さがすのレビュー・感想・評価
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楓(伊東蒼)を見るだけでも価値のある作品❗️
冒頭。
あんな情けない状況なのに、一片の嫌悪感も露わにせず父に向かう楓。
ラスト。
楓が本当に探していたのは父ではなく真実。
家庭環境や経済的な状況からは想像もできない楓の真っ直ぐさが何より清々しい‼️
内容的には、いったいこの映画のどこに清々しさなんてあるの⁉️とお叱りをいただきそうですが、伊東蒼さんを見てると本当にそう感じてしまうのです。
あのシスターへの振る舞いだってそうでした。
以上をもって点数をつけるとしたら満点でも良いくらいなのですが、原田智の二面性についての説得力が弱いこと、楓が真実にたどり着く行動を続ける動機の中に母親との関係性(楓だって介護を手伝っていたはずだし、母親のツイート⁈も見ていたはず)や死因への疑惑があったのかなかったのか、などについての描写が弱かったこと、等々を考えると少し残念なところもありました。
流石にソレはバレるでしょ。
娘の伊藤蒼パートにはグイグイ惹き込まれます。ほどほどの重さで、ほどほどのサスペンス感。佐藤二郎さんパートの中程まではまだまだイケてるんですが、決着の付け方と、その後の警察の無能振りには、流石に、お口アングリするしか無くて。
もうね。流石にね。バレるよね。流石にアレだけの犠牲者が出れば、本庁出動で徹底的に調べられるよね。などなどなどと。考えてしまってからはアウトだす。
何か惜しいよなぁ.....
と言う、残念感がハンパなかったです。中程過ぎまでは良かっただけに。
伊藤蒼さんには期待してます。
直走る
基本的に上映から長い間満席に近い状態が続いていたので少し落ち着いた頃に鑑賞。
確かに衝撃作だなと思いました。物語があらぬ方向へ向かっていくのも興味深かったです。
父の失踪→父の捜捜索→父の発見までが娘の物語で、そこからはまさかの父の物語になるという構造がとても良かったです。父が殺人鬼の犯罪に加担していく、そしてやがて実行まで移してしまう、そしてそのビジネスにのめり込んでしまうというある種の依存についても強く描かれていたなと思いました。
今作、意外にもアクションシーンというかチェイスシーンがとても面白くて、娘が殺人鬼をひたすら追いかけるというのがこだわりのカメラワークと相まって見応え抜群です。途中でまさか殺人鬼のズボンを脱がしてしまうとは…
PG12指定ということもあってちゃんとグロさもありました。目ん玉フォークで突き刺すのはほんと痛そう…。他にも直接的な描写はありませんでしたが日本刀で斬り殺すなんてのも意外性があり好きです。途中で出てきた優しそうな爺さんのHなコレクションが殺人鬼の快楽を生み出したんだと思うと爺さん何見せてんだ笑と思ってしまいました。
復讐とは名ばかりのように最終的には殺人鬼を父親がこの手で撲殺してしまうというのも残酷な終わり方だなと思いました。自殺しようとしても中々上手くいかないというのも妙に怖いですし、その前に死にたがっている女性と既に殺人鬼の巧妙な手口で殺された妻と重なる描写も末恐ろしかったです。
最終的に娘と父親が卓球のラリーをする際に、互いの本当の姿を知り、パトカーのサイレンが鳴る…という苦虫を噛み潰したような終わり方でした。ほんとゾクゾクしました。
ホラーよりも怖い、そんな一本でした。
鑑賞日 2/18
鑑賞時間 16:15〜18:25
座席 G-2
ポンジュノがコメント書かなかったのがそういうことでしょう。
日本の映画監督が褒めているのがショックだった、信じていた監督もいたのに、、、、
金もらえばなんでもやるのかよ。
こんなの韓国映画なら日本に届いていない駄作でしょう。
何かっポイことしてるだけで
役者が中途半端で家族の愛が見えない。
冒頭から親子の関係がちゃんと見えないからいなくなってから探している姿も何故か軽い。
中途半端な大阪物語の池脇千鶴、関西弁ちゃんとやれよ。セリフ以上のものが何も無いよ。
最後に泣けばいいってもんじゃ無いでしょうに。
中途半端なソン・ガンホ、佐藤次郎の芝居は邪魔が多くて混乱するちゃんとやれよ。
大事な感情が見えないんだよ。
殺人鬼に見えない男の子、なんで卓球場で女の子に見つかった時に殴らないの?
あの、中途半端なチェイサーの追いかけっこやりたかっただけでしょう。ズボンだけ取られるって携帯入ってるの気付くでしょう。ババアの1人とガキ1人殴り倒してズボン奪うだろうよ。
本気でやれよ。
しかもなんで、大好きな嫁を娘が見つけるかもしれない卓球場でわざわざ苦しむような殺し方で殺すの?せめて痛く無い死に方見つけてあげてもいいじゃ無いか。ネット使えよ。娘には絶対に見つかったらダメだろうが。
酷すぎる。やっていることが
映画だからなんでもいいのか。
家と卓球場って同じ建物なの?よく分かんなかったけど
同じなら、娘がいるところで人殺すとかありえなくない。
車椅子の女を何故連れてきた?他に方法なんでもあるでしょう。
主人公の知能指数が低いから??そんな馬鹿な、本気の人間が懸命にやった行動には見えないよ。
全編ご都合主義すぎて腹が立つ。
みかんの木あんだけあんだから夜にでも食えよ馬鹿か。
しょうもないところだけ一橋やってんなよ。
扱ってる問題の重さちゃんと理解して取り組んでほしい。
人の命を馬鹿にするなよ。
ちゃんとやれよ。
宣伝だけ頑張るこういう映画本当になくなってほしい。
伊東蒼の衝撃
娘の原田楓を演じる伊東蒼の演技をみるのは「空白」以来二度目。その前作では、序盤で彼女の演技は終わってしまう訳だが、今作ではしっかりと堪能させてもらった。まあ「空白」のせいで、序盤の街中を駆け抜けるシーンは別の緊張感があったのだが。
子どもらしい狡さや大人への苛つき、ダメな親父への無償の愛。父を「さがす」シーンでは描かれなかった(いや、しっかり語って欲しかったが)がしっかり感じる自己の成長。これらを演じ切ったからこそ、ラストのシーンに説得力が生まれる。脚本的には正直穴だらけな印象もあるのだけれど、それらを端に追いやってしまうほどの熱演だった。
そして、自らが「パブリックイメージと違う」と語る父・原田智役を演じた佐藤二朗は、まさにその通り。口数の少ない色々な意味で不安定な大人を演じた。いつものあの感じは正直食傷気味だったので、新たな顔に好印象。名無しこと山内役の清水尋也のサイコパス感といい、キャスティングが素晴らしい。
座間9人殺害事件をベースにしたのであろう犯行シーンについては、白いソックスへの執着や、京都で起きたALS患者に対する嘱託殺人事件の要素などなど、少々話題を雑多に盛り込み過ぎたかなという印象。嫌でも目立つクーラーボックスも含めてちとくどい。でもまあよく練られた秀作です。
ただひとつ。片山監督を有能な監督だと思うからこそ、「ポン・ジュノ監督の弟子」的な論評はあまり見たくない。本人によるセルフプロデュースなのであれば勝手にすればイイのだけど、この売り方は未来を感じない。商業映画が才能を潰さないように祈るのみだ。
和製ノワールの衝撃
韓国で学んだだけあって飽きさせない,
日本映画は2週遅れくらいしてるが、韓国映画の背中をタッチした感じか。
序盤の父を探す少女の物語から、途中一転して生と死の問題提起を突きつけられ、観るものは胸を奥底からえぐられる。日本社会の闇は深い。
それでも、サスペンスあり、笑いあり、意外性ありで、映画的エンターテイメント性が高く、かつ衝撃が残る。
個人的には日本映画では祐子の天秤以来のヒット。親父役の佐藤さんは、演技ってああやるんだなって、良いもの見た気分になる。
あと少しリアリティに疑義を感じたのは、教師と主人公の関係性。西成付近の教師はあそこまで人間関係の構築が下手くそではないかと。あんなところでシスター紹介したり、チラシが自腹とか言い出したり、急に帰ったりデリカシーと耐性が低過ぎる。まあバラツキはあるにしても。
あと主役の女の子、めちゃくちゃ可愛いんだけど、もうちょっと下町のジャリンコチエ感が無いと、行動力に説得力欠けるかなあ。良い役者だと思いますが。以上、小言でした。
見つけたらどうしよう
ヒロインの子がシスターの顔に唾吐いたり 西成を走り回ったり 何かとエネルギーに満ちた映画でした
佐藤二郎さんも 普通こんなバカなことしないだろって頭に過ぎらせない説得力のある演技でしたね
少しお母さんの病気のシーンと殺人鬼の暴力シーンが直接的過ぎたのが冗長になった原因かなと思ったのですが、単に私がそういった重たい話題に目を背けたいだけかもしれません
ヒロインの子は いつから父親の犯行に気がついていたんでしょう?
最初 父親の携帯を手に入れた時に中をみて色々気がついたのかと思ったのですが、SNSのDMの日付けから察するになにか大切なセリフを聞き逃してしまったかもしれないです...
また観に行かないと....!
もし自分や家族が重病になったり失踪したり人を殺したり死にたくなったら 何をさがすだろうと考えてしまう映画でした
佐藤二郎を通して伝えるもの
佐藤二郎主演、片山慎三監督の商業長編映画デビュー作である本作。
まず、佐藤二郎のハンマー素振りという強烈で画力抜群の冒頭でお馴染みの佐藤二郎の滑稽さとシリアスさが同居するという本作のテイストが提示されていてぐっと引き込まれた。
独特のおかしさを含みつつ、物語が進んでいくとALS患者と介護者の関係、自殺志願者の心の病など日本が抱える多くの問題が浮かび上がってくる。
劇中で行われる登場人物の各々の行動は側から見たら間違っているかもしれないが、当事者になった時、同じことが言えるのかと観る人の倫理観に直接訴えかけており、鑑賞後にも考えてしまうような独特な後味を持った映画だった。
えげつない!
前半は、疾走した親父をさがす、気強い娘さんの話かと思いきや、後半は、時系列前後するスプラッタに。
佐藤二郎がでんでんみたいだ!大阪の下町の人情コメディちがうな!まるで韓国映画みたいだ。まあ大阪もコリアンに似てるからな。僕は好きだな。森田望智がいつもと違うドブスを上手く演じてた。妻は小学生とは偉い違いだな。
見応え充分。だけどちょっと惜しい。
見応え充分なオリジナルストーリー。犯罪を、というよりも、犯罪がヒューマンドラマになる方向に追い詰めていくという感じ。去年の吉田恵輔『空白』石井裕也『茜色に焼かれる』枠のドラマでしょうか。ほんと日本の貧困とどんずまり社会映画祭とかできそうな勢いである。
で、本作はそれらに比べても手が混んでいる。プロットが。
佐藤二郎が言われてるほどいいとは思わなかったけど、カナヅチもったあの顔だけはよかった。ただ、なーるほど、という時間の遡りで設定がびっくり変わる快感はそんなにない。どっちかというとパルプフィクション方向の視点の切り替え程度なんだけどこの手の犯罪ものには向いてないのかも。一番肝心な「妻」の話が突然で、しかもあっという間なので消化不良。親子というネタでいったら妻と子供と妻の痕跡は冒頭からあってよかったのでは、というか冒頭が万引きネタなのはもったいなくはないか、とか。
ただテーマ的に現代の殺人事件の二つの局面をうまく絡めたネタであったと思うので、ちょっと惜しい、と思った。
【どす黒い底なし沼の様な作品。哀しみを抑制した佐藤二朗、狂気性が半端なき清水尋也の演技が圧巻。時間軸を行き来する脚本も見事な作品。ダークテイストな親子愛を描いた作品でもある。】
ー 冒頭の数シーンで、観客は監督が仕掛けた罠にマンマと嵌る。
それは、嘱託殺人を装ったサイコキラー山内に殺された、自殺願望のある人々の様に・・。
そして、生ける屍の様な、自堕落な父親、原田が抱えていた哀しさは、微塵も感じさせない佐藤二朗の演技。
生意気だが、父を想う、娘楓の視点で、序盤は物語を見ていく。
可なりの不快感を感じながら。-
◆感想
・レビュータイトルで記したように、哀しみを抑制した佐藤二朗、狂気性が半端なき清水尋也の演技が圧巻である。特に清水演じる山内の、自らの変態的な性的嗜好を満たすための恐ろしき行為の数々。
又、近年同様の事件があったばかりだが、自ら死にたがる人々のSNS上の言葉の数々に、暗澹たる気持ちになる。
・序盤は、失踪した父を懸命に探す楓の視点で、映画を観てしまう。そして、片山監督が仕掛けたトラップにマンマと引っかかるのである。
・時間軸を行き来しながら、徐々に露わになる、事件の本質。
脚本の巧さと、役者の演技が見事に合致している。
・そして、楓が見抜いた父の本当の姿。
- 解釈が分かれると思うが、私は原田は最初はALCに罹患し、死を望んだ妻を”楽にさせてくれた”山内に対する想いと、SNS上で死を求める名もなき人々の姿と、自らの借金精算の想いが綯交ぜになって行ったのだと思う。
そして、彼は、山内を利用することを決意したのだと思う。
だが、娘はそれに気づき・・。-
<ラスト、父と娘が卓球をするシーン。機械的に球を打ち返す親子の姿。そして、徐々に近づいてくるサイレン。
真実を知る娘は父を警察に通報し、父は最後になるであろう娘との交流を、涙を流しながら行う。
重い、重い、どす黒い底なし沼に引きずり込まれた感覚を抱かざるを得ない、見事なダークテイストな親子愛を描いた作品であると思う。>
思った以上にに重たい話だった
アバンのカットがこう返ってきたか!的な伏線は多々ある。
伏線のためのシーン的なのがあってやや冗長にも感じるけど、心情的にはあった方が良いよね。
多目的トイレのシーンは、泣けちゃうね。あれ色々思い出したんだろうなあ。
ひと段落からラストまでの一連の流れは、すごい良かった。
ラストシーン、どう解釈するのが良いのかね。
ネタバレあり。
途中でちょっと話の流れがわかりにくかったぶん、後半での謎解きの答えが親切すぎて何も考えなくていいのが暇な時間だったと思います。
佐藤二郎さんの奥さんが病気になってしまったばっかりに。
人生、ツイテないことはありすが、これほどツイテないなら死んだほうがマシ的な映画でした。
残酷な描写はちょっと苦手です。
うーむ、一味足りない。コクが足りない。
「岬の兄妹」の片山監督の作品でダーク(っぽい)二郎さん。期待しないはずがありません。この期待感は二郎さんの監督作品「はるヲうるひと」のそれに似ています。そして、観賞後の「あぁ、残念、足りない」って気持ちも似ているとは。
オープニングからは想像もできないような結末への展開は、物語としての醍醐味が非常にあります。おー、そんな展開かぁって。それに設定・背景がなかなかの暗闇設定。私好みの人間臭くて、ドロッとしたやつです。さらに見進めていくと作品がちょっとずつ、ちょっとずつ味変していくんですね。巧みですよ、その展開。さらに、見せ方(答え合わせ方式、または検算方式と僕は呼んでます(笑))が意外性を演出できているかなぁって。またユーモアの差し込み方もうまかったなぁ。笑の裏側のシビア描写とかね。
でもなぁ・・・でもなぁ、最も大事な心情描写を怠ってませんかね?ジェットコースター展開だからでしょうかね?出来事に人物が振り回されているからなのか?心情の上に成り立つ行動に見えないのです。一番キーになる父親の気持ちが少しも伝わってこないのです。最も大事な彼の心情が!もちろん、その展開は驚愕ではありますが、「なぜ!?」が無いから薄いのです。すごく。だからかなりの不満なんです。
(以下不満の根本を書きますが、ネタバレ中のネタバレですので、これからご覧になる方は絶対に読まない方がいいです。)
父親が殺人の手引きをし、結局再度手を出すというところの根拠が見えないのです。快楽殺人に目覚めたってことだと推測しますが、そこを描かなかったのはなぜなのか?わからないのです。なぜ彼は再びSNSにアクセスしたのか?少なくとも狂気に目覚める、快楽に目覚める描写は必要だったのでは無いでしょうか?そうでなかったら、厄介な過去を捨て、そこそこの懸賞金を入手し、愛する娘との生活を大事にするはず。そーいう父親として描かれてきたと考えます。でもなぜアクセスしたのか?わからん・・・
さらに、父娘の関係描写が薄いんだよなぁ。ラスト、父の関与を知った娘のとる行動がわからん。それを選択する娘かなぁ?って。自ら通報し、父親への親愛も示す描写はただ「感動シーン作りたいだけ」に見えるんです。うっすいよなぁ。
さらにさらに家族が描かれていないところも違和感。母の介護に忙殺され心を削っていく父親と娘の描写が全く無いのが不自然なのです。母のおかしな死を娘はおかしいと思わなかったのだろうか?死にたいと願う妻を介護し心が張り裂けていく父を娘はどう見ていたのか?いや、母を娘はどう思っていたのか?てかさ、娘は看護していなかったの?わからん・・・。母がいなくなってから父娘の関係性はどうなったのだろうか?全く見えない・・・・わからん。
父親のスマホの顛末もなんか違和感です。見られたら困る内容やりとりしてるのにパスワードロックしてないって・・・ありえるかな?スマホ見つからなかったら、やばい情報あるんだから回線停止しないかな?・・・何よりも、なぜすぐに父親にスマホ渡さないの?なんでずっと娘が保管してるの?おかしくない?わかりやすく事実発覚させるための手段にしか見えないなぁ・・・なんか安易。
兎にも角にも、父と娘の心情、娘の心情が全く見えてこなくって・・・唯一見えるのは父親のことを娘は大好きってことだけ・・・ただただ、ジェットコースターヒューマンドラマにしか見えなかったってことです。悲しい結末だなぁ〜って思うけど、心が動かない作品でした。人物の心情が伝わらない故。商業映画だから後味を悪くさせなかったのかな?狂気を見せなかったのかな?
「エグい風」映画でした。残念。期待していたのになぁ〜。
「さがす」の意味
予告編の印象とかなり異なる映画って意外と多い。本作もそう。連続殺人犯を見かけ懸賞金がほしいと言い残して疾走した父親を探す中学生の娘。父親は見つからないが、連続殺人犯には簡単にたどり着いてしまう。あれ、こんな話なの?と思っているうちに視点が変わってしかも3ヶ月前の話に…。
視点が変わって過去から物語ることで真相を描き出すという手法は嫌いじゃない。伏線回収もキッチリ押さえてきた感じだ。ここらへんはなかなか面白いサスペンスだと思う。清水尋也、伊東蒼、森田望智らがとてもいい演技をしていた。彼ら3人の演技だけで結構満足できる。特に伊東蒼は今後も大注目の女優だろう。
ただ、最後はちょっとわかりづらいのと警察の捜査が甘いと思えてしまうのが残念なところだ。山内が亡くなった後も、父親が死にたい人間の死を手伝おうとした理由がハッキリしない。人助けと思っていたのか?人を殺すことに快感を覚えてしまったのか? そして娘が父親を通報しようと思ったキッカケは何だろうか。父親がシリアルキラーとして暴走しないようにしたのか、母親を殺した人間を捕まえようとしたのか。「さがす」というタイトルは娘が疾走した父親を「探す」のではなく、母親を殺した人間を「捜す」ということだったのかもしれない。そこらへんがわかりづらいと思うのは観る側の力量の問題なんだろうか。
面白いけど!
ワンカット目からこれはもう面白いやつだなと思った。実際ストーリーも雰囲気も演技もめちゃくちゃよかった。ただ、演出がくどいというか安っぽくない?というところが割とあった。山内がロウソクから血を想起して指ピクッ、とか死体で自慰!とか死は救済や!とか言っちゃうところとか、キャラづけ描写として余りに陳腐すぎないかと…いやむしろ陳腐すぎてもはやわざとなのか?とも思った。死は救済って言ってる自分に、サイコアピしてる自分に酔ってる人を描いてるのかな?と。映画に憧れた痛い子を映画で描いてる、みたいな?もしそうならそこはスルーできる。でも、にしても椋鳥の話し方が観客をイラつかせようとしてる感すごいとことか、楓がビニールの紐をハサミで切るとことか、ピンポン玉コツンコツーンとか…なんか全体的な演出のしつこさあったし多分山内のサイコ描写もただの安っぽいキャラ付けなんかなー。でも観る価値は大いにあると思います!!
「本当に死にたい人はいなかった。」
連続殺人犯を見たと言ったその次の日に失踪した父を探しに、職場に行ったところ青年が父の名前で働いており、娘の父親大捜索が始まる話。
まずサスペンススリラーとしてとても優秀で、冒頭のカナヅチ(?)を振る父親のシーン、父親の服を着た足が倒れているシーン、白い靴下が全部繋がるところ気持ちよかった。それだけじゃなく、その先にもちゃんと結末があるのも良かった。
そして実際にあった事件をモデルにしてるのも◎。この映画を見るまで座間事件のことは完全に忘れてたけど、SNSを使って自殺志願者を集めていた犯人が「死にたい人なんて1人もいなかった」と言っていたのはめちゃくちゃ鮮明に覚えている。
死にたいとSNSに書いていても、マイナスの気持ちを外に出していることである程度自分の気持ちを浄化する儀式になってる人も多いはず。SNSの投稿だけを見て自殺志願者の自殺を手助けすることが良い事だと信じきってしまった父が、何ともSNSネイティブ世代じゃないおじさん感。SNSはその人が外に出したいものを出してるだけで、全てではないのに。
あと、性的欲求の気持ち悪さも表現されてて良かった。犯人は恐らく"白い靴下を履いた死体の足フェチ"でそれに性的興奮を覚えるタイプの人間。それ自体は全く理解できないけど、私にはエロDVDを大量にコレクションしてる田舎のジジイも付き合ってるならおっぱい見せてと言ってくる少年も同等に気持ち悪かった。
でも、田舎のジジイは誰も傷つけてはいない。それはちゃんとポルノをポルノとして消費しているからで、その欲求を現実世界に持ち込んじゃいけないのに持ち込んでるのが犯人と娘に片思いをする少年。
そう思うと、自殺欲求をSNSに書くという行為は、田舎のジジイみたいに欲求をその中で解消させてるようなもので、SNSでの自殺欲求を現実世界に持ち込ませようとするのは、ポルノの境界が分かっていない性犯罪者と同じようなことじゃないかと思った。
ギャグとシリアスの絶妙ラインな佐藤二郎がすごい
大きな身体の佐藤二郎が痩せた奥さんを抱きしめているシーンがやるせない。
指名手配犯が「今度、酒でチャラにしましょう!」と佐藤二郎に言い、キンキンに冷やしたビールを大量に用意していて約束を守っていたところに律儀さというか人間味を感じた。
「罪は罪」として終わってスッキリしました。
娘の先生のうちの子の「いちご! いちごおおおお! いちご……」とゴネるシーンがめちゃくちゃ面白かったです。たまに思い出しても笑ってしまう
タイトルに騙されたかな
【以下、思いっきりネタバレ注意】
前半、娘の好演もあり父親を探すくだりで、これは傑作の予感!と思ってたが中盤からガラリと作風が変わる。
まさかまさかまたまたその手の映画だったか。
一気に興醒め。
自殺幇助の尊厳死?をテーマにする作品は多々あるが、作り手は一体それで何を訴えたいのか全く理解不能。
クドすぎる佐藤二郎と妻のくだりもやたらしつこく、死を望むムクドリの絡むシーンも痛々しく、好きになれない。
評判良かったのでわざわざ遠方まで出掛けて見に行ったが残念だった。
満足感はあるが、詰め込みすぎ?
現実の2つのセンセーショナルな事件をモチーフにしていることがわかる。
結末に至るまでいくつかの伏線があり、サスペンスとしての要素が強いが、やはり命の尊厳とは何かを突きつけられる。
絶対的な悪、身勝手な理屈。
糾弾することは簡単だが、いざ当事者になったり立場が変わるとブレてしまう自分を鑑賞中は感じていた。
主人公原田は最後に娘に救われると思うのだが、娘は信じられないほどに芯が強い。
サスペンスで、社会的な問題を扱っていて、ヒューマンでもあり、コメディもありでワンテーマを深く追求したい方には物足りないかもしれない。
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