「「もう大丈夫。何にも心配いらないからね。」なのか。」渇水 humさんの映画レビュー(感想・評価)
「もう大丈夫。何にも心配いらないからね。」なのか。
母は知らない。
今日、娘の乳歯がぬけたことを。
夜中の公園で姉妹が生活の水を汲むことを。
生きるために、妹を守るために
いけないと知ってる万引きを姉がしてしまうことを。
何日も帰らず?
逃げた夫とおなじ水の臭いがしない男を嗅ぎつけ…
うまくいく?
あの子達の父親の代わりを掴むまで?
それともそれはあなたのため?
それより先に
姉妹がいま一番必要なのは何?
それはたぶん
水でもない。
電気でもない。
ガスでもない。
喉から手がでるほど欲してるのは
目の前のあなたに、ずっと言えないでいる形のないものだ。
そして大人がフォーマットの流れにあてはめた役割に安心しながら
「もう大丈夫。何にも心配いらないからね。」
という。
何にも…ってなんだ。
あのこたちの何かって
きっとそんなに簡単ではない。
養護施設の職員を待つ姉妹は、なみなみと水が溜められたプールに気づき手をつなぎ笑顔で飛び込む。
節水解除後のラストシーンだ。
お姉ちゃんが泣く妹をみて慌てて自分の涙をぬぐいながら
「泣かないで。それだってお水だよ。もったいないじゃん。」と言ったシーンを思い出しながら、
あれだけ待ち侘びた水が、姉妹をようやく抱きしめ涙のない世界に連れ去ってしまうような未来を感じ、私の涙はもう止めれなかった。
生田さんがゼロの華やかさで葛藤に挑んだ苦悩づくめの顔と磯村さんの若々しくからりとした優しい青年像、姉妹役の二人の辛い立場に迫る姿、門脇さが醸し出す境界のわかりにくいリアリティ、尾野さんがみせる強いシビアさは、皆それぞれに前を向く。
心の渇きを潤すものを求め静かに強く運ばれるこの広い世界の、ある切ない物語でした。
仰る通り観る人の感性なので、受け取り方は違って当たり前ですよね。
私も本作ラストには希望を持てなかった方でして。。
原作はラストが違うと教えて頂いていた事もあり、混乱してしまい読んでみたんですよね。。。
本作は重苦しいテーマながら割とライトに描かれていた印象で、鑑賞中は、もっと来い!濃い!と思っていたのですが。。
原作にボコボコに返り討ちをくらいました泣
トラウマです( ; ; )
humさんお優しいから心配です。
いただいたコメントにより、主人公の行動についての考えを深めることができました。
どうもありがとうございました。
ただ、なぜ、あのタイミングで主人公がキレたのかは、残念ながら、未だによく分かりません。
いつも共感ありがとうございます。
そしてコメントもありがとうございます。
幼い姉妹に関しては本当に切なくなります。
わたしは施設に入ることになった時どこかホッとしました。
お姉ちゃんの荷が重すぎると思ったからです。
最後に心あたたまると書いたのはあの4人で食べたアイスが頭に浮かびました。
あの姉妹を心配していた主人公が
母親よりもあたたかく感じました。
感じかたは人それぞれかと思います。
humさん、コメントありがとうございます。
あの姉妹、特にお姉チャンに気持ちを寄り添わせると、泣かずにはいられない物語でした。
おっしゃるとおり、あの後姉妹が幸せに暮らせるのかは分かりませんね。きっとあのお姉ちゃんなら、食と住さえ与えられれば、妹を支えて幸せを掴み取ると思います。苦労はするでしょうけれど。
ただ、主人公は岩切なので、彼の変化とそのキッカケ、妻子の変化とそのキッカケが描けていなくて、主題がぼやけた脚色だったと思います。
イイねコメントありがとうございました。こんばんはですみません🙇貴殿のレビューのように姉妹を中心として、繊細な心象を感じる作品かと思いました。原作は 読まない選択肢もありかもです・・・😊失礼します。
コメントありがとうございます。
分かり易いクレーム像と、反証するための材料というだけならよかったですが…
あんなにも繰り返し何人もの口から出させる必要性はなかったと思います。
というか、本作の主題はそこではないと思うので、そもそも強調しすぎかな、と。