劇場公開日 2022年10月14日

「映画を超越した映画」もっと超越した所へ。 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画を超越した映画

2022年10月15日
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限定された登場人物、限定された空間、ハイテンションな会話劇と、実に演劇的ではあるものの、絶妙なカットバックと分割場面で、映画としても十分に楽しめる。
と思っていた矢先の、映画の作劇法をぶち壊すかのようなラストの展開には呆気に取られてしまったが、演劇と映画との幸せな結合ということで、これは、これで良かったのかもしれないと思えた。
内容的にも、弱くてずるいダメ男は、それを甘やかすダメ女が作り出すという、「どっちもどっち」の関係性が描かれていて、面白いやら、身につまされるやら・・・
一見、関係のなさそうな4組のカップルが、実は相互に関係していたという設定も、「同じことを繰り返したくない」という第2のラストへの伏線として効いている。
そこには、1人で寂しく生きるよりも、多少のことには目をつぶってでも2人で生きていく方がマシという明確なメッセージが読み取れるのである。

tomato