「この「座組み」に期待していたのだが」バブル キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
この「座組み」に期待していたのだが
実績のある方々を製作陣に配していたので楽しみにしていた。
(少しネタバレします)
ところが。
雑な設定と、なんだか古臭い脚本。
あのお伽噺をモチーフにするのは良いが、目新しい解釈や結末もないし。
サブキャラ達それぞれの過去や現在、目的や思いがほとんど語られないので、全員が「この話を都合よく進めるためだけの存在」で、まったく実在感のないただの『コマ』にしか見えない。(主人公の二人についてでさえ「?。だから、結局どーいうこと?」レベル)
この世界設定自体がボンヤリしてるから、そこで世の中に居場所のない少年少女が生活物資を賭けたゲームに興ずる姿も説得力がないし、少なくとも敵チームに自分達の仲間を誘拐されたのに、取り返す為にそれを賭けた(負けたら更に大きなマイナスを背負う)勝負に応じなきゃいけない世界が「かえって治安が良い」訳がない。
「法や警察が通用しないから、力ずくで奪い合う」ほうがよっぽど普通の感覚だろうし。なぜゲームのルールには従わなきゃいけないのか。
結局パルクールを使ってあの疾走映像見せたいだけなんだろうな、としか思えなかった。
確かにそこは爽快感があったけど、それでもあんなにずっと見せられたら…辟易。
結果「でも、いつもあなたのそばにいるよ」
…これ、最近もどこかのアニメで観たよね。
泡ってナニ?
重力の歪みってナニ?
誰の何がきっかけで生じた世界なの?
いや、もっと言えば、コレって東京で起きた「大災害」で、死者や孤児が相当数発生してるワケだけど、それがあの登場人物によって引き起こされたのであれば、シンプルなボーイミーツガール的な「いい話」で終っていいの?
起きている事態と、物語のバランスが全然とれてない気がする。
決して科学的な理屈が欲しいワケじゃないけど、せめて物語における「メタファー」であったり何かの「象徴」であること、それが何らかの物理現象として現れていることが伝われば、SFやファンタジーとして飲み込み易かったのに。
登場人物の心情も行動も、この世界のすべてにおいて「根拠」が示されないので、モヤモヤが続いた。
他にも山ほど言いたいことがあるが、キリがないので、ひとまずここまで。
面白かったという方には申し訳ないですが。