モリコーネ 映画が恋した音楽家のレビュー・感想・評価
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映画音楽という「制約」を「今回のお題」に昇華したマエストロ
「自分が良いと思うものが認められない」 「自分の力を発揮する場がない、与えられない」 「自分が携わる分野が低く見られている」 クリエイティブに携わっている人はもちろん、志ある会社員ならこのような壁に悩まされることがあると思う。私もそう。ただ私はこのような状況下で、拗ねて、無気力になって、くだを巻いて「放棄」した。 モリコーネは違った。腐らず、放棄せず、当時下に見られていた映画音楽でも全力を注ぎ、監督に迎合するのでなく、かといって頑なになるのでもなく、結果として良い音楽を作りあげ、ついに自分の音楽を世の中に認めさせ、自身と映画音楽の立場を確立した。 何が私と違うのか? まず感じたのが自分の音楽・感性に対する「絶対的な確信・信頼」だ。「この映画にはこの音楽じゃないと!」ともはや使命感に近い域に達している。ここまで自分の仕事やアイデアに絶対的な確信を持てるだろうか。それだけ信頼できるだけの才があったいう点も大きい。 次に、意外だが「人の意見を聞く耳も持っていること」。こういう人って、兎角自己満足に陥り世の中に認められずに終わることが多い。でもモリコーネの曲は広く世の中に支持された。監督の意見に一度は毒づいて帰ってしまっても後で思い直して修正したり、複数案を持ってきて「〇番だけは選ばないでほしい」と釘をさすも、いつもそれが選ばれてしまったり(笑 気難しそうな面(見た目も)がありながらも聞く耳も失わず、それが先鋭的・前衛的になりすぎず、新しいけれど大衆が理解できる曲を生み出し、商業的成功をもたらせたように思う。 映画音楽にはクライアント(監督)がいる。顧客(観客)がいる。映像(商材)がある。それらを無視しては成り立たない。自分のやりたいことと、周りの意向をどう擦り合わせるか。時には憤慨しながらもうまく消化&昇華して良い作品にしていく才があったように思う。 あとこれは上述の2つに比べれば些事だが「仕事が早いこと」。 依頼すればすぐにもう2曲できている、など仕事が早いことを示すシーンがあった。早くあがってくれば、調整や手直しや時にはやり直しをする時間もできる。よりいい映画になる確度があがる。依頼者側からすれば非常に頼もしかったであろう。映画音楽という制約の中で自分を発揮することを楽しんでいたからこそのスピードであるように見えた。(心に何らブレーキがない。) 自分の全人格を五線譜に発露することを喜びとする一生。 ただ良い曲、自分が思う曲を作り続けることに注力した一生。 とても幸せな人生であったと思う。 ※映画としては複数人の関係者にインタビューした映像で構成されるが、お題ごとに皆に聞くものだから単調で退屈な面もあった。(途中睡魔を我慢するのが大変であった。) 都度全員のインタビューを載せなくても。まあ、大御所ばかりにインタビューしてたからカットは難しいか。。(笑 ※「ニューシネマ・パラダイス」のところはもっと時間を割いて欲しかったぞ。
モリコーネが関わった音楽が片っ端から観たくなる。
エンニオ・モリコーネの映画音楽はもちろん知っているし、モリコーネが関わったイタリア歌謡に好きな曲も多い。しかし、これほど多岐にわたった活動をしていたことや、監督の意見すらもしりぞける映画音楽に対するこだわりと自信についてはこのドキュメンタリーで初めて知った。とにかく3時間、モリコーネの音楽がかかりまくり、本人やコメントを寄せた著名人たちの解説が付いて、ありがたいったらありゃしない。改めて知ったのは、モリコーネの音楽が映画作品を凌駕してしまっていたり、映画の価値を底上げしている例がわんさかあること。途方もない才能を浴びるように感じられる至福の時間だった。
ただ、ドキュメンタリーの体裁としてはよくあるパターンであり、最後にはモリコーネの功績を称えるコメント釣瓶打ちになるのは、正直凡庸な構成ではなかったか。あのパターンに陥ると、もう型通りのエンディングになだれ込むだけだと、いささか退屈してしまう。盟友トルナトーレでないと実現しなかった企画であることに感謝しているのだが、モリコーネの独創性に倣った構造の映画であったらもっとよかったのに。と、わがままを言いつつ、2時間37分にまとめただけでも偉業だった気もする。
彼の人生を紐解くことは、もはや映画史を紐解くことにも等しい
カメラの前でモリコーネが語る。著名人の言葉が挿入される。映画の名場面とその音楽が流れるーーーこれ以上の何が要るというのか。モリコーネがいざ音楽遍歴や、映画界に進出したきっかけ、はたまた各作品にまつわる逸話を丁寧に語り出すと、もはや誰もが時の経過を忘れてのめり込んでしまうはず。長きにわたるキャリアにおいて巨匠は、いかなる創造的感性を働かせながら作品にふさわしい音を探求し続けたのか。一つ一つの言葉に驚きと発見が詰まっているし、これを観るとすぐさま各映画を音楽的な側面から再鑑賞・再検証したくなるに違いない。個人的には、モリコーネが『海の上のピアニスト』に添えた言葉は実に興味深かったし、歌声を取り入れた『ミッション』の壮大な音作りの裏話に触れられたのも貴重だった。彼が亡くなっても芸術は不滅だ。このドキュメンタリーは、私達がこの先、彼の遺した名曲と歩み続ける上で欠かせない教科書的な一作となるだろう。
個人的なベストは『続・夕陽のガンマン』
映像に添えた音楽は実に500曲。映画音楽の父と呼んで差し支えないエンニオ・モリコーネの生い立ちから創作活動までを紐解く人物ドキュメンタリーは、世代を超えて、映画マニアたちの個人史を辿る時間でもある。 数々のマカロニウエスタン、『ニューシネマ・パラダイス』、『アンタッチャブル』あたりがすぐ思い浮かぶが、やっとオスカーを手にした『ヘイトフル・エイト』は代表作と呼ぶのに少し抵抗がある。アカデミー賞の気まぐれをもろに被った巨匠の1人が、モリコーネだったと思う。 個人的な好みを言わせていただければ、独特のギターのリフと口笛とコヨーテの鳴き声をフィーチャーした『続・夕陽のガンマン』と、イタリアン・ツイストを炸裂させた『太陽の下の18歳』がベストワークかと。その攻めっぷりにこそ、モリコーネ音楽の真髄を感じるから。このドキュメンタリーを機会に、モリコーネとイタリア映画の1960年代にトリップしてみてはいかがだろうか。
なぜ「バッハ」や「ベートーヴェン」は誰でも知っているのに「モリコーネ」は知られていないのか? 映画ファン必見作品!
「ニュー・シネマ・パラダイス」の、あの名曲は、たとえ作品を知らなくても、誰でも聞いたことのある曲でしょう。 「この曲を作ったのは誰か?」と問われると、「エンニオ・モリコーネ」という名前が出てくる人は非常に少ない現実があります。 ただ、「モリコーネ」の凄さは、そんな次元ではない、ということを、この映画で体感できるのです! 「ニュー・シネマ・パラダイス」の曲などは単なる1例にしか過ぎず、映画音楽の骨格を生み出したのが「モリコーネ」なのです。文字通り「映画音楽の生みの親」と言っても大げさではないことが本作を見ればわかるでしょう。 なぜ「バッハ」や「ベートーヴェン」は誰でも知っているのに「モリコーネ」は知られていないのか、という疑問を抱くまでに凄いのです! 別の言い方をすると、本作でないと「モリコーネ」の偉大さや偉業を体感しにくいと思います。 本作を作ったのは、まさに「ニュー・シネマ・パラダイス」でタッグを組んだジュゼッペ・トルナトーレ監督です。この作品用に撮った「モリコーネ」本人へのインタビューを中心に構成し、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノなどの映画業界のトップランナーがタイミングよくコメントや解説をしてくれます。 ただ、冒頭のインタビューシーンは、回顧録すぎて、正直に言うと不安もありました。しかし、すぐに「映画」関連へと移っていき、見たことがない昔の映画でも、「モリコーネ」の音楽への取り組み方などが垣間見え、いかに才能の塊であったのかがわかるようになっています。 500作品を超える映画やテレビの音楽を手がけ、2020年7月に91才の長寿を全うし、本作が結果的に遺作となりました。 あまりに壮大で興味深い物語で、157分が短く意義深く感じられる凄い作品でした。
鍵盤を見つめるだけで、ピアノを弾かなくても作曲出来て譜面が書けるって・・。
2023年1月25日(水)
TOHOシネマズ日比谷シャンテで「モリコーネ 映画が愛した音楽家」を。エンニオ・モリコーネへのインタビューを中心に彼の生涯を描いたドキュメンタリー。監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナーレ。
モリコーネは2020年に亡くなったが、映画は5年前に企画され彼へのインタビューを撮っていたので、そのインタビューを中心に映画の場面を含め関係者のコメントで構成されているが、コメントする人たちがすごい。ジョン・ウイリアムズ、ハンス・ジマーの映画音楽の巨匠から監督、作曲家、ロックシンガーまでが幅広く、Dアルジェント、Bベルトリッチ、オリバー・ストーン、リリアナ・カバーニ、ジュゼッペ・トルナーレ、あと監督は誰が出ていたかな?
あ、タランティーノ、テレンス・マリック、他にイーストウッド、クインシー・ジョーンズからジョーン・バエズ、パット・メセニー、ブルース・スプリングスティーン等々がエンニオを語る。
1968年7月14日「サムライ」と「続夕陽のガンマン」を観て映画にハマった私は、映画音楽といえば最初はフランソワ・ド・ルーベとエンニオ・モリコーネだったのである。
映画の中でも「続夕陽のガンマン」について語られるが、あのイントロはコョーテの遠吠えをイメージしたそうだ。
「「シシリアン」はバッハだ。」確かに音階はB→A→C→H、シシリアンマフィアがバッハとは。音階はB→A→C→H、順番が変わるだけだ。
キューブリックから「時計じかけのオレンジ」のオファーが来たのをセルジオ・レオーネがモリコーネに無断で「自分の作品(夕陽のギャングたち)の作曲中だからダメ」と断ったのをモリコーネが残念に思っていた(実際は作曲が終わって編集中だったらしい)。一度、キューブリックとは一緒に仕事をしたいと思っていたのが印象的だった。
「ニュー・シネマ・パラダイス」は、一度断ったが関係者にシナリオを読めと薦められ、読んだモリコーネが自らトルナーレへ電話して「私が曲を書こう」と言った。「心から楽しんで仕事が出来た」
「アンタッチャブル」は、デパルマに頼まれて9曲のデモを作って「その中でこれは出来が悪いから使わない方が良いと言ったんだが、デパルマはそれを選んだ」
凄いと思ったのは、モリコーネが自分の楽曲の話をするときメロディーを全て口ずさめた事。あれだけ多くの曲を作っていてすぐに出てくるのって凄い。
フランシス・レイが日本でヒットした「雨の訪問者のワルツ」を、作曲した曲が多くて全然記憶に無かったという話を聞いた。
何度もアカデミー賞候補になるも受賞出来ず、名誉賞を受賞。でも、その後6度目のノミネートで「ヘイトフル・エイト」で受賞。嬉しかったろうな。
面白いエピソードが続き、日本未公開を含め色々な映画のシーンとサントラが聞けた。
序盤はインタビューでテンポもスローなので眠くなるかも知れないが、後半は映像と音楽がたっぷり楽しめます。上映時間2時間37分は長いけど、観て良かった。
2024.12.16 CSにて観賞。
観ごたえあったが時間が長い
CSで録画視聴。 昨年、映画館で観たかった作品がやっと観る事ができた。 モリコーネの生涯、映画音楽秘話が満載で十分堪能できた。 観て良かった作品。 ただ。時間が長い。せめて120分にまとめてほしい。
片時も目が離せない❗️感動作品❣️
幼少期、父からトランペットを習い習得する。
貧しく父の代わりにトランペットを演奏する日々を過ごす。
音楽院に入りペトラッシを師と仰ぐ。
従来の楽器を使って音を出すよりも、
あらゆる方法で音を創り出すことに情熱を注ぐ。ガンを叩く、タイプライターなどのノイズや歌を起用する。
編曲者ゆえ名前が出ないが。
鍵盤を見るだけで作曲した恐るべき才能。
ジュゼッペ•トルナトーレ監督とタッグを組む。
黒澤明監督の『用心棒』をもとに製作された
セルジオ•レオーネ監督による
『荒野の用心棒』を手がける。
口笛が印象的。
『夕陽のガンマン』
クリント•イーストウッドも感謝❣️
以降ウェスタン作品についてオファー殺到❣️
本作に惹かれて『夕陽のガンマン』『続?夕陽のガンマン』を映画館で鑑賞。映像音楽共に堪能させていただきました🎁🎀
蔑まれて来た映画音楽の地位を向上させ
一つのジャンルを打ち立てた功労者といえる。
その為にもプライドを持ち自身の曲のみで、
既成の曲や他人の曲をと言われれば固辞した。
監督の方が折れるまでとなる。
発明者と言われる。
本作のモリコーネご自身、どの曲についても作る前から、途中から、閃いたことや苦心したことを唾をも飛ばす勢いで話されていた情熱に目を瞠りました。そして、よく覚えておられました。たくさん作られたのに。
後半老齢なお身体ながら超大所帯のオーケストラを前にタクトを振っておられるお姿を目に焼き付けておきたいです。
{出て来て書き留められた作品}
💖ほとんど知らない作品ですので、少しずつ鑑賞できれば幸いです💘
黄色い戦場
シシリアン
カニバル
カマダの戦い
ラ•カリファ
殺人捜査
ギャングスター
時計じかけのオレンジ
冷酷なる瞳
歓びの毒牙
わたしは目撃者
死刑台のメロディ
勝利への讃歌、
アニェーゼは死に向かう
ジョルダーノ•ブルーノ
アラビアンナイト
監督は変わり者が多いのでスムーズに仕事をしようとすれば相手監督の心理を読む必要が生じる、とおっしゃる。
アロンサンファン/気高い兄弟
1900年、
タタール人の砂漠
天国の日々
白いと赤とヴェルドーネ
ファンイズビューティフル
ワンスアポンアタイムインアメリカ←本作の音楽について、この音楽無しには作品として成功しなかった、音楽を聴けばこの作品と皆さん口々におっしゃってました。大好き💕な作品。
ミッション、
モルデント楽器モテット←演奏法か、難しい。
ラウンドミッドナイト
アカデミー賞残念でした。
ニューシネマパラダイス←大変楽しんで作られた作品とご本人が。 トルナトーレ監督
アンタッチャブル 警察の凱旋歌を作る。
Uターン
供述によるとペロイラは
海の上のピアニスト←大好き💕な😘作品。
沈黙からの声← 911の為のシンフォニー
満たされた魂の瞬間
アカデミー賞名誉賞受賞❣️やっと❗️
愛妻マリアに感謝の言葉をスピーチ。
クリントイーストウッド監督が壇上に。
いろいろな会場で国で演奏され歓迎される、
客席スタンドオーベイションばかり。
ヘイトフル•エイト
🎊🏆🎼🎹🎸オスカー受賞❣️🎉🪅🎊
タランティーノ監督が、
ベートーヴェンだ、バッハだ、ショパンだ、と叫ぶ❗️ディカプリオやエディ•レッドメインが笑顔で聴きいる。決して大げさではない。
200年後?にはわかるらしい。
教皇フランシスコのための協奏曲
若者の心を掴んだモリコーネの曲は映画音楽にとどまらず、コンサートは大絶賛❣️される。
誘惑し、包み込んで、頭の中で響き続ける‼️
映画音楽のマエストロ、エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー‼️トランペット奏者にしたかった父とのエピソードや、映画音楽が異端とされていた時代の物語など、興味深い生い立ちなんですが、まずモリコーネの人柄を語る豪華絢爛な面々がスゴいですね‼️イーストウッド、タランティーノ、ウォン・カーウァイ、テレンス・マリック、ブルース・スプリングスティーン、ベルトルッチなどなど‼️特にモリコーネと並ぶ映画音楽のマエストロであるジョン・ウィリアムスがモリコーネについて語るのがヒジョーに興味深かったですね‼️そしてやはり全編を彩る代表曲による珠玉のメロディーに胸を踊らされますね‼️作品内で大きく扱われるのは「ドル箱」三部作をはじめとするレオーネ作品、「ミッション」、オスカーを獲得した「ヘイトフル・エイト」‼️ただやはり私が好きなのは「ウエスタン」のジルのテーマと「ニュー・シネマ・パラダイス」‼️特にジルのテーマはレコーディング風景か歌唱シーンが観れたのはヨカッたです‼️そしてモリコーネの音楽なしでは映画として成立しなかった「ニュー・シネマ・パラダイス」は言う事ナシですね‼️このドキュメンタリーを観ていると、映画という芸術に、これまた音楽という芸術がいかに必要不可欠なものであるかという事が痛感させられ、胸がアツくなります‼️最後に私がこよなく愛するジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」が完全スルーされてたのは悲しかった‼️あの無調をベースとした不気味なサウンドは、モリコーネのキャリアの中でも異質なものだと思うので‼️
天性の音創りは彼を鬼才にした、見事であってそれ以外の言葉が浮かばない!
先週「モリコーネ」を既に鑑賞しておりました。
すっかりコメントするの忘れてましたよ、御免なさい。
この映画の事:
巨匠エンニオ・モリコーネ:2020年7月6日没(91歳)
ドキュメンタリー映画:2021年製作、157分 イタリア
イタリアの映画音楽家、彼の半生が綴られている。
昔から見ていた映画の至る所に彼の作品的音が奏でられていて
その当時は BGMを聴いていても気にも留めていなかった。
でも 今こうして 過去を思い返すと彼の創られた音が
俳優達と一緒に共演している作品を
こんなにも見ていたなんてと 驚かされる。
この映画には、有名な作曲家をはじめ、映画名監督が
続々とコメントを寄せている。
かつ、時間は短いが彼の創った映画音楽と そのシーンが
数多く出演していて
ニュ-シネマパラダイス以来、こんなにワクワク感が
止まらない気持ちになったのは久しぶりであった。
長いかと思われたが、あっと言う間の160分でした。
----代表作 (わかる範囲で)※実際はもの凄く多いです。
荒野の用心棒
夕陽のガンマン
アラビアンナイト
エクソシスト2
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
アンタッチャブル
ニュー・シネマ・パラダイス
ミッション
海の上のピアニスト
ヘイトフル・エイト
挙げたらきりがないよ。
----
この中でも、今作に挙げられていた
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ は
凄く感慨深く私の耳が聴きいった。
映画のデニ-ロのカットを見た瞬間、次のカットが
ウッズがタンクロ-リ-に身投げの場面だった事を思いだして
彼の放つメロディが流れ 私は思い出して涙した。
凄い、本当にすごい、僅か数カットでそのメロディとカットを
観ただけで 涙するなんて。
それが彼の音なんだと・・・心の奥底にいつまでも静かに
流れていく~それを覚えた。
もう一つが、
ニュー・シネマ・パラダイスである。
心が落ち込んだ時、いつもこの音楽を聴くようにしているんだな。
これ程までに優しいメロディは、私は感じたことが無い。
そう思っている。
いつまでも ずっと彼の創る音と
奏でるメロディに浸っていたい思いであるが
この辺で終わりとしたい。
(書いてる途中、ずっと彼のピアノが頭の中に・・・)
上映されてる劇場は少なく成ってきているかもですが
ご興味御座います方は
是非とも 劇場へ足をお運びください。
※単館系シネマ作品なのに シネコン系の枠で
上映頂いてる事に深く感謝いたします。
鑑賞出来て本当に良かったです。
頭の中で奏で
1961年から500以上の作品に関わり、2020年に91歳で亡くなった、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。誰もが知る曲「ニュ ー・シネマ・パラダイス」のトルナトーレ監督にのよるドキュメント。トランペット奏者の父により、トランペットを習うために音学学校に入れられたものの、作曲に転向し才能を発揮。徐々に映画音楽の依頼が増えて成功していく。
みんな知ってる曲も多いし、あの曲もこの曲も、とまさしく映画が愛した作曲家。意外だったのが、作曲家は曲を作るときピアノのそばですると思っていましたが、周囲にピアノも楽器も見当たりませんでした。頭の中で奏でてるようです。巨匠でありながら実験的な試みも多くされ、それがまた印象を強くしていました。ブルーススプリングスティーンも「続夕日のガンマン」に影響を受けていたのは意外。ハンスジマーは、最初の音でモリコーネの曲とわかると言っていました。ジマーは積極的に既存の曲を取り入れますが、モリコーネは既存の曲を採用しないようにしていました。
面白かったのがセルジオ・レオーネ監督と初対面の時。
モリコーネは(見覚えがある顔)と思い「カリッシミ小学校にいたレオーネ?」
レオーネ「そうとも」
実は小学校以来の再会だったと。
生涯の仕事
157分の長さも納得の、盛りだくさんの内容。 医者になりたかったのに、父の勧めでトランペットへ。 人の運命というのは、意外な方向。 そして紆余曲折の人生。 へーの連続。 私が生まれる前の、イタリア映画の話も多くて。 ピンとこない箇所もあったけど。 あの映画も、この映画も?!と、驚き。
モリコーネの曲があればそれだけで名作
エンリオ・モリコーネの生い立ちと 音楽との関わり方や 数々の代表作が如何にして生まれたのか その流れを丁寧に紐解く作品。 曲を聴くだけで名シーンが浮かんできます。 映画好きの方は絶対に観てほしい映画です。 2024年1月に4Kレストア上映されて話題になった 「レザボア・ドッグス」のとっても興味深い撮影秘話も あったりします。 で、月に8回程映画館で映画を観る 中途半端な映画好きとしては 例えばテレビ番組の中の再現VTRみたいな映像でも BGMにモリコーネの曲が流れると無条件で感動してしまう。 それほどに感情に訴えるパワーが強いモリコーネの名作音楽。 あなたは何が好きですか? 私は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の中の 「デボラのテーマ」かな〜 主人公の陰惨な人生の中で唯一の美しい思い出として 胸の中に抱き続けて来たヒロインのデボラ。 彼女の存在そのもが彼の人生の中の安らぎでもあった。 そんな感情が溢れるなんと美しく悲しいメロディー。 映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」 観た後に、 チャンスがあったら 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」や 「海の上のピアニスト」等も是非ご覧くださいね。
長丁場でしたがあっという間の
映画の音楽を楽しめた時間でした。 モリコーネの名前を知らなかったのですが ニュー・シネマ・パラダイスのタイトルから 監督と作曲家の篤い友情! 古さを感じさせない、寛やかに耳に入る メロディー! 温故知新、映画を名作にさせる音楽の 大切さを知ることができました✨ 公開日に観ました。
モリコーネが溢れ出す
好きな海外の映画音楽作曲家は?…と聞かれたら、自然とジョン・ウィリアムズとエンニオ・モリコーネの名が出る。
大巨匠二人で教科書みたいな答えだが、どうしてもこの二人の音楽に魅せられる。
共に偉大なキャリアと多大な功績を残しているが、タイプとしては似てるようで違うようにも感じる。
ウィリアムズは王道も王道。THE映画音楽。昔ながらのフルオーケストラ。
モリコーネもそうでありつつ、一連のマカロニ・ウエスタンでの独創的な音楽。様々な分野の音楽を組み合わせたり、作品に応じて実験的な音楽も。ジュゼッペ・トルナトーレとのコンビでは心に染み入る美しい名曲…。異端にして唯一無二の探求家。
本作はそんなモリコーネのドキュメンタリー。
生前のモリコーネが自らや映画音楽を語り、半生やキャリア、同業者や業界人からのリスペクト。
ドキュメンタリーの作風としてはありふれているが、初心者でも見れる。
監督はトルナトーレ。やはりこの人が撮ってこそ。
手掛けた名曲の数々も流れ、2時間半超えのボリューム。モリコーネ好きには堪らない!
ざっくばらんに経歴。
元々音楽家志望ではなかったが、父の勧めにより音楽院へ。
トランペット奏者としてイタリア現代音楽の大家ゴッフレド・ペトラッシに師事。
当初は成績もあまりよろしくなく、師からも期待されていなかったというから驚き!
次第に才能を開花させ、作曲や編曲を始める。数多くのアーティストへの楽曲提供も。
映画音楽デビューは1961年の『ファシスト』。彼の名を上げたのは奇遇にも学校の同級生であったというセルジオ・レオーネとのマカロニ・ウエスタン。
暫くはマカロニ・ウエスタンの音楽が多かったが、やがて国内外問わず様々な作品や監督に重宝され、手掛けた総本数は500本以上…! 時には一年間に20本以上手掛けた事も…!
栄えある賞も多く受賞。オスカーは長らく無縁だったが、2007年に名誉賞を、そして2016年、クエンティン・タランティーノの『ヘイトフル・エイト』で悲願の作曲賞を受賞。
映画音楽のみならず、本来の純音楽作曲も。コンサートは常に大盛り上がり。
2020年に亡くなるまで活動を続けた、世界音楽屈指のマエストロ。
だがそんなマエストロも、苦悩や葛藤の連続であった…。
音楽院時代なかなか認めて貰えず、劣等感抱える。
アーティストからは声が掛かり、映画音楽も引っ張りだこだが、師や学友からは良く思われず…。俗悪な映画音楽など手掛け、純音楽への裏切り。
それでもモリコーネは映画音楽の作曲を続ける。
暫くは来る日も来る日もマカロニ・ウエスタンの音楽ばかり。それで有名になったから宿命と思って引き受け続けるも、決して満足していなかった。あの『荒野の用心棒』や『夕陽のガンマン』の音楽に対しても不満を。嘘でしょ!?
打ち破ったのは、『続・夕陽のガンマン』。従来の音楽に囚われず、あらゆる手法を駆使して作曲したという。やはりほとんどの人が口を揃えるのも、これ! かく言う自分も。初めて聞いた時の衝撃は忘れられない。何かで読んだ事がある。“人間には二種類いる。この音楽を聞いてモリコーネが嫌いになる者と、虜になって抜け出せなくなる者”。ちなみに私は後者。
音楽を巡って監督と衝突する事もしばしば。新曲を作るも、以前の音楽を流用されたり、あの音楽のようにと注文あったり、屈辱も感じたという。が、作曲した音楽は監督をいつも納得させる。
映画が失敗すると、責任も感じたという。
映画音楽家として地位を高めるも、映画音楽から身を引こうと思っていたのはしょっちゅうだったという。
それでも彼を引き留めたのは、映画音楽だった。
新人監督との仕事や初ジャンルへの挑戦。さらにモリコーネ音楽世界が広がっていく。
声楽や交響曲からのインスパイア。それらを無限に取り込んでいく。
その都度その都度ターニングポイントとなった作品も。
レオーネとの『ウエスタン』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』。
国際作品なら、『天国の日々』『ミッション』『アンタッチャブル』。特に『ミッション』は自信作で、これでオスカーを逃した事は本人にとってはショックで、アカデミーにとっても大いなる過ちと言われている。
そしてトルナトーレとの運命の出会い。親子ほど離れた歳でありながら、師弟であり盟友。
『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』『マレーナ』…。
何故だろう。トルナトーレとのコンビの時は特別な音楽に聞こえるのは。
『ニュー・シネマ・パラダイス』のノスタルジーを掻き立て、『海の上のピアニスト』では主人公に自分を重ねたという。
時に監督や製作者以上に作品を理解し、その音楽で作品を物語ってしまう。
見ていて、日本の伊福部昭と似通っている所があると思った。
伊福部氏も管弦楽の分野から映画音楽へ。
映画音楽が裏方だった当時、監督に対しても音楽の事ではっきり物言う。
名を上げたのは『ゴジラ』などの怪獣や特撮作品。“ゴジラの音楽の人”とだけ言われるのを嫌うも、一連の作品は特別心血注いだという。
作曲総本数は300本以上。映画音楽の傍ら、従来の管弦楽も。晩年、亡くなるまで。
異端の存在や音楽に捧げたその生涯。
彼らの音楽に魅了されるのは、だからだろう。
『ヘイトフル・エイト』でのオスカー受賞ははっきり言って遅すぎた。
モリコーネの多大な功績を称えるのに、このシーンだけでは足りなすぎる。
が、我々世界中のファンや同業者や業界人は知っている。彼がどんな偉大なマエストロか。
多くの監督や同業者が彼を語る時、その音楽もしっかり覚えている。これは、凄い事だ!
音楽に取り憑かれ、音楽に身を捧げたようでもあるが、その逆でもある。
音楽や映画が彼を離さなかった。音楽が楽譜を書いてと懇願し、映画が彼に音楽を付けて貰う事を望んだかのよう。
モリコーネと映画音楽。
葛藤しながらの映画音楽人生だったが、フィルムの最後、モリコーネはこう述べている。
映画音楽は最高の現代音楽だ、と。
どの作品を見ても、どの音楽を聞いても、
そこにはモリコーネが溢れ出す。
映画音楽だけじゃないよね。
映画を観たことがない人でも曲名を知らずとも必ず聞いたことがある曲を多数生み出した音楽家、それがモリコーネなんだねえ。曲作りの発想だったりは映画音楽の枠にははまらない、まさに「現代音楽」の開祖とでもいうべき存在だったんだと思います。 この作品を観て、あー観ておくべきだったなあ、とか、それ面白かった、とか思いました。
映画音楽の特殊性
<映画のことば> 音符は建築の資材と似ている。 同じレンガを使っていても、どの建物も違う。 本作によれば、映画音楽家になることは、普通の音楽家からは敬遠されているとのことですけれども。 本作を観た限り、それは、映画音楽というものは、その映画音楽が織り込まれるシーンとの整合が厳しく求められることで、通常の作曲よりも、もっともっと創造面での制約が多く、作曲の難易度が高いから、ということのようです。 しかし、映画は「総合芸術」として、そのなかに音楽は欠くことのできないもの。 そして、本作のエンニオ・モリコーネが、その難易度の高さゆえ、他の作曲家がなかなか足を踏み入れない映画音楽の世界に傾倒して行ったのは、むしろ、映画音楽は、普通の作曲と比較して、格段な難易度が高かったからではないかと、反対に思いました。評論子は。 例えば、なぜ困難を押して登山に挑み続けるのかと問われて、「そこに山があるから。」と答えるように。 彼が不屈に映画音楽に取り組む…あるいは「埋没する」ことができたのは、その精神性がバックボーンにあってのことと、評論子は理解しました。本作を観終わって。 佳作であったと思います。評論子は。
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