劇場公開日 2022年6月17日

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「元ネタありの映画であるという点に注意。元ネタがわからないと国語(現代国語)勝負」恋は光 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0元ネタありの映画であるという点に注意。元ネタがわからないと国語(現代国語)勝負

2022年6月18日
PCから投稿

今年174本目(合計450本目/今月(2022年6月度)21本目)。

映画館自体は7割埋まりくらいの、そこそこの人気作の模様。
どうも元小説等(コミック?)などがあるようで、それ前提で話が進むところもありますが、簡単な自己紹介などあるので、何がなんだかわからないという点は発生しないです(「ヴァイオレット~」と同じく、最初の10分は事実上、自己紹介パートというような扱い)。

元ネタありで見ている方は気にされないと思いますが、していないと、登場人物の一人が「国語の校正(正しくない文章をチェックすること)の仕事(アルバイト?)」をしているという事情があるため、妙なほどマニアックな言葉遣いをお互いに(男女ともに)する点であり、まさか純粋たる恋愛映画で「形而上」(感覚でとらえることができない、究極なもの、または、究極の果てにあるもの、の意味。哲学用語)といった語が出るとは思いませんでした。元ネタ知らない場合、突然出てくる「けいじじょう」という語が「形而上」という意味に起きらえられるのはかなりマニアックじゃないかな…(事実上、倫理か、現代国語とのリアル知識勝負の様相になる)という状況です。なお、こういった関係もありそもそもは恋愛映画ですが、どちらかに分類せよと言われたら文系(文学、国語、哲学)であり、理系要素はまるでないところです。

恋愛映画というと、「好き好き」いいながら相手が全然気が付いてくれなかったり、そうかと思えば交通事故にあってうんぬん、あるいはタイムスリップしたりとだいたい「相場観」が決まっているような気がしますが、非常に斬新な内容で見ていて飽きなかったです。分類としては「恋愛映画」ですが、一部「学術映画」的なチックも持っているという映画って珍しいんじゃないか…というところです。

どうも原作小説(アマゾンかで買えるんしょうか?)があるようで、そちらではこの映画の結末(ラストにいたる過程やラストの結果。ネタバレ回避)とは違う「別の展開」があるようです(他の方の投稿より)。理系卒の私ですが小説を読むのは嫌いではないし、この映画は「恋愛映画の体裁をとりながら実は学術映画的な側面も持つ」という面白い一面もあり、一度購入してみようと思います。

採点にあたっては、確かに「形而上」などわかりにくい(多分、哲学部とか、国文学部とかというレベルでないと無理?)点はあるものの、おそらくこういった「妙な言い回し」は元の小説もそうなのでしょうし、まぁ字幕を追加で加算すれば(日本映画でも、余りにもわかりにくい表現は右側や通常の下側に補足字幕が出ます)よかったのかもしれませんが、そこはまぁ裁量の範囲でしょうし、そうした語句はせいぜいあと3~4か所(だから、あわせて5つあるかないか)で、全体の理解に妨げはないので、減点なしにしました。

yukispica