なぎさ

劇場公開日:

なぎさ

解説

テレビCMなどを手がける傍ら、短編作品などを通じて国内外の映画祭で注目を集める古川原壮志監督の長編デビュー作。

頼れる親のいない環境で育った文直と妹のなぎさ。そんな環境から広い世界を求めるかのように、文直はなぎさを残して故郷を後にする。それから3年後、偶然訪れた心霊スポットで、文直はなぎさの幽霊に出会う。そのトンネルで、なぎさは事故死していた。文直はこの世からはいなくなってしまったなぎさを探し、トンネルの暗闇の中をさまよい始める。

文直役を「はだかのゆめ」「うみべの女の子」など主演作が続く⻘木柚、なぎさ役を本作が映画初出演となった山崎七海がそれぞれ演じ、三浦誠己、宇野祥平らが脇を固める。

2021年製作/87分/PG12/日本
配給:アークエンタテインメント
劇場公開日:2023年5月12日

スタッフ・キャスト

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(C)MMXXI Takeshi Kogahara, Mami Akari

映画レビュー

1.5暗闇と凪

2023年5月31日
iPhoneアプリから投稿
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ブレミン

3.0ベーコンのパンケーキと風鈴

2023年5月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

目に光がなく、人と関わることを極力避けているように見える孤独な青年文直。
夜は中華料理屋の厨房で働いているが、うさを晴らしたい男性客が外国人店員に罵声を浴びせる様子を空虚な心で見つめている。
ある夜、彼は仲間に誘われ、渋々心霊スポットでもある山奥のトンネルに向かうことになる。
そこは観光バスが事故を起こし、多数の犠牲者を出した場所でもあった。
赤く仄かに光る不気味なトンネルを車で走行するうちに突如ドアが開き、後部座席に座っていた文直は道路に投げ出される。
足を引きずりながら彼はトンネルの出口を探す。
ここまでがひとつの流れで、ここから先は文直の回想シーンが時系列を前後させながら展開していく。
幼い文直は妹のなぎさと寄り添うように生きてきた。
情報が少ないので、二人の両親がどのような状況にあるのかは定かではない。
父親が仏壇に向かってぶつぶつと読経している場面があるので、母親がどこかの段階で亡くなってしまったことは分かる。
喘ぎ声をあげてセックスをしているのは父親とその愛人なのだろうか。
画面は暗く、意図的に人物の表情を隠しているので、観客は色々と想像するしかない。
喘ぎ声が聞こえる中、押し入れの中でライターの火を灯して息を潜める文直となぎさの姿が印象的だった。
やがて文直となぎさは単なる兄妹以上の関係を持っていくことが示唆される。
文直を待ちくたびれて玄関先で寝てしまったなぎさの頬を撫でて口づけをする彼の姿と、目覚めた途端に彼に抱きつくなぎさの姿がとても危うく印象的だった。
そして彼はなぎさを故郷に置いて、東京の大学へ進学することを決意する。
はっきりとは言及されないが、なぎさが観光バスの事故によって亡くなったらしいことは分かる。
そしてそこから文直の心が閉ざされてしまったことも。
台詞も極端に少ないため、理解するのが難しい作品ではあるが、分からないことがこの映画の魅力でもあると感じた。
トンネルを抜けた先で文直は、ある女性と遭遇し抱き締められる(例によって女性の表情は一切分からない)。
後に彼女はトンネルの事故によって息子を失った母親で、夜になると息子を求めてトンネルの付近をうろついていることが分かる。
真実は分からない方が魅惑的なこともある。
まるでドキュメンタリーを観ているかのような自然でリアルなやり取りも印象的だった。
シーンの意味は分からなくても、とても画に求心力のある作品で、それこそ画面の中で登場人物がリアルに生きているように感じられるからこそ、最後まで惹き付けられたように思う。
とてもダークな作品ではあるが、押し入れの暗闇の中で天井に貼られた暗闇で光る星を眺め、可愛らしいベーコンのパンケーキの歌を歌うなぎさ、そしてガラスのコップで風鈴を作る文直となぎさの微笑ましい姿に救われる部分もあった。

さて、この日は上映終了後にトークショーがあり、監督の作品に込めた想いを色々と聞くことが出来た。
シーンによってはほとんどアドリブらしく、だからこそあのようなリアルな空気感が出せたのだろうが、きちんと台本通りのシーンもあるらしく、そこの違いがほとんど分からないのは凄いと感じた。
クレーマーの男性客と仏壇に向かって読経する父親は後ろ姿しか映し出されないが、それはクレーマーの男と父親の姿をダブらせる効果を狙ってのものらしい(俳優は宇野祥平と日向丈)。
一貫して喪失の物語を追及し続ける古川原原監督の他の作品と、この映画とはまったく内容の違うオリジナルの短編である『なぎさ』も観てみたいと思った。

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sankou

4.5伝えすぎず、観客に任せすぎずのバランスが秀逸

2023年5月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

アート作品や、監督の自己満作品があまり自分には響かないのだが、とても興味深く、面白かった。

監督いわく、言葉でなく映像で表現したかったということで、言葉ですべて表現するのが小説ならば、映像と音声ですべて表現しているのがこの映画だった。

セリフは少ないし、表情も少ないのだが、決して分かりにくいということはない。
時系列、関係性などは映像から理解できるし、アート作品のように現実離れした比喩のようなものもあまりないので、すべて観客の想像に任せるだけでない、絶妙なバランスでとてもよかった。

音声に関しても、カメラの動き、役者のが動き少ない分、集中することができ、なんともいえない雰囲気を助長し、作品へ没頭させてくれる。

自分で考えながら見るので頭は使うのだが、わかりやすい映画へのアンチテーゼとともに、映画の醍醐味と可能性も感じられた。

次回作に期待。

2023年劇場鑑賞71本目

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ひでぼー

1.5テアトルの質が問われる

2023年5月17日
iPhoneアプリから投稿

ちゃんと作って欲しい。ただそれだけ。映画祭がどうとかどうでも良いから、観客に響く何かをちゃんと作ってくれ

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ビビ