ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
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豪華キャストで描く同族経営の黄昏
顔ぶれを見るだけで、濃厚な人間ドラマの予感に胸がざわつく迫力のキャスティング。予想に反して比較的大人しい展開だが、演技合戦とグッチのゴシップネタを楽しむノリで観れば退屈はしない。
グッチの御曹司マウリツィオとパトリツィアの出会いから、一族が崩壊してゆくまでの概ね四半世紀、それなりに長期間の出来事が描かれる。
一癖ある役者たちの競り合いの中、レディー・ガガ演じるパトリツィアの押しの強さが際立つ。
彼女のキャラクターは、巨万の富への欲望だけでなく、個人的な野心やマウリツィオへの愛、一族の一員としてのプライドなど、様々な強い感情を抱えている。
最初にマウリツィオがグッチと名乗った時は、確かに彼女の目の色が変わったように見えた。しかし、父に結婚を反対された彼が、家も財産も捨ててきたと言い荷物を持って転がり込んでも、彼女は受け入れて結婚し、家業を手伝わせた。家を出たと言っても遺産くらいはもらえるだろうという計算があったのか、それともその頃の彼女はまだ純粋だったのだろうか。
義父のアルドが偽造品に無頓着だったのに対し、ブランド価値の毀損を恐れてパトリツィアは怒った。一族の一員としてのブランドへの誇りを感じた一方、強く口出しする態度に彼女の驕りもかいま見えた。
ただ、最終的にあのような行動に至ったということは、根底には最後まで、いびつで自己中心的ではあるものの、打算ではない愛があったのだろう。典型的毒婦でお近づきにはなりたくないが、どいつもこいつも……という感じの登場人物たちの中で、ひときわバイタリティ溢れる生き方にはスクリーンで映える魅力があった。
私のお目当てアル・パチーノは期待通りの貫禄だった。帝王の威厳があって、ふてぶてしくて時にチャーミング。日本市場に目をつけたアルドが「コンニチハ!」「御殿場!」などと連呼するのは笑ってしまった。
そして、……誰?え、ジャレッド・レト?
アレッサンドロ・ミケーレが携わるグッチコレクションではランウェイの常連であるジャレッドは、パオロ役を自ら志願し、毎回特殊メイクに6時間かけたそうだ。そんなご縁があるのにあのお馬鹿っぷり(褒め言葉)。アル・パチーノとの絡みがちょっとコントっぽくて微笑ましい。
ご縁と言えばよく当たる占い師、ある意味一番罪深いピーナ役のサルマ・ハエックは、実生活ではグッチを傘下に持つコングロマリット、ケリングの会長の妻。失礼ながらパトリツィアとちょっとだけイメージがかぶる。
最初はうぶそうだったマウリツィオがパトリツィアに取り込まれ、ブランドの経営に関わる中で運命に翻弄される様をスマートなたたずまいで演じたアダム・ドライバーもよかった。
豪奢なお屋敷やめくるめくファッションが出てくるのに、全般的にちょっと画面が暗い感じがしたのが残念。気のせいかな。
面白いんだけど、オスカー案件になり損ねちゃったヤツ
まず、何が面白かったかって、客層ですよ。六本木ヒルズで見たんですが、お客さんが見るからにお金持ち風で、グッチとか普通に持ってそうで、新宿や日比谷のTOHOシネマズとは全然違うというね。客席眺めて「へー」ってなりました。あと、映画も想像と違ってて面白かった。
しかしこれ、レディー・ガガとジャレッド・レトはオスカー獲りに行った案件だと思いますが、2人とも見事にノミネートから漏れましたよね。ノミネートされたのは、「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」1個だけというしょっぱい結果に。オスカー案件となり得なかった原因は、観客の共感が集めにくいストーリーだってことじゃないでしょうかね。感情移入できるキャラもなかなか不在でした。でも、この事件のことは知らなかったので、とても勉強になりましたね。公開からだいぶ経ってましたけど、見といてよかった。
怪物ぞろいの色彩をキャンバス上で大胆に使いこなす
こちとらブランド物とは縁もゆかりもない人間だが、本作の筆運びにグイグイ引き込まれた。名門一家の物語といってもヴィスコンティ映画のように格調高くはならず、愛憎サスペンスと言っても目を覆うほどではない。全ては適度に品位を保ちながらグッチ家の内情へとテンポよく迫っていくが、何より刮目すべきは怪物ぞろいの俳優陣だろう。レディ・ガガの凄みもさすがではあるものの、彼女が一人で暴れるというよりは、むしろ一人一人と対峙し彼らの真価を十二分に引き立てていることを高く買いたい。そしてここで最も怪物性を発揮するのは、やはり出演者の個性を自在に配色するスコット自身だろう。自転車、車、ボート、バイクなど”乗り物”や、随所に現れる”水に浸る”イメージ(それは時として雪や泥になる)を用いた表現も実に効果的。かくなる語り口の鮮やかさゆえ、観賞後は愛憎劇のドロドロに増して、単純明快な「楽しかった」という感情の方が上回った。
レディー・ガガ、アダム・ドライバーらの演技が光る、リドリー・スコット監督による「GUCCI(グッチ)」創業者一族の30年間を描いたサスペンス映画。
私は「GUCCI(グッチ)」というイタリアのファッションブランドは社会常識としては知っていましたが、正直そこまでの関心はなく今回の創業者一族の話も知りませんでした。そのため結末なども全く知らず、興味深い「巧みなドキュメンタリー映画」のように見ることができ純粋に面白かったです。
本作は2000年に発売されたノンフィクション小説「ハウス・オブ・グッチ」という原作がベースの実話で構成されていますが、1970年から30年間という期間が描かれているため、さすがに映像表現も含めディテールで誤差があるのは当然のことでしょう。
そのため、本作はGUCCI一族から非難されています。
とは言え、アメリカでは「バイス」のように実在の政治家らがノンフィクションで描かれている作品も多く、「さすがにここまで描いたら問題が起こるのでは?」という作品も少なくありません。ただ、意外と文句を言われずに済んでいるケースが多いのは興味深い点です。
「アリー スター誕生」で才能を開花させたレディー・ガガの演技は本作でも健在で、他の役者陣を含め演技でも見応えがありました。
個人的には、作中で「日本語」が出てきて、これらのシーンは単純に面白いのですが、「当時の日本とGUCCIの関係性」をよく表していて、日本向けの作品でもあると感じました。
レディー・ガガの愛情が憎しみへ変貌を遂げていく表情が秀逸 そしてジャレッド・レトが……
実際に起こった暗殺事件と聞くと大昔の話かと思いきや、1995年3月27日の出来事。
筆者の記憶にも断片的にニュースを読んだ記憶があります。
純粋に恋をして、幸せな結婚生活をスタートしたはずだったグッチ創業者の孫にあたるマウリツィオとパトリツィア。今や世界的なメガブランドへと成長したグッチが、イタリアの老舗ブランドながら新新ブランドの後塵を拝していた頃の話だが、グッチの経営に口を挟もうとしては「君はグッチじゃない」と疎外され続けたパトリツィアの愛が憎しみへと変わっていくさまを体現したレディー・ガガの役作りには感服します。
そして、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズらが好演しているが、何よりもジャレッド・レトの怪演は必見。この役を本人はきっと、嬉々として演じたんだろうなということが誰の目にも明らかで、圧巻です。
観応えありました
グッチ一族の崩壊ストーリー
ストーリーが面白かったという表現はゴシップネタを楽しむようで違うのですが、映画として楽しめました
それはやはりすごい豪華キャストとリドリー・スコット監督だからではないでしょうか
レディー・ガガ、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジャレッド・レト、サルマ・ハエック、もうとにかく豪華
その中でもレディー・ガガです
「アリー、スター誕生」よりずっと良かったと思います
最初は純粋なパトリツィア、そこからだんだん野心そのものになっていく、それでも本当はマウリツィオを愛してるゆえの嫉妬、素晴らしかったです
マウリツィオの心を取り戻そうとするのに拒否され、閉められたドアの前のパトリツィア、切なすぎる
あのまま運送業を続けとけば2人は幸せだったのにね、と思わずにはいられませんでした
パトリツィアの「GUCCI」と名乗る事へのプライド、パトリツィアに名乗らせたくないグッチ一族、でも模倣品に対して無頓着な伯父、「GUCCI」へのそれぞれの思いは複雑です
グッチの邸宅、お店、家具、ファッション、車、とにかく全てが豪華、そういうのもとっても楽しめました
そして、何よりインパクトがあったのがジャレッド・レト
全く気が付かず、エンドクレジットで名前があってびっくりでした
イケメン封印しすぎ笑
リドリー・スコット作品はやはり好きです
私が彼を育てた〜 父と子とグッチの名にかけて
「 GUCCI 」3代目マウリツィオ・グッチ( アダム・ドライバー )の妻パトリツィアをレディー・ガガが熱演。性格も育ちも全く異なる二人が恋に落ちる。愛が憎しみに変わる様が壮絶。
レディー・ガガがまさにハマり役 👠
パリオリンピック開幕式で溌剌と歌い踊るレディー・ガガと、パトリツィアが重なって見えた。
マウリツィオの叔父アルドをアル・パチーノが、マウリツィオの父ロドルフォをジェレミー・アイアンズが演じる。
パトリツィアもパオラも存命で、少し前の出来事とは… 。何故か全く知らなかった。
機内での鑑賞 (吹替版)
マカロニ版犬神家の一族
全くの前知識無しで鑑賞しました。
ベルサーチが同性愛絡みのいざこざで殺されたのは知っていましたが、まさか老舗のグッチまでそのパターンだったとは思いもしませんでした。
この映画の特長は、とにかく豪華キャストと豪華スタッフで固めているという事だと思いますが、重厚な人間ドラマというよりは、爛れた世界に住む爛れた人々の悲哀を感じるホームドラマという印象でした。
一言で言えば、犬神家の一族を地で行くような内容で、サスペンスというより滑稽なコメディに感じました。
実話に驚き!レデイ・ガガ、アダム・ドライバーの演技が見事
CSで録画視聴。
レデイ・ガガはアリー・スター誕生以来、アダム・ドライバーはフェラーリで
初めて観て今回で2回目。
まず、ストーリーは実話に驚き。グッチ家の話はファッション通ならはまるし、
個人的にも興味深い話だった。
ラストシーンはとにかく驚きの一言で言葉が出ない。
ただ、見応えがあったのは間違いない。
それにしてもアダム・ドライバーとレデイ・ガガの演技は素晴らしかった。
アダム・ドライバーはグッチ家の役を演じたことがフェラーリのエンツォ・フェラーリの
好演につながっているし、ガガは10月公開のジョーカー・フォリア・ドウの演技が楽しみに
なってきた。
家族のいやらしさ
展開がわかりやすかったこと、日替わりや顔の表情から感情を掴むのが難しかった。最初の絶頂からの転落していく感じは、まあすごく人間らしいと感じた。Lady Gagaさんを嫌いになれるようなぐらい演技に浸かっていた。家族の問題は高貴だろうと、庶民だろうと、あんまり変わらないのかなとも思った。GUCCIの背景は知らなかったので、すごく勉強になった。
☆☆☆★★ 《グッチファーザー》(u_u) 出演者をそれぞれ当ては...
☆☆☆★★
《グッチファーザー》(u_u)
出演者をそれぞれ当てはめて観るのも一興。
ガガ凄く良かったなあ〜。
でも…ガガが失脚すると映画本編も盛り下がって行ってしまった感じ。
パチーノの「コンニチハ〜!」が頭から離れんぞ(^^;)
2022年1月16日 TOHOシネマズ流山おおたかの森/スクリーン8
結婚後の家族経営の恐ろしさを描いた映画
ブランドとしてのGUCCIの成り立ちに興味があり、また主演がレディガガだったことにも興味を持って映画館で視聴。
主人公が結婚してグッチ家に嫁ぎ、その後の家族経営の様子が描かれていた。
外的要因はあるものの、利権が絡む人数の多さと組織内の指揮系統の不明確さによって、内部から崩壊していく様子がリアルだった。獅子身中の虫。
欲望の果て
同監督の『悪の法則』に大筋は似ているかなと思った。身の丈に合わないダイヤを求め、破滅に向かってしまう。確かそんな内容だった。
今作もレディー・ガガ演じるパトリツィアが、運送業の社長令嬢という中流階級(くらい?)ながら、超上流階級であるグッチ家の家柄と財産を欲しがり、やはり破滅していくお話し。
リドリー・スコット監督ならではの謎のモヤモヤも健在。
お金と噂話と、自己愛
知らなかったグッチ家のお家騒動。
レディガガも、アダムドライバーも、お父様も叔父様も皆良いけど、ジャレッドレトの怪演が心に残る。
自転車に乗って軽やか好青年だったアダムドライバーも、凄腕強欲の妻に感化されて叔父に籠絡されニューヨークの大気に汚染されたが如く、凡人のボンボンになり我を失っていく。
レディガガに捕まった時点ですでに割れを失っておったのだが。
な二に乗るか、が、大事だな。
意外とおもしろくて、ためになりました!!
彼女は君を見抜いてた
DVDにて鑑賞しました。
パトリツィアが段々と傲慢になっていき、義理の叔父アルドやら従兄弟のパオロやらを退場させていくうちに恨みを買ったり。
初めは愛し合って結婚したはずが、マウリツィオとはすれ違うようになり、ついには離婚申請され。
最後はパトリツィアはマウリツィオの殺害を依頼し、依頼は果たされるも、2年後に共謀者もまとめて逮捕という結末。
大金を手にすると、こうも人は変わってしまうのでしょうか?
考えさせられますね。
ジャレッド・レトのちょっとあれなパオロや、流石に年を取ったアル・パチーノもいい味出してました。
158分はちょっと長すぎますが、重厚なドラマでした。
ネタを持て余したか?
途中から、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』っぽくない?という感慨に捕らわれました。山場がないんですよねえ。グッチ家内での不協和による副作用とかマウリツィオが暗殺された場面も淡々と。リドリー・スコットでも捌ききれないこともあるんだなあ、と思いました。期待が大きかっただけに残念でした。
一方、力技とも思える配役とそれぞれの演技は見事でした。特に、レディー・ガガが演じるパトリツィアのような小賢しく野心と行動力が凄まじい女性なら素晴らしい演技が出来るんだなあと感心しましたし、アダム・ドライバーもお人好しで少々鈍くアホではないけどやっぱボンボンなマウリツィオの演技はピッタリだったなあと感じました。
なお、悪いことはパトリツィアに、アホなところはパオロに集中させたのはどうかと・・・。
一方、本作は映画ではなく、連続ドラマだったらと仮定すると結構いい線いけるのかもしれません。
怪演の領域
レンタル110
公開当時時間が合わずスクリーンで見そこねた一作
レディガガは2作目だと思うが本格女優の風格
スター誕生のときは微笑ましい気がしたものだが
本作ではすでに怪演の領域
運送屋の娘は経営の才があって
グッチのブランドを磨くことに一役買ったと
信頼できる人物か否かも見通していたんだと受け取った
アダムドライバーも好きな俳優で嬉しい
ジャレッドレトってジョーカーの人でなかったっけ
男前のイメージだったが見事な変身ぶり
ゴッドファーザーの次男坊フレドとイメージが重なった
アルパチーノもいたし
最近松田優作の特集をNHKで観たばかりで
リドリースコットを思い出したところだった
最近ちょっと趣味が合わず敬遠していたが
また観てみようかと思わせる一作だった
ゲティ家とかブラックホークダウンとか
そもそもブレードランナーを観ていない
ん エイリアンも はは
悪の法則とオデッセイは観た
押井守は彼をサーと呼ぶと著書で書いていた
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