心のまま突き進んでくれると思いたい、軽やかに、しなやかに。
2022年6月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
■正直に記すが、スパークスのアルバムは一枚も持っていない。
年齢的な事もあるだろうが、この映画を観て、私はロック通を気取って来たが、その資格はないと思ってしまった作品。
◆感想
・何しろ、インタビューに答える、スパークスファンのミュージシャンの多くが、私が中坊の頃から好きになり、今でも聴いているロックンロールを奏でて来た人ばかりなのである。
ベック、ヴィサージに在籍していたラスティ・イーガン、レッチリのフリー、フェイス・ノー・モアの変態マイク・パットン・・。
そして、彼らに影響を受けたとされる、キュアー、デュラン・デュラン、ニュー・オーダー、ディペッシュ・モード、ジョイ・ディヴィジョン、フランツ・フェルディナンド・・。
ー もう、もう、参りました・・。-
・スパークスに興味を持ったのはつい最近で、ロック・オペラ映画「アネット」の企画と全音楽を手掛けたと知ったからである。「アネット」を鑑賞された方は分かるだろうが、流れる音楽の幅が凄いのである。オペラ、ロック、エレクトロニックポップ・・・。
・今作を観ると、彼らの音楽の幅広さが、一朝一夕に出来上がった訳ではない事が良く、分かる。
・浮き沈みの激しい中、一貫して正に職人のように、様々なジャンルを作って来たスパークス兄弟の”継続は力なり”を地で行く姿。
・彼らのステージング風景も、派手なパフォーマンスで観客を魅了するラッセルと、無表情且つしかめっ面でキーボードを弾くチョビ髭のメイルの対比が面白い。
<彼らは、歳を経ても、21日間毎晩、違うアルバムの曲を披露するチャレンジングなツアーを行い、体力を落とさないために規則正しい生活をする。
その結果が840曲の様々なジャンルの楽曲と、彼らを慕う今や大御所と言っても良いロックミュージシャンたちの姿である。
凄いバンドが居るモノである。このバンドに殆ど触れずに30数年ロックを聴いて来た私の耳は節穴か!と思ってしまったよ・・。>
<2022年6月12日 刈谷日劇にて鑑賞>