さがすのレビュー・感想・評価
全298件中、161~180件目を表示
監督がもっと「さがす」べきだった。
①名無しが楓から逃げる場面。路地裏に追い詰められたくらいで簡単に首を絞めようとするくせに、人気のない卓球場では何故ピンポン玉の籠をひっくり返すなんていう効果的じゃない逃げ方をしたのか。ピンポン玉なんて何の目眩しにもならないし、相手は女子中学生、シンプルに突き飛ばすだけでもいいはず。画作り優先で必然性がない。
②果林島に辿り着いた名無しの場面。カタツムリまで食べようとする割に髭も伸びていなければ、衣服も汚れていない。すぐそばに舗装道路があって、トラックでおじさんが来るぐらいの人里近くまでわざわざ来ておいて、カタツムリを食べようとする合理性がない。
③名無しの性癖がブレている。絞殺死体に靴下を履かせる事で楓の母殺害を想起し性的興奮を得ている名無しが、果林島のおじさんだけ日本刀で斬り殺す事に心理的必然性がない。その前の殺人はすべて絞殺にこだわっているのに、斬殺死体でもOKにしてしまった事で、過去から現在に繋がる大事な要素がぼやけてしまった。また、特殊性癖を持った快楽殺人者はこだわりが強い傾向があるので、死体なら何でもいいというような都合のいい性癖は考えづらい。AVを見て赤い蝋燭から血を想像して興奮していたのも、そもそも楓の母は流血していなかったし、AVの女性は靴下を履いていないので状況が一致せず違和感があった。その後の斬殺の違和感を和らげるため、性癖の定義に幅を持たせようと前フリで入れたのだろうが、無理がありすぎる。絞殺だけでは画が弱いと考え、日本刀や血というインパクトのある要素を無理やり入れ込んだように見えた。
④楓が同級生に同行を頼む不自然さ。家庭環境から見ても、序盤の流れから見ても、楓は賢い子に見える。胸を見せてまで、自分と同じく子どもである同級生に同行を頼む理由を彼女の中に見つけづらいし、頼まれた彼はその後ほぼ登場しない。性的描写を要素として無理やり組み込んだ感が否めない。
⑤智がムクドリを絞殺するシーン。正対して手前に引く形では絞殺するのは難しい。相手か自分の体重を利用しないと基本的には無理であり、後ろから締めるか、正対するなら奥へ絞めないと成人の力でも絞殺は難しい。
⑥智の手にベルト痕が残っていたはずなのに、ムクドリ殺害の嫌疑をどう逃れたのかが不明なまま。
⑦楓は一時、確かに智のスマホを所持していた。しかし、智はラスト近くの場面でTwitterにログインするところから操作しているため、普段からログアウトする習慣を持っていたと考えられる。であれば、楓が自殺幇助用のアカウントの存在やそのやり取りを知る術はない。
⑧楓が見た母の首吊り死体の幻影。智の妻を名無しが殺害した時には卓球台を使っている。殺害後、幻影の通りに天井から吊るしたのであれば、ALSの妻がどうやって天井から首を吊ったのかという問題を、警察がどのように結論付けたのかが疑問。智による殺害を疑って当然であり、合理的に自殺と判断できる理由があるようには考えづらい。また、幻影は失禁しており死後間もないと考えられ、犯行時刻から楓が発見するまでにバタバタと急がないと再現不可能な状況である。
⑨智と名無しが屋上で会話するシーン。去ろうとする智がカメラワークの都合上、一度、出口ではなく屋上の縁に向かって歩き出している。レールが敷けず、出口へ動線を取るとカメラマンが追いつけなかったなどの理由があると思われるが、あまりにも真っ直ぐに縁に向かっており、不自然すぎる。
⑩名無しは何を探していたのか?本当に死にたがっている奴なんて誰一人いなかった、という発言から、本当に死にたがっている人間を探していたのか?とも思ったが、じゃあそれは何故?となるし、「人間が要らないのだ」という発言も、その考えに至る経緯が描かれていないので薄っぺらな発言にしか感じられなかった。犯人をただの特殊性癖の薄っぺらな人間として描くことに意味を持たせたかったのだろうか?そのような描き方にも見えなかったが、それにしても行動原理に説得力がない。緻密にTwitterを運用していた割に、殺した後の処理が雑で人物が一貫しないし、破滅志向かと思いきや、カタツムリまで食べて生きようとするのも今ひとつ良くわからない。
これら以外にも、最後の卓球のラリーの合成など作りの粗さが目立ったように感じた。特に、脚本に無理が多かったように思う。整合性が取れない部分を、快楽殺人者の特殊なメンタリティや、短絡的で考えの足りない父親や無能な警察という設定、さらには人間の不条理にまで遡って丸投げしている気がした。ストーリーと画作りのアイデア優先でご都合主義的になり過ぎており、そのストーリー自体もオチが弱かった。父の真実の姿を発見し、いつもの父と再会した証が口をピヨピヨ動かす、ではオチていない気がする。
若手の役者の芝居はかなり良かった。名無しと楓の2人は素晴らしかったと思う。ただ、映画祭に出品してはいるものの、視点も脚本も演出も、世界のレベルではない。一度観ただけでこんなに粗が目立つようでは、今後、賞を獲る可能性は低いように思う。
母と娘の関係性
タイトルなし
早くも2022年のベスト映画
ネットで好評との情報を見て、何気なしに鑑賞した映画だったが、早くも2022年のベスト映画だと思う。
映画としては三章構成になっており、主人公の楓目線で始まる。
章が進むにつれて、佐藤二郎演じる”原田 智”への見方・目線が変わっていく。
ピンポン玉は何を表現しているのか、いろんな解釈がありそうで見た人と意見を交わしたくなる。
一人で見たし、周りに見そうな人がいないので、誰とも会話できなくて残念。
勝ち負け
まず最初の西成の風景で関西出身の僕は少し懐かしい気持ちになって引き込まれる。(もちろん西成には数回しか行ったことないが。)
下町と聞いて三丁目の夕日とかそんなイメージを思い浮かべる人もいるが本当の下町っていい人も勿論いるがそれと同じくらい危険な人も居る。
そんな雰囲気を感じれてこだわられてると思う。
失踪した父を娘がさがす所から始まる。
伊東蒼さんがとても良い演技。
佐藤二朗さんや清水尋也さんが登場しなくても前半40〜50分くらいを一人で持たせたのはすごい。
3年後清原果耶さんや蒔田さんのようになってるんだろうなと感じる。
お父さんを見つけてからの展開も僕には予想もつかなかった展開ですごい良かった。
多目的トイレで佐藤さんと森田さんが泣く所や最後の卓球のラリーのシーンも情緒溢れて互いの想いが伝わってきて良かった。
ただ、惜しむらくは最初のまだお母さんが生きてる頃にも娘を登場させておけば違和感が無かったように感じる。
どこかに預けてるならそのことに言及しとかないと少し不自然に感じた。
さらに智がやった事をそのままにして懸賞金も出て後味悪いハッピーエンドになるのかと思いきや、やはり監督はそのままにしておかなかった。
周りは騙せても娘は騙せないというのは良い。
楓もあそこで返信が返ってこなかったらそのままにしたたのかな。
最後のパトカーのサイレンで「お迎えや」というのも少し怪しい。たまたま近くを通ったパトカーでお父さんを諭しただけなんじゃないだろうか。その後自首させたんだろうか。そんなふうな想像もできるラストだった。
為の展開が多すぎて…
う〜む、ちょっと凝り過ぎというか頭で考えたストーリーになっていて、為の展開(こう描きたいが為に登場人物に行動させる)が多過ぎるし時制を弄るのも上手く行っている気がしない。そもそもなんで失踪したの?出稼ぎに行くとか何でも理由付けられるだろうし…いやいや、そもそも遠出する訳ではないから家に居て良いじゃん。娘に指名手配犯を見たと伝えたり、探してくれと言わんばかりの手がかりを与えているのも展開の為の行動に見えて必然性を感じない…。
つまり〝父が謎の失踪〟というキーワードだけ先にあって、それに合わせてお話を無理矢理くっ付けてるから、イビツな違和感がズッと続く感じ。
そういえば、伊東蒼ちゃんが全力疾走するとダンプに轢かれるんじゃないかとヒヤヒヤしてしまう。
というのが1月21日に観た直後の率直な感想なのだが、その後皆が絶賛していてビビった。皆金をもらってるんじゃないかと思っている。正直、そんなに出来良く無いよね。
親が思うより子は賢い
楓(伊東蒼)を見るだけでも価値のある作品❗️
冒頭。
あんな情けない状況なのに、一片の嫌悪感も露わにせず父に向かう楓。
ラスト。
楓が本当に探していたのは父ではなく真実。
家庭環境や経済的な状況からは想像もできない楓の真っ直ぐさが何より清々しい‼️
内容的には、いったいこの映画のどこに清々しさなんてあるの⁉️とお叱りをいただきそうですが、伊東蒼さんを見てると本当にそう感じてしまうのです。
あのシスターへの振る舞いだってそうでした。
以上をもって点数をつけるとしたら満点でも良いくらいなのですが、原田智の二面性についての説得力が弱いこと、楓が真実にたどり着く行動を続ける動機の中に母親との関係性(楓だって介護を手伝っていたはずだし、母親のツイート⁈も見ていたはず)や死因への疑惑があったのかなかったのか、などについての描写が弱かったこと、等々を考えると少し残念なところもありました。
流石にソレはバレるでしょ。
娘の伊藤蒼パートにはグイグイ惹き込まれます。ほどほどの重さで、ほどほどのサスペンス感。佐藤二郎さんパートの中程まではまだまだイケてるんですが、決着の付け方と、その後の警察の無能振りには、流石に、お口アングリするしか無くて。
もうね。流石にね。バレるよね。流石にアレだけの犠牲者が出れば、本庁出動で徹底的に調べられるよね。などなどなどと。考えてしまってからはアウトだす。
何か惜しいよなぁ.....
と言う、残念感がハンパなかったです。中程過ぎまでは良かっただけに。
伊藤蒼さんには期待してます。
面白かった。
卓球映画
一緒にへそフェチになろう
直走る
基本的に上映から長い間満席に近い状態が続いていたので少し落ち着いた頃に鑑賞。
確かに衝撃作だなと思いました。物語があらぬ方向へ向かっていくのも興味深かったです。
父の失踪→父の捜捜索→父の発見までが娘の物語で、そこからはまさかの父の物語になるという構造がとても良かったです。父が殺人鬼の犯罪に加担していく、そしてやがて実行まで移してしまう、そしてそのビジネスにのめり込んでしまうというある種の依存についても強く描かれていたなと思いました。
今作、意外にもアクションシーンというかチェイスシーンがとても面白くて、娘が殺人鬼をひたすら追いかけるというのがこだわりのカメラワークと相まって見応え抜群です。途中でまさか殺人鬼のズボンを脱がしてしまうとは…
PG12指定ということもあってちゃんとグロさもありました。目ん玉フォークで突き刺すのはほんと痛そう…。他にも直接的な描写はありませんでしたが日本刀で斬り殺すなんてのも意外性があり好きです。途中で出てきた優しそうな爺さんのHなコレクションが殺人鬼の快楽を生み出したんだと思うと爺さん何見せてんだ笑と思ってしまいました。
復讐とは名ばかりのように最終的には殺人鬼を父親がこの手で撲殺してしまうというのも残酷な終わり方だなと思いました。自殺しようとしても中々上手くいかないというのも妙に怖いですし、その前に死にたがっている女性と既に殺人鬼の巧妙な手口で殺された妻と重なる描写も末恐ろしかったです。
最終的に娘と父親が卓球のラリーをする際に、互いの本当の姿を知り、パトカーのサイレンが鳴る…という苦虫を噛み潰したような終わり方でした。ほんとゾクゾクしました。
ホラーよりも怖い、そんな一本でした。
鑑賞日 2/18
鑑賞時間 16:15〜18:25
座席 G-2
そっちか!
素晴らしいラスト
1回目 2022年1月22日
先の読めない脚本が秀逸でした。
これを、どう納めるんだろうと、
嫌ぁ~な終わり方はやめてって!願いながらの
このラストは、素晴らしくて悲しいような、
ホッとしたような、何とも言えない感情に涙が出ました。
尊厳死を絡めつつも、ただの快楽殺人な男とのやりとり、
これは、大阪弁だから、どこか喜劇要素が感じられて、
重過ぎず観れたのかも知れないなぁ…。
清水尋也が演じた男は、マジでヤバいもん。
妻の病気と貧困で、心の弱い男につけこむ心が壊れた男。
※この男がどうやって出来上がったのかは、少し知りたかったかも。
そんな弱い親でも、子どもは愛情を掛けて育てられたんだろうな。
そんな彼女の正義に救われました。
伊東蒼が素晴らし過ぎて、とても得した気分です。
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2回目 2022年3月6日
伊東蒼さんの演技を、もう一度観たくて…。
佐藤二郎さんや清水尋也さんを相手に、
全く引けを取らない、いや上を行ってんじゃないか?!
って思えるぐらい魅力的だな。
映画を観た!!という満足を得られる脚本と演出。
全体に暗いけど、
楓の未来は、明るいと感じるラストは秀逸だな。
後味が、、、
斜め上ゆく展開にドキドキ
失踪した父を探す中学生の少女。手がかりの日雇い現場に行くと父の名で働いていたのは全くの別人で…では父はどこに?と、利発な少女が小さな手がかりから行動していくが、役者の演技力で多少の都合の良さも気にならずぐいぐい引き込まれ、途中からは意外な展開でさらにそううまく行くのかなあと思いつつも最後まで押し切られる。
たとえるなら、「ゴーンガール」に似た印象(ストーリーは全然違うけど)
とにかく、主要人物三人の異様なリアリティと、とりまく脇もみな、いるかもあるかもと思わせる凄み。
間違いなく日本の今が舞台なのに、海外の映画のようなドライさがあり、面白かった。
細かい???はあるけど(原田家の家計、娘がなぜガラケー、ALSでもスマホ打てるの?自殺の姿の違い、いつからあのアカウントで接触してた?等々)ストーリー自体の瑕疵というほどではない。
彼女がさがしていたものは…
実際に起きたいくつかの事件をベースに作られているが、主軸はエンタメ的面白さが先行している。多面的な視点で事件の輪郭が次第に浮き上がってくる構成が、捉えようのない物語に上手く働き、見るものを飽きさせない。一方で家族の関係性や社会問題に関しては深く描かれることはないため、登場人物に感情移入する余地はない。しかし、重くエッジの効いた物語をここまで成立させているのは間違いなく俳優たちの演技力のたまもの。感情をむき出しにした佐藤二郎のとあるシーン、伊東蒼の等身大でひたむきな姿と強い意志、清水尋也の死んだような眼差しと狂気、森田望智に至ってはとても本人とは思えない。これは俳優が光る映画。卓球の玉を踏み潰すシーンやラストシーンにみられる映像表現の巧さにはしびれた。片山監督の今後がますます楽しみだ。
ポンジュノがコメント書かなかったのがそういうことでしょう。
日本の映画監督が褒めているのがショックだった、信じていた監督もいたのに、、、、
金もらえばなんでもやるのかよ。
こんなの韓国映画なら日本に届いていない駄作でしょう。
何かっポイことしてるだけで
役者が中途半端で家族の愛が見えない。
冒頭から親子の関係がちゃんと見えないからいなくなってから探している姿も何故か軽い。
中途半端な大阪物語の池脇千鶴、関西弁ちゃんとやれよ。セリフ以上のものが何も無いよ。
最後に泣けばいいってもんじゃ無いでしょうに。
中途半端なソン・ガンホ、佐藤次郎の芝居は邪魔が多くて混乱するちゃんとやれよ。
大事な感情が見えないんだよ。
殺人鬼に見えない男の子、なんで卓球場で女の子に見つかった時に殴らないの?
あの、中途半端なチェイサーの追いかけっこやりたかっただけでしょう。ズボンだけ取られるって携帯入ってるの気付くでしょう。ババアの1人とガキ1人殴り倒してズボン奪うだろうよ。
本気でやれよ。
しかもなんで、大好きな嫁を娘が見つけるかもしれない卓球場でわざわざ苦しむような殺し方で殺すの?せめて痛く無い死に方見つけてあげてもいいじゃ無いか。ネット使えよ。娘には絶対に見つかったらダメだろうが。
酷すぎる。やっていることが
映画だからなんでもいいのか。
家と卓球場って同じ建物なの?よく分かんなかったけど
同じなら、娘がいるところで人殺すとかありえなくない。
車椅子の女を何故連れてきた?他に方法なんでもあるでしょう。
主人公の知能指数が低いから??そんな馬鹿な、本気の人間が懸命にやった行動には見えないよ。
全編ご都合主義すぎて腹が立つ。
みかんの木あんだけあんだから夜にでも食えよ馬鹿か。
しょうもないところだけ一橋やってんなよ。
扱ってる問題の重さちゃんと理解して取り組んでほしい。
人の命を馬鹿にするなよ。
ちゃんとやれよ。
宣伝だけ頑張るこういう映画本当になくなってほしい。
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