ゴヤの名画と優しい泥棒のレビュー・感想・評価
全110件中、61~80件目を表示
いい話だけど、少し退屈だった
物語の「隠された事実」が明らかになるときはクライマックスの1つになる。予告編の難しさは、この「隠された事実」を明らかにせず、映画の面白さ(面白そうな雰囲気)を伝えなければならないところだと思う。
本作ではゴヤの名画を盗むこと、盗んだ目的がすでに予告編で明らかになっている。他に何が隠されているのだろうと思ったのだが、なるほどそこか!と唸ってしまった。いや、それでもそこまでの衝撃はない。そんな衝撃を楽しむ映画ではないのは十分承知している。
でも、中盤までが結構退屈だったので、そんなところを期待してしまった。結局、面白かったのは法廷シーン。検事の追求に、ケンプトンが小気味よくそして小馬鹿にするように返していく姿がいい。あー、英国紳士っぽい返しだなと。これが実際に起こった事件だということも興味深い。そりゃ、映画にしたくはなる。
テンポが良くて面白い
原題は『THE DUKE』だけど、ウェリントン公爵のこともゴヤのことも知識は必要ないです。
でも14万ポンドが1961年当時で1億4千万円ってことは知ってた方が良かったかな。
タイトルとポスターの雰囲気だけで予告すら観ずに行ったので、勝手にもう少しゆったりした物語だと思っていました。
オープニングからテンポが良くて、ぼ〜っと観てたら置いていかれそうだったけど、面白かった。
イギリスの文化にも法律にも疎いからわかりにくいところはあったけど、ケンプトン・バントンが小気味良くて面白い人だったので、それだけで楽しめました。
裁判所での発言はいちいち面白かったし。
現実に自分の家族だったら、タイヘンだろうなとは思うけど。
でも現実にあった話なんですもんね。
ドロシーが一番エラい。
ユーモアはひとを惹きつける。こんなシニアになりたい。
物語の主役であるケンプトンバントンには揺るぎない信念を持っているが、常にユーモアに溢れた口ぶりであることが印象的で魅力的だった。
ユーモアに溢れる人は、深刻な事態に陥っても声を荒げることはしないし、深刻さを感じさせない。
難しい話、真剣な話、面倒くさい話でもユーモアに包みこんで話すことで人々を動かすことにも繋がる。
そんなことに気がつかされた作品だった。
そしてなによりもシンプルに
かわいいおじいちゃん、かわいいおばあちゃん、そしてかわいい夫婦関係に触れることが出来、幸せなやさしい気持ちにもなれる作品だった。
ついつい頬が緩んでしまう優しいお話
ゴアの名画を盗んだのはおじいちゃんだった!?
初めはBBCの料金を払いたくない偏屈なおじいちゃんくらいの印象だったけど、貧困による弱者のことを考えているんだなと関心。それだけでなく、人種差別にも立ち向かう姿勢を見せてくれて心から魅力的に感じた。
ケンプトンの姿は微笑ましく、裁判所でのシーンから彼の人となりの良さ、そして皆んな社会への不満があるんだろうなと思った。
ドロシーも初めは否定的、偏屈だなぁと思っていたが、娘を失った悲しみから閉鎖的になっていたが、一歩進めるようになって良かったなと思った。
実は…の展開も意外性があり、その後の結末も実話??となるくらい幸福な内容で良かった。
007ドクターノオでボンドが驚いたのはこの絵なのね!
ドクターノオが犯人だったぁと当時の人は楽しめたんだろうなぁ。
Free TV for OAP!
Old-Age Pensioner(老齢年金受給者)にテレビ受信料免除を!が、どうでも良いほど隠れたところに置かれたお題目の庶民政治活動的犯罪映画ですね。中部イングランド英語の発話と共に勉強になりました。
家族が、お互いと自分自身を見捨てなければ、ちょっとした苦境にあっても開き直ってなんとか過ごせるという説話風物語でもあり、ともすれば独りよがりな「良い話映画」になりがちですが、幸いそう感じませんでした。
それは、実際にはあり得そうもない良い話をどこかから持ってきて架空の英国家族に当てはめたのではなく、実際に起こった大事件(実質的には小事件)を、実際に英国に居るらしい気難しくてめんどくさいが良いところもまあ少しある隣家の老夫婦にやらせたらどうするか、とした小作品的作りなのでしっくり出来たのだと勝手に思っています。小生どうも英国人に見え隠れする高慢は嫌いですが、それでもQueen's Englishを学んだ英国贔屓なので。だから総合採点☆数ももっと多くてよかったのですけど、小品を観た直後の小感想で今はとりあえず。
是非、フィオン・ホワイトヘッドにも注目を
1961年、当時のイギリスは階級社会における労働階級への差別に加え、インフレーションと失業率が昂進し、確実にイギリス(英国)病が国内経済を蝕んでいた。
このドラマの主人公であるケンプトン・バントンも労働階級であり、彼は「高齢者のために公共放送BBCの受信料無料化を求める」社会運動に熱心に取り組む活動家であった。
彼はよく喋るうえに時に痛烈な皮肉も混じるが、憎めない人柄ときちんとした知識、理念、信念を持っており、また口だけではなく自らが犠牲になってでも訴える人である。
冒頭からそんな彼の人となりが見える展開で進んでいくが、刑務所への収監を機に、妻ドロシーの説得に押されつつも「最後に一度だけ」とロンドンに赴くことになる。
ここで観ている私、ある出来事に一瞬「あれ?今気を失っていたか?」と自分を疑う映像的なギミックがある。実はこれが気のせいでなかったことが物語の後半で判るのだが、、、
ハドソン夫妻を演じるベテラン、ジム・ブローベントとヘレン・ミレンの演技は言わずもがなであるが、その夫妻の息子ジャッキーを演じるフィオン・ホワイトヘッドが、この夫妻が人生を「間違っていなかった」と思わせてくれる演技を見せてくれ、微笑ましく、そして清々しい気持ちになる一本です。
これは家族の物語
公共放送の受信料に異を唱える偏屈おやじが、庶民のヒーローとなる顛末が痛快。
その一方で、生活力はないくせに、言うことだけは立派な主人公のキャラクターは、「隣人」であるならば微笑ましいが、これが家族であったなら、面倒臭くて本当に大変だろうとも思わせる。だからこそ、家族の再生がきちんと描かれているところに好感がもてるし、切っても切れない家族の絆というものを強く感じとることもできる。
素材の良さを活かしきった実録ものとして秀逸。
愛おしい作品
とにかく全体にユーモアが溢れすぎてて、観ている間中、頬が緩みっ放しでした。特に夫婦の会話がまさに漫才の「ボケ」と「ツッコミ」の応酬で楽しくて仕方がない。国の税金の無駄遣い、差別問題、老後資金の問題など、現在にも通ずる様々な社会問題をそこここにうまく散りばめていて、それでいて決して暗くなったり重くなったりせず、笑いを交えながらテンポ良くお話しが進んでいきます。ラストのほうの裁判シーンは本当に笑いっぱなしでした。傍聴席にいる人たちや法廷にいる人たちも、演技ではなく自然な笑みがこぼれているようにも見え、皆さんいい顔をしていました。心の底から楽しめて、温かい気持ちにさせてくれるほっこりする作品でした。
75歳以上は受信料取らないで!
60年代のイギリスの街並み、服装、ご婦人の髪型なども見応えがあり、ユーモアに溢れてとてもいい気持ちになる話。英国映画の気品を感じる配役。
ロビン・フッドか?
ドン・キホーテの産まれ変わりか?
ちょっとうるさいぐらい弁が立つタクシー運転手(戯作者)のおじちゃんのあっぱれな行動力。
拍手喝采!
ラジオしかなかった戦前の放送法を盾にして、何十年も受信料を取り続けてきた某国の国営放送局。
夜の10時過ぎてから訪問して来て、ドアの隙間に足突っ込んで、受信料払えって脅すの止めてくださいね。怖いから。
何十年も放送法改正に指一本触れない国会議員たち。
おかしいと言い出さない国民。
最近、かなり変わった方がこれをネタに党名に掲げて国政選挙に出馬しましたなぁ。
75歳以上からは受信料取らない英断を
いぬえっちけーがするわけないと思うと、いい映画見たあとなのにちょっとさみしくなりますね。
額縁はギルティー!
なんでも鑑定団(テレビ東京)で、絵はニセモノでも額縁や箱の方が価値があるという先生方のイヤミなコメントをちょっと思い出しましたw
前半ダレてる感も最後の20分
想像していた映画とはだいぶ違ってました。シリアスな内容をこういうコーティングで見せるのかって感じ。
実話だというのが驚きです。
前半いろいろ出てきて、なんだかスッキリしないんですが、最後の法廷シーンはなかなかに圧巻。前半の伏線も的確に拾いきっているかと。
カメラワークも遊んでいて好きです。
地味目ですが、おすすめ
おしゃれ、軽妙、賑やかで。
観ているこちらが幸せな気持ちになる一本でした。
主人公の爺さん、微妙な距離感で見ている分には面白いが、身内にいたらめちゃくちゃ迷惑かもw
そんなユニークでお茶目な爺さんを、ジム・ブロードベントが好演。
創作かと思いきやまさかの実話ベースに驚き、『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督の遺作と知って二度驚き。
「ここがいい」という点がみんなネタバレになっちゃう宣伝に困る内容で、ちょっと話題としちゃ地味目ですが、おすすめしちゃいます。
後半は良いです。前半は微妙
1961年に実際に起きたゴヤの名画盗難事件を家族愛をメインにコメディタッチで描いた人間ドラマ
前半は展開も遅く睡魔に負けそうになりましたが、後半の裁判劇になってからは楽しく見れました。
2021年9月に亡くなった「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル監督の遺作というのも感慨深い作品になりました。
公爵は見ていた!
ウェリントン公爵の絵が抜かれる度になぜだか微笑ましくなった。盗まれて市民の家にあるときも核研究所にあるときも威厳を失わず私を笑わせにかかって来た?
当時のヒット曲クラリネット奏者アッカー・ビルクの「白い渚のブルース」が流れるシーンはとってもほっこりでメロディー、映像、ストーリーが渾然一体で「陽のあたる教室」での少女の演奏シーンでも使われていたのを思いだし胸キュン。
NHKの皆様、ご覧になりました?
嘘のような実話が元らしいけど、どこまでホントなんだろう。年金受給者から受信料を徴収するなんてBBCもひどいよな。しかも受信機の電波まで探知して押しかけるなんてどこかの国と同じ。
裁判パートは、ケンプトンの独壇場。堂々と見ようによっては飄々と無罪を主張するし、本人確認では、ユーモアを交えて何度も脱線させて、裁判所内のほとんどを味方につける。まさか陪審員制度で大岡裁きがあるとはね。
ヘレン・ミレンはさすがの演技。白ヘレンもいいけど、次作は黒ヘレンでお願いします。
全110件中、61~80件目を表示