配信開始日 2022年1月7日

「カッコいい叔父」僕を育ててくれたテンダー・バー 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0カッコいい叔父

2022年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

大学に行けなかったが、文学に精通しているバーテンダーの叔父と、主人公の疑似親子関係を情感豊かに描いた作品だ。駄目な夫から逃げて貧しい地域の実家に戻った母親に連れられ、祖父や叔父と暮らす主人公が、やがて文学の道に進んでいく過程を描く青春映画でもある。叔父のバーはチャールズ・ディケンズからとった「ディケンズバー」という名前。小さい頃からバーに通い、文学に慣れ親しみ、やがてイェールに通うことになる主人公。バーに子どもが遊びに行くのは不道徳なことなんだろうが、それを許容する懐の深さが町にある。
こういうコミュニケーションは、少し前の日本にもあったのではないかと思う。子ども心に大人の溜まり場を覗くのは楽しかった。不道徳な輩もいっぱいいるだろうが、そんな社会の学びを小さい頃から得られる体験は、結構大事なことではないだろうか。
叔父役のベン・アフレックが本当に素晴らしい。個人的にはジョージ・クルーニー監督のベスト作品だ。

杉本穂高