サバカン SABAKANのレビュー・感想・評価
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一夏の、そして一生の
80年代の少年たちの友情物語。
クラスでいつも同じ服を着てきてる少年と夏休みに起こる何ともいえぬ時間の共有とたわいもない会話、その家族、そしてすれ違い。
その全てが一夏に凝縮されてて観てるものの心に染み渡る。
また80年代を過ごした者に取っては懐かしくもあり、郷愁を煽る部分も多大に感じられた。
その中で過ごした少年たちの時間をとても楽しく観させてもらった。
最後に少年たちの親、農園の主人など80年代の大人を演じた方々がとてもその時代の雰囲気を醸し出してて良かったです。
名前を呼び合うシーンが良かったかなー。
日本ジュブナイル映画の新たな傑作
本作をジャンル分けするならば、幼少の思い出を振り返るような映画である「ジュブナイル映画」というのが一番ピッタリハマるかと思います。
このジャンルで一番有名なのは『スタンド・バイ・ミー』(1987)という古いアメリカ映画だと思いますが、今年の2月に『グッバイ、ドン・グリーズ』というジュブナイル系アニメ邦画も公開されていますので、今なお人気の高い映画ジャンルですね。
本作はそんな人気ジャンルであるジュブナイル作品の中でも、非常にクオリティの高い一作になっているように感じました。少年時代の一夏の思い出、子供たちだけの冒険、淡い恋心。ジュブナイル作品としての勘所をしっかりと押さえつつ、今までにない新しい作品に仕上がっていたように感じます。何ヵ所か思わず涙ぐんでしまう感動的なシーンもありました。
ただ、2点ほど不満点もあります。
1つ目は、草なぎさんの出演時間が非常に短かったこと。2つ目は、劇中何度も登場する下品で幼稚な下ネタの数々です。特に下ネタに関しては不快に感じるレベルで酷かったので、下ネタ苦手な人は要注意だと思います。
まぁ、以上のような不満点はありつつも、全体的に見ればクオリティが高く、非常に感動できる傑作ジュブナイル作品となっていましたので、観ていない方にはぜひご覧いただきたいですね。
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1986年の長崎、喧嘩は多いが仲の良い家族で育った久田孝明(番家一路/草なぎ剛)と、彼のクラスメイトで貧乏故にクラスに馴染めず孤立していた竹本健次(原田琥之佑)。ある日、竹本が突然久田の家を訪ね、イルカを見るために一緒に出掛けようと誘う。何故自分が誘われたのか、理由も分からない久田であったが、彼の誘いに乗り、家族に内緒で海までの冒険に出発する。
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私個人の話になりますが、私は東北の田舎で育ちました。なので、本作のような田舎での少年たちの物語には結構共感して感動しちゃうタイプです。本作はジュブナイルものとしてはここ数年で観た作品の中では一番面白かったように感じます。
本作のようなジュブナイル作品を語る際に、しばしば比較対象として名前が挙がる作品と言えば、スティーブンキング原作の名作『スタンド・バイ・ミー』(1986)です。アメリカを舞台に、仲良し少年4人の小さな大冒険を描いた名作として今なお語り継がれています。ただ、映画として面白いことは認めつつ、『スタンド・バイ・ミー』は現代日本では共感できないジュブナイル作品であるとも感じました。
『スタンド・バイ・ミー』、小説の原題は『The Body(死体)』であり、少年たちが仲間内で人気者になるために線路沿いに歩いて死体を探しに行くという物語です。「死体を探してヒーローになる」という動機は正直現代日本では共感できない人も多いと思いますし、私個人としてもそこが引っ掛かってしまいイマイチ映画にノレませんでした。
しかし『サバカン』において、少年たちの行動原理となっている「イルカを見たい」と言う願望は、現代日本でも理解できる理由です。映画ジャンルが似ていることもあり『スタンド・バイ・ミー』との共通点は当然多くありますが、どれも日本的なアップデートがしっかりされていてことで、鑑賞のノイズになるような違和感はなかったように感じます。
ところどころのコメディシーンも非常に面白かったと思います。私はコメディの好き嫌いが激しいんですが、本作のコメディシーンは笑えました。笑いを誘うコメディシーンが何ヵ所かあったんですが、劇場内でも笑いが起こっていて、私も思わずクスクスと笑ってしまいました。
全体的には楽しめたんですが、先述の通り不満点もあります。
1つ目は非常に楽しみにしていたのに草なぎさんの出演時間が非常に短かったことです。上映時間の9割が幼少時代の回想シーンだったので、草なぎさんのトータルの出演時間は5分あるかないでした。、『ミッドナイトスワン』を観て以来すっかり草なぎ剛のファンになっていた私は、草なぎさんがメインキャストだと信じて期待していたので、ちょっと肩透かしを食らった気分です。
2つ目は、劇中何度も登場する、下品で幼稚な下ネタの数々です。小学生である主人公が幼稚な下ネタでゲラゲラ笑うくらいならまだ可愛げがありますが、竹原ピストルさん演じる主人公の父親であったり、ブーメラン島への道中で出会うヤンキーであったり、良い歳の大人ですらそういう下ネタを連呼するのはどうも違和感がありました。正直観ていて居心地が悪かったですね。下ネタ苦手な方はご注意ください。
ただ、上記のような不満点を込みしても、観て良かったと思える素晴らしい映画でしたので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいですね。オススメです!
大人にもこどもにもオススメ
よくある夏休みの冒険話の少し先を描く映画
2022年劇場鑑賞188本目。
寂れた工場がサバカレーの缶詰で大逆転する話・・・ではなくて、サバの缶詰を見ると思い出すたけちゃんとの思い出話でした。草彅剛は出番控えめ。
パンフないんかい!ばかか!(byたけちゃん)いい映画だったのに残念。ちょい減点です。
丁度自分と草彅剛が同年代(誕生日は一緒(笑))ということもあり、舞台となる1986年は馴染み深かったのですが、そこら辺のノスタルジックあるあるはちょっとしかなくて残念。でもストーリーはなかなかいい感じで、遠くの島まで自転車だけで行くという、やっぱ子供の冒険といえば自転車だよな、という感じでした。
大抵の映画は冒険が終わると後はナレーションで「あんなに仲が良かったのに夏休みが終わると次第になんとなく離れていって、そうこうしているうちに親の都合で転校することになり、それっきり会うことはなかった」みたいなオチで終わるのがよくあるパターンなのですが、この映画は冒険の後もしっかり描いており、最後は泣いてしまいました。夏に大人が見るには最高の映画でした。
追記 パンフレットがスシローで売っているという情報を得て、調べたら売っている県と売っていない県があり、うちの県は上映しているのに販売はないということでメルカリで倍以上の価格で購入決定です。ばかか!★もう0.5減らします。そういう観客に対する配慮があるかないかも作品のうちだと思うので。
泣けました
丁寧に創られたしっとりした夏休み映画
サバカン!? いったいどんな映画だ?
観始めると、一見、日本版スタンドバイミーと言った印象だが、スタンドバイミーよりも、ずっと心地良いと言うか、慕わしい映画である。
自分の少年時代と重ねてしまう場面がそこここに有って、懐かしい小学生時代の夏休みを想起する人も少なくないのではないか。
楽しかった夏の日々、少年らしい淡い恋慕の気持ち、そして、やはり少年らしい痛々しい後悔が僅かに含まれる夏の日の思い出。
子供の頃の主人公と、大人になった主人公との対比もこの映画を盛り上げている。
大人の主人公を演じる草彅剛が実に良い味を出していて好もしい限りである。
エンドロール後の寸劇にも注目して欲しい。
昔は少年だった人は勿論、少女だった女性も、いやいや、今現在の少年少女にこそ是非観てもらいたい。
決して人間が好きではない自分ですら、人間っていうのも案外悪くないなって思わせるそんな映画である。
今年一押しの映画に間違いない。
懐かしい、古き良き時代!
何気なく鑑賞しました。
内容的には久田の少年時代を振り返り夏休みの行動を映画にしただけなんだけど、奥が深い。
キン肉マン消しゴムや、斉藤由貴ポスター、スニーカーから上履き、水筒、グラス、リュックサックと至る所に昭和のこだわりが散りばめられていた。
全てが懐かしい!
最近は親が子供叩いただけで警察沙汰になる寂しい世の中、やりすぎは良くないが、愛情があればこそなんだけどな〜
そのお母さん役を尾野真千子さん!さすがっす!
竹原ピストルさんもなかなか良い演技でした。
あの年頃の子は、キスや胸に興味津々だったな〜
最近、仕事で精神的にもきつかったけど、この映画でほっこりしました。
ここ数年単身赴任で、息子2人にも数年会っていませんが、久しぶりに抱きしめたくなりました。
ま〜もう高校生と大学生なので、抱き締める年齢でもないんですが・・
クスリと笑えるシーンや、ウルってくるシーンなど、
ぜひ、人生に疲れたサラリーマンの方々に見てもらいたい映画です。
大人の頭の中の子ども像
長崎を舞台にスタンドバイミーを撮りたかったのだろうと思いますが、登場人物全員が記号的(あるいは機能的)過ぎて実在感が無く、薄っぺらく感じました。子役の撮り方も「こちらあみ子」の方が断然良かったと思います。なお、尾野真知子と竹原ピストルは夫婦役として最高でした。
説明できない涙
エンドロールの途中で岸壁に書かれた落書きをお姉ちゃんが見つける。そこでこみ上げてきたものは一体何の涙なのか自分で説明できない。いい映画を見せてもらった。
邦画は洋画に比べて映像の平均点が低いと思っているが、本作は撮影、特に移動撮影が秀逸だった。軽トラに乗せてもらって海から帰るところ、前述のエンドロール、自転車ナド。
時代背景はマタゾウより一回り若い世代だが、描かれる場面はワタシのそれと非常に近く、個人的には斉藤由貴や当時の時代風俗ネタをもう少し掘ってほしかったカモ。
役者では竹原ピストル良かったなあ。あと草なぎ剛、全くこの人の演技にはいつも惚れ惚れさせらせる。その人にしか見えない。貫地谷しほり、お母さん役の年代なんだなあ。その明るさが、かなしい。赤信号のフラグが、まさか本当に…。
ラストシーン、竹本の顔を出さなかったのは正解だ。ディテイルまでしっかりした良作でした。
そこはカニカマで
小学生時代が無性に懐かしくなった
一言で言えば、「友情の証」です。何がって?題名ですよ
カタカナで書いてあると今一つわかりにくいのですが、題名は友情の証となるものを示しています。
作品の中身についてはあまり言うことないです。異性に関心を持ち始めた内気な少年とわんぱくでたくましい少年の間の友情にまつわるお話です。
昨日見たバイオレンスアクションが不自然な笑いを無理やりちりばめて作品を壊したのに比べると、本作は自然な笑いを取り入れて心地よく見ることができました。
気になる点として上映時間が96分と短いのはいいのですが、本来必要とされる説明を省いてしまったところがあります。脳内補完しましたが少しモヤモヤしながら残りの部分を見ていました。時間的な余裕があるのだから多少上映時間が伸びても必要な説明は入れるべきかと思ったりします。
いつの間にか忘れていた「またね」
子どもの頃とか、社会人になるまで当たり前に使っていた「またね」「また明日」って言葉。
知らない間に「お疲れ様です」が別れ際の定番文句になっていました。
サバカンを観て「またね」ってすごく温かい言葉だなと感じました。
何か「明日がある」「次がある」って思わせてくれます。
口に出さなくても友達だなんて分かり切ったことなのに、ふとした事で不安になるのもすごく理解できました。
それで距離置いて、仲直りして、やっぱり友達だ、みたいな。
普段は怖かったり、ふざけてるけど、子どもが辛いときは優しく包み込んでくれる、そんな親に自分もなりたいなと感じました。
せっかく思い出したので明日から「またね」使ってみます。
別に大人は使っちゃダメってことはないですし。
ノスタルジーに浸る新たな名作
サバ缶を見ると思い出す少年がいる…
草彅剛のナレーションから始まる本作。
改めて草彅剛の声ってこんなに落ち着く良い声なんだなぁ、作品に一気に引き込まれた。
内容としては、作家の主人公がひと夏のかけがえのない思い出を振り返る。
美しい長崎の海辺町を背景に瑞々しい子供二人の友情が眩しい。
観ながら久々にノスタルジーに浸った。
クジラに乗るために親の力を借りずに出発、気分は大冒険なんだろうなぁ。
歳上の女性に夢中になっちゃうシーンは微笑ましかった。
それと両親のキャラが良かった。キツめな母とちょっと情け無い父、でも息子への愛情はとっても深い。
ずっとこの友情が続くと思っても、些細なすれ違いや突然の別れ…
別れのシーンは泣きそうになった。
ノスタルジーに浸る名作としてスタンドバイミーがある。
あの作品は友情の儚さが描かれていて切ない気持ちになったのに対して、今作は観終わってとにかく多幸感に溢れる映画だった。
「少年の日の夏の思い出」ものとしては及第点
キン肉マン消しゴムや斉藤由貴のカセットテープなど、80年代後半の世相の描き方がうまい。尾野真千子と竹原ピストルの夫婦(両親)も、非常に良い味を出している。
その一方で、イルカを見に行く冒険では、お兄さんやお姉さんとの関わり方がご都合主義的だし、その後の、ヒサちゃんがタケちゃんを「友達じゃない」と思ってしまう理由も、今一つ腑に落ちない。
さらに、タケちゃんと別れることになる展開も、あまりにも唐突で、あのようにする必要があったのかという疑問が残る。ただ、仲直りをするきっかけとして、「別れ」自体は必要だったのだろうが・・・。
物語として、どこか釈然としない部分もあるものの、観終わった後には、「いい映画だった」と思える、ほのぼのとした余韻が残る。ずっと気になっていた浜辺の壁に描かれた絵も、エンドロールの途中で明らかになるのでスッキリする。
どうせなら、「タケちゃんは、イラストレーターになって、ヒサちゃんの小説の挿し絵を描く」というオチにした方が良かったのではないかとも思ったが、それだと「サバ缶」の話にならないか・・・
竹原ピストル、尾野真千子、サイコー!
ほのぼの、哀切、子供の冒険、友情。家族の良さ、故郷の良さ、旧友の有難さ 真の幸福がテンポ良く元気よく作品。
この作品は
「ミッドナイトスワン」のちょっとしたデープさ、湿っぽさはない。
だから親子で鑑賞ターゲットは間違っていない。
隣の席が母娘で若干、子供らしい「・・・ね」という母親への同意はあったが
なんとか基本無言で乗り切った。いやいや子供の雑音は怖い。
ひねくれジジイの警告の咳、感じ取って君はエライ。低学年くらいの女の子
ただこの作品は「そういった親子向け」なのだ❗️
現実感を出すために「ボロい家の子供 母子家庭 多人数兄弟」のボロ家屋が
同級生にバカにされるという小学校高学年特有の配慮のなさは良い
ただ実際はボロアパートというのが現実的・・1986
服装も当然揶揄されてるが、この貧乏な嫌われ者の竹本くん
孤高の強さを見せる。竹本くん、家をバカにされても、疎まれても平気なのだ。
実際はイジメに負ける人が殆どだから、逆にこの描写は良い。
主人公 久田君 を「島への冒険に誘った」のも
「お前だけ、俺の家を笑わなかったからな」というのも
脚本、セリフの王道中の王道。カタルシスがある。
主人公の、夫婦喧嘩ばかりで兄弟のやり合いもあるが賑やかな家族も
貧乏人で母子家庭、母親がスーパー勤務の多人数兄弟姉妹も
普通の家 と 貧乏オンボロ家の違いはあれど 共に楽しい家族に何ら違いが無いのだ
というメッセージは刺さる。
子供同士の冒険はありふれたもの、とはいえ沖での水泳は、非現実的、死んでしまうよ。
でも小学生だから「基本安っぽい」感情の起伏も、甘えも、リアルだ。
悲劇の哀切が痛いが、それを乗り越えていて湿っぽくはない。
売れないライターの草なぎ剛、帰る場所があって、別居らしい妻、娘とも関係修復も爽やか。
でも「クソジジイ」みかん🍊農家の岩松了👩🌾が「実は思いやりのある大人」というのがカタルシス的にはMAX。
【注意事項】エンドロール後もちょっとした映像あるので、オシッコ限界の人以外は明るくなるまで居ましょう。
有料パンフ集めが趣味のワシにとって「スシロー」とのコラボはキツかった。
ガチムチ筋トレ💪、ランニングマシン、エアロバイク、ジム通いの時代を思い出して
速攻金曜の夜「有料パンフとグッズのサバ缶」購入に遠路🚴チャリで疾走した。
「サバカン寿司」「アボガドサバカン寿司」は食さなかったが・・パンフは余裕の在庫だった。
だって」電子版パンフ、奇しくも【ミッドナイトスワン】で電子版購入せざるを得なくて購入したが
結局数ページめくっただけで、そのまま放置。
思うにこういう写真や少ない文章の小冊子は電子版よりも印刷物の方が良いのです。
【紙(スシロー専売)@880円 28ページ 電子版@1000円 スペシャルエディション 40ページ】
でも夜間疾走したジジイのワシ、はたからみたら「八つ墓村」「丑三つの村」の鬼気迫るジジイだったかも・・・
イヤー汗まみれで疲れた。
サバ缶 エピソードは皆さん独自に感じ取ってくださいな。
普通の好作品、劇場に笑いが多かった。
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