劇場公開日 2022年2月18日

「ゲーム未経験者でも新鮮さしか感じない、創意工夫に満ちた一作。」アンチャーテッド yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ゲーム未経験者でも新鮮さしか感じない、創意工夫に満ちた一作。

2022年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作となる大人気ゲームシリーズ『アンチャーテッド』を全く体験しないまま映画を鑑賞した観客による感想です。
『アンチャーテッド』自体は未経験だとしても、本編に入る前に様々なゲームのキャラクターが登場するロゴタイトルを観るとやはり心躍るものがありました。作品は冒頭から素晴らしいスピード感で、見せ場の連続なのに定型的な描写に頼らず、アクション、そして俳優の関係性ともに一つひとつの描写に創意工夫が凝らされていて、全く退屈しませんでした。

人気ゲームの映画化は、しっかり確立した原作(原案)があること、既にファンが付いていること、など製作する側からすれば比較的企画が立てやすい一方、「体験の深さ」という面では、どれだけ大画面で観ても映画はゲームに敵わず、映画化に際して完全にゲームの世界を再現するか、あるいは全く異なった表現/物語を追求するか、という方向性の難しさもあります。この点について、ルーベン・フライシャー監督はトム・ホランドの、(『スパイダーマン』シリーズで培った)重い責任を背負っているが、快活さは失わない若者というイメージを最大限に活かして、「トム・ホランドだからこそ実現できた映画」に仕上げることに成功しています。

マーク・ウォールバーグとソフィア・アリのチームの組み方も従来のバディ映画とは大きく異なっていて、最後まで彼らの関係がどうなるんだろう、という緊張感が持続して、それがアクション、ミステリー要素という縦線に対して重要な横線となっています。

これは原作をプレイしないと…。

yui