さがすのレビュー・感想・評価
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伊東蒼さんの名演を評価します
この若さでこれだけの名演。
唸らせる。
あの「空白」で見せた実力そのままにこの作品でも見事でした。
佐藤二朗さんがこんなキャラでこんな主演をすると「はるヲうる人」とかぶってしまう。上手いんだけど同じやん、みたいな。
作品の中身的には、これと言って引き込まれる展開ではなかった。
自殺志願と幇助する人。
どちらも正論⁉️
いや答えはない。
そんな切り口の映画だ。
コテコテの関西弁と西成を舞台にとんでもない展開を期待してが単なるダークストーリーでした。
ラストシーン
彼女はなんと言ったんだろう…
さがしてはいけない。
人間の心の闇を軽はずみに探ってはいけない。その暗闇をのぞき込むものなら自分もその暗闇に引きずり込まれてしまうから。
当時世間を騒がせた自殺サイト殺人事件。自殺を望む者同士がネットで仲間を募りともに死ぬ。それだけでも闇が深いのにさらにそんな人たちの弱みに付け込み自らの快楽のために殺人を行った犯人たち。
この事件の概要を検索して読むだけでも陰鬱な気分にさせられる。本作のモデルとなった犯人の性的倒錯っぷりは通常人ならばとうてい理解できず、ただそのおぞましさに気分が悪くなる。そしてしばらくは犯人の心の闇の部分に触れてしまったことでなかなか陰鬱な気持ちから抜け出せなくなる。
妻の難病介護に苦しむ智はそんな人間とかかわりになってしまったことからどんどん深みにはまってしまう。そんな父をけなげにも探し出そうとする娘の楓。
ようやく父を探し出したものの、知りたくなかった父の秘密まで知ってしまうことに。
前作と同様、この監督の作品は人が思わず目をそむけたくなるような人間社会の闇を否応なく見せつけてくる。
快楽殺人者の心の闇だけでなく、難病に苦しむ患者やその家族が抱える生き地獄ともいえる苦悩。ただ平穏に暮らしてる人間にとっては目を覆いたくなるような描写が突き付けられ頭をガツンと殴られたような感覚を覚える。しかしこれこそ映画でしか味わえない醍醐味ともいえる。
「セブン」を撮ったデビット・フィンチャーはラストの衝撃的シーンのカットを要求された時、頑なに拒んだそうだ。このシーンがなければ、本作は十年もたてば忘れ去られてしまうだろうからと。確かにあの作品を観た時の衝撃は今も忘れられない。
片山作品もそういった人が見たくないような不快感を覚える描写をあえてスクリーンに映し出す。まるで見た人の心にくさびを打ち込むかのように。自分の表現したいことを相手の心に奥深く刻むことができれば監督冥利にも尽きるだろう。
ただ観る者を不快にさせるだけではなくてユーモアを交えながら人間の持つ業の深さを描いてる点でポン・ジュノ作品を想起させる。やはり少なからず影響を受けてるのだろう。
本作は前作ほどメッセージ性は強くないが、前作同様人間社会の嫌な現実をこれでもかと見せつけてくる。見たくないけど見ずにはいられない人間社会の闇をのぞかせてくれるこの監督の次回作が楽しみだ。
娘を演じた伊東蒼、そして佐藤二朗氏も素晴らしかった。
やっぱり湿ってる
邦画らしさのあるサスペンス
物語の題材としては面白い
怪演ぶりがすごい。
全員といっていいほど怪演が詰まった作品。
こちらはずっと気になっていて配信を楽しみにしていた。
思いっきりトラウマ映像みたいなものはないから見やすいと思うけど、
むかし住んでいた地域がちょっと治安悪いところだった人とかはいろんな意味でフラッシュバックするかもしれない。
コメディっぽい佐藤さんが好きで見たけどもっさりした佐藤さんも好きだな~って思った。
存在感がすごく確立しているというか、人殺し役の彼に全然負けてないんですよね。
娘役の子すごいな。濁りのないまっすぐでクリアな演技、どんよりした空気の中で光り輝いていた。
自分は死ぬほどつらいんだということをわかってもらうための場合の自死もたしかにあると思う。もっと心の声を聴く場所があって、解決できる道があったらいいと思う。SNSで初対面の人に言うんじゃなくて、勇気を出して正しい機関に相談することが大事だと思う。自死についても考える映画だったと思う。
結局
オチをさがす?
見応えのある作品
タイトルの「さがす」対象は娘との最後のやりとりでわかる。父の携帯を見つけて、父が殺人(幇助)犯だと気づいた。以降はそれの確信を得るため、父の消息とともに父は何者なのか?娘は探していたことが何とも切なかった。最後の卓球で父の真相を隠すことを良しとしなかったことに、この映画の救いとカタルシスのようなものを感じた。
島での殺人犯のクーラーボックスからは、遺体ではなく、冷えた缶ビールが沢山出て来たシーンでは、序盤の酒を奢ると言ったところと繋がる。サイコパスな犯人に芽生えたこの父親と繋がりの意識だったことも切ない。
そう言った描き方から、内容は重苦しいはずなの、見終わって不思議と爽やかな印象もある。映画には様々な象徴的な要素が幾つか出てくるので、何度か見返したい作品である。
あと「かりん島」は香川の男木島か。僻地の田舎とエロジジイのピンク部屋という組み合わせも強烈でユーモラス。
冗長だし、オチも弱い
岬の兄弟よりは冗長ではないが、それでも気になる。オチのための伏線をこれだけ見せたいなら、その伏線を面白く見せる工夫が脚本や編集に求められると思う。
オチは確かに意外性があったが、その意外性の理由は、そんな事しても面白くならないだろうからだ。そして実際、意外だったという感情以外の感情は湧き出てこなかった。
ただし、主要キャストの仕事は素晴らしいの一言。
サイレン
西成区と周りの地区は頻繁に何かしらのサイレンが鳴っている区なので即逮捕って言う事じゃないと解釈してます。
父親の危険予知が働いた結果、頭の中で鳴り響いているんじゃないかな〜
新今宮・西成界隈・動物園前・今池・山王(流石に飛田は行かなかったのね)・阿倍野・天王寺くらいをさがすのなら行けそうだが、引っかけ橋までさがしに行くかな?…
①こちらはほぼナチュラルな大阪弁(西成ですからやや下品)。
②“父を探して何千里”みたいな話なのかな、と思っていたら、安楽死に見せかけた快楽殺人+SNSで自殺願望者を釣って快楽殺人を行う連続殺人魔の話へとねじ曲げる様は最近の社会の闇を反映させたいのは分かるが、ややあざとい印象を与える。
しかし、父を“さがす”娘の姿と心情とにブレがない(単に行方を突き止めるだけでなく、最後は父の内面まで探し当ててしまう)おかげで、一本筋の通った映画となった。
③凄惨な話ではあるが、殺人の描写は少ないので絵的にはそれほど凄惨ではない。
絞殺シーンは二箇所あるが、ヒッチコックの『フレンジー』の中の一回目の絞殺シーンを観てしまうと、この程度では生ぬるい。
唯一痛いだろうなぁ、と思ったのは原田が山内を金槌で殴り殺すところ。冒頭にいきなり金槌を使って何かを叩くような動作をしている佐藤二朗の描写があるが、これの伏線だったのね。
④山内の連続殺人犯はステレオタイプを出ていない。従いあまり不気味さを感じない。
逃げ込んだ島でミカンをくれて家に上げて飯まで食わせてくれた親切そうなじいさんも殺してしまうのかな、とそこだけハラハラしかかっのに、このじいさん、とんでもないスケベシジイと分かった途端、同情心は吹き飛んでしまいました。
でも知り合いの島民はいるだろうから、じいさんが何日も姿を見せないことを不審に思わなかったのかしら。その不自然さが映画の説得力を損なっている。
⑤表面的には、原田は山内に引きずられる形で共犯になったような描き方だか、実は
とんでもない映画を観てしまった
席を立てない程だった。
いちごゼリーをポケットに隠したり、
修道女の顔に唾を吐きかけたりする楓および伊東蒼に
完全に虜になっていた
もう完全に味方!ってな感じで観ていた
また、清水尋也も毎度ながら凄い
いつ見てもあんな役で、しかしあんな役が
異常なほど似合っていて素晴らしかった
この人に「有料コンテンツ」とか「キャラ」とか
「ログアウト」とか言わせるあたりも秀逸だと思いましたよ。
そして森田望智感を一切消した森田望智
マジで素晴らしかった
役者てのはああいうものだと、まざまざと魅せられた
佐藤二郎との絡みは、台詞一つ一つに笑ってしまった
最後、息を吹き返したけど、やっぱり死ぬのは
宿命なのかね。どこまでも残酷。
展開としても、かなり感情を揺さぶられたし、
撮り方も好きで、この人映画好きなんだろうなと
思わずにはいられなかった
笑っていいのか泣いていいのか困惑する場面が多く、
残酷で、滑稽で、人間そのものだった
サイコな清水尋也とまともだけど狂っていく佐藤二朗、
悲壮感の漂う伊東蒼の関係性も面白かった
余計な伏線が気になったりしたが
ピンポン玉にはドキリとさせられたし、
カットの構図、人と人との対立図が良かった
猫と影の画とか格好良かった。
2022邦画ベストでした
ピンク広間の爺さんが最高
神の目※2023/02/07追記
観終わってすぐに感じたのは、なんかすごいものを観たな、ということ。岬の兄妹と同じ監督さんだと後から気づいて、なるほどなとなった。
「この先どうなるんだろう?」という気持ちが、いいタイミングで解消されていく展開だった。話を引っ張られ過ぎると気持ちが萎えてしまう自分としてはとても観やすかったし、楓役の女優さんが本当に本当に素晴らしかった。思春期特有のとがった感じも、この作品のような極端な状況に置かれたときの感情の出し・引きもすごく良かった。
そして佐藤二朗である。妻を手にかけようとするも出来なくて感情が爆発する場面、娘の前でおちゃらけて見せる場面、最初の万引きのシーンでの、本当にしょうもない感じ。あの情けない感じがあるから、鬼気迫る演技も説得力があるのだなあと思った。
死にたい人を死なせてあげていると言う犯人は、きっと神にでもなったかのような万能感に浸っていたのだろう。自分の歪んだ性癖のはけ口に人を殺しているだけなのに、もっともらしい理由をつけて笑っている。普通に考えてありえないことなのに、智はわずかな金銭を見返りに手伝ってしまう。罪悪感を感じる必要は無いと犯人は言ったが、結果的にはむしろ相手の罪の意識を利用して犯行を手伝わせている。智の判断能力が正常ではなかったとも考えられるし、犯人に半ば洗脳されているようにも見えた。もしかしたら、妻を死なせた自分を正当化したいという気持ちもあったのかもしれない。もしくは、妻を死なせてしまったことで、自分にも人助けが出来るとか、自分は良いことをしているとか、自分は神にも似た力を持っていると思ってしまったのではないだろうか。偽物の万能感を得たことで、金銭への欲求がよりあからさまになったようにも見えた。犯人が死んだ後もこっそりアカウントの運営を再開してしまったのは、智本人が本当に死ぬつもりだったのか、また同じことを繰り返そうとしているのか……
最後に犯人が「本気で死にたがってるやつなんていなかった」と言っていた。智の妻も最後には生きたいと願ったのだろうか。自分としてはそこが一番キツかった。
※追記
岬の兄妹のときにも感じたのだが、重苦しい空気の中にもユーモアが確かに存在している。笑っていいのか迷うような絶妙なユーモアは、アリ・アスター監督の作品を観た時の感触と似ていると思った。
和製ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド⁉︎
数年前に実際に起こった事件、自殺志願者をネットで誘い出して殺して死体を大量のクーラーボックスに遺棄保管していた神奈川で起こった陰惨な連続快楽殺人事件をベースに舞台をシンディープな大阪西成で展開するサスペンスドラマ
冒頭、ハンマーの素振りする父親、監督は謎解きなんかよりも、実は許し難いサイコパスな犯人を容赦なく制裁するカタルシスなシーンが撮りたかったんじゃないのかと思った、タランティーノみたく、サイコパス野郎に鉄槌を‼️だね💩
父 佐藤二朗 娘 伊東蒼の演技は素晴らしくて特筆すべきもの
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