「リーアム・ニーソン映画というジャンル」アイス・ロード kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
リーアム・ニーソン映画というジャンル
リーアム・ニーソンの「96時間」から始まった(と個人的には思っている)「オジサンアクション映画」。本家のリーアムおじさんの最新作。さすがに年齢的な問題があるのか、派手なアクションは控えめ。最近のリーアムおじさんは素早い動きをしない映画ばかりだ。でもそんな状態の主人公でもそれなりのアクション映画って作れるんだな。
あれだけの重量のものを載せてアイスロードを走ることがいかに大変なことなのかって宣伝されていた記憶があるので、意外とそうでもなかったのが少し残念だった。もちろんトラブルはあるんだけど、吹雪くから氷はすぐに復活しちゃうし。それに兄貴(リーアム)が意外とドジなのが笑える。笑えないレベルのドジなんだけど。それで弟が命を落としそうになるし、すぐキレちゃうし。弟よりも兄貴の方がトラブルメーカーじゃねーか。
他にもツッコミどころの多い映画なのだが、悪いこと考えている奴らとの対決とか、仲間との信頼関係とか、兄弟愛とか、見どころはちゃんとしていた。
それにしてもかなりコンスタントに映画の主演をしているリーアム・ニーソン。一時期のニコラス・ケイジの出演ペースを想起してしまう。もはや「オジサンアクション映画」のジャンルを飛び越え、「リーアム・ニーソン映画」とジャンル付けしてもいいのではないか。本編始まる前に、次の主演作の予告編が流れているのを見て、もう次があるのか!と驚きながらそんなことを思った。
今晩は。
私は拙レビューでも書きましたが、リーアム・ニーソン父さんは名優路線で行くよりも、接近格闘戦アクション俳優にチェンジした段階で、俳優としての幅と寿命が広がったのではないかと、ここ10年ほど思っています。
大当たりは無いけれど、安定したクオリティを届けてくれる役者であり&ジャウム・コレット=セラ(個人的には、リーアム父さんは、この稀有なストーリーテリングの監督と出会った事が大きいと思っています。)を始めとした脚本を吟味した作品の数々。
次作も面白そうですし。
身体がデカくて、役者として節制した生活を送り、弱者側でありながら不正をキッチリと成敗する”アメリカの格闘家水戸黄門””と勝手に名付けています。では。