「書きたくないのに書かされたから完全に終わらせたとしか見えない」仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル 名無しのじゅんさんの映画レビュー(感想・評価)
書きたくないのに書かされたから完全に終わらせたとしか見えない
・自分の引き出しにあるネタを消費したくない
・二度とオーズ関係の話を出来なくなるようにする
・ファンに叩かれたくない
この映画は脚本家のこの3つの思いを根幹に作られた作品だと感じた。
実は物語の大筋自体にはそこまで拒否感は無い。
結果として映司が死ぬのも、もっと言えばもしアンク共々だったとしても文句はつける気は無かった。(矛盾云々を言われるだろうからアンクは生かしておくしか無かったとは思うが。)
何故ならば映司は最終回で他者に頼ること託すことを覚えたから、映司の何かを継ぐ後進のためにやむを得ず力尽きるのであればそれは本懐を遂げたと言って遜色無いものといえる。
結論から言ってしまえばそうではなかったから不満だらけなわけだが。
まず徹底的に描写が足りてない。
映司については最低限描かれていたが、サブキャラ達どころか敵のボスについての描写が鴻上から雑に語られるのみ。
そのくせ本編の映像を初っぱなにダラダラと流し続ける。
早い話が70分でまとめられない話をなぜ無理矢理やったのか。
(余談だがこの脚本家がメインを務めたキュウレンジャーでもその傾向は見られた。)
具体的に言えば、復活の詳細、映司に起きた異変の経緯、映司の願いが具現化した理由、ここら辺がほぼまったく語られていない。
そういった細かな描写をせずに過去回想や最終回との対比を安易に使う様は、これやっておけばどうせファンは満足するんだろという姿勢が透けて見えた。
そもそもこの脚本家は本編を理解しているのかすら怪しい。先に書いたように映司は一人で抱え込むことをやめて頼ることを覚えた。
にも関わらず初代に一人で立ち向かい、最後も少し回復したのに少女一人を命と引き換えに助けただけで満足するという一話の映司に逆戻り状態。
そんな体たらくで映司を完全に死なせたのはそもそもオーズをやる気がない、やりたくないという意思表明としか思えない。
本来なら星をつけたくもないが、出演者の方々(特に印象深いのはアンク役の三浦さん)の細かな演技表現にかけた情熱分を買って評価を星2としたい。