炎の裁きのレビュー・感想・評価
全13件を表示
人を裁くということ…
私は死刑廃止論者ではないが、映画にあるような冤罪の可能性がある限り、極めて難しい問題だ。ラストに向け、ドラマチックな逆転劇があると思いきや、非常にやるせない、やりきれない気持ちになった。新たな証拠、新証言がこれだけある場合、立ち止まって再調査するべきではないだろうか。間違いを認めることは州としても大失態なのだが、それでこそ司法の正当性が保たれることだと思う。専門家でもないエリザベスの執念、何が彼女を突き動かしたのか、下半身不随になってしまったのは全くもって不幸だし、彼の最期に立ち会えなかったのも、何かの因果なのか。心にズシッと来る映画だった。
許せない現実
犯人と決めつけてる関係者達が本当に最低。
証拠もあるのに無視して死刑にするのが本当に許せないし、死刑はやはり間違ってるのかと考えさせる。
重いテーマだけどラストまで一気に見れる。看守の人が最初は嫌な奴だったけど主人公の人柄と無罪を信じてきた所が良い
実話ネタは面白い。
看守との関係が徐々に変わっていくところが胸打たれました。
主人公が読んだという本、ヴィクトール・E・フランクの「夜と霧」読みたくなりました。
実話が元ということですが、エリザベスのラスト近くの一件はあきらかに脚色っぽい。
と思ってググって調べたら実際の事故はトッドの処刑のずっと前だったらしい。
やりすぎの脚色で映画が安っぽくなりましたね。
語りの偏りと浅さ。
善は100%善、悪は100%悪、庶民は善、役所は悪、という語りの偏りと稚拙。
冤罪と決め付けて何ぼでも演出し語り流布出来る映画の危うさを露呈して、
逆に死刑廃絶論者の浅さを訴える気か。
実話ベースだから尚下品。
これは幾ら何でも駄目。
ひたすら重い
実話とは知らなかったのであのラストにズドーンと落とされました
フィクションならホッとして終わったはず…
冤罪を立証するために奔走する女性を軸にストーリー展開すると思っていたのですが、途中まで囚人に恋するような女性の様子に「観るの間違った?」でしたが、主人公がやる気になってからは面白くもあり理不尽さが重く、観るのがしんどくもありました
俳優さん達の演技、テキサス州の司法制度、世の中の理不尽さ、メッセージ性のある素晴らしい作品でした
やるせない!
冤罪ものは、数あるけど
なんかやるせない作品だ。
こいつなら、やるだろと言う偏見。
脅し、犯人を用意しなくてはならない事象。
実話なんだね。エドワードズイック監督らしい
映画だ。見終わった後もずっしり
重たい。
作品の切れ味があと一歩あれば…
冤罪を扱う良い映画だと思う。名優ローラ・ダーンは流石の存在感だが、主演のジャック・オコンネルも素晴らしかった。
社会派の内容ながらもヒューマン色も濃く、バランスを取った進行だったかと。個人的にはもっと切り込んで欲しいないようではあった。
あと、毎度だけど邦題のセンスがなさ過ぎる。と言うか本作は原題のままで良いのでは?わざわざ日本語にする意味が分からない。子供向けでないんだし…
ネタばれ
まず自分は死刑制度賛成派だ。ここが見る人によって意見が分かれるとこだろう。
トッドが【放火し娘三人を殺害】の疑いを掛けられるがこれは冤罪である
が日ごろの行いやDVしていた妻や義母からは積極的に助けてもらえず、司法取引による噓の証言、近所の人からも普段のDVを証言されたりし有罪判決、死刑を求刑される。
服役中にふとしたきっかけでエリザベスとコンタクト取れるようになりわずかな希望が出てくるがそれもかなわず予定どおり死刑執行される。
エリザベスは日常を差し置いてトッドに入れ込みすぎ子供達から苦言されるが押し切って会いに行き交通事故に合い半身不随。
で最後に冤罪は防ごう!テキサス死刑やめよう!的な結末に見えるが
ここからあくまで私的意見
いやトッドが罪に問われたのは普段の自分の行動から仕方なくね?って
妻や義母や近所から助けてもらえないぐらいのクズだったんだろ?働きもしないヒモでしょ
実際放火はしてないけどそういうことしてもおかしくないと判断された程度の信頼しか無かった男ってだけじゃん。
エリザベスもそれ家族をないがしろにしてまですることか?
トッドが死刑逃れたとしてあんた関係ある?子供はいい迷惑じゃん。
しかも最後半身不随なってどこまで迷惑かけるんだよ
法律上は冤罪で死刑だけど結局自業自得やろと思うんだけど
この映画の結論はそういう方向でないのでモヤモヤが残る
テキサスにおける共和党支配の怖さ
この映画は二つの大きな問題を描いている。一つはテキサスの司法制度における共和党支配の実態と、その恐ろしさだろう。もう一つは冤罪の怖さ恐ろしさだ。
ハートビート法に見られるように、テキサスにおける共和党の振る舞いは度を越している。ニクソンの麻薬取締から始まるハードクライムの流れは、結局黒人とプアホワイトの選別と隔離を残しただけで、その結果残ったものが何なのかをこの映画は描いている。
テキサスの知事が死刑囚の助命に耳を傾けないのは、州内保守層の支持を失う恐れがあるためで、ハードクライムの考えから抜け出せないのだ。ハートビート法を成立させたテキサスの共和党は、政権維持のために移民や黒人、低所得者(民主党支持者が多い)が選挙に行けないように投票場の数を削減し選挙登録を難しくしている。テキサスにおける右派保守の支配は当分つづくだろう。
映画の訴えるもう一つは冤罪の恐ろしさだろう。冤罪を描いた映画では「ライフ・オブ・デビット・ゲイル」が忘れられない、この映画も同じ様に死刑の執行が迫る中、何とか死刑囚を救おうと人々が努力を重ねるのだが、結局は間に合わない。映画「ライフ・オブ」ではその結果の責任をはっきりと司法に問いただしているが、この映画では人間関係を強調しすぎているようで、そのあたりの描き方に不満が残る。
だが結果としてこの映画が事実をもとに描かれていることを考えると、寛容とやさしさで死刑囚を救おうとした一人の女性を焦点にすることによって、まだ世界に救済はある、正義はいつの日か、苦しむ人を救うかもしれない、と希望をもたらしてくれる。その意味では良い映画だと思う。
傑作なのに人に勧めることができない
冤罪に関する映画でここまでヘヴィな作品を見たことがない。最後の最後まで正義があると思っている観客を絶望のどん底に叩き落してしまう。逆説的にいえば、これだけの衝撃があるからこそ死刑制度を真剣に考えるきっかけを与えてくれる。
見てる途中で、どうしてこんなにすばらしい作品が日本で劇場公開されなかったんだろうと思っていたが、最後まで見てよくわかった。あまりにも救いがない結末に涙も止まってしまう。傑作なのに人に勧めることができない。
「炎の裁き」という安っぽい邦題はいらない。「Trial by Fire」のままでいい。
やるせない
冒頭の火事のシーンから、最後まで、ノンストップで観てしまった。
胸が締め付けられた。
これが実話…なんていうことか。
ジャック・オコンネル演じるトッド。
見るからに遊び人で育児なんてしてるのか?と思えるが、愛情たっぷりに注いでいたらしい。
奥さん役のエミリーも気が強く、この夫婦は喧嘩が絶えない。とはいえ、それも度を超えていたわけではなく、良い時もあり助け合って生きていた。
裁判でエミリーがトッドの父親ぶりを大声で訴えるシーンが泣けた。
ただ、人は見かけが9割、か?
陪審員の受けは悪かったし、何より証言者が真実を語らない。
ようやく語ろうとした手紙ですら見ない州知事。最悪。
冤罪で刑務所へ。
看守も最初は最悪で、これがずっと続くかと思ったが、途中から看守とも心を通じ合わせていく。
この看守との最後がまた泣ける。
ローラ・ダーン演じる、仏のようなシングルマザー。
トッドとの面会を機に冤罪を証明しようと奔走する。
この人は物書きなのか?仕事の内容が??(普通の人が冤罪を証明しようとは思わないか)
何人か訪ねるが、どれもうまくいかないのが歯がゆい。
少し前に見た「不都合な自由」(だったかな)でも、冤罪を証明しようと働きかけるためには膨大な時間が必要で、そのために家庭が疎かに…というのはあるあるなのかも。
やりがいもあるのだろうけど、囚人に感情移入し過ぎてしまうのもどうかなと思った。
無罪を主張されたら信じないわけにはいかないだろうし。
難しい問題である。
全13件を表示