「待望のカレン・ギラン主演活劇! 続編決定も大歓迎」ガンパウダー・ミルクシェイク 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
待望のカレン・ギラン主演活劇! 続編決定も大歓迎
「ザ・サークル」のエマ・ワトソン演じる主人公の親友役で初めてカレン・ギランという女優を認識し、フィルモグラフィに「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とあったがあれ出てたっけと調べたら特殊メイクで美貌がほぼ分からないネビュラ役だったと気づき、なんてもったいないと嘆いたものだ。その後「ジュマンジ」シリーズの主要キャラクターでも身体能力の高さを見せつけ、早く単独主演作が作られないかなと待ち望んでいたが、ようやく本作で願いがかなった。
監督・脚本は「オオカミは嘘をつく」の後味の悪さをよく覚えているイスラエル出身のナボット・パプシャドで、こんなオタク趣味全開の女殺し屋アクションを撮るなんてちょっと意外。仏・独・米の合作体制で、撮影もドイツで行ったこともあってか、典型的なハリウッドのアサシン活劇とは若干趣が異なり、作り込んだ世界観と少しひねくれたユーモアにニヤリとさせられる。
アクション場面も豊富なバリエーションで楽しませる。ボウリング場での“三バカ”との初戦では長回し、クリニックでは両腕が麻痺したサムと重傷の三バカとのハンディキャップ戦、終盤のダイナーでは同時進行する壮絶な撃ち合いを超スローモーションで情感たっぷりに、といった具合。「ジョン・ウィック」シリーズの闇社会のネットワークや、「シン・シティ」のようないかにも作り物っぽいセットなどの影響も感じられるが、雰囲気がより近いのはザック・スナイダー監督の「ウォッチメン」、「エンジェル ウォーズ」(重要な役で出ていたカーラ・グギノが、本作では図書館員マデリン役で登場)あたりだろうか。
昨年の時点ですでに続編の製作が決定したようだ。カレン・ギランは現在34歳、体が動くうちに主演活劇をたくさん見せてほしい。