「歴史を基調にした恋愛映画のようです」デリシュ! BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史を基調にした恋愛映画のようです
1人の料理人を通してフランス革命前の平民vs貴族の構造がよくわかる、ある意味教科書にもなる作品でした。
ただし、長い。112分間は映画の尺的には中間層ですが、ざっくり言うとバランスが悪いんですよね。助手として働く女性に素材を食べさせる場面がそこそこ長尺だった一方、主人公達の身に降りかかる悲劇が光速で全部盛りするとか。
思わず吉◯かよ、と噴き出しそうになりました。いや、全然描写としては笑えないんですが。
特にわりかし重要人物だと思ってた某さんの死は、ほんと呆然としてしまいました。え?あの人、退場要員だったんすか?マジで言ってんの?と何度も首を傾げてしまった。
オチから考えると確かにロマンス要素は必要ではありましたが、正直なところ、主人公の料理人のおっさんの向こうに監督のスケベ顔がちらつき、微妙に居心地が悪くなったです。
多分この気持ち、観た人1000人のうち1人は分かってくれるはず。と、思いたい。
ただし、主人公が創る料理はとてつもなく美しいです。芸術作品です。
個人的にはラストで某さんがデリシュを口にし、思わず笑顔になってしまったところで、全てがどうでも良くなってしまいました。
美味い飯はそれだけで人を幸せにする。
某ボイリングポイントを観て(まずそう)とぼやいてしまった人には、全力でオススメ出来る作品。
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