「声優の実力は「日清CMの早見沙織を観よ!」です。」夏へのトンネル、さよならの出口 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
声優の実力は「日清CMの早見沙織を観よ!」です。
不思議なトンネルを見つけた少年少女の冒険を描く物語。
人気小説の劇場版。原作未読です。
ファンタジー映画は、ファンタジー部分の説得力を意識して欲しい・・・と強く思います。
この映画でいえば、「うらしまトンネル」とは?をしっかりと設定し描くことが、映画の説得力を上げ完成度を高めるのだと思います。
「うらしまトンネル」はどのように伝えられてきたのか?線路わきにあるのに、何故他の誰にも見つからなかったのか?
これを御座なりにすると、物語全体が薄くなっていきます。
中盤で図書室で資料を調べる描写があるので少し期待したのですが、そこで終わったのはとても残念に感じました。
あと、あんずの設定が軽いのも残念なところです。
カオルは分かるんです。妹を失くし、家族も失くしてしまった重い喪失。でも、あんずの漫画に対する思いの描写と彼女の行動に乖離があり、戸惑いを覚えます。
この設定にするのであれば、例えば何度も原稿を投稿してダメ出しされた・・・の方が説得力が上がります。その上で、祖父と幼少の頃に作ったアイデアを元に原稿に書き上げたのに、自信のなさから破り捨てた・・とか・・・なら説得力は上がるかもしれません。
作画は美しく劇場版に相応しいレベル。
ただ、声優は本職を起用しないのも、残念。本職が殆どいないので、それ程違和感を感じませんでしたが、それでも肝心のクライマックスの感情表現になるとレベルが低く、聞くに堪えません。
全体を通して面白い作品だと思いますので、少々残念に感じました。
私的評価は、やや厳しめです。
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