ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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近代の泥濘
この作品の時代背景は1939年頃である。近代という時代が人間の欲望を目覚めさせ、近世までの牧歌を駆逐し、人を欺いてまで欲を満たそうとし、戦争を繰り返す泥沼の時代だ。その欲望に突き動かされて主人公は父を殺し家を捨てて街に出てくる。そこで彼を待っているのは激しい雨と泥濘(ぬかるみ)である。私の子どもの頃までそうだったが道路や地面はまだ舗装されていなかった。雨が降ると砂利の敷いてないところは泥濘になった。主人公は泥にまみれて見世物小屋の天幕を畳む手伝いをする。そこに泥にまみれた傷だらけの獣人もいるのだ。「宿命だ」と最後に声を振り絞って自嘲する主人公を通して描かれたものは虚飾の泥濘にまみれた近代の断末魔の姿なのだ。
重いけど好き
見終わった後、席を立つ事が出来なかった
主人公が最後に笑いながら自分の破滅の運命を進んで受け取るシーンが強烈過ぎたからだ
主人公は野心と軽薄な選択による暴走の末に、女性たちや運、全てから見放され自ら進んで人間以下の存在になる
殺人や詐欺、盗みを重ね後戻り出来なくなっていく主人公
その転がり落ちていくスピード感に息を吞んだ
最後に彼の前にあるのは、神の目だけだった
映画の中にちりばめられた伏線回収?も見所だと思う
スタン、恐るべきペテン師と思いきや
これまであまりギレルモ・デル・トロ監督作品には縁がなかったが、先日のアカデミー賞にもノミネートされていたので、見に行ってみた。
ブラッドリー・クーパー演じるスタンと言う読心術を操る男の成功と失脚の話で、その手口たるや、ペテン師。華やかな栄光を目指すも、その過程で落とし穴に落ちて、どうにもならない様が、巧く描かれていた。
注目点は女性だった。ケイト・ブランシェット演じる心理学士(だったかな?)、サーカスショーで知り合い恋に落ちたモリー、そして最初に嵌めようとした判事の妻など、殊女性がポイント。
ジーナという女性もそうか。
彼女たちを手玉にとれるようなら、完璧なペテン師になりえたスタン。しかし、その彼の翻弄され具合がこの映画の面白いところ。
音楽や雰囲気が、ちょっとオカルト映画かなと思ったが、人間の心理描写を巧く描いた作品になっている。最後のシーンですべてが集約されていたと思う。
観ていてドキドキする、楽しい、というより、今こうやってレビューを書いていると『なるほど』と思い出すところがあって、余韻を楽しむには良い作品だった。
メンタリストの危険な賭け
主人公のスタンは、序盤から破滅の予兆というよりも破滅フラグがバンバン立つ。あのトニ・コレットに悪い運命を告げられたらヤバイ。因果応報となるのか、運命をものともせず成功するのか。
トニ・コレットやウィレム・デフォーもインパクトがあったんだけど、ケイト・ブランシェットに全部持ってかれたね。あの妖艶な姿と正面で向きあったら魂を抜かれそう。
大道芸と複数の見世物小屋がジョイントして巡業する形態をカーニバルというのかな。いかがわしさと猥雑さが入り混じった異世界の雰囲気がプンプン漂ってきて、あっと言う間に物語に引き込まれてしまった。
メンタリストは詐欺師と思え!
因果応報。
アリーちゃんは出て来ません。
小路:alley だからね。
真ん中に中黒入れるのは如何なものか、、。
さて、クリーチャー出ないけど見せ物小屋の話だからフリークスとデルトロの傷口フェチも炸裂。
ある意味話の結末は中盤に主人公も観客も知るんだけど、そこに向かってわかってても突き進んでしまう人間の欲望というか、主人公の因果。
デルトロは「エノク」という奇形胎児の液浸標本を何度も象徴的出してる。主人公の偽千里眼、偽降霊術のメタファーだろうか、、、?
ウィリアムデフォーとロンパールマンは何時も通りだから影薄い。周りがえぐいので今回ルーニーマーラは清純派。トニコレットとケイトブランシェットの二本柱が主人公に絡む。特にケイトブランシェット、これはまり役だと思った。彼女以外考えられないわ。
主人公も最後笑顔だったような気がするんだけど、観てた自分も何故か笑顔になった納得の結末2時間半。
メッチャ面白かったー!自分的には結末が2回あった感じで大満足(笑)
前情報一切無しの鑑賞がお勧め。
本作の監督のアカデミー受賞作。
清掃員が半魚人に恋する作品の世界観が好きで期待して観賞。
本作の世界観も良かったけど何よりもストーリーがとても良かった!
ブラッドリー・クーパーさん演じるスタンが「謎」の読心術を使い金儲けするストーリー。
読心術と霊媒師的な事をしながら金持ちから金儲けする展開。
精神科医リリスのポイントが高目。
謎の読心術が雪だるま式にどんどん深みに嵌まって行く展開にドキドキハラハラ。
後半のどんでん返しに見事な結末!
このどんでん返しに伏線があったのに全くノーマークだった自分が悔しい(笑)
と、思ったらその先に新たな結末があった(笑)
本当の結末がお見事!
これで満足度が益々上昇⤴️
ラストに喋るスタンのセリフ。
「あっぱれ!」を差し上げたい(笑)
亡霊を召還するシーンは流石に無理が有りましたね( ´∀`)
ダークな世界に魅入ってしまう
主人公に魅力が感じられず、感情移入も出来なかったので、ワクワクハラハラしなかった。
美術はすごい。ここまでお金かけて作るほどのものかな、と思ってしまったけど、そこがこの監督のこだわりでいいところなんでしょう。
ルーニー・マーラきれいな女優さんですね。
久しぶりのメリー・ステインバーゲン。
予告とテレビスポット作ってる人下手すぎ。
劇場のスタッフさんが、ナイト・メアリーて言ってた。
ナイトメア・アレーの方がよかったんじゃないかな。
夢であって欲しい世界
サーカス🎪の残酷な部分を知らなかった子供の頃はサーカスが好きで,楽しみに親に連れて行ってもらってました。
見る者に不思議や夢やドキドキを与えてくれる特別な時間と空間。それがまさに映像の中に美しく残酷に描かれていてドキドキしました。
前半のサーカス内で助け合いながら仲良く生活しているところまでは満足でした。
成功を掴んだ傲慢さが導いた破滅へのアリー。
ラストがまさにナイトメアでぞっとしました。
また、どうしてもケイト・ブランシェット様がドスのきいた声を出されるとロードやホビットのガラドリエル様に見えてしまって恐ろしかったです。
ルーニー・マーラ、大好き。
ブラッドリー・クーパーもハンサムさん。
ウィレム・デフォーの変わらない癖の強さも魅力的です。
豪華で綺麗な映像とケイトの美しく怖さを満喫できた作品でした。
怪獣じゃないデル・トロ
「シェイプ・オブ・ウオーター」や「パシフィック・リム」の印象が強いので、フリークスが何かをしでかすストーリーかと思いきや、完全なサスペンス。
ブラッドリークーパー、ケイトブランシェットの演技は勿論、あっさり、こんな映画を作ってしまうデル・トロはさすがというしかない。
世界観いい&衝撃エンディング
デルトロ監督の作品は、シェイプ・オブ・ウォーターを見てたんですが、この作品も、前半のお伽話的世界観が、いい雰囲気を醸し出していて、物語に引き込まれます。
ただ、中盤、ケイト・ブランシェットが登場して以降の展開が、グダグダな感じで残念。
ケイト・ブランシェット扮する心理カウンセラーが、どういう目的で、主人公を陥れようとしてたのかが、今一わからなかった…
字幕の日本語訳が、本来のセリフの意味をちゃんと訳せてないのでは?という事が時折あった気も。
最後の衝撃的なエンディングはなんか寓話的で、この作品のお伽話的世界観に合っていて、とても良かったです。
ケイトの底の無さ
欲望にその身を焼かれていく、因果応報の物語。
少し丸みが出た気もしますが、ブラッドリークーパーの色気は健在。
そしてケイト・ブランシェットがまた物凄い雰囲気を出してくるんですよ。
この二人のせめぎ合いが実に見応えがありました。
今までのデルトロの作風とは一転、とてもシリアスな人間模様ですが、カーニバルの不可思議な空気にはやはりダークファンタジーを感じさせます。
途中で結末が何となく見えてはくるものの、その転がり方が見応えありました。まさに転がり落ちるよう。
そしてラスト、これは見事な締め方でしたね。
またブラッドリーの笑顔が最高なんですよ。このカットで何だかこの作品全部に納得できるようでした。
改めてケイトの底の無さとブラッドリーの演技の幅、それとデルトロの作風の広がりを感じた作品でした。
斬新で奇抜な悲劇的ミステリー
豪華ながら出演順で、内容も凝っていて、色んなものがとことん作り込まれていて…とにかく質が高い作品でした。展開とかキャラなんかは、かなり使い古されている印象ながらも、それらを自在に操りながら今まで見たことがないくらいの奇抜で斬新なミステリーを体感した印象です。
ただ、内容と絵があまりにも暗いものなので、見る人は慎重にしなければなりません。自分も正直、恐る恐る、眉間にしわを寄せながら、見ていた気がします。
面白さは大いに感じる感じるけれど、内容も演出もすべてが悲劇的なので、完走するのはかなり辛いものがありました。
ダークな映画
終始、画面が暗くてダークな映画。主人公の詐欺師?の栄光と挫折。正直、暗い画面で平坦な展開が続いて眠くなった(ごめんなさい)
序盤の伏線と衝撃的なラスト。ラストのブラッドリー・クーパーの演技は迫真ですね!
そして、ケイト・ブランシェットは悪役が似合う笑
結局 最後は こうなるのか
レトロな雰囲気で ずーーっと二時間見入ってしまいました
妖艶な ケイト ブランシェット でしたが、 やはり怖い。
因果応報とは こういう事を 言うのでしょうか?
物悲しい 久しぶりに 映画らしい映画を 見た気分で 良かったです。
鑑賞動機:デル・トロ7割、出演者2割、題材1割
美術賞はいけるかもと思ったが。
ブランシェットとコレットの髪型見るとつい『LAコンフィデンシャル』を思い出す。
今なら〇〇サロンとか○○セミナーとか主催しちゃう感じなのだろうか。引き際を見定められず、やり過ぎて転落しちゃうのは今も昔も変わらないのかね。
スーパーナチュラル要素はなしなので、デル・トロ監督の偏愛ぶりは控えめ。瓶詰めの…で『グレイテスト・ショーマン』が霞むような、いかがわしさや不健全さ気持ち悪さをちょっとだけ期待したが。デフォーが目からビーム出したりはしない。
デル・トロの変態映画が観たいぜよ。
「奇妙なもの」は出てこないけどギレルモ監督の作品だ
パンズ・ラビリンスやダーク・フェアリー、シェイプ・オブ・ウォーターのような不思議な世界観を期待していたので、少し拍子抜けでした。予告編では「奇妙なもの」が登場する雰囲気を出していたのに・・・。
ただ、それを抜きにしても面白い映画でした。見終わった後には色々なことを考えさせられる、静かに感情を揺さぶるものがあります。
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