tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!のレビュー・感想・評価
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伝説のミュージカル作家ジョナサン・ラーソンへのリスペクトが爆発!!
去年の『ザ・プロム』に続きNetflix本気のミュージカル映画。いかにもディズニーキラーであることを主張したいかのような闘士がメラメラと伝わってくる。
今回憎いというか、コロナで偶然にもといったところだが、監督のリン=マニュル・ミランダ原作・製作の『イン・ザ・ハイツ』が公開されており、第94回アカデミー賞において、「監督作品VS原作・製作作品」の展開が起きる可能性があるということだ。
周りは夢を諦め、就職したり結婚している。成功者はすでに20代で有名になっている。あと数日で30歳になるというのに、何も功績を残せていない。それどころか電気が止まられるほど生活はギリギリな状態に焦る主人公の立場は、夢を追い求める多くの人が共感できるはずだが、今作が優れているのは、サクセスストーリーでもありながら、しっかりとジョナサン・ラーソンの自伝としての機能を果たしていることだ。
反戦的なものだったり、カウンターカルチャー的な作品がひしめき合っていたいわゆる 60~70年代 「ブロードウェイ第2黄金時代」の波が落ち着き始めていた頃の80~90年代にかけてブロードウェイ・ミュージカルにロックやポップスといった現代ミュージカルを再び活気づけた立役者、ジョナサンのことを知ることができるのと同時にアイラ・ワイツマンやスティーヴン・ソンドハイムなど実名で登場することでリアリティもあたえている。
『RENT』の舞台は何度か観に行ったことがあるが、必ず「ジョナサン・ラーソンに捧げる」と書かれている。これはブロードウェイに生きるものは、ジョナサンの名を忘れてはいけないという証拠である。
そのため、舞台に携わったことのある者の中で彼にリスペクトしていな者を探す方が難しいほど偉大なる人物であり。いかにも古典的に思われる「ハミルトン」にヒップホップやラテンなどを盛り込んだり、『イン・ザ・ハイツ』ではアメリカの移民問題を扱うなど、ミュージカルに異端的な要素を盛り込み続けてきたリンにとっては、ジョナサンへのリスペクトは人一倍だったに違いない。
それと同時に偉大なジョナサン・ラーソンの物語を描くことは、想像を絶するプレッシャーだっただろう。そのプレッシャーを上手く原動力に変換し、原作のプロットを大切にしながらも、演出によって自分のものにしていただけに、舞台版を見慣れていた人とっても見応えのあるものに感じられるだろう。
一応『RENT』にも自伝的な要素を複数のキャラクターに散りばめていたが、ストレートな自伝作品は今作しかなく、ジョナサンと言う人物を知るには欠かせないミュージカルではあるが、ミュージカルに馴染みがない人にとっては、どうしても エンターテイメント性の高い『RENT』が代表作となるのも理解できるが、今作によって、『tick, tick… BOOM!: チック、チック…ブーン!』もまた新たに輝ける場を獲たともいえるだろう。
細部にも拘った演出は見事であり、中でもジョナサンといえば売れてない頃に「ムーンダンス・ダイナー」でウェイターをしていたことは有名な話だが、今作では既に閉店してしまっている「ムーンダンス・ダイナー」を見事に再現している。ちなみに「ムーンダンス・ダイナー」はサム・ライミ版『スパイダーマン』でMJがバイトをしていた場所。他にも『フレンズ』など、ニューヨークを舞台とした映画やドラマには移り込むことがあり、映画ファンにとって、ニューヨークの観光名所となっていた場所だ。
リンの人脈もフルに発揮されたと言っても過言ではなく、「Sanday」のシーンに登場する面々はミュージカルファンであれば圧倒される!!「ハミルトン」のフィリッパ・スー、レネイ・エリース・ゴールズベリイ、「オペラ座の怪人」のファント役ハワード・マクギリン、「レント」ダフネ・ルービン=ヴェガ、アダム・パスカル、ウィルソン・ジャメイン・ヘレディア、「シカゴ」のチタ・リベラ、「イン・トゥ・ザ・ウッズ」バーナデット・ピーターズ、「Hadestown」のアンドレ・ド・シールズ、「エンジェルス・イン・アメリカ」のベス・マローン、「蜘蛛女のキス」ブライアン・ストークス・ミッチェル、「キャバレー」ジョエル・グレイなどジョナサンとリンな名前がなければ、揃うことのないような豪華スターのカメオ出演だけでも観る価値はあるといえるだろう。
30過ぎてダイナーのホールスタッフの仕事を好きな人、やりがいを感じ...
30過ぎてダイナーのホールスタッフの仕事を好きな人、やりがいを感じてる人、これ見てどんな気持ち?って思ってしまった
あと彼女の話きいてあげて…
RENT、もう一回観たくなる
正直、RENTは全然刺さらなくて〜なんだかなぐらいに思ってた自分のバカ!という気持ちになった。
アマデウス観た時に近い、天才はすごいなっていう。。なんとも平凡なコメントしかでてこなくて残念な私。
You can't buy time by money.
時間は有限。
だけどまだまだ人生(時間)はたくさん。
矛盾しているように感じるけど、この作品が伝えたいのは"時間"という儚くて、形としては表せない物だと思った。
いつ消えるか分からない命。この世に生まれたからこそは大事にしたいなとこの作品を通じて思った。
『ボヘミアン・ラプソディ』並の再現度の高さ。
ジョナサン・ラーソンについてほとんど知らなくて見たので、最後のエンドロールで再現度の高さを知った(笑)
謎のタイトルに惹かれて見て、このタイトルの意味は開始数秒で分かる。「もう30歳になるのに何も成し遂げていない!」という焦燥感と、エイズが猛威を振るう時代若くして亡くなっていく友人たちを見て感じる時間の有限性(?)。そして本人自身も『RENT』の後悔を待たずに35歳の若さで亡くなるという皮肉。
なので終始劇中時計の針の音が鳴り響き、ジョンの不安感と焦りを煽っていく。30歳を過ぎてある程度落ち着いている人が見たら懐かしい感じなのかもしれないけれど、私は20代半ばで30歳にはまだ時間があるとはいえ、この映画で不安感煽られまくりだった。
でもそんな不安感だけじゃなくてピーク時の忙しいダイナーでの仕事を敢えてゆったりと歌った『Sunday』はめちゃくちゃ好きだったし、曲を明日までに書かなきゃいけないのに泳ぎに行って支離滅裂な感情を歌にしたプールでの歌など、ジョンの当時のハチャメチャな心境を歌った愉快な歌が多くて楽しかった。
家で食べればいいのに
人員不足の週末のダイナー、バタバタと動き回る主人公が歌うシーンが間が抜けていて実に良い。
家で食べればいいのに~バタバタなのにソフトに語る様に歌う主人公、合間に細かい注文や偏屈な客を捌く様子が展開される。
家で食べればいいのにって日本訳がシュール過ぎて笑った。
Without You
圧倒的な才能を持ちながらも世界中から芸術家が集う街NYで埋もれていたジョナサン・ラーソン。後にブロードウェイで12年間連続上演という傑作にして伝説のミュージカル「RENT」を創り上げるが、その華々しい奇跡を見ることなく彼は病に倒れこの世を去った。
tick,tick…時が刻まれる。30才を目前に夢の舞台への扉は未だ開かれない。BOOM!となって全てが終わる前に認められなければならないと追い込まれてゆく若き作曲家。RENTへ辿り着くまでの苦悩と挑戦そして愛を描いたまさに序章の物語。RENTへの深いリスペクトを感じる構成で歌も素晴らしかった。
RENTは1998年の日本版初演で衝撃を受けて以来一番大好きなミュージカル。英語も分からないのに来日公演も行ったり何度足を運んだことか。舞台となった1980年代。死の病と言われたHIV陽性者達の恐怖。差別の対象だった性的マイノリティの人達の葛藤。格差、貧困からくる暴力。それらを最大の愛が成し得るロックミュージカルという形で表現し、まさに革命を起こした彼の偉大さを改めて実感する作品でした。
1990年に30歳になる⁉️
なんの前情報もなく、観ました。
1990年に30歳になる焦り。
まわりは家庭がある、成功してる、なのに自分は夢見るウエイター。
ん?
ジョナサンと同年代じゃない?わたしったら。
ほう、生きていたら……そっかぁ~
そんな時代背景を思い出しながら観ていたら、どんどん引き込まれていってしまいました。
いや、面白かった。
レント、観なきゃ!
絶対‼️
ミュージカル好きには見てほしい
まだ20歳にもなっていない私にも刺さるものはあったが、物語自体はありきたりなもの。斬新な面白さというものは無い。
しかし、何より歌がいい。
この映画を見るまでジョナサン・ラーソンを知らなかったが、Seasons of loveは聴いたことがあり、いい曲だと感じていた。その彼が作った曲たち。素晴らしい。
RENTも是非舞台で見てみたいものだ。
葛藤
なによりも一番良かったのは、主演のアンドリューガーフィールドの演技だったと思います!アンドリューガーフィールドが出演している映画は3本ほどしか見ていないけれど、役のテンションが違い好きで、同じ人とは思えませんでした!カメレオン俳優とゆうやつですね!
さて内容ですが、まず印象に残っていることが、ミュージカル映画なのに激しい音が少ないと感じました。これは映画館で見ることができずに、自宅で見ていたからなのかもしれないのですが、全体的にミュージカル映画にしては、落ち着いた優しいメロディーで構成されていると感じ、そのメロディから感情描写がスッと入ってきました。
ジョナサン自身が30歳になるまでに何も残すことが出来ないという焦り、周りの友人たちがエイズによって早くに命を絶っていく、彼女、友人のことと、子供のままではいられない現状が夢への道をより険しいものにしていきました。そして、講演会までの期間が十分にあったものの、期日が近づくにつれ、時間に追われていく、こんな経験は私たちの日々の実体験でも多くあることでしょう。
そして、何よりも説得力のあった言葉は、マイケルの「時間はある」です。ジョナサンがローザからの厳しい言葉に負けて、夢を諦めそうになっている時の、友人であるマイケルからの一言。あの一言から、マイケルがジョナサンのことをどれだけ好き(友人として)好きなのかを感じることができました。自分はエイズに感染してしまったため、友人であるジョナサンには夢を諦めないで頑張ってほしいと友情を熱く感じるシーンでした。
こんなにも優しい、ミュージカル映画を観たことは初めてで、才能のある人たちが葛藤と苦悩のなか、生きているか、またその周りの人たちとの関係性が分かる映画でした。自分はかなり好きです。
自分の全てを込めて歌う
『RENT/レント』は昔一度見たきりで正直うろ覚え。
ミュージカルって明るいイメージだが、重く悲しく暗い作風だったのだけは覚えている。
NYの片隅で生きる若者たちの愛や苦悩の姿を通して、性的マイノリティー、麻薬中毒、エイズなどの問題も投げ掛ける。
本作を見て納得。原点はここにあったのか。
彼が有名になる前に直接触れた、恋人との関係、友情、人種のるつぼであるNYならではの多文化…。
『RENT/レント』がうろ覚えなら、ましてやその生みの親を全く知らなかった事が恥ずかしい。
これから!…という矢先の35歳の若さで死去。その経緯も悲劇的。
今も尚リスペクトが絶たないという。
ミュージカル界のレジェンド、ジョナサン・ラーソンの伝記。
話的にはよくある若者の物語。
ミュージカルの作詞/作曲家を目指す青年。
これまでにも幾つか曲は書いているが、夢はもっとデカい。
最高の曲を! ミュージカル界での成功を! 憧れのスティーヴン・ソンドハイムのように!
…が、言うは易し。
曲が書けない。成功など程遠い。ソンドハイムは30歳前で有名になったのに…。
自分は間もなく30歳。チクタク、チクタク…もう時間が無い。
恋人スーザンは堅実な仕事に就き、引っ越しを誘われているが…、曖昧に答える。
かつては同じ舞台に立っていた友人らも今は現実的な仕事に。マイケルは企業に勤めて、リッチな高級マンション暮らし。
それなのに、自分は…。
毎日毎日、クソ忙しいダイナーでバイトし、うるさい客の相手。
ボロくて狭いアパート暮らし。
一見、明るくて悩みなど無さそうに見えるジョナサン。
が、実は内心、人知れず焦りを抱いている。
それを共感たっぷり表す事が出来たのは、当代きってのミュージカルの天才、リン=マニュエル・ミランダの手腕だからこそ。
本作で監督デビュー。
ミュージカル・シーンの高揚感はさすが。
暗くなりそうなシーン(ジョナサンとスーザンの喧嘩)も“ミュージカル・シーン”はユーモア演出で深刻になり過ぎずに。忙しい日曜日のダイナーのシーンはコミカル滑稽に。
そして勿論、心に響くシーンも挿入する。(クライマックスは曲も含めてピカイチ!)
初監督ながら、抑圧の効いた演出はお見事! にしても、作詞/作曲したり、俳優したり、監督したりと、何とマルチな才能!
また、ミュージカル人だからミュージカル人の分かる事、描ける事がある。
ミュージカルの魅力。楽しさ、素晴らしさ。
世の中、口癖のようにミュージカルが嫌いって言う人が多過ぎる。
私は結構ミュージカルは好き。歌やダンスを通して物語や登場人物の感情を表すのもミュージカルならではの面白さだし、魅了される。
ミュージカル世界の厳しさ、難しさ、苦しさ。
どの世界もそうだけど、これらもそつなく。
ジョナサンは多文化と触れ合い、ミランダは混血。
今年映画化されたミランダの『イン・ザ・ハイツ』もNYを舞台に若者たちの人間模様と多文化。
何処か通じるものがある。ミランダはそれらを通して、ジョナサンに自身を重ね、同時にオマージュを捧げたのではないだろうか。
ジョナサンの喜怒哀楽を素晴らしいまでに体現。
アンドリュー・ガーフィールドがキャリアベストのパフォーマンス!
ヒーロー活動なんかより圧巻の歌唱力とダンス。
高い演技力。
その全てがあのクライマックス・シーンに集約。アンドリューの一挙一動に胸と目頭が熱くなる。
ジョナサン長年準備した舞台が開かれる事に。
が、最悪な事に曲が出来ていない。
曖昧に答えていた恋人との関係が悪化。その結果…。
あまりの不甲斐なさに見てて苛々。でも、誰だって夢と恋人の板挟みになったら…。
差別をする社会への不満。自分は成金にはならず、アーティストになる。金の奴隷となった友人を批判。
一見大層な事を言ってるようだが、傲慢でもある。彼を立派過ぎる人間として描いていない点もいい。
友人マイケルは黒人で同性愛者。貧しい時代は苦労し、差別や偏見も散々受けただろう。それらを乗り越え、今やっと手に入れた地位と贅沢な暮らし。誰にも何も言わせない。
彼にも彼なりの言い分がある。恋人スーザンも然り。悩みを抱えているのはジョナサンだけじゃない。
親友とは喧嘩…。が、ネタバレになるが、公演に来てくれたマイケル。絶賛。
ある時は悩むジョナサンを激励する。「世界にジョナサン・ラーソンは君一人だけだ」
そして、マイケルもまたあの病魔に…。
終盤の感動を持っていってしまった。
ジョナサンがこれまで続けてこれた理由。
憧れのソンドハイムが認めてくれたから。
一度だけお披露目した事がある。他の大御所は貶したが、ソンドハイムは絶賛してくれた。
だからどんなに大変でも頑張ってこれた。
色々乗り越え、全てを掛け、遂に公演の日。曲も何とか。
その評判は…
ジョナサン・ラーソンの才能を絶賛。次回作も期待。
が、長年掛けたこの舞台“スーパービア”については…。
社会風刺的なSF。実は演者からも難解の声が出ていた。前衛的過ぎとの声。
長年全てを掛けた作品がつまり、“コケた”。
自分の中では、最高の作品の筈であった。
情熱が消え失せた。嫌になった。
同じ作品ばかりが繰り返し上映され、それで稼ぐミュージカルの世界。
オリジナルのミュージカルが認められない。
何だか、映画界と通じる。
そんな時、マイケルの激励と病魔。
ベテラン・エージェントからも激励。これが、この世界。作品を作り続ける。
一本の作品を生み出すのにあんなに苦しんだのに、また苦しめと言うのか…?
名助言。自分の事や周りの事を作品にする。
チクタク、チクタク…
30歳過ぎればタイムオーバー。ブーン!…と焦りに焦った20代の最後。
恋人、友人、社会、多文化、自分がこの肌で触れたもの、事。
その全てを込めて。
彼は悲劇的な死まで歌い続けた。
ジョナサン・ラーソンのレガシーは今も尚、歌い継がれる。
何の因果か、ジョナサンが最も敬愛するスティーヴン・ソンドハイムが先日死去。
亡くなったのは11月26日。レビューを書いたのは今日だが、本作品を見たのは昨日(11月27日)で、訃報ニュースも知っていたので…。
ジョナサンはソンドハイムに憧れ、ミランダもソンドハイムと仕事した事あるらしく、ジョナサンの伝記を監督。
本当にレガシーって受け継がれる。素敵だね。
敬意
188本目。
のっけから魅入っちゃう。
ミュージカル映画って観てて楽しいし、自分もその中にいたいと思ったりもする。
最後の方で、実在した人の作品と気付いたけど、勉強不足ってのは置いといて、こう言う作りにしたのは敬意なんだろう。
それにしても、アンドリュー・ガーフィールド上手すぎ。
ネフリ製作で配信してると知った時は、加入してないけど、ちょっと複雑な気分。
夢に生きる全ての人へのエール
アンドリュー・ガーフィールドが演じるは、名作ミュージカル「RENT」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソン。
自身が30歳になる節目を前に、ブロードウェイに進出するための講演会を控え人生の帰路に立たされるジョナサンの物語。彼を取り囲む環境が、彼の将来の選択肢に何度も影響を与えていく。
講演会前に、遠方で仕事に就きそこで一緒に暮らすことを望み決断を迫る恋人。
夢半ばで、大手企業に就職しお金や安定を手にした同世代の仲間。
HIVの感染により将来の時間が限られた友人。
もし、講演会が失敗したら次はあるのか?
30歳にもなるのに、まだ夢を追い続ける自分は正しいのか?
本当に作曲の才能が自分にはあるのか?
特別そうに見えて、胸に秘めている夢を追う者の葛藤と苦しみが感じられ、夢を叶え、成功を望むという誰しも共感できる内容になっている。
映画館でも上映してると観賞後に知り、そっちで見ればよかったと後悔。
【面倒だけど、素晴らしき僕たちの世界!】
この作品は、いわば「RENT」前夜の物語なのだと思う。
世の中は思い通りにならないことだらけだ。
いくら言葉を尽くしても、理解し合えなかったり。
友人が病気なったり。
次から次に疑問も湧いてくる。
でも、それは、きっと新しいステップになる。
(以下ネタバレ)
日曜、朝、昼近くに起きて、ダイナーにブランチで集い、自由気まままに振る舞う面倒な人たち!
あれこれ、自由気ままにあれこれ助言"らしき"ことを言う連中。
まあ、ごもっともな内容だ。
でも、細かな主張を積み重ねたら、価値観がピッタリ合う奴なんて、この世にいるはずもない。
大切な時間なんだ、自分を優先するだけじゃなくて、少しは考えて欲しいよ。
でも、サポートしてくれる人はいて、理解する人もいる。
だから、自分だけでじゃなくて、人に手を差し伸べてあげられる人になりたい。
伝えたい人にちゃんと伝わらない、思い通りにならないこともたくさん。
でも、続けることが大事だ。
これは、誰にでも共通することだ。
自分の身の回りのことを書いてみる。
自分自身を見つめ直すことも同じで、すべての人に大切なことだ。
諦めたらダメなのだ。
これもきっと同じだ。
多くの人の心に響くミュージカル作品だと思う。
繰り返しになるが、この作品は、いわば「RENT」前夜の物語なのだと思う。
作品中で映し出される、テレビの報道番組が、アメリカの議員がエイズの危機を訴える際、ゲイを非難する場面。
そして、マイケルのHIV感染。
映画やミュージカル作品でアウトサイダーやマイノリティを扱ったりするのは少なくはない。
しかし「RENT」のように、マイノリティの中に、HIV感染者を取り上げたのは、それも、まだエイズの影響が大きい90年代にテーマとしたのは、勇気のほかに強い友情も感じられ、人々の心にきっと響いたのではないかと思う。
弱いものを非難したり、排除したりするのは決して勇気じゃない。
「RENT」がオフブロードウェイからブロードウェイの商業公演に舞台を移すその日の公演直前にジョナサンが亡くなったことは衝撃をもって多くの人に受け止められた。
この作品も「RENT」も、今、再び大きな問いを僕たちに投げかかているような気がする。
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