「終わった後に何も感情が残らない・・・」すずめの戸締まり kenblackdogさんの映画レビュー(感想・評価)
終わった後に何も感情が残らない・・・
期待して観にいったが・・・・・結果から言うとがっかり
現世だか来世だか知らないが、全体を通して妙に宗教がかっているのが
何か新興宗教の宣伝映画でも見ているようで落ち着かない。
本来、人間の力ではどうしようもない大地震、自然の大きさを感じないわけには
いかないが、それを閉じ師一人で防いじゃう?! フィクションとはいえ
自然に対する敬意がないというか、お手軽過ぎ。じゃあ東北大震災も一人の力で
防ぐことできたの?って思っちゃう。いやフィクションっていうのはわかっていますけど
前半は1.ダイジンが移動しました 2.移動先の現地で見知らぬ人と触れ合いました 3.ミミズがでてきました 4.扉をふさごうとがんばりました。
このパターンを日本の西から東に移動しながら2,3回繰り返しているだけ。3回目からはさすがに「また同じパターンかよ・・・・」
「ダイジン」っていう猫をどうやって追いかけるんだろうって思ったら、twitterとかのSNSで
リアルタイムで大勢の人が発信しているのを見て追いかける。現代だなーって
思いつつ、普通の猫を誰もかれもがSNSに都合よくあげるか??
そもそも、この猫が大臣にみえるから「ダイジン」って愛称がついたらしいが
大臣にみえる????どこが???
道中で、すずめを引き取った叔母さんが「あんたを引き取ったせいで婚期逃した」
云々と叫んで、すずめも思いのたけをぶちまける。「そこまで言っちゃったら
大変だろ」ってスクリーンに向かって独り言をいう私。
現実問題、そこまでお互いに言っちゃったら
修復は大変だと思うんだが、あっさりとなかったようにストーリーが
進行して「へ?」
途中から「サダイジン」という猫が登場してきたが、「あんただれ?」
敵か味方かも全く不明のまま進んできて、最後に巨大化して
「ミミズ」と戦っているところをみて「ああ、味方だったのね・・・・」
草太の代わりに猫の姿から要石になったシーン
草太が要石になるシーンはあんなに寒そうでさみしそうに
していたのに、「ダイジン」には同じようなことさせてもいいわけ?
猫好きな私としてはかわいそうでした。
そもそもこの「ダイジン」、東京で地震が起こりそうに
なったときに「何万人も死んじゃうね」ってさらっと言うあたり
どんでもなく悪い奴だと思ってたんだけど・・・・結局
いい奴なのか悪い奴なのかすっきりしないまま終了。
フィクションというのはわかっているにしても、辻褄のあったフィクション
じゃないとフィクションの世界に入っていけない。ということで
この映画を通して何が言いたかったのかもよくわかんない。
震災のこと、色んな教訓・・・そういうことを伝えたいなら、別に
場所も時間も設定は何でもいいと思います。例えば古代ヨーロッパを
背景にした映画を見た後で、ハッと「あ、これは東北震災のことを
示唆していたのか?!」とこちらに気付かせる、その驚きと作者の深い意図
が感じることで、印象深くなる。震災の被害の同じ場所と同じ時間軸と
同じ人を出して震災の教訓を伝えるなら、ドキュメンタリー映画で十分。
難解なテーマを解読できる新海ファンには理解できるのでしょう。
なーんも予備知識もないもない私が見ても置いてけぼりでした
そういえば入場前に冊子をもらっていました。上映開始前には読まなかったのですが
足りないところはこの冊子を読んで補ってくださいってことでしょうか。私のように
わからない人にもフォローがあって、斬新な発想だと思います。
今年一番目の映画として観たが、仰るように言わば陳腐、シャーマニズムに偏っていてこれ以下の映画には今年は多分お目にかかれないレベルだと言うのが感想です
最初の扉閉めの、かしこみ…かしこみで悪い予感がしました