ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価
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ソ連の犯罪歴が今のロシアに繋がっている
第2次世界大戦の終戦直前に日本に対し参戦してきたソ連に、終戦後シベリアの強制収容所に連行された日本人捕虜たちは、冬には零下数十度となる厳しい気候、1日にわずかなパンとスープだけという粗末な食事をはじめ劣悪な環境のもと、長年にわたって重労働を強いられ、死人も続出していた。そんな中、山本幡男は日本に必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続けていた。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していき・・・という話。
ソ連の犯罪歴を知ることが出来た。戦後11年も日本人を強制労働させてたなんて、信じれなかった。この体質が今のロシアに繋がっているのだろうと容易に想像できる。
山本役の二宮和也も良かったが、山本の妻・モジミ役の北川景子が良かった。遺言を伝えられた時の演技で涙が出た。
松坂桃李、桐谷健太、安田顕など、捕虜仲間も良かったし、彼らとの信頼関係を築いていた事で遺言が妻子に届いたんだと納得した。
素晴らしい作品だった。
感想
"戦争映画"と言う人もいるけど、私はシベリア抑留を題材にしたヒューマンドラマだと感じました。事実も伝えつつ、あくまで山本さんを筆頭とする抑留者や日本で待つ家族の言動や感情に重きが置かれていてすごく良かったです。辛いシーンがいくつもあるからこそ笑顔がとても輝いていて、何気ない幸せに感動しました。
遺書は特に子どもたちに向けられたものにグッと来ました。その後現代のシーンに繋がったり主題歌をミセスが歌ったりしてることで、これは昔話ではなく今を生きる人たちへのメッセージのように私は思いました。
満点から0.5点減点なのは予告映像が好きではなかったからです。
人としての生き方を問う作品
鑑賞後、実在の人物をモデルにしていることを知り感動が深まりました。 極限状態に置かれた時に、その人の本性が現れる。 そして本当の強さとは何か? 人としてどこまでも誠実に生きて行きたい、と思わせてくれた映画です。
割とありきたりな戦争物語
捕虜収容所生活を描き、残された家族を描けばそれなりに話は出来上がる。だからそれなりに観客の涙を絞りだすことはできる。この映画はその範疇を出てはいない。 独自性があるとすれば収容所での犬の存在とソ連軍に取り上げられた兵隊の遺言を帰還兵が記憶して遺族に伝えるという二点だろう。 北川景子は明らかにミスキャストだ。 昭和の顔をしていないし綺麗すぎるのでので、どうしても物語の時代から浮いてしまっている。醤油顔の女優であればもっと違和感なく鑑賞できたと思う。
人間が生きるということがどういうことか
第二次世界大戦後、厳冬のシベリアに抑留された方のお話。 収容所(=ラーゲリ)で、人としての扱いを受けず、気力も奪われている中、 周りのみんなに希望を持たせ、人々に生きようと思わせてくれた山本さん。 万葉集や俳句をみんなで勉強したり、一等兵呼ばわりに対しては、 「山本です」と抵抗して見せたり。 書き物を残してはスパイ行動とみられ没収、それでも希望を持って、 未来へ向かって、書き記す。 そして家族あての最後の言葉は・・・4人の戦友が記録ではなく記憶して・・・ 時折目をそむけたくなるシーンもありましたが、いい映画でした。 そして、人間としてかくありたい、と思えるとても素敵な人物像でした。
二宮君は頑張ってるなぁ〜感を思わせた処…。
申し訳ない処ですが… 非常に大絶賛されてる方は大多数いらっしゃる中で、タイトルが辛口?と言うか,反論してる風に為っちゃっているので、訂正して置きます。 決して悪い!何て思った訳では無いのは断って置きたい処だが、最初から如何にも二宮君に絞(シボ)った風に見えちゃい、他のキャストは?彼を引き立てる為?とか善からぬ思いが過ってしまった⁈ので,悪しからず…。 ※寺尾聰の主演&声を聴いたら、一寸貫禄を感じちゃいました。
大した人物がいたものだ
シベリア送りの車中で『愛しのクレメンタイン』を歌う姿に楽天性を感じ、仲間たちや家族にも影響を与えていく経過は良かった。ロシアが好きなはずなのに、と矛盾を指摘される場面は、なるほどと思った。ロシア語を解し、戦争終了後の抑留や軍秩序の継続の不当性を理解しながら、自分を陥れた上官への包容力には感嘆する。主人公を嫌っていた上官まで診察要求のストライキに参加し、遺言を覚えて家族に伝えるほどに感化力を強めたというのは大したものである。
ところで、映画の上映に先立って、たまたま隠岐西ノ島を訪ね、映画の上映予定と主人公の顕彰碑をみていたが、映画には西ノ島ではなく隠岐の島が出るのみだったのが、拍子抜けだった。
二宮和也氏が旧満州国を舞台とした別の作品にも出ていたような気がして調べてみると、『ラストレシピ』というのがあった。そういう縁もあったのかな。
「会話」
今年143本目。 先月美容師さんとの会話でこの秋は「ラーゲリより愛を込めて」が一番見たい映画ですと伝えたら、CMで桐谷健太演技凄いよね、自分「映画じゃなくて演技見に行っています」と言う会話になりました。俳優の命を懸けた、人生を込めた演技を見に行っています。 ただ生きているだけじゃダメなんだ、山本さんのように生きるんだ、心に響きました。 12月にラジオで聴いて泣いていたMrs.GREEN APPLEの「Soranji」号泣中の号泣。人生で一番の主題歌になりました。
盛りすぎてしまって残念。
ダモイというワード、この映画を観て始めて知った人も多いだろう。ダモイ=帰還。子供の頃からよく耳にした言葉。亡くなった伯父はシベリア抑留者。肺を悪くしてダモイした伯父からシベリア収容所の凄まじさ、ソ連兵の非道ぶりを聞いているので今回は原作も読み映画も観た。芸達者のニノは流石。(戦争ってイヤですねえ)と鬼気迫る演技に脱帽。脇を固める俳優陣もいい。特に松坂桃李がよかった。こちらも流石。感動的なんだけどラストで色々盛りすぎて折角の映画の良さが台無しになった感がある。ワンコは可愛いけど必要だったかな?唐突な寺尾聰さんの回想シーンも??毎日のようにミサイルが北から飛んでくる昨今、憲法9条という免罪符を持ってきた日本の行く末はどうなるのだろう?等と色々考えてしまった。せめて一人でも多くの若い方に極寒のシベリアで沢山の日本人捕虜が亡くなったという事実を認識してほしい。
日本人は好きなはず...DNA的に
父や祖父、曾祖父(もっと遠いかもしれないが)が戦争経験者であり小さい頃に話を聞いたという日本人は多いはず。 そういった日本人の涙腺をDNAレベルで揺さぶってくる作品。 二宮の演技は言うまでもないが、他の役者の演技も熱が入っていて素晴らしかった。 北川の演じる健気な妻には何度も泣かされそうになった。 中高年、特に近親者や知人に戦争経験者がいる方には自信を持ってオススメできる作品。 p.s.現代シーンはいらなかった。
映画がいいけど…
映画はとても感動的でした。待っている人のことを信じていれば、いつでも力になります。 感動しましたが、言わざるを得ないのは映画の最初の部分です。 なぜ日本人はロシアの収容所にいるのか。数年前に愛子さんの文章を見て感銘を受けました。私たちは唯一被爆した国です。 もし、私たちが世界大戦に参加していなかったら、真珠湾攻撃に行かず、ロシア人を攻撃しなかったなら、いまどうなりますか。 おそらく、私たちが被爆された国になることはないのか、映画に出てくる内容も出てこないのか。 ですから、しっかり生きたいなら、戦争に参加しないで、右翼政府に投票しないでください。
暗いだけの話じゃない映画
戦争の映画をあまり観たことが無く、暗いイメージを持っていましたが、この作品は希望・心の暖かさがあります。 山本(二宮和也)さんがどれだけの人に希望を与え、変えてきたか 映画を観た人も何か変化があるかもしれません。 そして主題歌が素晴らしい。 Mrs.GREEN APPLEの歌詞は他にも良い曲がたくさんあるけど、「Soranji 」は作品のために書いているからエンドロールでまた泣けてくる。 映画館には学生から年配の方までいらっしゃいました。 ニノも言ってましたが捉え方は様々だと思います。それで良いんです どの世代の人にも刺さると思います。
泣けました
桐谷健太さん、安田顕さん、松坂桃李さん、良かったです。 始まって、直ぐに帰国って話が出て、えーそうなん、シベリア抑留ってそんなもんかいと思ってたら、予想を裏切ってくれてありがとう。 自分にとって今年、多分最後になる作品でこれだけ泣けたのは良かったです。 ニノさんも段々、いい役者になって来ましたね。 北川景子さんの外に出ての演技要らなかった気がしました。すみません、評論家でもないのに。 特に若い人達に観て頂きたいですね。 文章能力劣ったコメントにいつも共感してありがとうございます(_ _)
希望。道義を持って生きること、感動した。
シベリア抑留という極限の状況下で生きることを余儀なくされた登場人物たちの人間模様に、自分の生に関して示唆される部分が多かった。
こうした悪辣な環境でも、希望を捨てることなく、 生きる人間を見ると、自分の日常における些細な悩みなど、取るに足らないように思える。
むしろ、この人たちのように、もっと覇気を持ち希望を捨てずに生きてみようという気持ちになれた。
特に、終盤の遺書の内容はよかった。
遺書の子供に宛てた部分、「最後に勝つのは誠であり、道義であり、真心だ」というくだり。
泣かせようというあざとさを感じる部分も多かったので、冷静に冷めた目で傍観しようという気持ちも起こしたけれど、感動したし、観てよかったと思えた。
よい作品。
どれだけ多くの方々の悲しみがあったのだろうか
東京国際映画祭のオープニング作品です。 戦争の悲惨さ、残酷さ、平和の尊さをリアルに描いてます。戦争が終わっても尚、理不尽な仕打ちに耐えなければならず、見知らぬ国での極寒と飢えにも耐えて生きる。帰国できた人、その地で命を落とした人。そして、家族の帰りを日本で待つ人。 どれだけ多くの人たちの悲しさと無念があったのでしょうか。でも悲しい、辛いだけではない。希望があり、どんな時でも笑顔の日があった。幸せな時間があって、生き抜いたのだと信じさせてくれる稀有な作品でした。 私の両祖父もシベリアで数年間の抑留を終えて、引き揚げてきました。一人はソ連兵から撃たれた銃弾を身体に残したまま帰国。もう一人も深い傷痕を残したまま日本の地に帰ってきました。 極限を生き抜いた両祖父は短命で、長生きはできませんでした。家族に対して戦地でのことや抑留のことを語ることは一切なかったと言います。 戦争の時代を生きた人たちの筆舌に尽くしがたい辛さ、それを抱えながら生きてきた強さを思うと、この方々がありて今の私たちがあることを忘れてはいけないと改めて思わせていただきました。 今日はたくさんの高校生や大学生の方々が観にきていて、泣いてました。希望ですね。今年の映画納めとして、本当に素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
余計な脚色はいらない
山本氏の影響力(捕囚仲間が命をかけるほどの魅力)が描かれていない気がした。 勉強会、アムール句会のエピソードがほとんど描かれていないためだ。 実際は効率を考え、もっと多くの者に遺書を託しており、中には「記憶」出来なかった(忘れてしまう)メンバーもいたりしてリアルだなと思っていたのだが… 本作は登場人物が多く、映画版では登場人物を絞っており、複数の人物のエピソードを統合させているため、物語の進行に歪みが出ているように感じた。 最後に実際の写真や資料を撮してみたら良かったかと。(クロ含む) いい意味で二宮っぽさが出てなかったので、違和感なく話に入り込めた。 93年ドラマ版で山本幡男役を演じた寺尾聰が出演している。 オーマダーリン 、クレメンタイン。
今年1番泣きました
30代前半です。 私たち世代やもっと若い世代の方にぜひ見てもらいたいと思いました。 映画館には上の世代の方から高校生もいて、人気俳優の方たちが出ているから見にきたんだろうなぁと感じました。 有名な方が最高の演技をしてくださることで、シベリア捕虜をはじめ戦争の事実が多くの人たち広まっていくんだなぁと。 戦争のことを亡くなってしまった祖父母にもっと聞いておけばよかったと心から思いました。 映画と主題歌にどんなことがあっても希望を持ち、絶対に生きなければいけないという強いメッセージが込められていました。 あえて今流行りのバンドを起用されたんだと思います。
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