劇場公開日 2022年2月25日

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ゴヤの名画と優しい泥棒のレビュー・感想・評価

全131件中、41~60件目を表示

4.0実話だからこそ面白い作品!

2022年5月1日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

昔だから出来た犯行ですが、裁判や経緯なども含めて実話だから面白くて感銘を受ける作品だと思います。

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イ・ジア

5.0確かにそんな高そうには見えない

2022年4月29日
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鑑賞方法:映画館

ずっと観たかった映画がやっと来てくれた。 ほのぼのコメディかと思っていたら、カメラアングルや編集などは、往年のスパイ映画のよう。さすがジェームズ・ボンドを生んだ国。 国営もしくは公共放送の受信料の攻防は、日本だけに限らずなんだな。エンディングの解説で現在のイギリスでは高齢者の受信料は無料だそうだが、日本ではどうなんだろうか? どこまで脚色されているかは置いといて、魅力的なキャラクターがたくさん。 普通、議員夫人は慎ましくあるべきというイメージだけど、この議員夫人は随分と革新的。パン工場の差別主義なジジイとは大違い、素敵なご婦人。 保守的でガミガミうるさい妻、しかしキッチンでダンスをする時は優しい笑顔。ヘレン・ミレンが色味のない服を着た地味な婆さんを演じる、なのにとっても魅力的。やっぱ良い女優さんだなぁ。 監督をはじめとするスタッフもキャストと安定感があるので、ユーモアも軽快で安心して観ていられる。 今年暫定1位のベルファストや、ボクと空と麦畑、日本で公開したか分からないけどHappy Go Luckyなど、多分イギリス映画が好きなんだな、と気づいた。 そういや週一で劇場に観に行ったキングスマンもイギリス映画だ。

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コビトカバ

4.0若い人にも関心を持ってもらえれば

2022年4月20日
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【鑑賞のきっかけ】 この作品は、公開前から気になっていたのです。 公式HPによると、1961年、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗難に遭い、その犯人とされたのは、60歳のタクシー運転手、ケンプトン・バントン。年金生活者を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。とあります。しかも、実話をベースにしているという。 そろそろ、劇場公開も終わりそうな時期になっていましたが、久々に劇場に足を運ぶこととしました。 【率直な感想】 <日本人にとって身近なテーマ> 劇場に足を運んでみると、年配の方ばかりで、若者の姿はありませんでした。 主人公の夫妻が高齢だからか? でも、「受信料」で賄う公共放送という点で、BBCはNHKと類似しています。 この受信料を、受信設備があれば徴収するというシステムを巡っては、日本のNHKについても昔から議論があり、身近なテーマなのではないか、と感じています。 物語の始めの方で、主人公のケンプトン・バントンは、受信料不払いを理由に捜索に来た公的機関の職員に、「このテレビは、コイルを抜いているので、BBCは映らない」と説明するも、逮捕され、刑務所に入れられてしまいます。 これは、昔から日本でも、「うちは、テレビは確かにあるけど、NHKは観ていない。だから、受信料は払わない」と主張する方がいて、論法はよく似ていますね。 この受信料の問題に一石を投じた人物が、1960年代のイギリスに実在したという本作品を、私は興味を持って鑑賞しました。 因みに、日本のNHKに受信料免除はないのか確認すると、特別にセイフティーネットを必要とする方々の免除制度はあるようですが、「年金生活の高齢者」というだけでは、免除はないようですね…。 <中盤以降からは、法廷ミステリ> 冒頭、ケンプトン・バントンの裁判が開かれるシーンで、物語はスタート(予告編の冒頭もこのシーンです)。 すぐに、ゴヤの名画盗難事件の前に場面は遡り、ここから、先述の受信料不払いのエピソードなどを経て、中盤以降は、関係者が傍聴席で見守る中、ケンプトンが法廷で裁かれていく様が描かれていきます。 実は、この法廷シーンの直前に、ミステリ風の意外な事実が明かされ、ミステリ好きとしては、興味を持って鑑賞することが出来ました。 そして、最後は、「法廷ミステリ」の定番、陪審員の下す評決へ。 「有罪か?無罪か? Is he guilty or not guilty?」 この部分、人により評価は様々でしょうが、私は、さすが映画になるだけのことはあるな、と感心しました。 【全体評価】 この作品、全体的にコミカルな描き方をしていて、ケンプトン夫妻の会話は軽妙だし、法廷シーンでも、ケンプトンのユーモア溢れる証言に、裁判所が笑いに包まれたりする。 でも、夫妻には、ひとつ、大きなトラウマがあって、このトラウマへの取組み方の違いから、すれ違いが生じる、シリアスなシーンもあります。 このように、ユーモアとシリアスを絶妙のタイミングで描いていく物語展開は観る者を飽きさせないと思います。 本作品は、ロジャー・ミッシェル監督の最期の長編映画作品となりました。 こんな素晴しい作品を遺してくれた彼に、哀悼の念を捧げます。

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悶

3.5もっと表現の幅を広げて欲しかった

2022年4月14日
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楽しい

幸せ

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とまと

5.0感動の嬉し涙

2022年4月2日
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鑑賞方法:映画館

魅力的なご夫婦ね。 二人とも優しくて真っ直ぐね。 次男も良い子。 裁判での 真っ直ぐなケンプトンの姿 弁護士の弁のすばらしさと ウイットに富んだやりとり 無罪になれ!と願っている傍聴席の皆の想いに 心が温かくなって涙が出て止まらなかったです。 これは感動の嬉し涙。 こんな感じ春にぴったり。

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hkr21

3.5社会問題を扱いつつもテンポもよく、ほっこり。

2022年4月2日
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売れない放送作家の男性、高齢者の国営TVの受信料を無料にすることを目的にゴヤの名画を盗む、しかし真相は…という60年代のお話。社会派のようだけど、終始軽快でテンポよく進み、音楽も良くてすごく楽しく観れた☆主人公のキャラがすごくよくて♫実話とはびっくりだわー☆

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mami

2.0寝た

2022年3月27日
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久々に最初から最後まで寝ていました。 面白いか、面白くないかもわからないくらい。

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hanataro2

3.5ハットトリック‼

2022年3月21日
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楽しい

難しい

幸せ

テレビが国の老人たちの孤独に寄り添えるものだと考える主人公が、国営放送を無料にするために声をあげるが相手にされず・・・。そこで、この主張を届かせるために思いもよらない作戦を決行し・・・といった物語。 変わり者のケンプトンはその性格故仕事が続かず、戯曲を書いてばかり。妻のドロシーは、そんな夫に愛想を尽かしながらも清掃業で家計を助けている。息子のジャッキーは意外にも(⁉)父親派。 そんななか、ゴヤの名画が14万ポンドでギャラリーに入れられたと聞き・・・。 随所にコメディ要素を取り入れながら、大きな社会的メッセージが込められた作品。 ケンプトンは確かに偏屈だが、根底にある想いは社会的弱者を助けたいと思う気持ち。彼に振り回されっぱなしのドロシーも、何だかんだ夫を想う気持ちはあり、仲良く踊って歌うシーンは微笑ましい。あんな夫婦に憧れますね・・・。 名画が盗まれ、世間はやれプロの犯行だ計算しつくされた組織的な云々だと言っている様はおかしくて笑いそうになった。割とあっさり盗られてますよ~(笑) と思いつつ、いち市民のケンプトンの主張が届かないのと一緒で、名画が盗まれてもまさか市民の犯行とは思われず…こんな側面からも、政府は市民の存在が見えていないのだなぁと思わされたり、深みのある内容だった。 裁判のシーンも良いですね。変わり者だが、持ち前の性格で観衆を味方につけ、いよいよ最後には・・・。そして明かされる真実。シンプルなコメディ作品かと思ったが思いもよらない展開に驚き。 思いの外話の内容が難しい場面もあったが、ケンプトンの優しさ、人を想う気持ち、そしてそれをしっかり受け継ぐジャッキーやドロシーの支えに心がホカホカした作品だった。 国営放送ねぇ・・・。 うちと比べてどんなですかねぇ(笑)

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MAR

4.0本当?って程のノンフィクションな

2022年3月21日
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フィクションの様に思わせる程の、実話なお話だそうですが、事実かどうかの考察はこの際、どーでもいいですわ。 楽しい。とにかく楽しくて穏やかな物語りです。 若年層には、テンポがゆったり過ぎて飽きるかも知れないけど、私には1960年代の映画のテンポや映像効果などもオシャレなくらい取り入れてあって、心躍りましたね。 慎ましやかで清貧な主人公が、アイデンティティを老いても失わない姿は、歳を重ねるほど心に突き刺さる。きっと、10年後にも見直すだろう作品に出会えました。

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khanibal

3.0ジム・ブロードベントとヘレン・ミレン、名優2人の燻銀の魅力が光る

2022年3月21日
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幸せ

ジム・ブロードベントとヘレン・ミレン主演の実話を元にしたコメディ、って時点で観たくなった 1960年代のイギリス。ダメダメだけど憎めない初老の主人公パントンと、生真面目でしっかり者の妻。 バントンは当時話題の名画を美術館から盗み、身代金を孤独な老人たちに役立てようと企むが、そこにはいくつもの壁と、優しい嘘があった… ノッティングヒルの恋人の監督作だからか、貧しい老夫婦の暮らしがなんとなくおしゃれで、お湯を沸かす間に踊るダンスすら様になる REDでも男前だったヘレンが、ごく庶民的な生真面目な主婦をいじらしく演じれば、アイリスで包容力に満ちた夫を好演したジムが、憎めないけどダメな男を好感度100%で演じる その絶妙のバランスが素晴らしい 全体的には、前半が少しもたついた印象だけど、後半の引きがすごい 優しい嘘を含んだ裁判所のシーンは必見 個人的に☆5中3

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12shiho28

3.0史実として面白い

2022年3月17日
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率直な感想は「こんな史実があったのか」ということ。 もし、史実でなければ、こんな都合よいラストになる?と思った気がします。 事実は小説より奇なりとはよく言ったものですね。 アングルなど構成がよく考えられているなとも思いました。

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杏子

4.0(原題) The Duke

2022年3月15日
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雰囲気も画面のテンポもよくて、心温まり、とても楽める作品でした。観に行って良かった。今までのヘレン・ミレンが演じていた役柄とはイメージ違うけど、とても合っていました。

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AYK68

4.0泥棒のどこに優しさを見いだすのかはきっと人それぞれ

2022年3月15日
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日本でも展示されたことがあるゴヤの作品『ウェリントン公爵(The Duke of Wellington)』(1812-14)の盗難事件を基にしたストーリー この絵画に描かれているのは1815年のワーテルローの戦いで、かのナポレオンを打ち負かしたイギリスの英雄アーサー・ウェルズリー。 そんな英雄の絵画が盗まれたとなれば、イギリス中で話題になるのもうなずける。 年金暮らしのケンプトンは、ゴヤの絵画泥棒となり、多くの高齢者のために絵画の身代金を要求し、公共放送の受信料に充てようと企てる。 映画の原題は『The Duke(公爵)』だけど、今回は邦題の方が好きかな。 泥棒の優しさはいくつかあって、その1つ1つがケンプトンさんの魅力になっている。 ケンプトンと長年を共にする妻役にはヘレン・ミレン。この2人の心の在り方の描かれ方もこの映画を観て良かったなぁと思うところ。

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スクラ

4.0本当に大切なことを語らない美学

2022年3月14日
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夫婦の間にあるすれ違いや葛藤が、画面の絵からにじみ出てくる演出が心地よかった。主人公ののキャラクターやセリフ劇で楽しませる工夫を忘れずに、でも大切なことはセリフでは語らせない。上品な映画でした。 個人的には、主人公家族のアパートメントのある交差点から、遠くの工場の煙突が見える画面がとても印象的でした。工業化が進む町と、取り残されていく老人が対比的に描かれているように感じました。劇中にある、「この絵にそれだけの金額を払うくらいなら、福祉に回せ」というメッセージが一目で表された構図ではないでしょうか。 「あなたは私であり、私はあなたである。」現代社会に語られるべき言葉だと思います。 次男のキャラクターがあまり深く描かれず、長男の掘り下げももう少し欲しかったなと思ったので、-1.0させていただきました。

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のむさん

4.0『ハットトリック!』

2022年3月14日
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『(お墓を)綺麗にしておいたわ』 「自然のままなのもいいさ。田舎で死んだし……」 『掃除をしない言い訳でしょ』 『家のなかでは、女にものを隠しとおすことはできない!』 『芝刈機を返すのは、遅れがちになるものです』…… ウイットにとんだ会話や表現は、もちろん魅力。 自然でライトなstoryの映画かな、と勝手に思っていましたが、とても観ごたえのある映画だった。 『彼はとてもいい隣人です』も、 夫婦で帰宅した時に、娘さんの写真が飾ってあったのも(パンフレットを読んだら、あの写真はご本人の写真に色をつけたものだそう)、 プロポーズのシーンも。 ラストは、静かな感動が畳み掛けてやってきた。 優しい、名画のような映画だった。

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night runner

5.0I will not cease from Mental Fight.

2022年3月14日
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泣ける

笑える

幸せ

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bloodtrail

3.5タンスの中の公爵

2022年3月14日
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実際にあった名画盗難事件をコミカルに描いたドラマで、60年代のイギリスの時代感がよく出ていて楽しかったです。前半は主人公の暴走老人振りを中心にまったりと進むけど、名画を盗んでおいて、隠し場所がタンスにゴンならぬタンスにゴヤと言うのが笑えます。また、後半の裁判所シーンになってから、彼の愛嬌のあるキャラが生きてきて、ぐっと面白くなります。建前はともかく、彼が求めていたのは弱者救済と言うよりも、若くして亡くなった娘への贖罪感、喪失感によるもののように思え、しんみりとする面もあり、いいドラマです。それにしても、邦題のセンスは何とかならないのかな?役者ではジム・ブロードベントの飄々とした芸達者振りもさることながら、いつもは華やかな印象のヘレン・ミレンの地味な老女ぶりには驚きました。でも、旦那とキッチンで踊るシーンは、なんかかわいかったです。

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シネマディクト

2.5思いのほか軽快で淡々。

2022年3月14日
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地味な作品です。義勇的な動機の犯罪を犯した男性と家族のお話ですが、感動を前面に出すような作品かなぁ?と推測していましたが全く違っていました。ベタつきなく、カラっと描く軽快な味付けの作品でした。が故に、スルッと見終わっちゃいました。 裁判のシーンは楽しめたのですが、盛り上がりに欠けていてそれ以外は正直「むーん」って感じだったかなぁ。頑固な高齢者の思い出話止まりだったかなぁ。本当に単案としているんですよね。主人公の男性に気持ちが入らなかったからかなぁ。なんか、奥さんに苦労ばかりさせている、偏屈爺さんにしか見えなかったんです。好き勝手なことをやって、家族を(特に奥様)を振り回しすぎじゃない?って。もうちょっとはっきりした味付けが欲しかったかな。・・・良いお話なんですけどね。そんなに心があったかくもならなかったしね。

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バリカタ

4.0007と意外な接点のある一作。

2022年3月13日
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ロジャー・ミッシェル監督の遺作となった本作。本作も安定した演出力でその手腕をいかんなく発揮していたため、とても驚きました。 主人公ケンプトンは公共放送の受信料不払い運動をするなど、穏やかな風貌ながら社会問題に対して強い意識と行動力を持った男性。そんな彼がゴヤの名画を盗難するという重大な事件を引き起こします。その動機は彼の口からも語られ、それなりに納得できるものの、でも物語をこれ以上話を膨らませるのは難しいのでは…、という勘ぐりを鮮やかに上回った展開となります。まさに「優しい泥棒」です。 映像の繋ぎと音楽の添え方がなかなかシャープで、それが一見地味目め作風であるにもかかわらず、意外な疾走感を生み出しています。 実際の事件に基づいているため、イギリスでは既に結末まで知っている人もいたはず。でもジム・ブロードベントとヘレン・ミレンの演技で、全く飽きさせません。特にドロシー・バントンを演じたミレンの振る舞いは、観客の感情そのままを反映していて、とても笑え、そしてはらはらさせられます。 演技以外にもロンドンの街並み、風景の美しさは見事で、特に緑色の使い方が非常に印象的です。ドアや壁などを見ているだけでも全く見飽きない作品となっています。原題は盗まれた絵画『ウェリントン公爵』を意味する"The Duke"と少々素っ気ないため、日本語タイトルの工夫が際立ちます。 なお、絵画は1961年に盗まれ、1965年に見つかりますが、盗難翌年に公開された『007/ドクター・ノオ』に、ドクター・ノオが盗んだという設定でこの絵画が登場します。現在進行形の事件を作中に入れ込むという、なかなか際どいユーモアだったんですね。

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yui

5.0何気に『THE BATMAN バットマン』とほぼ丸かぶり、1960年代の英国に巣食う悪き風潮に敢然と立ち向かう家族の物語

2022年3月13日
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そしてエリザベス女王から家政婦までどんな役もリアルに演じるヘレン・ミレンがとにかく素晴らしいです。あとさりげなく007リスペクトが滲んでるあたりは『オペレーション・ミンスミート』と同じ、いかにも英国的なウィットに貫かれた作品です。

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よね