機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島のレビュー・感想・評価
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ファーストガンダムのキャラ達にまた出会えた幸せ
本編なら30分の回を、映画の尺に伸ばしているのでどうしても間延び感は否めない。
また所々で、登場人物の感情表現にどうにも違和感を感じる場面があった。「はっ?」または「え?」かな、ちょっとうまく言語化できないのだが、とにかく何かに気づくシーンの表現。 例を出した方がいいな。
例)
夜、机にむかって仕事中のドアンにカーラが飲み物を持ってくるシーン。ドアンが「もう少し辛抱してくれ。戦争が終わったらこんな不自由な暮らしも終わる」とカーラに言ったときの、カーラが息を飲み込んで驚きの表現をするシーン!。 なぜそんな「はっ!?」と驚くのかい??
こんな感じの不自然な箇所がところどこにみられた。大げさ&タイミングがおかしいのよ。ひょっとしてこれも尺を伸ばすためか??
まあ、しかし懐かしのキャラたちが「新たに動いている」のを観るのはとても新鮮だった。40年ぶりに自分の知らない新しい面をみれるなんて。
そういうのを作ってくれただけでもう「よし」としちゃう。
男だねぇ、ブライトさん
自分にはガンダムに関する知識は疎いし、ガンダム戦史と照らす作業なんて到底無理なんですが、いろいろと旧作との相違は、違和感では無く面白味として楽しめました。高機動ザクなんて機体もあったんですね。ガンダムは幅が広すぎて把握しきれないw
今回の作品内容もある程度は知っていたんですが、行間を読み込むようにしないと判らないような作品だったと思います。何故、アムロは直接、ガンダムの隠し場所を問い詰めようとしないのか。ドアンは、ガンダムのパイロットが年若い少年だったことに何を思ったのか。くっきりと具体的な説明をしない、噛みしめて味わう作風は好きです。ちょっと難しいけど。
とはいえ、アムロの最後のセリフ。「あなたの戦争のニオイを消させてください」、旧作と同じセリフでしたか。ちょっと年配のドアンに対して、あまりに生意気で唐突すぎやしないか。そんな違和感を感じなくも無いですが、なんと言いますか、このガンダムという作品からの大事なメッセージだったのかもしれません。そんな無理は承知の、意味ありげ、意図的なセリフであったかのような。これが最後の作品であるからこそ、投げ棄てたのはザクだけど、本当に投げ棄てたのはガンダムであったのか、なんちって。
あと、色々なキャラの活躍振りも楽しかったのですが、ブライトさんの小芝居には一番笑ったw 旧作では堅物なイメージが強かったけど、最後の最後で男を上げたね、ブライトさん。
(追記)
改めて全体を見返すと、物凄く古典的なテレビシリーズの一話の構成を踏まえた内容だったな、と思いました。思えば、ガンダムの活躍シーンが非常に少ない。ガンダムのシーンを徹底的に絞り、話の内容としても、映画の構成としても、ラストまでガンダムを隠して隠して、最後の最後に高らかに響くテーマ曲、(今正に同時期上映している)まるでシン・ウルトラマンのように登場するガンダムの勇姿が、あまりにも古典的すぎて思わず爆笑しそうになったw しかも灯台の灯りをバックにしょってw いや、これでこそガンダム、これでこそロボットアニメ、直球・超特急のテレビシリーズを改めて再現して頂けたのだなと、富野監督には大いなる感謝の言葉をお送りしたい。朝日に照らされてエンディングは登場人物が勢揃いする、私の大好きなカーテンコール(敵キャラはいませんが)。何処までもお美しい様式美で、締めくくりは念願のお誕生日会。実に美しく組み立てられた、これぞ映画、というところでしょうか。
匂いに言及する意味
初代ガンダムの、エキストラ的なエピソードが映画化するというのは大胆な発想だ。シリーズの中で独立性の強いエピソードだからこそ、アレンジして膨らませやすいのもあったんだろうし、ククルス・ドアンはインパクトのキャラクターだったことは確かだけど。
しかし、なかなか面白い作品になっていたし、戦争をどう描くのかというガンダムシリーズの命題に沿った作品でもあった。戦争孤児たちとの生活描写にかなりの時間を割いているのだが、アムロもそもそもまだ子どもなのだ。普段の大活躍ぶりがそのことを忘れさせてしまう時があるが、この映画ではアムロは一貫して少年だった。
本作の決め台詞「戦争の匂い」とはどういう匂いなのだろうか。映像では匂いを表現できない。匂いに言及されると、観客は想像を働かせるしかない。戦争を知らない観客に戦争のことを想像してもらう手段として匂いに言及するのは上手いやり方だと思う。観客はその匂いを想像するしかないが、アムロが少年なのにそれがわかるのも切ない。
「ファーストガンダム」で1話完結の「ククルス・ドアンの島」だからこそ実現できた、新しい劇場版ガンダムの形。
「機動戦士ガンダム」が放送開始から43年を経ても、これだけの認知度があるのは、いかに革新的なアニメーションなのかを物語っていると思います。
これは、モビルスーツというロボットの魅力的な形を作ったり、アムロ・レイやシャア・アズナブルといった代表的なキャラクターが生まれたことも大いに関係があるのでしょう。
これらの有名キャラクターが、現在も「名探偵コナン」などの作品に大きな影響を与えていることを知らない人もいるのかもしれません。
この最初の「ファーストガンダム」以降に、様々な「ガンダム」シリーズも生まれましたが、やはりこの「原点」となる「ファーストガンダム」の人気がダントツに高い現実もあります。
ただ、「ファーストガンダム」の世界観を描くと、自ずとキャラクターデザインは制約が出てしまうため、最新の「閃光のハサウェイ」と比べると「時」の流れを感じてしまうのは仕方のないことなのでしょう。
とは言え、本作では特にモビルスーツの描き方を中心にかなりクオリティーが高くなっています。
そして、見慣れてくると、キャラクターデザインも自然な感じに見えてきます。
「思い出補正」という概念があり、人は昔のことを知らず知らずに美化してしまう面もあります。これは、私も気を付けているつもりですが、やはり「ファーストガンダム」では「思い出補正」をしているのだと思います。「以前見た時はもっとキャラクターデザインが魅力的だった」と思ったりしますが、改めて当時の映像を見てみると、「43年前の映像」という現実が如実に出ていて、本作ではかなり現代化したのだと判断できます。
本作は「シン・機動戦士ガンダム」とも言える作品で、「ファーストガンダム」の1話(第15話)が独立した内容で題材も良いため、これをリメイクし108分に拡大しています。
私はこのリメイク構想は成功したと考えています。1つの作品として魅力的にするため時系列を無視したり、「ドラゴンボール」のようにユーモアを取り入れるのは作品のメリハリをつける上で良いと思っています。
物語自体も軍のエースパイロットが戦場で「護るものを変える」という深いもので、ククルス・ドアンが後半でアムロに問いかける言葉や、アムロが最後にククルス・ドアンに提案する言葉の重みは、本作を名作へと昇華させています。
本作のように独立した物語はまだあるので、それの映画化も期待したいです。
誰が見るために作られたか
こんな方法があったのかと、感心するやら期待するやら。ファーストガンダムから一話のエピソードを抜き出し、映画一本分にまとめてしまうという離れ技に、すっかり気を惹かれて映画館に運びました。
感想は、やはり複雑な心境になりましたね。
実は、『めぐりあい宇宙編』の時にも感じていたのですが、個人的な満足度と、世間一般に触れまわるであろう評判が、必ずしも一致しないと思ったからです。
『めぐりあい宇宙編』の時にはシリーズ最大のヒットを記録し、ガンダムブームを決定的なものにしましたが、今作に於いてはいったい誰向けに制作されたのか首をかしげたくなるような内容でした。
ブライトさんの声もセイラさんもミライさんの声もすでに故人となられて、当然ですが別人です。3Dモデルでグリグリ動くガンダムやホワイトベースを見せられても、もはや何も感じないのが正直なところです。
やっぱりガンダムって濃密な人間ドラマと、戦場の命のやり取り、そして一見ミスマッチな新兵器の激しい戦闘描写が魅力なのだと思います。ホワイトベースには、コック長もいるし、未就学児童も乗っている。一時的には民間人も収容していました。主人公のアムロだって、軍人なのか民間人なのか、微妙な立ち位置にいます。言ってみれば自分たちと同じ境遇の人たちが、戦禍に飲み込まれ、イヤが上でも戦わざるを得ないところに共感が生まれたんです。親子や仲間たちとの関係もひき裂かれ、個人的な怨嗟など持ち込みようの無いところに意外な復讐劇が絡んだりして、今日まで語り継がれるドラマになりました。
中でも異色のエピソードだった『ククルス・ドアンの島』を、こんな形にまとめ上げた手法には感心しますが、あくまでも内向きの発想で、言わば輪の外側にいる人にとっては、「なにこれ?面白いの?え、何でこの人たち敵なのに殺さないの?」というところから丁寧に語らないと、ついて来れないと思うんです。
たまたまウクライナで悲惨な戦争が起き、リアルな戦闘の様子が毎日更新されています。これなんかサイド6で描かれたエピソードがそのまま現実になってしまった感じで、いかにガンダムの視点が現実を見つめていたかの証明になりました。
だからこそ、子供たちの牧歌的な風景と、戦争というミスマッチをこれでもかと抉り出す演出が必要だったと思うのです。そこが、少し足りないのかな…と。正直、感じずにはいられませんでした。劇場では、パンフレットが異常に高価だったので手が出ませんでした。なんと同じ内容のBlu-rayもすでに販売されていました。つまり、現時点で、この映画に関する補足知識が無いまま今この感想を綴っています。製作者の思いだったり、例えば脚本の意匠とキャラクターの責任の帰結など、安彦良和さんの色がずいぶん濃く反映されているように感じました。ファンとしてはうれしさ半分、時代にそぐわないものを見せられてはいないだろうかという不安が半分。
そんな複雑な気持ちになったのです。
この手法が許されるのなら、例えば、ア・バオアクーにおけるアルテイシアの叛乱や、ミハルの弟妹達の後日談など、映画化できそうなプロジェクトはいくつか立ち上がりそうです。しかし、私個人としては、内向き過ぎて、世間的な評価が見えない。いったいこの映画って、誰が見るために制作されたんだろうなどと邪推してしまいます。
『閃光のハサウェイ』が好評だったことで、まだまだガンダム人気って根強いものがあるんだと思いますが、ファーストガンダムが放映された当時中学生だった私のように、いまの中学生にとってこの映画がガンダムにのめり込む入口になり得たのかと、問いかけないではいられないのです。
これは良い!
あの短いエピソードをうまく膨らませて楽しませてくれました!
アムロが乗っていた機体がコアファイターからガンダム になり、情けないトランクス姿も変わりました。
子供たちも増えたしかわいいヤギも良かった。
アニメ版では直接的なセリフであったところをキャラクターの動かし方と物語の展開で説明するあたりも良かったと思います。
カイやスラッガーがあまりにも弱いのはショックでしたが、そこはご愛嬌。ジムも次々と破壊されていきますが、そんなサザンクロス隊をも軽々とあしらうククルス・ドアンは間違いなくエース級パイロット。
なんとなく0080ポケットの中の戦争を思い出します。
子供たちとの束の間の共同生活。アムロが成長するひとつのエピソードとして重要な出来事が描かれていると思います。
そして何より、アニメーションの進化に感動!
ドアンと暮せば
今作のベースとなった何十年か前に放映されたTV版のほうは、今となっては印刷ミスのお札のように貴重で価値が有り、悲しさを帯びていて味わい深かった。
今作は、TV版を否定したり無かったことにするためのものではなく、むしろTV版の一番面白い部分には触れず、別視点にして雰囲気も変えて、それはまるで少しだけカスタムしたモビルスーツの色を変えて名前を付けて個別化するかのように、お互いを潰し合うことなく、共存を目指したものであると解釈出来る。
今作の存在意義は、一見似てるけどよく見れば異なるモビルスーツが次から次と出てくるように、解釈や設定の違いを楽しむことが醍醐味であり、物語の別バージョンの誕生をこれからも認めていこうとする表明だと思う。
ニュータイプであるシャアの意思でもある。人類の進化を、変化を受け入れなければならないのだ。
とは言っても、今作は変すぎて受け入れ難い。この感覚がシャアの言うそれなのかもしれない。
例えば、ペットボトル…のように見えるが瓶かもしれない。
豪華な食卓…ジオン兵用の秘密の場所に貯蔵してある食材を使えば、これくらい大した事無いかもしれない。
マニアックなことだが、序盤でビーム・ライフルを腰に戻さず海に落とす…アムロはきっと、ザクをサクッと倒した後でゆっくり拾いに行こうと思っていたのだ。
ドアンがガンダムを操縦して隠す…ガンダムの操縦席に座ったドアンはきっと「ザクよりもややこしいけど、なかなかイイぞ。わかる!わかるぞ!」と思ったことだろう。ドアンは実はニュータイプだった説を採用すれば、ガンダムにザクで勝った理由も納得できる。
アムロがジオン兵をガンダムで踏み殺す…『ガンダムSEED』のキラ・ヤマトなら絶対に有り得ないことだが、"白い悪魔"のパイロットであるアムロは相手がジオン兵なら殺しまくれるのだ。
ヤギを全員で追いかけて地下への避難を中止する…一人はみんなのために、みんなは一人のために!ドアンの統制力は素晴らしい。ホワイトベースのクルーの皆にナメられているブライト艦長と比べてしまう。
ラスト、戦争中なので、島が安全になったわけではない…案外戦争の匂いを消したら安全になるかもしれない。少なくとも連邦軍は民間人には手を出さないだろうし、おそらくジオン軍もあの島にはもう用はなくなったと思われる。アムロが戦争の匂いを消すよう勧めるのだから間違いないだろう。アムロの判断力や直感は伊達じゃない。
一年戦争のガンダムシリーズには幽霊が出てくるので、子供達が幽霊という可能性も有る。もし生きてるなら、『劇場版シン・Zガンダム(仮)』など何でも良いので、いつかドアンと子供達のその後の元氣な姿を見てみたい。
主題歌は少女カーラの心情が描かれた『Ubugoe』(歌:森口博子)
記憶にあまりない
及第点。
オフィシャルな宇宙世紀モノ、ハードな戦記モノを期待して観ると違和感を持つと思うので『世界名作劇場ガンダム編』くらいの心持ちで視聴するのが無難。
シリーズ数多(あまた)有る長寿作だからこそ、是非を言う者はそれぞれに居て、過大評価も過小評価もされて居ますが、安彦さん流40年越しの解が『こう言うもの』と知る事が出来ただけでも価値の有る事と個人的に思うところ。
『褐色のサザンクロス隊』MSは新設定せず、当時の『MSV(旧キット群)』から史実的に許容される物を選抜してくれたら『ガンプラ』フリークも喜んだと思う。
同隊が『やられ役』として単純に描かれて居たり、電気、灯台復旧後の御誕生日会&エピローグ(別れの挨拶)が無くエンドロール等、多少の物足りなさは有りますが、TVシリーズ本編22分程度のエピソード焼直しにしては『上出来』と、先ずは評価したい。
公式が作った二次創作
TV版ガンダムの1エピソードである「ククルス・ドアンの島」をリブートした作品です。
ですが、THE ORIGINと同じく、というより、ORIGINよりも更に二次創作感の強い作品になってしまっています。
元々が地方局での放送に際して、話数調整の為に作られた1話完結のエピソードですが、時系列としては13話「再会、母よ」、14話「時間よ、止まれ」、に続くエピソードとなっています。
この時系列が、どうやら今回の作品では差し替えられています。
また、何故ククルス・ドアンが「一人で潜伏しているのか?」や「ククルス・ドアンのザクの作画がおかしくなっている」等の理由を丁寧に設定しようとしています。
ただ、結局それでも矛盾が無くなっておらず、むしろ別の矛盾が発生している有様で、はっきり言って「僕の考えた一番面白いガンダム」になってしまっています。
出てくるMSの戦闘シーンやデザイン等は格好いいのですが、安彦演出の悪い所で、妙に登場人物の挙動がコミカルで、昭和感の強い演出になっています。
これはORIGINでも個人的なマイナス点(ORIGINのガルマがTV版のガルマになるイメージが湧かない、ドズルがアホすぎる、等)なのですが、この作品でもそのテイストが残っています。
正直、ガンダムファンの私でも結構キツかったです。
一応、お布施のつもりでパンフレットやその他グッズは買いましたが…。
個人的には、冨野監督の絵コンテを基に今の技術でリメイクする程度にとどめて欲しかったな、と思います。
1stガンダムを本放送で見ていたおやじ目線で
非常に難しいですね。
もちろんダメではないけれど、
何のために今リメイクしたのか理解できません。
監督のインタビューでリメイク理由は語られてますけどね。
もとの話からのアレンジも悪くないですし
戦闘シーンもそこそこ良くできてる。
安彦監督のセンスはきらいではないですが
すべてにおいて古くて、しんどい感は拭えません。
ORIGINをすべて見終えて感じた、その先をもっと見たい!
という強い気持ちと
最先端技術と今の感覚が大いに活きていた閃光のハサウェイからの
期待が大きすぎたのもあります。
シネコンのサービス料金が一切使えない1900円という価格で
劇場で見る必要はないかなと感じました。
オリジナルをリスペクトしている今のスタッフで
劇場3部作のリメイクを望みます。
子供の頃に戻れた。ありがとう!
セイラさんの言い回し・・・お嬢様に振れ過ぎていませんか?
ジオン軍を脱走し子供たちと暮らすパイロットの活躍を描く物語。
ファーストガンダムTVシリーズの一エピソードの映画化。
地味なエピソードだっただけに、映画化には疑問しかありませんでしたが、上手に膨らませて映画に相応しいエピソードに仕上げていたのには感心しました。
戦闘シーンの迫力は流石にクオリティ。一見の価値があるとは思います。
ただ、それでも、小部隊同士の戦闘にならざるを得ず、当然映画としての評価も低くならざるを得ません。
戦闘シーンに制約があるのなら、人間ドラマとしてもう少し魅せられなかったのでしょうか?
例えば、ククルス・ドアンがジオンから脱走した経緯をしっかりと描くとか・・・子供たちの親を虐殺したシーンを描き、彼の苦悩を実感出来れば物語に厚みが出るように思われます。
例えば、セルマとの関係をもっと描いても良かったかもしれません。彼女との恋愛関係があって、それでも軍を離れざるを得なかったドアンの苦悩を描ければ、物語はもっと厚くなったように思えます。セルマを後任の隊長にしていれば、人物関係も整理出来たかもしれません。
アムロは、この映画では主役になり得ないのですから、ドアン全振りにした方が、映画の完成度は高まったように思います。
私的評価は、厳しめです。
展開に楽しめた
地球連邦軍のオデッサ作戦のために、ベルファストに向かうホワイトベース。カナリア諸島のある島にいる、残置蝶者の掃討を命ぜられる。島に降り立ったアムロらの前にザクが出現し、ガンダムは苦戦。気絶したアムロは、ククルス・ドアンと子供たちの世話になる。一方行方不明になったアムロを、ホワイトベースは置いていこうとし。
TVシリーズで30分完結の名作を、他のストーリーを織り込んで、大幅に変更し映画化。作画崩壊でも有名で、そのザクの顔を再現していたのが、ちょっと笑えます。ジムは相変わらずだけど、ザクが強く、胸躍る展開に楽しめました。
スレッガーさんには、もう少し活躍してほしかった。わけあり風なザクの女性パイロットも、物足りない。マクベは、器の大きいところを見せて良かった。
ガンダムのパラレルワールド
最初に謝ります。
安彦良和は監督(製作)作品にロクなものがない、作画、キャラデザでヤメとけっていつも(ORIGIN、クラッシャージョウ)言っておりましたが、本作は「映画」として面白いものでした。やれるもんだな。
さて、映画にカッコ書きとしたのは理由があります。予想はしてましたが、ってか予告ティーザーとか見てればわかりますが、オリジナルに対してのパラレルワールドなんですよね。この作品。なので、「ククルス・ドアンの島」としての映画として鑑賞するならとてもおもしろい、よく出来たストーリー(ギャク的表現除く)だし、作画崩壊(笑)もなく、映画としての音響もまずますでした。
でも、自分、オリジナルをみてはまった世代なんでどうしてもオリジナルの世界が頭にあるわけで、
・この時点でジムが大量投入されている
・スカート付きザクってドムへの愚弄じゃねえかよ(激怒)
・スレッガーさん、ジャブローからだろ。
・え?ブライトさんが士官候補生から一気に少佐、ですか?え?さすがに・・・
・え?え?オデッサ作戦の前に正規軍扱いされてましたっけ???
・ん?レビル配下に「正式に」なる前は、塩の調達が問題になるくらいに補給に苦しむくらいに邪険にされてたよな・・・。で、
・あれ?ホワイトベースにジムとコア・ブースターがある。。。で、レビル配下ではない。とするとマチルダさんは「消された」?
・そもそもドアンの島は五島列島(少なくとも日本のどっかの島)のどっかのはず・・・
・そうそう、オデッサ作戦でのホワイトベースの侵攻ルートは中央アジア経由でしたよね?それがベルファストから回ってって、どこの並行世界だよ。ってことはランバ・ラルは地球に来ないのか??
とかとか。
と場面ごとに頭が?????となるのです。
一方、ドアンがジオンを脱走する前の状況や経緯がよく分かったり、島の裏設定だったり、モビルスーツの戦闘シーンの迫力だったり面白さは秀逸でした。なるほどねえ、こっちはこっちでしっくり来るねえ、でした。なお、これはどうしようもないことなのですが、古谷さんと古川さんくらいしか声優が残ってない中、二人ともさすがに経験をました中での演者の構成、演技から、オリジナルはとっくに終わってたんだな、と当たり前のことを実感して寂しくもありました。
つまり、「ククルス・ドアンの島」という映画として、ピンなら秀逸で面白いのですが、「ガンダム」という括りで行くと、とっ散らかった、いや、ガンダムの名を簒奪した全く関係のない酷え作品じゃないかと思った次第です。
と、評価に困った作品でした。
なお、特別料金の意味は分かりません(納得できてない)。
金の掛かった同人作品?
ノリが同人作品。
山羊の逃亡とか、スレッガーとセイラの会話をわざと下ネタに取られる言い方にしたり・・・・・アムロが行方不明時、次の任地に向かう命令を無視する為の三文芝居とか全体的に同人。
それでも、基本設定がしっかりしてくれていれば良かったんだけど・・・・元が四人だった島の子供が20人に・・・・。確かオリジナルでも有った、戦場で親が死んで泣いている子供を見て脱走を決意するシーンも入れられてたけど、あの状況で20人も連れて行く余裕。しかも、何かの集団だったら兎も角、そうでも無い様子。
孤島なのに、パンとかも食卓に並んで・・・・・まぁ、冷凍生地を焼くだけとか有るだろうけど、バッテリー壊れて冷蔵庫も使えないって言ってたし・・・・。
アムロがバッテリー直すのは良いけど、子供たちは兎も角、アムロなら灯台の灯りを付けたらどうなるか分かるだろうに。
戦闘もザクにやられるガンキャノン二機、ドアンのザク一機に対して、敵はザク三機なのに、チャンバラの様に順番に戦う・・・・・。挙げ句、スレッガーのジムは着地に失敗して頭部が飛んじゃうとか・・・。
エンドロールでシャアが出てて「出た?」と思ったら、回想の数秒の台詞だけ。
最後、ドアンと子供達をどうするのかなぁと思ったら、島に置いたままなのかぁ。まぁ、ホワイトベースは次の任地に行くから載せられないけど、「漂流者がいる事は連絡したから、しばらくしたら迎えが来る」くらいの台詞をブライトに言わせて良いんじゃない。もしくはそれを提案したけど、ドアンと子供たちが拒否したとかね。あの島で20人が生きていく食料無いし、当然医療も無いし。良い感じのイラスト付きでエンドロール流してたけど、見殺しやん。
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