母性のレビュー・感想・評価
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「私のお母さんは普通の人で良かった。」
この映画を見てそんな風に言う人がいたら
「普通?」私は心の中でそう呟いてしまうかも知れない。
登場人物の殆どが他人軸。自分の内面と向き合わないため自己肯定感が低い。自立も出来ず他者に依存している人たち。しかしそれは現代のありふれた日本人の姿だとも思う。
日本の家庭の8割が機能不全家族という話もあるくらいだ。
かくいう私も 母と共依存の関係にあった。
当時の私はそれには気づかず ただ息苦しさから家を出た。
しかし 依存の対象が母から彼氏・旦那さんに変わっただけであり 他人軸の人生に変わりはなかった。
ルミ子は気遣いや思いやりの対象を母親に限定してしまっていたようだ。娘にもそれを強要する始末。
独占的な愛を求めて 承認欲求が強くなる。そして 執着に苦しむ。
かつての私も「旦那さんの敵は自分の敵だ。」などと思い込み コミュニケーションが歪んでいた。 私の場合、離婚を機に自分と向き合うことを覚え、かなり価値観を変えることができた。
予告では『事故か自殺か 殺人か?』などと言うから サスペンス的なストーリーを想像していた。 しかし 冒頭の場面から、成人して教師となった さやか が登場する。そのおかげで 無駄な緊張感は消えた。登場人物たちのやりとりから心情を感じ取り、じっくり鑑賞することができた。
『空気が読めない娘』という位置づけになっている さやか。しかし 幼少期 母と祖母の間にいる時の彼女を見る限り、感受性が強く人の心を読む力に長けていたように思う。だがその力が逆に仇となり、母の価値観をそのまま取り込んでしまったとも言える。
高校生になった彼女、父親と浮気相手に対して ズバズバ 本音を言い当てるシーンは爽快であった。大人2人が うろたえながら 応戦する姿も滑稽で笑えた。
最終的には ルミ子も義母を母として見る様になったようだ。さやかも結婚して当たり前のように母親になっていた。律子はあの彼氏と夫婦になって、お店まで開いている。これはバッドエンド…ではないよな…。ほのぼのエンド?
まあこの先も色々ありそうな人たちだけど!
なんだかんだ私にとっては面白い映画でした。
そして母になる
こわい
【愛に慣れ過ぎた母と愛を求め過ぎた娘】
湊かなえ先生の『母性』。原作小説は既読です。
先ず小説を読み終わった時は、こんな濃密な359ページを2時間に纏められるか。と勝手に危惧していました。
それが当たったか外れたかはわかりませんが、やはり大作小説を2時間に纏めるのは難しかったのかな、という印象です。
勿論、映画自体の質は良く、高畑淳子さんの演技力には凄くシビれる物が有りました。個人的になってしまいますが、「あ、ここ削るんだ」等の、もっと表現して欲しかった部分に欠けている印象を持ちました。
特に田所(夫)の醜悪さと脆さはもう少し描いて頂きたかったです。彼の所為とは言いませんが、彼処まで母娘が壊れてしまったのは、義母だけの所為では無いと。
これは映画自体の感想ではなく、原作にも通ずる物なのですが、小説を読んでいた時にも気になったのは、「何故ルミ子は田所(夫)に文句や不平不満を漏らさないのだろうか。」という点です。それは義母の家に住まわせて貰っているからという簡単な理由は付けられますが、映画を見た時にふと思いました。それはルミ子の母が勧めた婚約者だからでは無いか。
結局ルミ子は結婚相手でさえも、母の勧めに乗っ取り、全てを自分で決定していないのだと。
母と子と言うのは安易に語れませんが、愛を他人に要求すること無く、自分で保持し続けられる事こそ、幸せになれる方法なのかもしれませんね。
原作は読んでないが・・・
祖母と母と娘‼️
真実
何かの作品のセリフにあった「真実は人の数だけある。でも事実は1つだけ。」みたいな言葉を思い出した。
事実はもちろん大切だが、世の中は真実で成り立っているのだろうなと。
真実には間違いというものはないのだろう。
真実と事実の差を知った時に真実が変わりうるのことはあるけれど、事実を知るまでの真実が間違っていたということはない。
この作品の面白いところは事実がどうかということではないところだと個人的には思った。
湊かなえ作品の中では少し特殊なのでは?
原作未読だけど、映像化するのにこれ以上の映像構成はないのではと思うくらい良かった。
ただ好き嫌いは分かれるのだろうな〜
嫁入りでストレスMAX(観客が)!!
嫁入りストレスMAXで多分寿命が削られましたが、目を背けすに女の辛さと強さを表現していたと思います。声がデカい高畑淳子の姑っぷりが凄かったです。私の父もそうでしたが、旦那がショボすぎますが、女性から見れば男はこんな感じなのだと思います。臆する事なく愛人に言い返したのは良かったです。結婚という一時の判断力の欠如で、子供も永久に鎖で縛られますね。私も自分が幸せだという気持ちは薄いです。キティちゃん云々のくだりは一見どうでも良いですが、女性らしいと感じました。
☆☆☆★★ 嗚呼惜しい!そして勿体ない。 原作読了済み。少しだけの...
☆☆☆★★
嗚呼惜しい!そして勿体ない。
原作読了済み。少しだけの感想…そしてどうでも良い話し。
やっぱり…と言うか、どうしても製作側としては感動作品として作りたいって事なのだろう。
しかしながら、原作自体が【名うてのイヤミス】でもあるだけに、、、それはどうなんだろう?と。
原作の構成としては実にシンプルには一見して見えた。
6っの章仕立てによって母親目線で語られる話は、直ぐに娘目線の語りによって真実が暴かれて行く。
それを章の最初に導くのは、謎に満ちた(おそらくは)学校の先生による、〝 ある場所 〟での話し合いだ。
読み進めて行くに従い、シンプルに見えた構成だったのだが。実に強かで大胆な構成であったのに、次第に気付かされる内容だった。
それだけに映画本編で、【憲子と英紀】の話を完全にカットしているのは、尺の都合上だったとは言え〝 母性 〟を巡る内容としては、どうしても不完全に思えてしまったのです。
この母親にとって、何よりも1番に愛していたのは、〝 自分にとっての母親 〟である。
その1番愛する人を《自分から奪った者》を、心の中ではどうしても赦す事が出来ない。
この気味の悪さが実に半端ない。
だがこの母親は、それを周りに気付かれない様に振る舞って居るのだけれど。その想いを中和させるに値する強烈な存在の人物を、原作は登場させる。
とにかく、義母のキャラクターの強烈具合は最高で。この義母の存在感の強さゆえに、母親の《娘に対する要求》の気味の悪さは増幅される。
その増幅感を更に倍増させる存在だったのが、【憲子と英紀】により、この母親が味わう《流産》であり。その《流産》がキッカケとなり、ママ友との交流が生まれる。
【 愛 能 う 限 り 】
しばしば原作でも語られるこの言葉。
母親は事ある毎に「神父様…」と語り、自らの回想に入る。
何故に「神父様…」だったのか?
映画本編では、最初と最後に神父が登場していた。
何故母親は神父に悩みを訴える事になったのか?
原作でのママ友との交流によって、この母親が《新興宗教の餌食》になって行く過程が、すっぽりと抜け落ちてしまっている為。映像化での、この神父が〝 登場する意味 〟が薄まってしまっているのです。
更に言えば〝 ある場所 〟でのこの男女の会話。
この会話自体が、《新興宗教の餌食》になっているのが【この母親だけではない!】とゆう事実。
静かに、そして日本中に深く進行している…とゆう事に結び付いているのを、読者に悟らせて締めくくっている。
この気味の悪さのイヤミス感。
嗚呼!なのに映画本編でのこの無理矢理な《押し付けによる母娘の感動作》に、ちょっとだけイラっとしてしまったのでした。
その後の義母への介護であったり。最後に自分もやがて母親となる…と言った、確執が有った母親との関係性の修復等。この辺りの(確か)原作には無かったと思う無理矢理な展開が、感動作品としての押し付け感に思えてしまい。観ていてどうも、、、と言った感じではありました💦
ここから先はどうでも良い話しなんですが、、、
映画本編を観終えてから丸1日以上が過ぎてしまった。
普段は鑑賞し、なるべくその日のうちにレビューを書き留める。
本当は帰宅して直ぐに書こうとしたのですが。テレビを点けたら何と生放送での【鈴木軍解散8人タッグマッチ】
もう涙でテレビが見れねえじゃねえかよ〜!
号泣ですよ旦那!
流れの中で生まれた4人対4人が、いっの間にか1対7に。
最後は 「thank you SUZUKI」 からのザックドライバーの終止符。
オマケのオマケで〝 あの登場曲から【あの人】まで登場。《iron finger globe》をひったくって行ってしまった。
「身体仕上がってんな〜!」(by ミラノ)
理屈じゃないんですよ!
無理矢理に作った訳じゃあなく、11年に渡る〝 絆が導いた結果 〟があの結末だったんですよ!
もう号泣しちまってしまい、レビューどころじゃ〜有〜馬温泉!
こちとら、人生に於いて大事な事は。全〜部プロレスから学んで来たんですよ旦那!
…って事でレビューが遅れた理由で有〜馬温泉!
2022年 12月23日 109シネマズ木場/スクリーン6
母と娘、特有のなにか
結構引き込まれて見てしまう。
自分の母との関係を「私はどうだったっけ?」と自然と振り返ってしまう。
ここまでじゃないにしても、
自分の母にもそういう部分はあったのかもしれないな、とか。
愛してもらった記憶、というのは曖昧でもある。
ただ自分が忘れただけなのか?
母と娘特有の、なにかってある。
同性だからこその、距離感。
近いのか、どうなのか。
戸田恵梨香さんの、
違和感あるセリフ、心がこもってない感じの言い方、
なんか掴めない母親役、絶妙に不気味さもあり、
残酷さもあり、引き込まれた。
弁当を落としたところ、ひやっと、こわくなった。
子どもにとって、母親って「全世界」なんだよな
そんな母親に嫌われたかも、と感じるのって
全世界から拒絶された気持ちになるんだよな。
それに多分、「ひやっ」とするんだと思う。
なんかそれを、思い出した。
***
高畑淳子さんの姑役、本当に嫌気がさした。笑
なんか既視感、、、と思ったら
ドラマ「オリーヴ・キタリッジ」のフランシス・マグドーナンにそっくりだ。
うるさい姑感も同じだしね。
高畑淳子さんのパワー、
大地真央さんのエレガンス母、
ベテラン女優たちの演技をしっかり感じれた
湊かなえにしては
本当の親子って
日本を代表する作家の一人、湊かなえ原作の本作。「娘を愛せない母」と「母に愛されたい娘」それぞれの観点から、とある一つの事件に至るまでの同じ時系列を辿っていくという、新感覚を味わった映画です。よくある心温まる家族物語ではなく、水と油のような母親と娘の物語で、一言では言い表せないような複雑な感覚を覚えました。まるで、10種類くらいの色の絵の具を混ぜて真っ黒にしたような、そんな印象です。
物語の構成自体が複雑なので、見ている途中で混乱した人もいるかもしれません。過去と現代のシーンの切り替わりが多く、母視点と娘視点では世界観が180度違います。戸田恵梨香演じる母親は、「娘を愛せない母」で、なかなか狂気的な部分も垣間見えたと思います。決して正常な思考の人間ではないですね。一方で、永野芽郁演じる娘は、「母に愛されたい娘」であり、一見すると躾がきちんとされているしっかり者の真面目な女の子ですが、彼女が受けていたのは果たして本当に母親の愛情といえるのか、というところであり、ある意味では歪んだ人間性を持ち合わせているのかもしれません。そして何より、母視点と娘視点では、同じ時を回想しているはずが、起きることが異なっていきます。全体的にミステリーを織り交ぜつつ、真相にたどり着く着地点では綺麗な落とし前をつける、湊かなえの見事なストーリー構成でした。母娘を演じた戸田恵梨香と永野芽郁を素晴らしかったです。なかなか難しい役どころだったように思いますが、よく親子間の歪みを表現してくれています。
湊かなえ原作の映画だと、僕は「白ゆき姫殺人事件」が好きです。数年前に見ましたが、驚きつつもスッキリさせてくれる映画でした。これからの湊かなえ作品も楽しみですね。
女には2種類ある。
湊かなえらしい、田舎臭い暗い映画だったが、想定外に明るいエンディングとなった。永野芽郁、大地真央、高畑淳子と比較して戸田恵梨香の演技力の無さが目立ってしまう。特に高畑淳子の不快な演技(演技じゃないのかも?)が良かった。女には2種類あり、それは母と娘だ、というのは名言かもしれない。
「バトン」と表裏一体
WOWOWで観た。十代前半から二十代後半まで違和感なくカバーできるのはさすが永野芽郁。芽郁ちゃんの「そしてバトンは渡された」と同じテーマを扱っているのに対照的だと思った。ただ良い悪いは別にして、正反対ではなく表裏一体なのだと。「母か娘か」あのセリフは重く感じた。
後半、ハッとさせられるのが、戸田恵梨香が名前で呼んだ時。あそこで母になったのだな。
母親は毒親としてステレオタイプに描かれることが多く、そういう内容かと思ったら全然違った。ある種のピーターパン症候群だろうか、こういうの名前あるのかな?
心からの共感があれば、或いは
湊かなえ原作の映画は結構好きで、どれも面白く観ているのだが、「母性」はちょっとハマらなかった。
つまらないわけじゃないんだけど、究極言うと「母に気に入られようとする娘」という存在が、理性的には理解できても心から共感できなかったからだ。
私は母と仲が良かった。母に勉強をみてもらい、母の描いてくれた絵で塗り絵をし、母が仕立ててくれたワンピースはお気に入りだった。
大人になってからも母の服を貰ったり、会えばお喋りに花を咲かせているが、やはり独立した大人同士なのであまり頻繁に会うことはない。
思い返せば成長の過程で、だんだん自然に独立していき、自分のしたいことをするために結構勝手に行動していくようになっていった。
そこに「母に褒められたい、認められたい」という気持ちは微塵もなかった。大好きだが、母は一人の大人の女性で、私も未熟者だが一人の大人の女性なのだから、互いの意思決定はあくまで互い自身が持つもの、という意識がそこにはある。
「母性」の主役2人、ルミ子と清佳のように、「まず母有りき」な関係にならなかったのだから、なんでそんなに母ちゃんにこだわるのか、わからん!という気持ちにどーしてもなってしまう。
理解はできるよ?でも共感できないんだよ!
最低限母ちゃんに怒られないくらいは、お手伝いするしかないかぁ、とか思ってた娘には「母の希望に叶う」ことなんてどうでもいいわけで…。
心の底から共感できなかったとはいえ、戸田恵梨香と永野芽郁の演技からは「母」の愛を巡るやるせなさが伝わってきた。
私には響かなかったが、最も近しい存在であるがゆえの距離感と感情のドラマは見応えがあったと思う。
女性心理
感情移入しにくい
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戸田にとって母親の真央はいつも褒めて励ましてくれる太陽のような存在だった。
その母の教えで、いつも人の役に立つことを考え、人の目ばかり気にしてた。
やがて戸田は結婚して娘を生むが、それでも心は娘のままだった。
母が娘に優しくすると嫉妬のような気持ちを持ったりもした。
また娘にも人のためを押しつけ、できない場合は冷たく接した。
そんなある日、火事が起こり、母を亡くす。同じ部屋にいた娘は助かる。
こうして家族は夫の実家で暮らすことになるが、義母が口うるさい。
それでも我慢して自分の感情を殺して生きる戸田・・・。
娘の永野は高校生になり、親の影響で他人の目を気にする所はあった。
火事の件もあり戸田はどこか永野を遠ざけてたが、永野は愛されようと必死。
そんな家庭環境がイヤで戸田の夫は不倫にいそしむ・・・。
不審に思った永野が尾行して明るみに出たのだが、過去の事実を知ることになる。
火事の時、真央がタンスの下敷きになり、這い出せば永野が下敷きになる状況。
戸田は娘より母を助けようとし、真央は自ら死を選んで永野を助けたのだった。
それを知った永野は首を吊る。でも未遂に終わって大人になり、妊娠する。
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母娘三代にわたる愛憎劇みたいな感じで、心理描写は面白かったのだが、
何かそのまま最後までダラダラ行った感じで盛り上がりに欠けたかな。
っていうか戸田がなあ・・・他人の目ばかり気にして、自分を押し殺してる。
自分の感情とも夫とも娘とも向き合わない。絶対にこうはなりたくないわ。
だから全く感情移入できず、だからって夫にも永野にも同調できない。
好意的に見られるのは真央さんくらい。そのへんが何か物足りないかな。
あと高畑淳子の、意地悪ではないが面倒くさい姑役がお見事やったなw
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