ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
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面白いんだけど、オスカー案件になり損ねちゃったヤツ
まず、何が面白かったかって、客層ですよ。六本木ヒルズで見たんですが、お客さんが見るからにお金持ち風で、グッチとか普通に持ってそうで、新宿や日比谷のTOHOシネマズとは全然違うというね。客席眺めて「へー」ってなりました。あと、映画も想像と違ってて面白かった。
しかしこれ、レディー・ガガとジャレッド・レトはオスカー獲りに行った案件だと思いますが、2人とも見事にノミネートから漏れましたよね。ノミネートされたのは、「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」1個だけというしょっぱい結果に。オスカー案件となり得なかった原因は、観客の共感が集めにくいストーリーだってことじゃないでしょうかね。感情移入できるキャラもなかなか不在でした。でも、この事件のことは知らなかったので、とても勉強になりましたね。公開からだいぶ経ってましたけど、見といてよかった。
怪物ぞろいの色彩をキャンバス上で大胆に使いこなす
こちとらブランド物とは縁もゆかりもない人間だが、本作の筆運びにグイグイ引き込まれた。名門一家の物語といってもヴィスコンティ映画のように格調高くはならず、愛憎サスペンスと言っても目を覆うほどではない。全ては適度に品位を保ちながらグッチ家の内情へとテンポよく迫っていくが、何より刮目すべきは怪物ぞろいの俳優陣だろう。レディ・ガガの凄みもさすがではあるものの、彼女が一人で暴れるというよりは、むしろ一人一人と対峙し彼らの真価を十二分に引き立てていることを高く買いたい。そしてここで最も怪物性を発揮するのは、やはり出演者の個性を自在に配色するスコット自身だろう。自転車、車、ボート、バイクなど”乗り物”や、随所に現れる”水に浸る”イメージ(それは時として雪や泥になる)を用いた表現も実に効果的。かくなる語り口の鮮やかさゆえ、観賞後は愛憎劇のドロドロに増して、単純明快な「楽しかった」という感情の方が上回った。
レディー・ガガ、アダム・ドライバーらの演技が光る、リドリー・スコット監督による「GUCCI(グッチ)」創業者一族の30年間を描いたサスペンス映画。
私は「GUCCI(グッチ)」というイタリアのファッションブランドは社会常識としては知っていましたが、正直そこまでの関心はなく今回の創業者一族の話も知りませんでした。そのため結末なども全く知らず、興味深い「巧みなドキュメンタリー映画」のように見ることができ純粋に面白かったです。
本作は2000年に発売されたノンフィクション小説「ハウス・オブ・グッチ」という原作がベースの実話で構成されていますが、1970年から30年間という期間が描かれているため、さすがに映像表現も含めディテールで誤差があるのは当然のことでしょう。
そのため、本作はGUCCI一族から非難されています。
とは言え、アメリカでは「バイス」のように実在の政治家らがノンフィクションで描かれている作品も多く、「さすがにここまで描いたら問題が起こるのでは?」という作品も少なくありません。ただ、意外と文句を言われずに済んでいるケースが多いのは興味深い点です。
「アリー スター誕生」で才能を開花させたレディー・ガガの演技は本作でも健在で、他の役者陣を含め演技でも見応えがありました。
個人的には、作中で「日本語」が出てきて、これらのシーンは単純に面白いのですが、「当時の日本とGUCCIの関係性」をよく表していて、日本向けの作品でもあると感じました。
レディー・ガガの愛情が憎しみへ変貌を遂げていく表情が秀逸 そしてジャレッド・レトが……
実際に起こった暗殺事件と聞くと大昔の話かと思いきや、1995年3月27日の出来事。
筆者の記憶にも断片的にニュースを読んだ記憶があります。
純粋に恋をして、幸せな結婚生活をスタートしたはずだったグッチ創業者の孫にあたるマウリツィオとパトリツィア。今や世界的なメガブランドへと成長したグッチが、イタリアの老舗ブランドながら新新ブランドの後塵を拝していた頃の話だが、グッチの経営に口を挟もうとしては「君はグッチじゃない」と疎外され続けたパトリツィアの愛が憎しみへと変わっていくさまを体現したレディー・ガガの役作りには感服します。
そして、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズらが好演しているが、何よりもジャレッド・レトの怪演は必見。この役を本人はきっと、嬉々として演じたんだろうなということが誰の目にも明らかで、圧巻です。
☆☆☆★★ 《グッチファーザー》(u_u) 出演者をそれぞれ当ては...
☆☆☆★★
《グッチファーザー》(u_u)
出演者をそれぞれ当てはめて観るのも一興。
ガガ凄く良かったなあ〜。
でも…ガガが失脚すると映画本編も盛り下がって行ってしまった感じ。
パチーノの「コンニチハ〜!」が頭から離れんぞ(^^;)
2022年1月16日 TOHOシネマズ流山おおたかの森/スクリーン8
家族経営の恐ろしさを描いた映画
ブランドとしてのGUCCIの成り立ちに興味があり、また主演がレディガガだったことにも興味を持って映画館で視聴。
外的要因はあるものの、家族経営で利権が絡む人数の多さと組織内の指揮系統の不明確さによって、内部から崩壊していく様子がリアルだった。獅子身中の虫。
欲望の果て
同監督の『悪の法則』に大筋は似ているかなと思った。身の丈に合わないダイヤを求め、破滅に向かってしまう。確かそんな内容だった。
今作もレディー・ガガ演じるパトリツィアが、運送業の社長令嬢という中流階級(くらい?)ながら、超上流階級であるグッチ家の家柄と財産を欲しがり、やはり破滅していくお話し。
リドリー・スコット監督ならではの謎のモヤモヤも健在。
お金と噂話と、自己愛
知らなかったグッチ家のお家騒動。
レディガガも、アダムドライバーも、お父様も叔父様も皆良いけど、ジャレッドレトの怪演が心に残る。
自転車に乗って軽やか好青年だったアダムドライバーも、凄腕強欲の妻に感化されて叔父に籠絡されニューヨークの大気に汚染されたが如く、凡人のボンボンになり我を失っていく。
レディガガに捕まった時点ですでに割れを失っておったのだが。
な二に乗るか、が、大事だな。
意外とおもしろくて、ためになりました!!
彼女は君を見抜いてた
DVDにて鑑賞しました。
パトリツィアが段々と傲慢になっていき、義理の叔父アルドやら従兄弟のパオロやらを退場させていくうちに恨みを買ったり。
初めは愛し合って結婚したはずが、マウリツィオとはすれ違うようになり、ついには離婚申請され。
最後はパトリツィアはマウリツィオの殺害を依頼し、依頼は果たされるも、2年後に共謀者もまとめて逮捕という結末。
大金を手にすると、こうも人は変わってしまうのでしょうか?
考えさせられますね。
ジャレッド・レトのちょっとあれなパオロや、流石に年を取ったアル・パチーノもいい味出してました。
158分はちょっと長すぎますが、重厚なドラマでした。
ネタを持て余したか?
途中から、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』っぽくない?という感慨に捕らわれました。山場がないんですよねえ。グッチ家内での不協和による副作用とかマウリツィオが暗殺された場面も淡々と。リドリー・スコットでも捌ききれないこともあるんだなあ、と思いました。期待が大きかっただけに残念でした。
一方、力技とも思える配役とそれぞれの演技は見事でした。特に、レディー・ガガが演じるパトリツィアのような小賢しく野心と行動力が凄まじい女性なら素晴らしい演技が出来るんだなあと感心しましたし、アダム・ドライバーもお人好しで少々鈍くアホではないけどやっぱボンボンなマウリツィオの演技はピッタリだったなあと感じました。
なお、悪いことはパトリツィアに、アホなところはパオロに集中させたのはどうかと・・・。
一方、本作は映画ではなく、連続ドラマだったらと仮定すると結構いい線いけるのかもしれません。
怪演の領域
レンタル110
公開当時時間が合わずスクリーンで見そこねた一作
レディガガは2作目だと思うが本格女優の風格
スター誕生のときは微笑ましい気がしたものだが
本作ではすでに怪演の領域
運送屋の娘は経営の才があって
グッチのブランドを磨くことに一役買ったと
信頼できる人物か否かも見通していたんだと受け取った
アダムドライバーも好きな俳優で嬉しい
ジャレッドレトってジョーカーの人でなかったっけ
男前のイメージだったが見事な変身ぶり
ゴッドファーザーの次男坊フレドとイメージが重なった
アルパチーノもいたし
最近松田優作の特集をNHKで観たばかりで
リドリースコットを思い出したところだった
最近ちょっと趣味が合わず敬遠していたが
また観てみようかと思わせる一作だった
ゲティ家とかブラックホークダウンとか
そもそもブレードランナーを観ていない
ん エイリアンも はは
悪の法則とオデッセイは観た
押井守は彼をサーと呼ぶと著書で書いていた
レディ・ガガの演技が圧巻
この映画の魅力の1つは、有名ブランドのスキャンダラスなストーリー。バブル期におけるグッチは時代そのものを表すブランドで、高価だけれどもどこか品格に欠けるような、そう映画にある小金持ちの日本人が群がるようなイメージがあった。結局の所、それはこのようなお家争いと安易な拡大志向が生んだ結果だということが良く理解できた。
そしてもう1つがレディ・ガガ。Wikiで調べると本格的な映画出演はこれが3本目!?表現力というのは、いろいろなものに通じるのですね。凄いです。
すべてが快楽的なトスカーナ調
よく一族経営の崩壊は耳にするけど、GUCCI一族の場合は、御曹司マウリツィオが殺害されたこともあり、とても衝撃的だ。それも殺害を企てたのが妻だからこそよけいにミステリー。
脱税、著作権侵害、持ち株の売却、不倫、殺人とくれば、ドラマの材料には事欠かない。
アル・パチーノとジャレッド・レトが掛け合う、GUCCI一族のダメ親子ぶりがとても印象的だった。
もう一つは、マウリツィオ(アダム・ドライバー)とその妻パトリツィア(レディ・ガガ)と彼の不倫相手(カミーユ・コッタン)の三角関係。殺害の付箋にはなっているが、あまり深刻さがない。
妻が不倫相手を「快楽主義者」とののしるシーンや、不倫相手が彼に、「過ちじゃないわ 選択よ」と言い切るシーン等、ゲームに興じる三人という感じでこちらも印象に残った。
要は、すべてが快楽的なトスカーナ調なのである。リドリー・スコットは、あえてGUCCI一族の原点を大事に温存させてたような気がする。
快楽は追うべきではないが快楽を追わないと感性は死んでしまう。そんな言葉がぴったりくる。
彼の絶妙な演出で、GUCCI一族の栄枯盛衰を心ゆくまで堪能できること間違いなし。
なぜイタリア訛りの英語で演じるのか
実話に基づく興味深いお話。面白かったです。
個人的にはレディ・ガガは外見・歌唱共に全く魅力を感じないが、女優としては大したものだと思った。彼女にはちょっとかわいそうだが実物のパトリツィアのほうが全然きれいだ。実話の映画化は本物より女優のほうがきれいなことがありがちだが。
イタリア人家族がミラノで会話するシーンをイタリア訛りの英語で演じるのって全然意味ないと当初は思うんだが、たぶん彼らがNYに行ってアメリカ人と話すシーンでは訛ってないとそれらしくないからって理由で、徹頭徹尾イタリア訛りで喋ってるんだな。2国を舞台にした演出の苦労は偲ばれるが、結局ミラノのシーンではリアリティを損なっているわけだし痛しかゆしだねえ笑。(聴く人が聴くとレディ・ガガの訛りはロシア訛りに聴こえるそうだ笑。私にはよくわからなかったが)
マウリツィオの着こなしはいつもおしゃれだった。大いに参考になる。
華やかなブランドイメージの影
グッチという皆が憧れるブランドの影の部分が映画になっている。事実に基づき作られているので、最後に経営者が妻によって暗殺されるという衝撃的な終わり方だった。
どの程度脚色されているのかわからないものの、この作品でグッチというハイブランドの一族が崩壊する過程を知ることになる。ドロドロした金と欲の中で少しずつ狂い始めた夫婦関係が最後は殺人に至る。グッチのファンはこれを見てどう感じるのかなぁと違和感があった。
じゃあこの映画の面白さは何かと言えば、間違いなくガガやアルパチーノ、俳優達のぶつかり合うエネルギーだったと思う。
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