渇水のレビュー・感想・評価
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水は重いもの
水道料金未払いの家を廻り料金徴収や停水業務にあたる前橋市の水道局員と、水道料金を滞納するシングルマザーの幼い娘たちの話。
4ヵ月も料金を滞納しているにも関わらず水道は止められないとたかをくくる男に始まり、今日は14件とか19件とか、そんなに滞納している人いるんですか?とちょっとびっくり。
まともな仕事をしていない母親の身勝手な言い分と、放置される姉妹の様子は堪らないものがあったし、仕事と割り切りつつも出来る範囲の配慮をみせる主人公の様子はなかなか沁みる。
自分だったら世の中舐めてるガキのヤツは拾わないで停水するだろうけどw
主人公の家族事情の件はちょっと長かったかな~感じたし、朝から変な顔の日の水だけの話しならそれでも良いけれど…というちょっと突拍子もない件はや娘のリアクションに違和感があったけれど、なかなか哀しく優しく内容の割に重苦しさもなくとても良い作品だった。
身体かゆくなってきた
2023年劇場鑑賞128本目。
水道料金滞納している家庭を回って停水していく水道局員の話。リサーチして映画化しているとしたら、毎日20軒弱の家が停水されているみたいです。
しかし電気とガスは昔なかったから止められても死にはしない(まぁ夏と冬はエアコン無いと死ぬかもしれませんが)かもですが、水を止められたために亡くなる方いないんでしょうか。人間3日水分取らないと死ぬと言いますし。
色々なケースがある中、幼い子供二人だけの家がクローズアップされます。大人でもやむを得ない事情であっという間にホームレスになることもありますが(夜明けまでバス停でという映画もありました)、自分で働くこともできないネグレクトからくる子供の貧困は本当に観ていて辛かったです。風呂なんか絶対何日も入っていない二人を見ていると観ている間中身体がかゆくなってきて、家に帰って風呂に入るまでずっとかゆかったです。それくらい没入できる映画でした
既視感
水に匂いってあったっけ?
予告編から想像していた以上に泣けた。最初のプールのシーンでこの楽しそうな姉妹が貧乏で苦労してると確信して早くもウルッ。そんな家族の元に現れた水道局員の岩切と木田。料金払わない奴らの水道を止めるのが仕事だ。もしかして群馬の前橋市では本当に水道料金払わない奴が沢山いるんじゃないか?太陽も空気も無料だけど水は有料って何度も話題になってたけど、雨水は無料だよ。そして現れる酷い母親、まさか門脇麦ちゃんがこんな役やるなんてビックリした。生田斗真演じる主人公の岩切も家族の問題を抱えながら働いている。とても優しい感じの奴なんだけど、奥さんからすると家族失格で息子と家を出て帰ってこない。岩切と姉妹の立場のおかげでずっとウルウルしてしまった。磯村勇斗演じる岩切の同僚の木田がとてもいい奴で、幸せそうで気持ち良かった。チラッと笑えるシーンもあったが、基本は最初から最後までウルウルしてました。特に最後はポロッ。
この話少子化問題を考えるのにとても良いと思います。個人的には子育て支援金なんて子作り援助になるとは思えません。
『そんなこと頼んでない』
冒頭から、フィルム撮影(16mmで撮ったらしい)らしい質感の映像が日照り続きでカラカラのの光景に良く合っている。
次々と給水停止を執行するなか出会うシングルマザー家庭の姉妹。是枝裕和の「誰も知らない」を思わせる設定だが、ある意味生死を握ることになる水道局員という主人公の立場が独特の展開を生み、目が離せない。
そういう意味で、姉妹を巡る展開を期待してしまうのだが、主人公の家庭の話など、ちょっと焦点が定まりきらない印象も受けた。
最後の展開はファンタジーだが、希望も感じさせる。白石和彌組出身というのが意外なほど…ww
この作品も「怪物」同様に子役が素晴らしすぎる。『そんなこと頼んでない。…大人なんてみんな大っ嫌い』という台詞が刺さる…
水は低い方に進む。
うーん……
久しぶりにキツいものを見た。子役さんたちはもう少し自然体にできなかったのだろうか。台詞を言わされてる感が本当に凄かった。
また、主人公が自分の子どもにどう接したらいいのかとか家族にどう向き合えばいいのか分からないとか、女の子たちの母親含めて家庭環境がそうだったから家族を大切にできないという希薄性、そして偏見が見えて、何年か前だったらいいけど、今の世情からするとズレている気がします。家族に恵まれていた人も家族を傷つけますよ。唯一、磯村くんは自然体で癒しでした。あと水道料金滞納者たちとのやり取りはリアルでちょっと笑ってしまうところも。観賞後、一緒に観た家族と反省会に。
伝えたい事は伝わる
文字通りの渇水
家族、親、子の "渇水(うるおいの源が枯渇)"
〜母子家庭〜
最近の映画に多い"テーマ"
を、見せつけられるのは、いつも、辛い🥵
この映画の第一印象
役者、俳優の演技を、引き出さない演出?
全体が薄っぺらく感じる
象徴的な画像が随所にあるが
ありすぎ感が、作品の起伏やメリハリを
損ねている
それから
渇水=日照り
を画面で出すために
画像、画面がハイライトになりすぎ
残念な画質でした
中東、南仏、LAのような
乾いた空気感は
日本では撮れないね
観たい度○鑑賞後の満足度△ クドカン、水道代くらい払えよ! 「渇いているのは人間の心」と云いたいのだろうけど中途半端にしか伝わらない。
①私も子供の頃は水はタダだと思ってました。
でもそれは世界でも珍しい“飲める”水の豊かな日本に住んでいるものの驕り、だと云うことはシンガポールに赴任して初めて知りました。だってかの国はマレーシアから水を買っているもの。
そういう日本だが、家の近くを流れる川は、私の父親の子供の頃はそのまま飲めたらしいくらいキレイだったのに、最近は大分ましになったとはいえ、とても飲もうとも思えないくらいに汚くしたのも、日本の水の有難味を理解していなかった戦後の日本人のせい(私も含め)。
その水をキレイにして飲めるようにしてくれているんだから水道代くらい払えよ…
でも、その水道代も払えない貧しい人々も日本には居るんだよ、中学しか卒業してない女は身体を売らないと生活出来ない国なんだよ、高そうなマンションに住みながら平気で水道代を払わず口のききかたも知らない若造がいる国なんだよ日本は、という社会派ドラマとしての面も中途半端だし、大体こういうドラマの登場人物はみんな訳ありなのが通り相場だが、みんな自分のせいじゃないか、親や境遇のせいにするなよ、と感情移入できるキャラクターがいなくてこちらも中途半端。
門脇麦も尾野真千子も無駄遣いです。
"渇き"をテーマにした人間ドラマ…?
水の"渇き"
愛の"渇き"
心の"渇き"
と色んなテーマに対する枯渇と、その流れ(ここも水に掛けてる)を変える!というメッセージを感じました。
まず、門脇麦さんが母親役やってることにびっくりしました。母親のイメージなかったんですが、もう1人の母親役としてはかなりはまり役でした。
この作品で言う母親は、ネグレクトを受ける姉妹の"母"と、水道局員の岩切の息子の"母"(つまり岩切の妻)
の2人がいるんですが、両者とも流れを変えました。前者は悪い意味で、後者は良い意味で流れを変えたな〜って感じです。
子役に関してですが、もっとやれたんじゃないかなと思いました。ほぼ主演なんですから。
その子のことはよく知らないので、ただの文句のようになってしまいますが、
物語後半、岩切を止める人たちを引き剥がそうとしていた時に、そんな表情あるか?って表情してました。うーん。
さっきから、流れというワードを使っていますが、やはりところどころ流れが分かるような演出があります。ネグレクト母親は信用出来る男と出会い、岩切の後輩は彼女が妊娠したから、などです。
なので、岩切と岩切の妻はどこで流れ変わったんだろう?って不思議に思いました。
途中で5秒くらい暗いトンネルを車で走るシーンとその後に壮大の滝のシーンがあるんですが、そこですかね???
もっと岩切という人間の内側を深堀して欲しかったです。
滝見てきた→流れ変わりました、で、なんで???ってなりました。
これ邦画の命綱なんだけどな…
子役に対する演出が甘くて観てらんない。
何故ここまで欲求するレベルが低いんだろう。
いざ演技となれば大人も子供も区別はないはずだ。
料金もなく勝手に観られるテレビならそれでもヨシとしよう。 それとは一線を画す商業映画なら全ての俳優に高い質の芝居を求めるべきだ。
残念ながら かわいそうだけど この姉妹役は2人共ひどい。 経験不足や幼い などと庇っている限り邦画の未来はない。
お水とネグレクトの話
「心の潤い」は無料で享受させて…
公開日はあいにくの悪天候でしたが、上映時間の都合がよかったので「怪物」に続けてハシゴ鑑賞してきました。
ストーリーは、水道料金滞納家庭を訪問しては料金徴収や停水執行をしていた水道局員・岩切俊作が、妻と息子に家を出ていかれて寂しい生活を送る中、仕事で訪れた家で、父親不在で母親にも育児放棄された小学生の姉妹と出会い、自身の中にある変化が起こるというもの。
水道料金を払えない側にも、やむにやまれぬ事情がある人が確かにいるのですが、それでもなお停水せざるを得ない水道局員。仕事とはいえ、やりきれない思いから少しずつ心を蝕まれていくように感じるのも無理からぬことでしょう。流されるままに生きてこの仕事に就き、それを粛々と進めてきた岩切も、今や妻と息子にも見放され、もはや心が麻痺しているかのようです。そんな彼の心を揺さぶるのが幼い姉妹の姿です。疎遠となっている息子の代わりにこの二人をなんとかしたいと感じたのかもしれません。それほど心が渇き、己の寂しさを何かで埋めたかったのかもしれません。ネグレクトの母親に思いをぶつけながらも、その資格のない自身の不甲斐なさを振り返っていたことでしょう。
一方で、逆境にもめげず、支え合って暮らす姉妹の姿に心を抉られます。姉は目に力のある子で、大人に頼らず妹を守りきる凛とした姿がなんとも切ないです。妹は屈託ないかわいらしい笑顔の裏で、実は姉しか頼れないことを本能的に察知しているかのような姿がこれまた切ないです。この二人もまた、誰にも頼れず、誰も信じられないほど、心が渇ききっていたのです。
終盤で、給水制限の中、岩切が公園の水道を全開にする行為は本当にささやかなテロですが、からからに渇いた心に潤いを与えてくれた姉妹への感謝のようにも思えます。そして、すべての大人や両親さえも敵視していた姉妹にとっても、この上ない心の潤いになったのだと思います。逆に、彼女の妊娠を知った木田は、このささやかなテロには加わりません。「守るものができた」というのは、木田の心の潤いを表している言葉だと思います。
本作を通して、家族のつながりがどれほど心を潤わせてくれるのかということを改めて感じた気がします。本作が、ネグレクトやヤングケアラーの問題に苦しむ子どもたちの救済の一助となることを切に願います。「心の潤い」だけは、誰もが無料で享受できるものであってほしいです。
主演は生田斗真さんで、流されるままの岩切を好演しています。脇を固めるのは、新たな一面を見せる門脇麦さん、ドラマや映画に引っ張りだこの磯村勇斗くん、安定の演技の尾野真千子さんらです。そしてなんといっても、子役の山崎七海さんと柚穂さんの演技が光ります。
余談ですが、劇中で岩切の自家用車のナンバーが「3274」なのは、「水なし」の語呂合わせなのでしょうかね?
悲しいドラマ
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