ひかり探して

劇場公開日:

ひかり探して

解説

「10人の泥棒たち」のキム・ヘスと「パラサイト 半地下の家族」のイ・ジョンウンが初共演したヒューマンドラマ。台風が吹き荒れる夜、1人の少女が遺書を残して離島の絶壁から身を投げた。休職を経て復帰した刑事ヒョンスは、少女の失踪を自殺として処理するため島へ向かう。少女の保護を担当した元刑事、連絡が途絶えた少女の家族、そして少女を最後に目撃したろう唖の女を通し、ヒョンスは少女がある犯罪事件の重要参考人だったことを知る。孤独の中で苦悩していた少女の在りし日に心を痛め、自身の境遇と重ね合わせて感情移入するようになったヒョンスは、上司の制止を振り切って捜査に深入りしていく。監督・脚本は本作が長編デビュー作となるパク・チワン。

2020年製作/116分/韓国
原題または英題:The Day I Died: Unclosed Case
配給:スモモ、マンシーズエンターテインメント
劇場公開日:2022年1月15日

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映画レビュー

3.0不運だったセジンに当たる一筋の「ひかり」

2024年10月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
島を出て、私たちの分まで生きて。
誰も助けてくれない。
自分で自分を助けるんだよ。
人生は、お前が考えているよりも、ずっと長い。

ヒョンスがセジンの消息を追うことにのめり込んで行ったのは、もちろん自分が抱えているプライベートな悩みごと…おそらくは警察を休職しなければならないほどに彼女を追い詰めた悩みごと…があったことは、疑いのないことでしょう。

セジンの消息を追うことにのめり込んでいくことには、おそらくは、「この仕事には、警察官としての復職がかかっているのだ」という、自分自身に対するもっともらしい言い訳を、自分自身に対して構えることができるからという構図も、たぶんに含まれていたことでしょう。

作中に出てくる「懲戒処分」というのは、日本に引き直して解釈すると、おそらくは分限処分ということの様子。
(この場合には、満度に休職をしても健康が回復しないという、本人には直接の帰責性はないのだけれど、公務能率を確保するという理由による免職=クビのことのようです。作中では、ヒョンスに何か懲戒処分に
値するような非行があった様子もありませんでしたから。)

ヒョンスがこの事件の報告書をまとめ上げることで、職務に耐える程度には健康が回復していることを審査委員会(?)にアピールしてくれようとしたことは、彼女の上官のヒョンスに対する配慮だったのだろうとも思います。

ときに、ヒョンスがどんな経緯で警察官になったのでしょうか。
そこは、本作の描くところではなかったと思うのですけれども。

しかし、「警察」という官僚組織ので生きていくには、ヒョンスは、もともと「線が細すぎた」のではないかと、評論子には思われました。
(あくまでも評論子の印象なのですけれども。)
言ってしまえば、ヒョンスにとっての「ひかり」は、官僚組織でもあった警察組織の中には、探しても見出すことができなかったということでしょうか。
原題の邦訳は『私が死んだ日』だそうですが、そう考えると、原題(の邦訳)の方が、しっくりと来るようにも思われます。

ヒョンスの、そういう「線の細さ」に比べて、島の住民たちは、もっともっと「線が太かった=したたかだった」というのが、評論子の印象です。

冒頭の映画のことばは、もちろん、セジンが隠れ家としていた「スンチョンから来た人」のものでしたけれども。
実際、セジンの失踪劇は、島の住民も(暗黙裡に?)了解したものだったのだろうと、評論子は思いました。

もしもそうでなかったとしたら、島にはたった一つしかないという船着き場から、彼女が島の住民の目につかずに島を離れる出ることは、ほぼほぼ不可能性(例えば、セジンが潜り込んだ船は、島民以外の、いったい誰が操るのか?)
寝たきりの娘の名前でセジンのパスポートまで作ったのはよいとして。
島民ぐるみの構図が、もしなかったと仮定したら…。

セジンは、そんな島民の思いにも守られて、「イ・スンジョン」として、永く暮らしたことを、評論子は信じて疑いません。
そこに、本作の邦題となっているように、一縷(る)の「ひかり」を探し当てることができるようにも思われます。

佳作だったと思います。
評論子は。

(追記)
本作の全体を通じて、「公務職場」の特質というのか、そのディテールについては、よく取材されているという印象でした。
国こそ違え、同じく公務職場に職を得ている者としては。
そんなことにも、評論子には好印象の一本でした。

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talkie

3.5とてもよかった

2022年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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吉泉知彦

3.0ちょっとねー

2022年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

勘が悪い自分でも、なんとなくラストが見えていました。
まあ、謎解きの映画ではないので、そこを突っ込むものでもないのかもだけど。

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hanataro2

3.5とっちら

2022年5月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公の事情と事件の情報が小出しにされるが、とっ散らかり過ぎてて飲み込み辛い。
着地は悪くないが、そこに至るまでの展開も起伏が少なく、あまり惹かれない。
もう少し整理できていれば違ったのではないかな…
残念。

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ぱんちょ