モリコーネ 映画が恋した音楽家のレビュー・感想・評価
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期待しすぎた自分を責めたい
そもそもノンフィクションのドキュメンタリー映画に娯楽性を望むのが間違いなのかもしれませんが、なにしろ映画音楽の伝説であるエンニオ・モリコーネの人生を、ジュゼッペ・トルナトーレ監督が撮るというのですから、それだけで歴史的傑作の予感、だったのですが……
全編通してモリコーネ氏の作品が使われていて素晴らしい音楽を堪能できるのですが、何作分も延々と続くと、逆にそれが心地よい眠りを誘いまして、何回か眠りかけては慌てて目を覚ますという始末
また、伝記映画とは違って、まだ在命中だった人物のドキュメンタリーだけに、出演する人たちが様々に表現を駆使してとにかく褒めまくり、輝かしい業績を並べ立てるので、「人生、そんなに良いことばかりじゃあるまいに……」などと食傷気味にもなります
そんなこんなの調子で約2時間半ですが、実際以上に長く感じて、最後の頃には「まだ終わらないのか……」と焦れてさえきます
例えるなら学校のつまらない授業ほど終了間際が一番時間がたつのが長くて辛いのと似たような感覚とでも言いましょうか……
ま、音楽の才能に恵まれた関係者の方たちや、それを志しているような方たちなどなら、あるいは楽しめる要素もあるかもしれませんが、自分と同じようなただの一般的映画ファンの方のためにも、「つまらんものはつまらんのよ❗」と意見をあげておくことにします
文句なしに胸キュンキュン💕
映画に胸踊り 涙し 魂震えるのは俳優・演出・ストーリーだけでなく いやそれ以上に背景に流れる音楽であり歌があってのものだ。
何十年の時空を超えても鮮やかな色彩を放つ感動を下支えするサントラの力。
たくさんのインタビューに少な過ぎるとも感じる当時の映像や楽曲たち…。 それでも3時間近い長尺が爽やかに過ぎる。 贅沢な時間だった。
マリア夫人
冒頭、仕事部屋へ移動し不意に床に仰向けになるモリコーネ。そしてまるで儀式のような体操を始めます。その後、仕事机で譜面に向かい、考え込み、そしておもむろに音符を書き始めます。そこには楽器などはなく、全て頭の中で音を紡ぎ、構成していくのです。それはおそらく、彼の確固たる音楽理論があるからこそのことでしょうし、また尽きることのないアイデアの引き出しに、作品を振り返ってその多様で独自な音楽たちに驚愕します。
映画音楽制作時には、作品のイメージを監督と共有しつつ、時に彼の提案する音楽に作品性が寄っていき、仕上がればもうモリコーネの劇伴なしでは成立しないような感覚にさえ思えます。非常に印象的で、50年以上前の作品にも関わらず古さは感じられません。むしろ、現代においても多くのミュージシャンが彼の音楽をカヴァーしたりサンプリングしているし、また100年後にだって「クラシック」として語り継がれていくのでしょう。
正直、この手のドキュメンタリーにありがちではありますが、語り手がコロコロ変わる編集は正直集中力が続かずに疲れます。ただ、中盤以降は私でも観て知っている映画が、その断片とは言えモリコーネの音楽と共に観られるシーンのアレコレに、劇場のスクリーンと音響で鑑賞できる喜びがあり、また改めて観直したくなります。勿論、その時はモリコーネの音楽を噛みしめながら。
そして要所要所で語られる夫人・マリアさんとの仲が素敵過ぎ。作り手であるアーティスト達からの評価と人気が高い彼も、アカデミー賞のオスカーを手にするまでには時間がかかりました。そんな彼が2007年にようやくアカデミー賞「名誉賞」を贈られ、スピーチでマリアさんに感謝を伝えるシーンに感極まること必至です。
長い、限度を超えている。中身はモリコーネへの賛辞ばかり。
「ニューシネマパラダイス」は折りにふれ私が見直す映画で、そのたびに涙を流す映画だ。涙が出てくるのはモリコーネの音楽が原因だと思う。CDまで購入したくらいだ。
さて、私はモリコーネの映画音楽の創作の秘密を知りたかったが、残念ながら期待外れだった。
あるのは、タイトル通りのモリコーネへの賛辞ばかりで飽きてくる。元々、この監督の作品は長い。「ニューシネマ パラダイス」も完全版をみたが、映画公開された版の方が良かった。
モリコーネもアカデミー賞を貰ったから恵まれた作曲家だ。バーナード・ハーマンを知っている人は少ないだろう。コルンゴルトもそうだ。この二人は今の映画音楽の基礎を作った人達だ。二人とも晩年は不遇だった。
結構、日本未公開の作品に作曲しているんだと思った。彼の現代音楽を一度聞いてみたい。あれって思ったのは、ジョン・ヒューストン監督の「天地創造」だ。結局、音楽を担当したのは黛敏郎だった。良かったのか悪かったのか、よく分からない。
モリコーネの素晴らしさはよくわかったが、長い。
映画好きになったきっかけでもある、私の大好きな「ニューシネマパラダイス」の楽曲を手掛けた方のドキュメンタリーということで鑑賞。
映画史に残る映画音楽を変えた偉人、マエストロであることはよくわかった。クリントイーストウッドの出世作の「荒野の用心棒」の、口笛を用いた音楽は確かに印象的で西部劇というとあの音楽が使われるくらいの代表作。アンタッチャブルもかの有名なシーンで使われた曲についても紹介あり。
ただ、私の生まれる前の作品が多く、殆ど知らない作品の話しで3時間という時間が正直かなり苦痛で、映画館で初めて少し寝てしまった、、大好きなニューシネマパラダイスの楽曲の話も、マエストロの500以上にもなる映画作品の一つなので仕方ないが、作品を作っていて一番楽しかったとのコメントはあったが、他の作品と同じ尺で短い紹介で終わってしまい、ちょっと物足りなかった。残念。
正に映画音楽史のドキュメンタリーだ
1961年のデビュー以来、500作品以上もの映画やテレビの音楽を手がけ、
2020年7月に惜しまれながらこの世を去ったモリコーネ。
以下の様に華々しい紹介だが、
何といっても、
映画音楽の約60年の変遷史を本人自身が語るのだから凄い。
映像も、
年取って太ったマルチェロ マストロヤンニ、
マカロニウエスタンの若きクリント イーストウッド、
渋いギャングのジャン ギャバン、
若造チンピラ美男のアラン ドロンと、
懐かしい顔が拝める。
映画好きなら、
見ておかないと悔やむ映画となるだろう。
映画詳細の抜粋〝〟
「ニュー・シネマ・パラダイス」「荒野の用心棒」「アンタッチャブル」など45作品にも及ぶ傑作から選ばれた名場面や、
最高の音響技術で再現されたワールドコンサートツアーの演奏、
クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンら錚々たる顔ぶれの監督・プロデューサー・音楽家へのインタビューを通して、
モリコーネがいかにして偉業を成し遂げたのかを解き明かしていく。
モリコーネ全てを語る
公開初日の最終上映で観ました。
本人の曲解説がこんなに丁重に流れると思っていませんでした。映画監督やミュージシャンなどが彼について語って終わるのかと思ってましたが、嬉しい誤算でした。製作者や解説をする方々の熱い思いもあり、おしりも痛くなる、これだけ長い尺になったのでしょう。(笑)
大満足で最終電車に乗っています。
逆に作品が気になる
すばらしき映画音楽たちが文字通り大変素晴らしかったので鑑賞 続編みたいな内容 この方だけで映画1本出来ちゃうんですね
元々トランペッターは知りませんでした しかもモリコーネじゃなくエンニオ
当時は映画音楽は室内音楽に劣ると考えられていたのか、卒業生の中でも異端だった様子 仕事って地道に長くやらないと信頼は得られないので、信念を持って作曲に打込む姿には脱帽
クリント・イーストウッドが格上げしてくれたと言っていた通り、マカロニウエスタンシリーズの音楽とてもカッコ良い 殺人捜査のも面白い アンタッチャブルはあの階段と乳母車のシーンとても気になりました あとミッションって映画も 実は映画のことを一番よく理解していた方だったのではなかろうか
ブルース・スプリングスティーンやメタリカのモリコーネ風聴いてみたい とにかくどんな映画か逆に見たくなってしまうマジック
ヘイトフルエイトでやっとアカデミー作曲賞受賞当然と言えば当然 そして劇中皆さん(特にハンス・ジマー)彼について興奮して語っておられるのが印象的でした
伝説
大半は私が生まれる前の映画音楽
見たことあるのは数作だけ
The Good, the Bad and the Ugly:ホームステイ先のテレビで観た唯一の映画で初めて見た西部劇
ニューシネマパラダイス:初恋の女性の好きな映画
海の上のピアニスト:その女性の影響で買った初めてのDVD
アンタッチャブル:ラストシーンのシカゴの駅に実際に行った
など、数作でも、思い入れが強いものが多かったため、十分楽しめた
逆に、あまり思い入れもない、若い人では楽しめないのかも
ジョン・ウィリアムズ版も製作してほしい
人生に無駄な経験は無い
モリコーネの生涯を追うことは、そのまま映画音楽の歴史をなぞることでした。
名シーンの数々が大きなスクリーンに蘇る興奮!
映画マジックの裏側を知って、更に鳥肌が立ちました。
日本未公開映画のレアな映像も必見です!
モリコーネがトランペッターになっていたら、映画音楽の位置付けはずいぶん変わっていただろう。少なくとも音楽が映画に与える影響の重要性に気付くのが10年は遅れただろう。….いや。むしろモリコーネが映画音楽の進歩を早めたのか。
テーマを的確に捉えてそのシーンで観客が辿り着くべき感情をアシストする。
時には監督のプランよりも的確に。
アプローチも多種多様で、シーンの効果音まで担うような映像の動きとピッタリ合った音楽だったり、映像の印象とは真逆の音楽だったり。
例として出てくる映画のシーンがとてもわかりやすいので、ぜひ見ていただきたい!
モリコーネの映画音楽は、そのフレーズを聴くだけで映画のシーンがよみがえる。
なんなら、その1フレーズだけで映画全体の印象が鮮やかによみがえることすらある。
“印象深い” “印象に残る”ということは、観客がそこに何かしらの違和感や引っ掛かりを感じているからだと気づきました。
たとえば、とてもナチュラルにシーンに溶け込んでいる映画音楽は、観客の心理に影響を与えてはいるが強烈な印象としては残らない(←これも素晴らしい映画音楽と言えますが)
実験音楽やノイズミュージックを主戦場としていたモリコーネにとっては、違和感のバランスを取るのはお手のもの。
モリコーネにとって映画音楽は、自由に本領を発揮出来るジャンルだったということでしょうか?
だとしたら運命の出会いですが、むしろ自分がやりたい音楽を映画の世界に持ち込んだのかも??
映画のスタッフはみんな、監督の表現したいことを理解して理想に近づける為に最善を尽くす職人集団だと思っていましたが、モリコーネは表現者として監督ともセッションしていたのだと感じました。
実のところ映画製作の過程では、映画音楽に限らず様々なジャンルのプロフェッショナルが集まっていて、それらがみな要望に応える職人であり、要望を超えた自分の作品を作る表現者でもあるのだなぁ。
よく「映画は総合芸術だ」と言われるのが腑に落ちました。
モリコーネの驚くべき仕事の数々のなかでも一番の貢献は、映画音楽の作曲家のステータスを上げたこと。
映画音楽界で偉業を成し遂げ、後に交響曲でも評価されるまでになるのですが…
音楽に対する挫折やコンプレックスが、自分に与えられた映画音楽という仕事を価値あるものに変えようとする底知れぬパワーの原動力になったように感じます。
人生に無駄な体験など何一つない。
そんな風に思える素敵な映画でした。
おじいちゃんー!
新橋の試写会で鑑賞。
作品詳細は公式に任せるとして、コメントしている有名監督、映画音楽家以上にモリコーネ本人がとにかく喋る。めっちゃ喋る!!
古典クラシックや生まれる前の映画が中心の序盤は知識が足りずに置いてきぼりを味わうが、時代が下るにつれ興味深く集中した。
荒野の用心棒、ニューシネマパラダイス、
アンタッチャブル等の有名作を短時間とはいえ映画館で観られるのはデカいと思う。
しかも当人の口から当時の話がボロボロ出てくる。
偉大なマエストロであり、職人気質なおじいちゃんでもあった。
ビジュアルポスターの指揮する後ろ姿は
鑑賞前後で重みが変わると思う。
ドキュメンタリーで157分と長いが
劇伴担当が気になるタイプの人は
見て損はない。
ちなみにジョン•ウィリアムズ、ハンス・ジマー両名にも是非どなたか張り付いて
同様のドキュメンタリーを希望したい。
映画音楽の真髄
試写会にて鑑賞。
モリコーネについては荒野の用心棒しか知らなかったけれど、映画音楽の深みと旨みを堪能することができた。特にオーケストラの演奏は圧巻だった!正直、普段映画を観るときに、主題歌以外の音楽を意識したことはあまりなかったが、実は穏やかな気持ちにさせたり、緊迫させられたりと感情の方向を左右させる映画音楽の重要性に気付かされる映画だった。この分野のトップがモリコーネだということも知ることができて本当によかった。あの年齢で音楽を口ずさむ姿は味があってかっこよかったなぁ。
映画がもっと好きになる
数々の映画音楽生み出したモリコーネ。
それぞれの映画の関係者と本人が登場し、彼の仕事ぶりを過去のエピソードを交えながら語ります。そして、スクリーンには出来上がった美麗な映像と音楽が映し出されます。
名作映画のPVを最高の解説付きで見ているような感覚であっという間の二時間半でした。
見終わった後には、一作の映画に秘められる芸術的価値を改めて考えずにはいられなくなるような作品でした。
時代を変えた類まれなる才能、そして音楽の持つ力。 「マエストロ」よ、ありがとう!
音楽に詳しいわけではないが、耳が覚えている映画音楽を聴けば自然と身体がスゥイングする。
それを創り出したモリコーネの内向的でありながらも強固な意思、そして妥協を許さない姿勢が映像の中の彼の力強い視線や誠実な立ち居振舞いから伺えた。
試写会のレビューなのでネタバレ的なものは書かないが、彼の創作の原動力となり続けた妻マリアの存在、これがまた素敵!
ひたすら心温まるドキュメンタリー映画だった。
是非とも深いことは考えず、157分間ひたすら音楽に身を委ねてほしいとオススメしたくなる作品でした。
200年後にまで語り継がれるであろう世界最高の"やめるやめる詐欺"?!
マカロニ・ウエスタンに代表される西部劇の顔役で、映画音楽を確立した立役者で功労者。そして何より映画音楽20世紀を代表する偉大なる現代音楽としての地位にまで高め、確立した尽力者は、誰よりも場面やキャラクターを、そして映画の根底・核心を把握する能力に長けていたのだと実感する2時間半。いつも監督の意見や想像を超えてくる。
絶対音楽からその音楽人生をスタートさせながら、映画音楽を生業にしていく中で、そうしたかつての仲間・同業者からは蔑まされてきたわけで、そして何より自分自身がそのことに長年折り合いを付けられてこなかった証明。もうやめるとは言わない。実験音楽も好み、そうした部分が、思いもよらない音楽的組み合わせなどを実現する手助けになった。よく取り逃しを叫ばれるアカデミー賞だけど、彼も6度目のオスカーノミネートにしてやっとの受賞。遅すぎる。だけどこうして見てみると、やっぱり全てつながっているのだな、と。受賞作品は言わずもがな彼を敬愛するタランティーノの『ヘイトフル・エイト』で、モリコーネなりの西部劇へのリベンジ。
彼の影響は今日において益々力を増すばかりだ。若者が新しく見つけては、ポップカルチャーの隅々にまで浸透しているし、今後もそれは続いていくだろうと確信できるような画期的・普遍的発明の数々に高揚し、時に涙し、そして震える。本作を見て彼の音楽を聴き直し、彼の務めた映画をまた見直したくなった。
P.S. GAGAがただの配給じゃなくガッツリ製作に絡んでそうで少し感心した
ノイズも音楽である
テオレマやポケットの中の握り拳やニューシネマパラダイス
好きな作品が出てくるたびにワクワクしたり
キューブリックから時計じかけのオレンジの音楽の話が来たのに他の音楽を製作中だと勝手に断られてしまったのだけが心残りというエピソードは知らなかったのでモリコーネバージョンも観てみたかったなんて思ったり
音楽への思いや愛妻家であることを語るモリコーネに胸が熱くなり、あっという間だった
情報量が多すぎてメモをとりたかった
公開したらまた観に行こう
楽しかった…
モリコーネ史であり、映画音楽史であるドキュメンタリー
モリコーネに興味ある人、映画音楽に興味がある人なら間違いなく楽しめる内容。
2時間以上あってドキュメンタリー映画にしては長めだけど、そんなに長さを感じないほど内容が濃かった。
1人の人物に焦点を当てたドキュメンタリー映画って往々にして、様々な人物が出てきて、その1人について語った動画が繋ぎ合わさって作られる。
このドキュメンタリー映画もそのタイプ。
そこに生前のモリコーネ自身のインタビュー動画が組み合わさり、1つのモリコーネ史として完成している。
制作タイミングが良かったんだなと感じた。モリコーネのインタビューは明らかにこのドキュメンタリーを意識したものになっていて、過去の全く関係のない発言を引っ張ってきて切り貼りしたドキュメンタリーとは次元を異にする。
だから無理やり繋ぎ合わせた感じがなく、1冊のモリコーネ史を読んだような感覚になる。
それと同時にモリコーネのキャリアの歩みは映画音楽の発展と共にあり、このドキュメンタリーが映画音楽史そのものになっている。観終わったら、観たい映画リストが確実に増える。あ、これも観てみたい、それも観てみたいとなる。
感動に震えるドキュメンタリー
映画ファンならば絶対に見逃してはいけない作品だ。ここには君たちの映画人生の全てが詰まっていると言って過言ではないからだ。
2020年に亡くなった映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー。ジュゼッペ・トルナトーレが監督した157分という長尺だが、モリコーネの全てを知悉して、考えうる限りの生存している関係者を取材対象とし、みごたえのある人物伝として完成させている。
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