サバカン SABAKANのレビュー・感想・評価
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なかなか終わらない「またねー」の往復👍
話は昭和後半の長崎。2人の少年が夏休みに旅をしながら、成長して友情を深めていくロードムービー的な作品。早朝から日暮れまで子供だけで出掛ける。今の子供にはさせないでしょうが、当時は当たり前でした。子供の頃の1日は長かったことをしみじみ思い出す。
2人の少年、久田と竹本のイルカを見に行くというだけの全く無計画な旅。自分もこんなことやってきたなあと懐かしむ。案の定トラブル連続の旅だが、貧乏でクラスで笑い物の竹本が根性があり、久田を引っ張っていく。離島に浮き輪なしで泳いでいくなんて、やっぱり昭和だな。
旅の途中で出会う女子高生にほっぺを赤くするような感じ、その気持ち分かる分かる。でもおっぱい見過ぎ😂でもそれも分かる分かる❗️
なんとか家に帰ってきた2人。大冒険をクリアして完全に親友になった感じも良い。別れ際の「またねー」の繰り返し。このシーンはニヤニヤ。よくやったなあ自分も。あれいつ終わりにするか分からないから続いちゃうんだよなあ。何百メートル先、見えなくなるまで。でも、竹本の転校で本当の別れ際の「またねー」にはぐっとくるものがありました。少年時代に帰ったような心温まる作品でした。2人の少年を演じた番家くんと原田くんは演技経験が無いそうですが、仕上がった子役よりもリアルで良かった(でも演技お上手でしたよ)。久田の両親役の尾野真千子さん、竹原ピストルも昭和の父ちゃん母ちゃんを上手く演じてました。さすが、竹原ピストルは歌が上手い。草彅剛の出番は最初と最後10分もないが、彼のぼくとつなナレーションは好きです。こういう映画最近なかったので観れて良かったです。エンドロール最後まで見てねー。見てねー。見てねー。
サバカンとは?エンドロール後も含めて完成する映画です。
1986年のある夏の日から今に至る二人の少年の物語。いじめられていて貧乏な家だけど母親と4人姉妹の長男として家族楽しく暮らしている友達。亡き父が作ってくれたサバ缶をネタに握った寿司を美味いからと主人公の少年に食べさすのだが、後に大人になり、板前となったその友達に語られるように、大人になった客に出しても決してうまいものではない。しかし主人公もこの寿司を「うまい、うまい」と言って頬張る
「尊敬していた父親が作ってくれたから、、、。」このことから分かるのが、サバカンは親子の関係性、外から見ていると分からない、本人同士だけ理解し合える関係の象徴なのかなぁと。だからこれは他の世界では分からない味がするのだ。そこで思い出されるのが、主人公が冒頭で読まれる父への作文、何かと叩き合う家族、そこからもこちらも形は違えど本音を言いあえるいい親に育てられているのは理解できる。ちゃんと愛されて育った子供たち。
こういう思いを共有しているひとたちのお話。
その比較対象、理解できない人たちとして
主人公と友達の価値観が分からないいじめっこ達。
子供というだけで、ピンクだから女の子という判断をする不良の若者。人を見ると全て万引き犯と決めつける駄菓子屋の夫婦。が登場しなさますが、それくらいであとは基本みんないい人ばかりが数多く登場する。
地元の不良を一蹴し、友達にだけ「負けるなよ」と帽子をくれた地元で一目置かれるお兄ちゃん。「サザエを焼いてくれる、ちょっと色っぽいその彼女」「みかん畑の天敵ジジイ、スーパーの半額店員、お土産をくれる、家族の姪っ子、褒める先生、抱きしめてくれる主人公の両親。カップケーキを買って帰り、友達の行動をずっとからの立場になって考える友達の母。いざとなると引き取りに来る親戚。そして「トムソーヤの冒険」のハックみたいな友達。
そしてその友達からパワーワードが連発する。
「お前だけ俺の家を見て笑わなかったから」「走ると決めろ!」「文を書く人になれ」「お前はすぐ諦めるからな」そんな印象的な言葉が見ているこちらの心に突き刺さり、主人公の背中を押す。子供の頃のこういう友達や他人のひと言って何十年経った今でも残っているもの。そんな風に友達は主人公よりちょっとだけ大人だから、まだまだ子供の主人公は、友達の「自分はトモダチだと思ってるけど、、、」という相手を気遣っている発言についての考えが理解できない。
そして、物語はひと夏の想い出がその後もらずっと続いていく。
大人になった主人公は
「そういえば、幼馴染で友達いたなぁ。」って水族館のイルカを見て思い出す。
困難はあるけれど周りには必ず優しい大人がいた。
そのことを思い出すことで大人になった主人公も家族について見つめ直してゆく。
とても好きな作品で落涙しましたが、
子供同士の会話や
もうひとつくらい旅での大きなエピソードがあってもよかったかなぁと。例えば旅から帰れなくなったとかして、主人公が警察とか大きな社会にぶち当たるとか。そういったことはないのでお話しに今ひとつ起伏がないのです。その点で言うと友達の母の死が山場と言えるのですが、ここ、もっとじっくり友達と主人公の会話が聞きたかったなぁ。
でも、そうすると「またなぁ」の活かし方が難しくなるのか、、、。(ちなみに「またなぁ」のいかにもな、伏線の貼り方は分かりやすすぎて、、、回数減らしても良いかと)
エンドロール後まで見て完成する映画ですので席は立たずに。
みかんの不器用な愛情もいいけど手間暇かけた愛が詰まったサバ缶もね!
そういえば、
サバからのイルカ?そして寿司、気づいたら海洋生物だらけだ!
またね、の重みを噛み締めて
時代の空気感が良く描かれている
主人公が作家なこと、主人公の親友がめぐまれていない境遇なことなど、スタンド バイ ミーと重なる。ただあちらはラストで親友の死を知るけど、この作品では大人になった2人が再開するシーンがラスト。断然本作品のラストを支持する。2時間だが、もう少し子の世界にひたり
たいと思えた。あと30分長くても良い。あの女子高生は在日?軽トラの彼との関係は?など幾つかの疑問点を描けたかも。あえて語らない良さもあると思うが、もう少し長く観ていたかった。それだけ面白かった。
食べよう♪
その意気や良し‼️と絶賛したかったのに…😩
(日本版スタンドバイミーに挑戦したと思われる)その意気や良し‼️という意味では好感の持てる映画でした。
それとあの帽子のシーン。ホアキン・フェニックスの兄、早逝したリヴァー・フェニックスが演じた若き日のインディ・ジョーンズが帽子を引き継いだシーンも彷彿とさせられて、映画の世界の先達へのリスペクトが感じられたのもとても良かったです。
また、長崎の自然を捉えた素晴らしい風景描写も深く心に響きました。
なのにこの映画を肯定できない自分がいるのも事実。
要因は久田家の家庭内暴力の描写。
生理的に私個人の許容範囲を超えるもので、とても残念でした。
坊主頭の少年を当たり前のように叩くのは、例えて言えば、リトルリーグや高校野球の坊主頭の生徒を小突く程度のことは暴力には当たらないと肯定しているみたいで、とても違和感があります。
身体的に絶対優位の大人が子どもを叩くのは、本当にやめて欲しい。
20代の頃の話です。
会社の同僚と近くの公園で昼飯を食べていたら、30代くらいの若いお父さんが、坊主頭の5歳くらいの男の子の頭をゲンコツではなく平手で叩いていました。
なので、一応躾の一環としての行為なのかな、と軽く受け止めてさしたる考えもなく『あのお父さんの躾、厳しいね』と呟いたら、隣の同僚が『あれは躾なんかじゃないですよ。ひどい暴力ですよ』と目の色を変えて反応しました。
私が家庭を持ったのはそのあとですが、その同僚のことを想像しながら、どんな軽微な(と暴力を振るっている本人は思っていても)暴力であろうと、叩かれている本人だけでなく、周りで見ている人にも嫌な感情を抱かせることがある、という事実を思い知りました。
それ以来、実際にはさして影響を受けないで済む人も多いのかもしれませんが、負の影響を受ける人の重大さを想像することのほうが大事なことだと思うようになりました。
『ガサツで下品であけすけだけれど、とても暖かい家族』を描くうえで、暴力描写は不要だと思います。
心温まる映画です
「またねー!」に胸がぎゅっとする
大人になると友達という存在がいかに大事で尊いものか分かる。子どもに見せたい映画と監督さんは言っていたけど、心にドンピシャに響いてくるのは、あの昭和時代を生きた世代だと思う。
子役は作品によってあざとかったり言わせてる感が強く出たりするけど、サバカンはそんなことはなく、そこにひと夏を生きた久田と竹本という小学生がいた。幼い中で不安を滲ませながらもいつの間にか友達として繋がっている。二人を通して大人を見ると、いい人も悪い人も視点が変われば見方も変わり、子どもはそういう人たちを見て成長していく。
美しい長崎の風景にも癒されました。
後半部分の駅のシーン、蜜柑畑のライバルには泣かされた。あと、「またねー」「またね!」の往復も。観賞後はこちらも笑顔をもらって胸があったかくなりました。海岸の壁に書き残した絵も凄く良かった。思い出って結果じゃなく過程なんですよね。
なんでタイトルが「サバカン」だって?観てください。
忘れかけていた、あの時の景色を思い出せる映画
小学生のひと夏の友情の物語。
とてもベタな設定なので鑑賞するか躊躇していたが、夏の間に鑑賞することが出来たのは大正解だった。
夏休みを通じて、ひとりの少年の成長を過剰なセリフもなく心地よく伝えてくれる映画であった。
この少年と全く同じ夏休みを過ごした人はいないが、
何かしら似たような夏休みをみんなが過ごしているからこその、強い共感を得られる作品になっていた。
すっかり忘れていた、私自身にとっての、あの時の景色を思い出し、エモーショナルな気持ちになり、観る前よりも少しだけ自分が洗われてピュアになった気がする。
また少年の家族が素晴らしい。
竹原ピストル演じる父の決して深刻ではないが、しっかりとした芯がある所作ひとつひとつに心を動かされた。
誰にでもそれぞれのサバカンがある。
冒頭からいかにもノスタルジック感満載の音楽で、ちょっとやりすぎなんじゃ、と思ったけどまんまと引き込まれてしまった。
主役の子どもたちがふたりとも特別に上手い訳でもかわいい訳でもないのに、画面から、ふたりの冒険から、目が離せなくなった
海も空も山も、沈んでいく夕陽もきれい。
竹原ピストル、尾野真千子、貫地谷しほり、三人とも既視感はあるけど最高のはまり役。
先生も、助けてくれたお兄さん・お姉さんも、ライバルの内田のじじいも、大人はみんな優しい。
酸っぱすぎて売り物にならない蜜柑はさぞ甘くて美味しかったろうな。(あれは泣かされた)
またね。またね。
またねー。またねー。
またねーー。またねーー。
またねってこんなにいい言葉だったんだ。
夏休みの劇場、ロビーは夏休み映画に詰め掛けた人でいっぱい。今作こそが家族で観たい夏休み映画ですよ。
それでも、小学生の子どもを連れた家族連れが何組かいました。いいお父さん、お母さんだ。あの子どもたち映画好きになるだろうな。
大人にはみんなそれぞれのサバカンがあり、書き残してきた落書きがある。それを思い出させてくれる、そして少し前へ進ませてくれる映画です。
本年度ベスト級
子供の頭をぶっ叩いたり、きん○マポリポリだったり、コンプラギリギリを攻めた昭和の家族の日常描写のリアリティにやられ、とある少年との出会いから非日常へと誘われ、不思議な冒険を経て、(ちょっと大人になって)日常へと戻っていく。
ストーリーはいわゆる「スタンドバイ・ミー」的な王道のジュブナイル映画なのですが、とにかく子役達の表情・言葉・行動の魅力が凄まじく、後半は何故がずっと泣いていました笑
特に主演の一路君の表情には笑わされ、泣かされました。
ラストの健ちゃんとの別れのシーンで号泣する久田を背中から撮っていたのも悶絶。「子供は背中だ!」と子役の演出論を語っていた是枝裕和監督の言葉を思い出す。
ここまで散々久田の色んな表情を見せてくれたのに!1番感情を爆発させているその顔を見せてくれないのかぁ!!とこっちが号泣(笑)
草彅剛さんのYouTubeチャンネルで金沢監督が出演された際に、元は金沢監督のmixiでの日記が発端で、そこから草彅さんのラジオドラマになり(企画はなくなってしまいますが)、色々あって映画化になったそう。
最初から最後まで草彅さんに朗読してもらうことにこだわり、子役もオーディションで演技力ではなく、監督が好きになった子を選び、ストーリーも監督の半自伝的のようなお話で、全て監督の好きが詰まった作品。
やはり魅力のある作品はこういう映画なのかな。
ただ一点、ラストの現代の主人公の帰郷+健ちゃんとの再会シーンはちょっと蛇足だったかな〜。と感じる。
全く健ちゃんを描かないか、主人公がふらっと立ち寄った寿司屋で出て来たのがサバカン寿司だったみたいな健ちゃんとの再会は匂わせくらいにしとくのが良かったかな〜と個人的に思った。ただの個人の好みですが!笑
監督の半自伝的な映画は最近だとケネス・ブラナー監督の「ベルファスト」、後はアカデミー外国語映画賞を取ったアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」などがありました。
日本では本作「サバカン SABAKAN」!ってくらいやられた。夏休みシーズンの今見れて良かった。
温かみに溢れた作品です。
小学生の夏休みを思い出す作品。 本年度ベスト!
素敵な作品に出会えて感謝!
個人的に作品賞を差し上げたい。
本作の設定より自分は前の世代に小学生だったけど、メッチャあの頃を思い出させてくれた感じ。
小学生二人の夏休み1日の大冒険が軸になってるストーリー。
自分も小学生に戻って鑑賞していた感じ。
昔の事が走馬灯の様に蘇ってくる。
あの頃に戻りたくなる作品(笑)
主人公の久田と竹本を演じたお二人には脱帽。
演技している感じが全くしない。
ラストの鯖の歌はアドリブなんじゃね?(笑)
久田の両親。
久田にオッパイ見られる女の子。
みかん畑のオヤジ。
学校の先生。
皆さん素晴らしい人々。
ブーメラン島まで泳ぐのが凄い(笑)
足がつっただけで良かった。
後半の駅のホームのシーンは泣ける。
となりの席のオジサンがヒクヒク泣いていたけど自分もヤバかった(笑)
二人とも子供の頃の夢が叶って良かったです( ´∀`)
素晴らしい!!
古き良き時代の夏休み
リアル少年時代
良くも悪くも小学校の映画鑑賞会で観た映画のようでした。
(肯定的な意味で)
どこまでが監督の実体験なのか知らないですが
やっぱり誰かが亡くならないと
邦画のストーリーって動かないもんなんですかね
草薙のフラットな演技も
子役二人と尾野とピストルの夫婦役も最高でした
が
ピストルの鼻唄シーン
急にピストル過ぎて
?でした。
ダメな父さんが
ピストルにしか見えなくなってしまった。。。
ぼくたちの夏休み
あることをきっかけに過去の記憶が蘇えり、
それを元にした小説をモノするのは
『マルセル・プルースト』の〔失われた時を求めて〕に代表される仕掛け。
もう一つ、
今は売れなくなってしまい
家族にも見放された作家が
自身の体験による新作で再生する、
これも有りがち。
手垢の付いた二つの要素を組み合わせたにもかかわらず、
しかしなかなかの良作に仕上げているのは、
脚本/監督の『金沢知樹』の手柄も
やはり自分の子供時代の記憶は盛り込まれているのだろう。
こうした{私小説}に近い構成の物語はやはり強い。
誰しもが自己の昔と重ね合わせ
「ああ、そういえば僕にも/私にも(似たことが)あったよな」と
共感を得られる。
今回、懐かしい記憶を呼び起こすきっかけになるのは、
鯖の味噌煮缶(それもマルハ印の!)。
それを寿司に仕立てるのはアイデアだが、
自分も小学生の頃に、同級生の家で「カレーに入れる」との話を聞いたこともあり、
食の多様性を改めて感じてみたり。
とは言え、この「サバ缶」が画面にちょくちょく顔を出し、
効果的に機能する。
和製〔スタンド・バイ・ミー(1986年)〕との紹介文もあるけれど、
先の作は旅の一部始終を描いた{ロードムービー}。
翻って本作は、小さな旅を終えてからが本当のストーリーの始まりで
だいぶ形を異にしている。
どちらかと言えば、『井上陽水』の〔少年時代〕の歌詞、
或いはPS版の〔ぼくのなつやすみ〕を彷彿とさせるエピソードの数々。
最初は取っ付き難かった級友との触れ合い、
或いは年上の女性に仄かに抱いた恋心。
遊び惚けてしまったため、最後の数日で大慌てでやっつける宿題。
そして、9月の始業式に合わせたように
転校してしまった同級生の想い出。
それらが、より合わせた縄の様に絡み合い、
観る人の感情を切なく刺激する。
勿論、自分も、夏休みには普段ならバスで移動する距離を
隣町迄友人達と自転車で掛け回ったクチ(当時は、親が同行しない町を越えての移動は
校則で禁止されていた)。
或いは、近所の家に都会から避暑に来ていたお姉さんにドキドキもした。
内容の差はあれ、この映画に触れた皆が皆、
子供の頃の甘酸っぱい記憶と、
暫しの邂逅にひたるだろう。
予備知識ゼロでたまたま観たけど、予想を超えて
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