僕を育ててくれたテンダー・バーのレビュー・感想・評価
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カッコいい叔父
大学に行けなかったが、文学に精通しているバーテンダーの叔父と、主人公の疑似親子関係を情感豊かに描いた作品だ。駄目な夫から逃げて貧しい地域の実家に戻った母親に連れられ、祖父や叔父と暮らす主人公が、やがて文学の道に進んでいく過程を描く青春映画でもある。叔父のバーはチャールズ・ディケンズからとった「ディケンズバー」という名前。小さい頃からバーに通い、文学に慣れ親しみ、やがてイェールに通うことになる主人公。バーに子どもが遊びに行くのは不道徳なことなんだろうが、それを許容する懐の深さが町にある。
こういうコミュニケーションは、少し前の日本にもあったのではないかと思う。子ども心に大人の溜まり場を覗くのは楽しかった。不道徳な輩もいっぱいいるだろうが、そんな社会の学びを小さい頃から得られる体験は、結構大事なことではないだろうか。
叔父役のベン・アフレックが本当に素晴らしい。個人的にはジョージ・クルーニー監督のベスト作品だ。
見逃すのは勿体無いAmazon発少年の成長期
ピューリッツァー賞受賞のジャーナリストで作家でもあるJ.R.モーリンガーの回顧録は、父親がいない代わりに、故郷のロングアイランドでバーを経営する叔父の愛に支えられ、作家としての道を切り開いていく少年の成長期として心温まるものがある。何かと道に迷った時、冷静で的確な判断を下す叔父と、バーの常連客たちに見守られ、不遇にもめげない主人公の姿は見ていて心地いい。
やや感傷的過ぎるという批評もある。しかし、監督のジョージ・クルーニーは全編に上質なユーモアを散りばめつつ、家を捨ててあちこちをさすらい、時々思い出したように電話をかけてくる無責任な父親と訣別する息子の、真の意味での自立もしっかり描いて、緩急をつけた演出で楽しませる。魅力的な叔父を演じるベン・アフレックは儲け役だが、今、俳優としていい季節にいることが分かる。
現在、Amazonプライムで配信中の本作は、ニコール・キッドマン主演の『愛すべき夫婦の秘密』と共にうっかりすると見逃しがちだと思うので、ここに上げてみた。
暖かい気持ちにされてくれました
お母さん、伯父さん、祖父母、伯父さんの友達達、大学の友達、JRの周りのみんなが優しい
特にベン・アフレック演じる伯父さんがとっても魅力的な人です
学校では習わない人生において大切な事をいろいろ教えてくれて、そういう存在の人が近くにいるってとってもラッキーな事と思います
大きな盛り上がりはなかったけど、ずっと穏やかな気持ちで観ていられる作品でした
JRと伯父さんと愉快な仲間たちのエンドロールも幸せな気持ちにさせてくれました
唯一お父さんが本当にクズ男
でもそのクズ男がワイルドなイケオジのマックス・マティーニ、そこは嬉しかったです
ホント声もステキでラジオのDJにピッタリです
ずっと平坦、つまらない
恵まれない家庭環境に抗いながら成長していく物語
子供の成長系の話好きなんだけど、あんまり入って来なかった
父親サイテーなやつ、そんな父親がいながらも叔父のカッコいい生き様を守ってる
ただのヤリマン、両親も嫌味なやつ
男方の親族愛がみどころ
ジョージ・クルーニー監督、ベン・アフレック主演ということで、良い意味で力まず観ただけに、期待以上でじゅうぶん楽しめた。
祖父伯父の愛情が、とても自然でほどよい。
そして軽快な音楽とスカイブルーのキャディラックが、優しいストーリーを盛り立てていた。
ジョージ・クルーニー監督の腕
ジョージ・クルーニー監督の作品です。
主人公の自叙伝を映画にしたものですが
何と言っても伯父役のベン・アフレックが良かったです。
主人公を見守り、男として育て上げ、本当にカッコ良かった。
バーの常連もいい人ばかりで観ていて心地よかった。
淡々と流れるストーリーですが
全く飽きることなく見せてくれたのは
ジョージ・クルーニー監督の腕なんでしょうか・・・
子役
「ロケットマン」の子役、今回の子役
子役って重要
どっから連れて来たの?と思うくらい印象的
叔父さんという存在はやはり血縁関係たる所以の無償の愛があって
最後に愛車をプレゼントするのはサイコーにカッコいい
子供の時から数々の男の生き方を身につけて
父親を反面教師として見るのも辛いけど
決して愛されなかったとは思わず
生きていけるだろう
平凡な…
父親代わりの叔父に育てられた青年の成長記。確かに学費や車、人生訓、叔父に育てもらった数々。けれど、ストーリー、演出のメリハリの無さに眠気が半端なかった。平凡な話に飽きてしまった
僕を育ててくれたテンダー・バーはバーテンダーのチャーリー伯父さんの事。
2021年。監督:ジョージ・クルーニー。
主演:ベン・アフレックとタイ・シェリダン。
原作はピュリッツア賞受賞ジャーナリストで作家のJ・R・モーリンガーの
自伝小説です。
生まれて直ぐ父親に捨てられたJRは、
母方の祖父母のロングアイランドの家に母と厄介になる。
そこには「ザ・ディケンズ」という名のバーを経営する
伯父のチャーリー(ベン・アフレック)がいた。
伯父の博識と思いやり、格好良さが全てと言っても良い。
それに較べて実の父親は、本当にどうしようもないクズ男。
それでもJRはラジオのパーソナリティの父親の番組を
聞かずにはいられない。
どこかで愛してるし、父親らしい姿を期待している。
13年後。
勉強家のJRはイェール大学に受かる。
それも奨学金付きだ。
弁護士にさせたいのが母親の夢。
母親は未だに男に捨てられた傷を引き摺っている。
大学では上流の下の金持ち(なんだ、それ?)の女子シドニーと付き合うが、
本命にはほど遠く都合9回振られたことになる。
シドニーの親の面接でも体よく断られる。
JR役のタイ・シェリダン。
え〜まだ25歳なの?
キャリアが長いからもっと年上かと思っていた。
(素直な役が珍しいが好演)
父親に捨てられても、
祖父(クリストファー・ロイド)もばあちゃんも母さんも
大家族が愛してくれた。
そして格好良い上に物知りチャーリー伯父さんがいる。
性格が曲がる訳がない。
卒業。
タイム誌のアルバイトで時に誌面を飾るけれど、
しかし記者には採用されなかった。
そして南部に今は住む父親を、遂に訪ねるJR。
ラストは穏やかなこの映画や物分かりのいいJRからは
想像のつかない展開。
同居している女性を殴った父親を通報して、
パトカーが来る。
連行される父親。
訣別だ。
それがJRが出した答え。
ニューヨークに発つJRにチャーリー伯父さんのくれたプレゼント?!
心の暖かくなるラスト。
80年代のヒット曲も明るい曲調で心地良い。
ちょっと古めかしいが心暖まる佳作。
(Amazon primeの配信で観ました)
アホっぽくも愛らしい寄り添い方
たまにズームアップする技法は違和感ありましたし、話そのものが単調なんですが、子どもの成長物語としては説教臭くなく、「こういう育ち方もアリか」と、不幸を見せられてる割にほのぼのと観ることができます。
子どもに説教はしてるんですが、アホっぽくも愛らしい寄り添い方なのがいいですね。
流行りに乗る
子供は親を選べない…
子供のことを1番に考えてくれる母親、生き方を教えてくれる叔父、温かく見守ってくれる祖父母に囲まれた彼は貧しくも幸せな環境で大人になっていったのではないだろうか。
擦れることなく夢を追いかけ、自らの力で成し遂げられたのは勿論彼の努力の賜だが、彼を見守る全ての人たちのお陰ではなかろうか。
ベンアフのヒューマンドラマに外れ無し!
監督、主演共にバットマン俳優という素晴らしい組み合わせ…!
去年予告編を見てからずっと楽しみに待ってた✨
期待通り面白かった!!
古き良きアメリカを舞台に、作家を目指す主人公が伯父(ベンアフ)が経営するバーに通い、大人になっていくヒューマンドラマ
その物語はゆったりと丁寧に描写されていて、成就しない恋や夢を追い求める中、
多くの経験と伯父の助言によって、少年時代空っぽだったアイデンティティを確率していく…
ぶっちゃけ、今の自分にわりと響いた作品でした
ここ5年くらい、自分の意思がわからないときが多かったので、
この映画を見て、少し自分を取り戻した気がします
それはそうとベンアフ伯父さんのスコッチ入りマティーニ飲みたい…🤤
自伝を書いて売れる人なんてひとにぎり
いい顔の少年。豊頬で濃いまゆ。漫画みたいなまつげ。かれDaniel Ranieriだけで、五分は評点できる──そんな子役だった。
母親役はお母さんを彷彿とさせた。ロートルならきっと結婚しない女に出ていた“お母さん”を思いうかべるにちがいない。
成長して作家になったひとが、じぶんのことを語っている。スタンドバイミーやリバーランズ~みたいな感じ。
JR少年の幸運は、父に早々に捨てられ、母と伯父の愛に育まれたことだと思う。
もしダメな父が居付いていたら、この環境は得られなかった。父が奔走したおかげで、JRは母と伯父にとても可愛がられた。ことに加え、かれの日常はとても知的だった。伯父がやっていたバー=大人が酒を飲むところには聖俗入り混じった溜息と知恵が詰まっていた。
だれかの自伝に触れるたびに、ひとは幼少期に愛されなければダメだと思う。(←これは絶対である。)
また、ばかな環境でもダメだとも思う。(親や自身が積極的に底辺から脱却しようとしているならだいじょうぶ。)
愛されて知的ならぜったいにモノになる。──粗削りな意見だが、真理だと思う。
個人的に映画の白眉だと思ったのは、大学を卒業して父に会い、父の女の家に行った場面。そこに女の連れ子がいる。ひとりで静かにジグソーパズルをしている。壁には完成したジグソーパズル──諸外国の景観が貼ってある。いま少女はベネチアを完成させようとしている。少女は「旅行がしたい」と言う。
クズの父に絡め取られた女の連れ子。そんな子供の未来は、手に取るように明らかだ。だからJRはかのじょに言う。「だったら勉強をがんばれ。がっこうの勉強をすごくがんばるんだ。ぼくはまずそうした。そうするしかないときもある。」
母の苦労を見て育ったJRは、初対面の少女に本気でそう諭した。──そんな場面だった。
わたしはロバートレッドフォード監督のリバーランズスルーイットで町牧師の父役トムスケリットが“兄”に「おまえは文章を書くのが好きなようだ。それならいつか家族のことを書きなさい。」と言った台詞を明瞭におぼえている。
自伝を書く人はそれなりの人生をやってきている。──それも真理だ。
レトロな映画でもある。懐かしいあの頃──の映画でもある。そんな映画を新型コロナウィルス禍下に見る気分は、新型コロナウィルスがなかった時に見る気分とは違うものになった。
ざっくりした感慨だが、新型コロナウィルスによって今までなんとか保たれてきていたものが破綻している。平常時なら顕在しなかった膿が出ている。街往く人々や、空気感に厭世がただよっている。職場でも、立ち寄った飲食店や商業施設でも。みんな一様に不機嫌を決め込んでいる。テレビやネットのつたえる出来事も、それを反映している。
唐突で大風呂敷で漠然とした所思だが、コロナ禍下の社会は「日本人てぜんぜんリッパな人種じゃないよな」と思わせた。もちろん自分もその一員に過ぎないわけだけど。
わたしは事件/時事に「世も末だ」とは、まったく感じない質(たち)だが、邦画を見て洋画を見る、あるいは洋画を見て邦画を見る、あるいはさまざまな国/人種のYouTubeを見る──と、そのなんともいえない懸隔に、われわれ日本人て、──何と言ったらいいか解らないが、いい感じの人間性を感じない。もちろんエンタメ等々を見て影響をこうむる年じゃないし、そんなことおくびにも出さず平気な顔して生きているわけだが。
ちょっと退屈かなあ
ジョージクルーニーが監督を務め、キャストにベン・アフレックがいる事で観てみようと思ったが、
肩透かしにあった感じだ。賞味100分もないと思うが、何度か『まだ何分あるのか』と見てしまった。
自伝小説を映画化したもので、これといって大きい出来事は起きないのは別に良いが、それでも集中するには魅力に欠けた。主人公と叔父の会話がこの映画を楽しむにおいて重要なファクターだろうが、如何せんウィットに富んだ哲学的ジョークが多くて、イマイチわかりづらい。
大学に入り、ガールフレンドとの間に起きる出来事なんかも、まあ弱いんですよ。
気分の悪くなる映画ではないし、昔のアメリカの良き姿を観るのは面白いかもしれないが、
ほぼ子守歌と割り切って観た方が良いかもしれない。
愛しき郷愁、少年期の記憶
作家J・R・モーリンガー(Amazonで検索しても何も出てこない!)の自叙伝。原題は「Tender Bar」。
恵まれた境遇ではないものの、母親と叔父(ベン・アフレック)とバーの常連に愛された少年期。離婚して疎遠な父親、70年代、オレンジ色がかった日差し。子役がお目めくりくり。何とも可愛らしい男の子。
この作品を観ながら、誰もが自分を育ててくれた大人たちを想い、暖かで儚い郷愁を味わう。人生には嬉しいことも悲しいことも訪れる。(イェール大学に入ったことを除けば)ハリウッド映画的な特別な事は何も起きないが、普通の人生はそういうものである。人間愛に溢れた雰囲気に画面から目離せなくなる。
ベン・アフレックは素晴らしい芝居をみせて、本作でゴールデングローブ助演男優賞にノミネート。
仕事は人の幸せのベース
男として生きていくためのモットーをかっこよく教えてくれる叔父、そして叔父が経営するバーにやってくる常連客もJRに人生に必要なことを短い言葉で教えてくれる。チャーリーおじさんの言葉は、覚えやすくて実行しやすい。そして絶対に役にたつ。
チャーリーおじさんは、JRの素質への見極めも気持ち良い。向いていないことへの無駄な努力ほど人生の徒労であるとわかっている。「スポーツは、すっぱりあきらめ、徹底的に本を読め。」なんて、なかなか甥っ子にアドバイスできない。
JRが自分の中でトドメておくのはもったいない温かくてほろ苦い物語であふれている。自伝になり、映画化されるのは必然なのかもしれない。加えて、仕事をするということは、人の幸せの大前提であることもさりげなく教えてくれる。
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