消えない罪のレビュー・感想・評価
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生活描写が素晴らしい
前情報なしで観た分、後半からエンディングにかけての流れが個人的には相当好みだった。
キャストも豪華だし、サンドラ姐さんの演技も素晴らしかった。
覆水盆に返らず
犯罪の中で一番重いもの、それは殺人。
訳アリとはいえ、それで収監されてしまったら元の人生には戻れない。
それは十分ルースは理解していたと思う。
彼女の気がかりは、事実が露見して、妹が不幸になっていないか、その一点だけ。
そこを払拭できたラストは本作で唯一の救いだった。
全体的にはストーリーが少し乱暴な気がします。
描かれない20年間
両親を失い、唯一の家族である最愛の妹さえも失いかけたことがきっかけで保安官を殺害してしまったルース・スレイター。その罪で20年間の服役後の彼女の再起を描く。
成長した妹に一目会いたいルース。彼女が刑務所から送り続けた手紙に一度も返事をしなかった妹の行方。被害者遺族の復讐心。残された妹を引き取った里親家族。
罪も犯した者と周りの人間たちの苦悩と葛藤を映し出す。
最終的な展開としてはベタと感じる人はいるかもしれないが、この作品の評価されるべきは描かれていない服役中20年間を感じさせるところではないだろうか。
作品内では刑務所での生活シーンなどの描写はない。作品も出所の瞬間から始まる。
しかし、服役中の20年間に主人公がなにを考え、妹に対してどれだけの思いを巡らせてきたのかを感じさられた。
それは偏にサンドラ・ブロックの演技力によるものだろう。作品前半では心を失ったかのような悲壮感漂うキャラクターに見えたが、終盤にかけてその人間性や感情を顕にするシーンが目立った。
殺人という「罪」に関わる人間たちをあらゆる角度から切り取ったヒューマンドラマ。
サンドラブロックの演技が光る
服役を終えた彼女の再生を世間は許さない。
警官殺しという罪を清算するにはあまりにも重すぎるようだ。
特に被害者家族は彼女が人生を続けることに怒りを覚え自分の家族と同じように破壊しようと試みる。序盤・中盤は、彼女の罪とその代償に焦点があてられていたが、終盤になるにつれその罪が彼女だけでは贖えないことが分かる。最後に真実が明らかになるとサンドラブロックの演技に拍手を送りたくなった。
妹が当時5歳で、サンドラブロックが20年以上服役したという設定なら、現在の妹は25歳以上?なんとなく腑に落ちないが字幕なので正確なところは分からない。
暗い物語で終わらず、ちゃんと再生の手が差し伸べられたところはさすがハリウッドの手腕。
というわけで星5をつけました。
サンドラ・ブロックがまたも熱演で魅せる
"Cop killer!" どこへ行っても警官殺し、それでも"人生は続く"ライフ・ゴーズ・オン --- いや、このままじゃ人生は続かない。妹に会えるまで私は諦めない。保安官殺害の罪から(『オーシャンズ8』に続きまた)出所したてのサンドラ・ブロックが社会から警官殺しのレッテルを貼られて、妹に会わせろと取り乱して暴れる(?)タイトル通りの話。すっかり格好良かったり粗野だったり男勝りなポジションが似合うようにいい年の取り方をしたサンドラ・ブロックの熱演が光り引っ張るドラマ。サンドラ・ブロック × Netflix =『バード・ボックス』に続きで、今回はパニッシャーとキングピン(余談ですが現在配信中のドラマ『ホークアイ』でキングピン匂わせあったので、もしかするともしかしてヴィンセント・"微笑みデブ"・ドノフリオがまたこのハマり役を演じる日が…?)も招集して頑張っている。持ち場を離れるときは誰かに伝えること、夜勤は大歓迎だ!同じ目に遭わせよう。
Watch your back. 自慢するな!
She was only five years old!
常に感覚が研ぎ澄まされた主人公が印象的!!
サンドラ・ブロック製作の好みなのか、主人公は身一つで生き、常に感覚が研ぎ澄まされているように感じました。まさに、何を持たない者が全てを持っている、を表しているように思いました。出だしは生活描写と男性陣が皆優しく印象的でした。終盤は急にサスペンスになって、あれっ!?と思いましたが、こうしないと映画としてまとまらなかったのでしょう。
生きる意味
概ね良くできていたし、飽きずに観れました。が、タイトルと少しあっていなかった様な。
いろんな問題が内包された作品で、考えさせられる主題があちこちに隠れていた。
が、少し問題を詰め込みすぎていて、ところどころ雑に片付けている様にも感じたし、ちょっともったいなかったかな。
彼女はやれることをやったのでしょう。そこに意味を持たせなくてはならなくなった。そうなると、意味があったと証明したくなる。
無償の愛が揺らいでしまう。そこが辛い。
で、あの兄弟、、、いるかなぁ。一緒にいた兄弟と離れていた姉妹の違いは、わかるのですが、サスペンス要素はちょっと要らなかった様な気がします。サンドラなだけに、先が読めちゃうしね。
【救済】
アメリカ社会に潜む問題を背景にした重厚な物語だと思う。
このエンディングを観た人は、どのように感じるのだろうか。
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のレビューで、「パワー・オブ・ザ ・ドッグ」が賞レースの中心にいるみたいに書いたが、この作品も、賞レースで注目されるんじゃないかと思う。
それに、サンドラ・ブロックの演技は、すごみを感じさせる。
(以下ネタバレ)
冒頭で書いたことを補足すると、基本的なアメリカの問題は、銃社会であるということだ。
だから、子供が銃を撃ってしまうといった偶発的な事故は起こるのだ。
そして、亡くなったのは保安官だ。
保安官は、警察と同様、司法に携わるが、実は選挙で選ばれる警察とは異なる存在だ。
保安官は、開拓時代から続くアメリカの司法システムの一つで、保安官になる人は、地域で尊敬を集める名士的な人物なのだ。
この部分を知らないと、この映画が単なるミステリーで、アメリカ社会の抱える問題をじっくり考えさせるような仕立てになっていると思わない人も多いかもしれない。
保安官を殺害した(と思われる)ルースへの風当たり。
残された保安官家族の気持ち。
また、この姉妹が置かれていたネグレクトの問題や、前科者が生きづらい状況は、世界的にどこでも同じだろう。
この作品は、こうしたそれぞれの問題に深く踏み込まないものの、観る側が想起しやすいように、これらを散りばめ、事実が明らかになるにつれて、ルースや、周りの人々の心の揺らぎを印象的に表現した秀作だと思う。
エンディング、ルースにキャサリンが近づき、抱擁する場面。
一言も交わすことはない。
ここからは作品を観た人の想像に委ねられている。
ルースは救済されたのだと思う。
これは、救済の物語だ。
まもなくNetflixで配信になると思うので、多くの人に観て欲しいと思う。
レビューより先に本編を観ることをお勧めします
ギミックそのものより、観ているものの感情を誘導する手法がとても上手いです。
ギミックそのものよりといったのは、2回以上観て構造を分析するとおかしなところはなくはないのですが、それ以上に感情を操作するところに重きを置いているのかなと思いました。
推理ものを見るかのように細心の注意をはらいながら観るより、IQを下げて素直にみたほうが良いかもしれません。
冒頭の登場人物の説明描写で人数が多くだれがだれなのかとこちらが考えているのに、わざわざ説明せずに引っ張りイラつかせます。
(TVでCMマタギなどされると即チャンネルを変えるほうなので、ネットやDVDで観てたらそこで停止していたかもしれませんが、映画館なので我慢してみます。)
造りがマズイというよりわざと引っ張って見ている側にフラグを立てるテクニックでしょう。
主役の共依存のいかにもヤバそうな演技が凄いのですが、それもあってこそ成立する話なのかもしれません。
徐々にその他の人の現在の生活なども描写されていき物語半ばで人物相関やキャラクターがやっと見えてきます。
誰かがいっていたと思うのですが、感動は贖罪の念から生まれる(ちょっと違う言い方だったかも)と・・・
俯瞰で観ると、(制作側に)ちょっと悪趣味というか下衆な感じはするものの一回目は楽しめるのではないでしょうか。
プロの俳優に対して言うには逆に失礼かもしれませんが、とにかく主役の演技力が凄いです。
あと、演出でホラー映画並みに随所にタメがあるのですが、ちょっと諄くないですかね。
ネタバレなしで言えるのはこんなところでしょうか。
人間ドラマが好きな方にはオススメ。良心的な作品
殺人の罪を償い20年ぶりに社会復帰する主人公をサンドラ・ブロックがほぼノーメイクで全シーン熱演しています。
住む場所も仕事も底辺から始めなければならず、さらに生き別れになった妹の無事だけを生きがいにしてきた主人公の悲惨な現実が続きます。
25歳?の妹はある一家に引き取られ穏やかな生活を続けていますが思い出せない過去のトラウマに悩まされています。
前半は社会復帰を心から願う主人公の姿、後半は妹に会うために弁護士を立てて行動する姿と妹を復讐の道具として付け回す殺された被害者家族とのサスペンス劇になってます。
サンドラブロックが製作にも関わっていますので脚本も見事で良心的な作品でした。
おいらのサンドラを泣かす奴は unforgivable ❗
サンドラ・ブロックファンでございます。NETFLIXで12月に公開される映画ですが、本日映画館で観賞できました。
本題は The unforgivable. unforgivable は、許されない、容赦することができないという意味の形容詞です。邦題は「消えない罪」
サンドラさすがです。
刑務所から出てくる場面から始まる設定はオーシャンズ8と同じですが、全然違います。こういった設定でのマジのサンドラも大好きだし、コメディアンヌのサンドラも大好きです。
魚の下おろし工場で一緒になるブランク(ジョン・バーンサル)といい感じにななります。サンドラをトラックの助手席にのせて送ってあげる場面。エンジンをかけたときに、スピーカーから爆音のロックが流れます。魚の加工工場で働きながら、オヤジバンドのドラムをやっているブランク。残念ながらバンド演奏場面はありません。この曲好きって?と聞かれて、サンドラはドラムは好きよと答える。その時だけサンドラの笑顔が輝きます。魚加工場は刑務官が紹介してくれた職場ですが、大工の腕前に自信があるリース。たまたま電動ノコギリの音が聞こえてきた建物に入って行きます。そこはホームレスの簡易住居を作っているNPO法人でした。素人仕事を見抜いたサンドラは一時間余りで自分の実力を示して、副業にありつきます。そこでは寝泊まりできるし、屋上でバーンサルと植物を育てるシーンなどがとてもよい。送ってあげた夜に恋の炎で寝付かれないブランクはドーナツと新しい防寒コートを買って届けます。しかし、報復を予期して、常に警戒しているルースはでかいレンチを手にして、迎え撃ちにしようとします。緊張するシーンです。
ファミレスでのデートで、ブランクがパンケーキを注文するのですが、ルース(サンドラ)は警官殺しで懲役20年で、仮釈放中だとコクってしまい、店を飛び出してしまう。その後、職場で膝蹴りの得意なおばさんにボコられ、携帯電話は魚臭い水の中に。蓋を開け電池を取り出して拭くのですが、壊れたままに。私も経験があります。海釣りに行った次の日ぐらいに携帯が壊れます。乾かしても、なかなか復帰しません。塩水はダメです。殴りかかってきたのは、たぶん殉職した警官が身内にいるおばさん。ブランクが誰かに話してしまった。ブランクも刑務所から一年半前に出てきた身だと、後で謝るのですが、もう遅い。リースはせっかく作ったハウスの壁に当たり散らして壊してしまいます。この悲しいシーンはサンドラのアクションが炸裂するシーンです。ジョン・バーンサルも好きなのですが、これは許せない! unforgivable でした。自分も同じ立場なのに思慮が無さすぎ。それだけに、私はブランクが unforgivable でした。おいらのサンドラを泣かす奴は unforgivable です。
リースの妹役はどこかで見たな~と思ったら、オーストラリアはタスマニアでの黒歴史の映画【ナイチンゲール】の主演のアシュリン・フランチオージでした。そのほかの脇の俳優さんたちも皆よかったです。とくに、ロブ・モーガン、ヴィンセント・ドノフリオ、 ヴィオラ・デイヴィス。音楽はハンス・ジマー。完璧です。
パンケーキ🥞をみると、どうしようもなくなってしまうルース。いいお姉さんでした。泣けました。
ストロベリーホイップクリームパンケーキを食べる子役の子がキャサリンにそっくりな子なのにも感心しました。
右頬から鼻の傷もリアルでした。
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