冬薔薇(ふゆそうび)のレビュー・感想・評価
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グズは直らない
更生すると思いきや、結局辿り着く先はそこで
救いの手は何度もあったかもしれないのに
自分自身をもっとしっかり見つめ直そうって
気持ちにさせられる映画でした。
なんだかなーー。のきもち。
ダメ息子を信じ続ける父と母。
ダメ息子は、最後までダメ息子だった。立ち直ろうとしても、
いろんな壁が邪魔をする。でも、それじゃあ、救いが
無さすぎるよな、と複雑な気持ちでエンドロールを眺めてました。
いい映画だと思いますが、私も親ですし、このストーリーは
好きになれませんね。いいお父さん、お母さんじゃないですか。
悲しいですw
う~ん…
ガット船とか初めて見る世界だが、内容は、観る人1人1人に思い当たる?日常。
人の営み。登場人物が発する言葉に、ドキッとしたり、考えさせられる。暴力的な場面は、…でしたが、心にどんよりした想いが残りました。1つ歯車が狂うと、どんどんあらぬ方に転げていく…。誰しも反省もするし、幸せになりたいと思い願うのに。
主演の伊藤健太郎さんをはじめ、皆さん演技力のある、実力派の方々なので、重いけどのめり込んで見てしまいました。あ~と思いながらも。ラストの、淳のサングラス越しの表情に、憂いを秘めてると感じたので、きっと先にいい方向へ向かう…と感じられたので、救われました。いい映画だと思います。
何度か観たら、違う観点になれるのかなと。
多くの人に観て貰いたい映画です。
今風のチャラチャラした映画じゃないですけど。
強力な護送船団(キャスト)で伊藤健太郎の船出を企てた阪本順治監督に無条件降伏
冬薔薇🌹と書いてふゆそうび。
谷村新司の群青(映画連合艦隊の主題歌)の歌詞に出て来ますが、当時は全く気にしていなかった。
意味もちゃんと知らないのに、昔、何度カラオケでやったことでしょう。群青のカラオケ映像は暗い海に降りしきる雪。こちらは薔薇の花に雪が降り積むカットシーンでした。
そんなウカツで思慮の浅いワタクシですので、ジュンのことを一方的に責められるわけがありません。おバカなことは30過ぎてもやっていましたから。
土砂運搬船会社を経営する渡口夫妻には二人の息子がいた。可愛い盛りにお兄ちゃん(アツシ)をガット船での転落事故で死なせてしまった。親父の代からの長い付き合いの機関士を演じるのは石橋蓮司。船の中で暮らしている。ギャンブルで妻子から捨てられて、ひとり。その他、船員には伊武雅刀、笠松伴助。ガット船の小林薫は操舵席のマイクでメシ!と一言。船のキッチンでまかないを作り、四人一緒に食べるのをとても大事にしている。家庭のことは棚にあげて。彼にとっては唯一息抜きできる時間で、いわばシェルターなのだと思う。余貴美子の母親は港のバラックの事務所を切り盛りしている。アツシの死後、ジュンの育て方を間違えた様子。お互いに口を開けば、責任を擦り付けあい、平行線。
母親役の余貴美子がせっせと薔薇の世話をするのは尽くし甲斐のない旦那と息子の代わり。石橋蓮司が先代の奥さんは事務所のまわりを花でいっぱいにしていたと渡口に思い出話をしたのをきっかけに渡口が買ってきた苗だった。
ジュンは忍耐力ゼロ。何をやっても続かない。場当たり的行動。見栄っ張り
で嘘つき。不遜な言いぐさ。金づかいはルーズ。返せる当てもないのに借金する。人の良心につけこんで騙すことに罪悪感なし。誠意がないので、親友はいない。一方で、他人に依存し騙されやすい。ちゃんと人と話せない。
ゲン(毎熊克哉)が一番ちゃんとしていて、カッコいい!トモカ(河合優美)がゲンのひとり娘を抱いて車で逃避行のシーンだけがなぜか希望の灯りが見えたような。毎熊克哉と河合優美のセリフがキレキレ。
澤地さん(和田光沙)。実年齢も健太郎とは一回り以上も上。世話を焼きたくなっちゃうんだよね。健太郎君可愛いもんね。くさいジュンの芝居。ホントにヤベー奴。
眞木蔵人(余貴美子の弟役)と板東龍汰の親子はけっこうなくせ者だった。ヤクザに頼んで示談にした?息子のかたきをとる?
でも本当にくせ者なのは、健太郎に当て書きした脚本を書いて、このキャストを集めた阪本順治監督ですね。
感服しました。完敗です。
まだまだ無限に出口のない日常は続き、悪いこともまだまだ続きそう。
それでも母親は黙って冬に咲く薔薇の手入れをするんでしょうね。
追記
小林薫と余貴美子は深夜食堂のマスターとマスターにほの字の料亭の女将役をスライドしてきたのか?船の中でまかないを作る小林薫をみていると、ついそう思ってしまいます。「あいよっ」て言わないだけで。でも、「どうよ!焼きそば」って言ってたような。二人の演技は惰性と諦めにどっぷり浸かった夫婦のやるせなさが良く出ていました。さすがですね。
せめて救いを
主人公は口だけ達者で何もできない、どうしようもない堕落したやつである。
が、この主人公に僕は非常に共感した。
こんなことをしたい、あんなことをしたいとは思っても努力できないそんな人は現代にも一定数いるように思う。
だからこそラストの結末に救いが欲しかった。
もちろんそんな救いを求めるのも甘いのだろうが、それでも希望が欲しかった。
健太郎さんの演技も多少ブランクを感じるところもあるものの陰の具合が素晴らしかった。
小林薫さんや伊武さんや石橋さんといった素晴らしいレジェンドに支えられて主演で復帰できるとは素晴らしく幸せ者だと思った。
やった事は許されない事だが、素晴らしい素質を持っているのでしっかり反省してこれからの芸能界でも活躍してもらいたい。
他の演者も皆さん素晴らしい演技だった
河合優実月間なのである
伊藤健太郎、残念な事故対応もあったがもともと好きな役者。再起動を歓迎したい。今回は普通の人には感情移入しづらい役だが飄々ときちんと演じられている。
スジは言いにくいが何度も見たことがあるような作品だったが、脚本も役者も技術もしっかりしていて最後まで見させる。いとこ周りと永山絢斗が少しモヤモヤさせる。
ちなみに22年6月は河合優実月間なのだ。映画は冬薔薇にPLAN75、NHKの17歳の帝国、それに大人計画の舞台と出演作が続く河合優実月間。本作も複雑な背景を持つ役を自然に演じていた。PLAN75は一つ大きな役のようで期待なのである。
サラッと観ちゃダメなやつ。
伊藤健太郎くんにはアシガールの頃から好感を持ってました(あの頃は芸名が健太郎だったな)。
あの事件?事故直後の行動にはがっかりしたけど、それ以上にこれで彼の俳優人生が終わるのかもしれないと思ったら寂しくて。
今回、監督がじっくり話を聞いて彼のために書き下ろした脚本で、彼が主演の映画にこれだけのキャストが集まってちゃんと全国公開されるっていう事実が嬉しくて、応援の意味も込めて観に行きました。
「主人公が寄る辺なく漂う話」ということでしたが、まさにそのままで、能動的に動くことのない主人公には全く共感できなかったし、なんなら嫌悪感すら感じました。
サラッと観ただけだったら、この嫌悪感だけで評価しちゃってたかもしれない。
でも。
嫌悪感を抱くのは、身に覚えがあるから。
共感も、できなかったんじゃなく、したくなかった。
それくらい、自分の隠しておきたい部分を抉り出されるような不快感のある、リアルなお話でした。
特に両親の放任具合が、自分のことかと思うくらいで気持ち悪かった。そこに想いはあるはずなんだけど、表現しないと相手にとっては無かったことになるんだよね。。
友利くんとの"友達"関係もすっごいリアルで、淳の態度のせいばかりとも思えない、人間関係の怖さが露わになってた。
それに対してお父さんと船員さん達の関係は、安心できたなぁ。毎日賄いを作って実直に仕事してたから、そういう"仲間"になれたんだっていう、希望があった。例え近い未来に離れることになったとしても、"仲間"と楽しく過ごした記憶があれば、その後も明るく生きていけると思うから。
淳も、友利くんとそうなる希望を持ってたんだろうな。いや彼には断られて当然だと思うけど。
親にも誰にも見ててもらえてないという思いを抱えたまま育つと、自分のアイデンティティーとか相手がどういう人なのかとか自分と人との関係について考えることよりも、見てくれてる(と思っちゃう)誰かと"一緒にいる"ことで安心しちゃうようになるものなのかな。。
ラストもやっぱり希望はなくて、淳の人生は最後までロクデナシなままなのかなと思っちゃって、鑑賞後はどよんとしちゃいました。
でも、この淳をこんなリアルにみせてくれた伊藤健太郎くんには、希望を感じます。
【”日々の生活に不満、屈託を抱えた人々を描こうとした作品。”伊藤健太郎復帰作だが・・、”どうしちゃったの?阪本順治監督!人物造形が弱いし、脚本の粗さが目立ってしまった作品でもある。】
ー 今作は、阪本監督が、伊藤健太郎のために脚本を書き下ろしたそうである・・。-
◆感想
・伊藤健太郎が演じた、淳に人間的な魅力がない。
ー ハッキリ言って”他人に頼ってばかりの口先三寸の、情けない奴”である。ー
・淳の両親も、長男を幼きときに亡くしたからか、不良グループとブラブラしてといるだけの淳に顔を合わせて、接しない。特に、小林薫が演じた父親。余貴美子が演じた母親が時々、注意する位で・・。
ー あれじゃあ、駄目人間になるよな。-
・淳の不良仲間達も、行動論理が不明確である。永山絢斗が演じたボス格の男も、更に上のちんけな男に不法手段で手に入れた金をへこへ子しながら、渡しているし・・。
・小さな海運会社で働く役をこなすベテラン俳優達(石橋蓮司、伊武雅刀・・。)等の会話もやや空回り気味である。
ー 阪本監督は、”伊藤健太郎と、ベテラン俳優達との相乗効果を期待した・・、”と言っているがそうは思えなかった。-
<監督は”この作を背負い、事故の事はずっと忘れずにいて欲しい‥。”と語ったそうだが、”この作品を伊藤健太郎に背負わせるのは”、可哀そうだよ!と思った作品。
”20代の人間の物語なんて一生書かないと思っていた。”と言う監督コメントを読むと、苦手分野なのかな・・。
人物造形が弱いし、脚本の粗さが目立ってしまった作品でもある。>
伊藤健太郎君復帰映画という事で
気になってました
平日の日中だったからか
年配の女性が多い(私も年配の女性笑)
キャストの皆さんも
派手さは無いですけど
実力派の役者の方ばかりで
初めはこの映画の内容が
荒くれてスレてどうしようもない役柄のが伊藤健太郎君かと思ってたんで
極主夫道の玉木宏みたいに
もっとやつれて凄みがある方がって思ってたんですが
違いますね、今のままで良いのです
行き当たりばったりで中身もなく
流されるままに
なのでやつれてなくていいんです
いくら親が放任だからと
あんなけ無責任になるものだろうか。
それにしても最後
父親とはそんなもんなんだよ。
何一つ伝わってねぇー
観る人に委ねるタイプの映画なんですね
それぞれの生き様が歳と共に出てる
人はなる様になるって良く言いますが
何もしてこなかった人はなる様にすらならない。
喜寿になって後悔して
ひとりぼっちになったって
やってしまったことはどうしようもなくて
だからこそ若い君が気付いて変われるチャンスなのに
嘘ばっかついて、やる気もなく
半グレの真似事。。。
それも自分が選んだ道なら仕方ないのに
選ぶことすらせず、ただ流されてそこに行き着いて
どうしようも無いやつってのはいるけど
詐欺とか人を騙してお金を無心するのが
平気になってしまったら
いよいよ終わりな気がします。。。
母親の
あんた背筋がゾクッとした事ないでしょ
これからなりますよ
気づいた時にはもう遅い
尿意を忘れるほど映画に魅入った
そんな派手な内容ではないのに。
一人一人の人が重い。
たまたま昨日家族の事で重い事があったから
すごく考えさせられた
放任なのか、平和主義なのか、事勿れ主義なのか。
似てるようで全く違ってくるから。
これからの伊藤健太郎くんの活躍
期待します。
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