母性のレビュー・感想・評価
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それぞれの娘の物語
母と娘の関係を3世代で描く。
ただ3世代の母というより娘の想いと願い。
娘へと大きな愛情を掛けること、それは山から湧き出る水が川の様に海へと流れることを願い母から娘、娘からその娘へと引き継がれる希望と現実。
それぞれの想いをパート毎に描き、母と娘の関係性を浮かび上がらせるのだが観てるものにその想いとの乖離を感じつつ物語は終着点へと進むのだが、物語の流れは干上がった川のごとく停滞してる様に感じた。
私が男だからなのかもしれないが。
スッキリしたものを求めたわけでは無いがどうしても感情を揺さぶられる想いを感じることがなかった。
映画にするのは難しい作品
ストーリーに独特の世界観があるので、映画にするのは難しい作品だと思いました。
面白い映画の1つの要素として、自分の角度から観れるというのが、あると思っています。
ドラえもんやクレヨンしんちゃがそうです。子供は子供の目線で、大人は大人の目線でという感じです。
この映画はそれを表現するのは難しい作品だと思うので、一歩離れたところから見て、その世界観を伝える必要があり、となるともっと突き抜けた母親を演出する方が良かったのかもとも思いました。
娘、母、どちらも
登場人物、ぜんぶ、自分の中にいる。
どのセリフも、ささる。
ドラマの中に出てくる、娘だし、母だし、姑だし、夫だし、友人だし、ぜんぶ、自分の中にいる。
甘えたいし、愛情あるし、与えたいし、もらいたいし、奪いたいし、妬み、嫉妬あるし、正義もある。
何でも、正当化して、人のせいにして、ずるくて、誤魔化して、密かに、知ってる、そんな、ズルいワタシ。
相手傷つけなければ、心の中は自由、だから、全部、心の中に仕舞ってる。
それを、この映画は、映像にして、見せてくれたし、口に出してくれた。
映画の感想で、特殊な話しみたいなコメントもあったけど、あんな修羅場、どこの家でも、ひとつやふたつある(あった)のでは、、昭和の嫁姑とか。昭和の男とか。
嫁(母)は人として扱われてなかったように思う、姑(祖母)は、鬼のようだった。家って密室は、他人は知る由もないので、自分の体験が、普通って思うんだ、きっと。
母には鬼のような祖母は、兄ちゃんにはか弱い優しい可愛いおばあちゃんだった。私は、祖母の理不尽に心の中で腹を立てながらじっと黙ってた。誰にも言えなかったし、言語化するすべも知らなかった。映画見てて、ふと記憶が蘇りました。映画っていいね。
よい映画でした。
はじめは面白かったが期待外れ。予告ほどドロドロ感、シリアス感はほぼない。
はじめはまあまあ楽しめたものの、後半はちょっと飽きてきてしまった。はじめの二転三転する、視点が細かく変わりながら、20分毎くらいでそれぞれの視点に移り変わるスタイルとあの雰囲気がずっと続いたらよかったのに、後半は少し逸れてきている感があった。
予告編ではかなり激しく、ドロドロサスペンスのように見えたが、実際はだいぶ落ち着いた展開で、正直ちょっと期待外れだった。シリアスなハラハラした雰囲気も冒頭だけで後半は個人的にあまり強く感じられなかった。
考えさせられる系の、ちょっと大人向けの若干知的?な映画。
スゴいところ✨と、残念なところ💧
娘の視点と母の視点…で、違うように見えるのはどう描くのか期待して見てみました。
戸田恵梨香さんと永野芽郁さん、それぞれの絶妙な、微妙なお芝居の違いで「母からはこう見えるんだ…」「娘からするとこんな感じに見えるのか…」と女優さんのお芝居のクオリティに感心しました。
特に表情!微妙な目つきとかすごい!
アングルやカメラワーク、灯りの当て方ももちろん上手に組み合わさっていると思います。
何度も見返したくなるようなシーンがいくつもありました。
残念だったのは「予算」なのかなぁ…
※以下、ネタバレ可能性あり!
1つはキャスティングと、もう1つは一番重要なシーン(大地真央さんとの火災での別れのシーン)の作り方がどうにも…という感じ。
肝心なポジションは顔の見える役者さん(というとご本人方に失礼にはなりますが)だといいのかなぁ…と個人的には思います。
「誰、この人?◯◯さんっぽいけど違うよな…」が気になって、作品に集中できないことがあるんだと実感しました。
「この人は誰っぽいな…」とかも考えちゃう。
そこに時間取られたくない。
脇役と言うにはあまりに大事なポジションですし…
でもこれらは予算の都合で、顔のある役者さんがもうツモれなかったのだろうと推測しました。
それと火災のシーン。
あれはおそらく原作を読んだら「ここはどう描くんだろう」とみんなが期待するところかなと。
にしては残念すぎる。
かなりタイトに見せていて(広範囲で火災の絵は作れなかったのだろうと思いますが)、スケール感がこじんまり…。
これも予算かな…とか気になるともう集中できない。
余計なことを考えさせない作品ってつくづくすごいんだなと思います。
期待が大きかった分、落胆も大きくなっちゃうかな。
そんな感想です。
マザコン娘の話
僕の妹と母親の関係がだぶった
母親に従順に育った娘が、母となり娘との距離感に戸惑いながらも、大人になっていく過程の話
僕は女でも母でも無いので、数ヶ所理解に苦しんだけど、ま、子供のいる女性はこんなもんなんだ〰️と感じたくらいで…
高畠さんの演技は良かった‼️原作を読みたくなった
母性って..
母性ってやっぱり元々備わってるものではないし、ひとりひとりによって違うものだと思う。
生きた時代も違う、育った環境も違うからこその様々な母性があって、母娘であっても別人格の人間であって、改めて子育ては一筋縄ではいかないのだろうなぁと思った。
ラスト、みんな幸せでよかったーと思ったら、ルミ子が律の家に消えていったときはちょっと戦慄。ルミ子の"ずっと娘でいたい"って想いはかなっと言えるのかもしれないけど..
映像化はやはり難しかったか
湊かなえ先生の原作がとてもよかったので、映画も楽しみにしていました。映画では俳優の表情や台詞(モノローグ)でその時の気持ちを伝えなければいけないので、映像化で全てを表現するのは難しいだろうなとは思っていました。実際カットされてるところも多く、ルミ子の苦労が半減されてしまったというか、悲劇の一旦を見ただけで物足りなさはあります。もっと深く悲しく、そして強さもあった。旦那と義父の父性についてもほとんどスルーされてしまって、母性のみにスポットが当てられていた。タイトルとしてはいいけど、原作で伝えたかったことを台詞として言っているのにあまり重みはなかったかも。ルミ子の友人と義妹の憎たらしいこと。一定数の観客には感情移入半端ないでしょうね。
戸田恵梨香さんと永野芽依さんの親子は違和感がなく、素晴らしかった。また大地真央さんや高畑淳子さんの名演も濃い、というか恐さを出したかったんだろうけど、やり過ぎな感じも…舞台をみてるみたい。映画の雰囲気作りを演者に任せ過ぎなのかと。脚本と演出が原作より劣ってしまったのは否めない。
最後のシーン(ルミ子と義母)が一番好きなので、いろいろ思うところはあれど観れて良かったです。
期待ハズレもいいところ
興行成績が振るわず苦戦している、予想を遥かに下回る結果に。
怖いもの見たさで観賞。何が悪いって、全てですねっていうほかない。有名小説家の名を借りた工夫も演出も何もない映画。
まず誰一人としてキャラクターに感情移入出来ない。母にも子にも全く心が動かない。キャラクターが生きていない。想像で適当にこんな感じだよねって映画作ったらこうなる。小説から出ない、生きた役者が演じても深い設定ではないのではまらない悪循環。
火事のシーンを大きな見せ場にしているがリアリティなさすぎて引く。
母と娘のキャスティングミス。全く親子に見えない。
「告白」での衝撃が大きかっただけに残念。
ここは中島監督の再登板だったのでは。せっかく外資が入っているのなら予算は中島監督でもハマったのでは?
女には2種類しかいない
2022.85本目
演者がとにかくまるっといい!!
特に義母の怪演にはゾクゾクしました!
嫌味たらしい憎き姑でしたが、最後の最後に死の淵で娘の名前を呼び続けた彼女は、たしかに母性のある母親だったのだなと。
いつまでも娘のままな母もとてもリアルだった。自分で認識している言動と、娘からみた母の言動が、微妙なニュアンスの違いで大きな違いを生んでいるのも面白かった。
女には2種類しかいない。娘か、母か。
子を産んでも母になれない女性が一定数いる。
みたい言葉があって、えらく納得してしまった。笑
私の母は、どこか幼いところがあって、母でありながら娘のような雰囲気もあったから。なんというか、こういうニュアンスは女性にしかわからないかもしれない。笑
愛って何だろうと
聖地丸ピカにて鑑賞。
そこに愛はありました。
でも"そこ"がどこなのか。
矛先。熱量。裁量…。
全てにおいて判断力が試される映画母性。観る人によって証言が変わる面白さ。誰が悪くて、可哀想で、愛されて。議論し甲斐のある映画。
みんな誰かに愛されて、誰かを愛して。それが相思相愛であれば何より。でもそれが上手く交わらないのが現実。そのもどかしさを痛いほど母性から汲み取れる。心のどこかでその愛の行方に気づいているけど…。自分を愛してほしい。そのマインドは皆同じで。
だけど愛してくれない。自分の母であっても。けどどこかに愛は存在している事実。その愛が時に気遣いを。やさしさを。それを例え愛娘であっても強要というかたちで求めてしまう。ジレンマだけどやめられない。気づかない。
育児、教育として教科書レベルの教材とも言うべきミステリアスかつ教養的なストーリー、議題。母、娘のそれぞれの証言が導き出す愛のかたちとは。答えのないその議論に私たちが見出す未来とは。良い意味で頭が痛いほど考えさせられます。
ハッピーエンド、スッキリして劇場を後にすることが出来ないかもしれない。だけど確かな何かを感じとれるのは事実。それは愛なのか。やっぱり観る人によって変幻自在。それがこの映画の醍醐味であり、悩ましいところ。実に面白い。これこそ映画母性わたしの証言。
母親が及ぼす魔力
え?このラストで正解なの??
戸田恵梨香さんが凄まじかった…。
もう本年度のアカデミー主演女優賞は戸田さんしか思い浮かばない。
纏う空気感が尋常ではなく、それを継続させる表現力も卓越し円熟してる。彼女を観れただけでも眼福だと思える。
なのだけど…物語がよく分からない。
まるで「詳細は小説にて」とはぐらかされたような気分になってる。
タイトルは「母性」
大きく包み込むような愛情を連想しはするが、今作をみる限り支配者のように見えてくる。
自分の価値観を子供に植え付け、自分が死んだ後にでも変わらぬ影響力を放ち続ける呪詛…いや、まぁ、確かに子育てのプロセスは変わらないとは思うけど、与える価値観が歪んでしまえば、こんなに取り返しのつかない事はないのではとは思う。
コレは警鐘なのか?
歪んだ価値観が蔓延してる現代で、それをまさに空気のように吸収してきた世代たち。
極端ではあるが、自主性を放棄させられ親の言葉に盲従してきた者達への。いや、それも浅はかな詮索かもとは思う。
戸田さんの役を思い返すに、母親と呼ばれる女性たちの業を一身に背負っていたように思う。
極端だとは思うけど、根源にあるものは変わらないんではないかと思えてしまう。大なり小なり降りかかるもので、戸田さんの場合は極大だった。
彼女が唯一、彼女として向き合える対象が娘だった。
それ以外の彼女は常にベールを纏ってる。
我慢しか選択肢がないような状態だ。
その生気のない顔からは読み取れるものがない。
唯一、娘にだけ不満を露わにする。血縁とはこうも強固で厄介なものかと思えてしまう。
本作では、異なる視点からなる解釈が描かれはするのだが、見終わって思うのは、それすら主観でしかないのではと思う。どちらも何かが抜け落ちてるのではないのかと思う。核となる認めたくない何かを巧妙に回避する為の正当性の付与…記憶の改竄にもそういうものが含まれる場合もある。
本質を語らない事こそが、もしくは語れない状況こそが、この作品の本質なのかと考えてしまう。
戸田さんの懺悔における一言が印象的だった。
「私が間違っていたのです」
その一言を発する彼女は死霊のような空気を纏う。懺悔が許される空間で牧師から懺悔を促されソレが肯定される。そんな中でも彼女は本心を吐露する事はなく、あるべき姿に殉じたように見えた。
「母性」という戒め。
そんな側面を垣間見た気になった。
なぜかハッピーエンド感が漂うエンディング。けれど、何一つ解決されず、何一つ明かされないままに思う。そんな本作だからこそ小説に興味が湧いた。
映画としてはどうなのだと思うけれど、戸田さんは絶品だった。
愛の形
母から子への愛って、無償の愛が普通と思いがちだけど、色んな形がある。
母から注がれた愛が子にどんな影響を与えるのか?また、母からの愛を受け止める子が、何を感じ、どう考え、それをまた自分の子へとどう繋げていくのか……母も、子も、お互い変に依存し合わないような母性を育み、受け取り、受け止めるほうがいいんだろうなぁ……
複雑な気持ちになる映画だったな。
自分の親子関係は大丈夫だろうか?と考えてみたりもした。
原作は未読です
母性が人の持つ本能のように先天的に備わっているものなのか、後天的に携えていくものなのか────
主人公である娘の子が居酒屋でディベートしていることが映画のテーマのようにみせていますが。娘の子の中では 人には2種類いると言っているように明確に答えがあるようですね
そう結論付けるのが落とし所だったんでしょう
ただ 第三者視点で観ると 母親は終盤ある事件を機に、娘に愛情をちゃんと注ぎ出したように見えました
その上で娘がこの結論にいたったのは、違和感がありました
劇中 何度かありましたが。どうやら 娘の人は母親に愛されたいという想いが強い反面、実際 愛情を向けられると認識できないようです
娘にとって母親は言うことをきいて褒められることがあっても、絶対愛してくれることはない対象だからです
あそびがないんですね
祖母にあたる方も 最期に自分の過ちに気がついての決断だったと思います。劇中でも ほぼ唯一の非常に頭の良い常識人に描かれていますが、それでも間違ってしまったのは人の幸せに自分も当たり前に含めてしまったからかもしれません
この映画を観て 人の為を考えた時に 自分が居なくても良い環境を整える必要がある....と感じてしまったのですが、それはあのクズ親父さんと同じ⁉︎かもしれないと気がつきました...
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