さがすのレビュー・感想・評価
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何を見せたかったんだろうか。
自殺願望のある人を「救済」するために、その自殺を幇助するー。
それを、あたかもビジネスのように割りきる山内と、苦悩しながらも、この犯罪(殺人…少なくとも自殺関与罪)に手を染めて行く智とが、好一対だったと思います。
そして、最後の局面では、犯罪の発覚を恐れる智が、かえって山内を圧倒して行くー。
経営が行き詰まってしまったという智の卓球場ですけれども。
そういう事態を回避するため、おそらくは智は最大限の努力を尽くしたことでしょう。愛娘・楓のために。
それだけに、智の転落のプロセスが、何とも胸は痛いく、生きる道を踏み外していく様を演じた佐藤二朗の熱演は、大きな加点要素でもあったとは思います。
しかし、実際に起きた事件をモチーフに構成された作品という本作は、その「実際に起きた事件をモチーフにしている」ということに、いわば寄りかかりすぎて、映画作品としての「何かそれ以上のもの」…智が巻き込まれていったという「実際に起きた事件」を映画化してまで製作陣が世に訴えたかったもの、観客に見せたかったもの、その「何か」が、明確には浮き彫りにはなっていなかったと思います。評論子には。
その点では、いささか物足りないような思いも、実は払拭することができない一本でした。
それゆえ、良作としての評価に留めておきたいと思います。評論子としては。
(追記)
それにしても、本当に楓を演じた伊東蒼の熱演は光ったと思います。
手持ち金の不足で万引きを働いたといえば必死の形相で駆けつけたり、父の消息に繋がりそうな人物を見かけると、これまた必死の形相で追いかけ、ついには父の失踪の実相に繋がる父のスマホを手にいれるー。
若い女優さんでもあり「これからが楽しみ」という大方のレビュアーのご意見に、評論子も、諸手を上げて賛同します。
最低
胸糞悪いから2
佐藤二郎目当てで見ました
が
シリアスなのは知ってるし
すごく上手くて引き込まれた
最初に奥さんを手にかけて辞めたところとか物凄く良かったし
犯人の?清水くんも良かったが
いかんせんムカつく
スカッとしない
んーー
多分だけど
原作?の趣旨が見えないのかな
何を伝えたかったのかわからない
懸賞金もらって
やった!ラッピーじゃダメだったの?
なんでスマホまだ娘が持ってるのよ
返してもらえよ
まあ、スマホ持ってたから全部知ってたのかもしれないけど
だからって娘が父ちゃんを裏切るのか?
まあ、ダメ男だから
何やってもダメなやつは最後までダメだぞと言いたい映画だったの?
全然わからない
そんなダメ男でも奥さんのこと愛していたよね?
でもやっぱり最後まで見れないってこともダメだからってこと?
何が言いたかったんだろ。
私は逆に、娘にバレずに、
最後の子を殺した時に嫁と被って、嫁を思い出したくて、今度は佐藤二郎が、清水役をやる
みたいなヲチのほうが好みだったかな。
なんで娘に通報させんのさ!!
最後の卓球のところもあんなに長く続いて凄かったけど
それもなんか怖かったよ
バレて欲しくなかったし
詮索せず何も知らんほうが身の為?とでも言いたかったんか?
それとも
隠してもいずれバレるよ?ってこと?
何が伝えたかったのかわからん!!
胸糞悪い
答えが出なかったので2とします。
ちょっと…
さがしものは何ですか
得られたもの
すべてがハッキリと解明されないのがまた、気持ちいい
R12だけど、大丈夫?R15くらいにした方が…と心配になるくらいには目を覆いたいなるような衝撃シーンが多い。メンタル的にもR15にするべきでは…
かくゆう私は、鑑賞してその夜寝れなくなったというはじめての体験をした。
色んな台詞、映像が頭の中にこびりついて、ずっと脳内が静かに興奮してる。
なので、安眠(整理)するためにも纏めている。
予告でもあった殺人犯と楓の対決が、プロローグに過ぎなかった事に旋律を覚えた。
予告編での「殺したんか」
てっきり中盤かラストの方かと思ってたら………
まさかこんな地獄絵図を魅せられとは
すべての謎が、ハッキリと解き明かされてないのがまた、気持ちいい。
語り過ぎないのがまた気持ち悪くて気持ちいい。
もう一度観たら、少しは解明されるものもあるかもしれない(解明されなくても良い)
骨太な見応え
韓国ノワールや李相日もどきが日本映画のトレンドになっているので猫も杓子もみんなそういうのをつくるからこれもそういうのだと思っていたが違った。はきだめな雰囲気と座間の事件からもってきたぽいサイコ野郎とスリリングなミステリー。佐藤二朗も伊東蒼も清水尋也も森田望智もぐいぐいきた。
たとえば瀬々敬久監督や白石和彌監督なんかのふつうの日本映画だとシリアスムードへもっていくだけはもっていく。が、スリリングにはできない。この映画は途中から倒叙になり、しっかりとした謎解きをやって面白がらせる。かえりみて面白いという尺度で見ることができた超めずらしい日本映画だった。
はじめから泥臭い底辺のムードに気圧される。すてきかすてきでないかといえばすてきでない。
映画というものはときとしてわたしの出自をわすれさせるための幻影だ。きれいなものを見てじぶんが日本にすむ日本人であることを束の間忘れたいがための映画なのだ──という見地がないわけではない。そういうことを映画に求めるとき、じぶんの生活環境と五十歩百歩なはきだめが描かれる映画に食指が動かないのは当然だ。なんで日本映画というものは揃いも揃ってこうまで鬱陶しいのか。さんざん嫌な目に遭っている日常に、なんで映画の中でまで遭わなきゃならないのか。いったい誰がそんなの見るの。・・・。
片山慎三監督を知らなかったので「さがす」は営々といつもの日本映画をつくりだす瀬々敬久や白石和彌や大森立嗣や熊切和嘉や阪本順治などなどのシリアス演歌と同じなのかと思っていたが違った。演出がうまい。吉田恵輔のヒメアノ~ルを見たときの感じと似ている。
日本のクリエイターはたいがい不幸自慢型だと思う。日本のYouTuberがもっともよく使う釣り言葉は“ぎりぎり”や“がけっぷち”や“限界”であり、日本人は往往にして“俺の窮状はおまえより酷いんだぞ”とうったえる謂わば“4人のヨークシャー男”風(モンティパイソンのスケッチ)の自己アピールや作風を好んでいる。映画監督もそうだ。
したがって日本の映画監督は悲惨や下層を描いて自らの創作活動が悲惨や下層に寄り添ってきたという立脚点を訴えるのが好きだ。しかしそこに地獄を感じるかそれとも“俺は地獄を知っているんだぜ”という作り手の承認欲求を感じるのかは観客次第である。岬の兄妹を見た印象はやはり日本の映画らしかった。悲惨や下層といった不幸が誇らしげで日本映画らしい悲惨誇示感“スゲーだろ”感があるわけである。勢いは感じたが常套な日本映画だと思った。しかし“さがす”は面白かった。日本映画で面白かったという感想をもったのが超珍しかったので、はっきりいってよく解らないが、なにしろこれは面白かった。
佐藤二朗が見たことない骨太な印象を出して、すこし笑いもとる。じぶんは佐藤二朗がすきだったがはるヲうるひとという映画を見てすきではなくなった。が、演技しているときのひょうひょうとした感じはやっぱりよかった。
「さがす」は映画自体が嫌悪を発している。観る者は暗くて悲惨で嫌だ嫌だと感じるような奈落に落とされる。ホラーよりも効果てきめんに落とされる。それが最後までいっこうに晴れない。にもかかわらず何か力強い手ごたえがある。
しっかりものな楓(伊東蒼)のまともさが予定調和へもっていってくれるわけでもない。
くそな奴にはまってくそなことをするくそな世界で、嘱託殺人を依頼した女(森田望智)は最初の出会いでしねなくて、飛び降りをはかったが手足を骨折しただけでしねず、再度の依頼でしめ損ねて息を吹き返し、またしめろといってしめてもらってやっとしぬわけである。そんな夢も希望もない暗黒なのになんか得体もしれない力強さがある。それがなんなのかわからないが、得体の知れなさと面白がらせるのを両方やっている驚いた映画だった。
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重い世相を素材にした軽い推理ドラマ
事前情報なしに見始めた。
だらしない父親にしっかり者の娘。ある日突然、父が失踪してしまい、娘は警察や学校に相談するが何の役にも立たない。
あーこれは社会派ドラマなのか、娘役の子は頑張ってるなと思っていると、シーンは自殺志願の女性と同意殺人屋のカップルの話に移り、殺人屋がたくさん人を殺していることがわかってくる。
おや、今度は自殺願望の話? 自殺を願う人々の多い社会病理の問題に移るのか。これは父親失踪とどうつながっていくのかと思って見ていくと、彼に殺された第一号が初めに出てきた父親の妻であることが判明。難病に冒され死を願う妻の姿から介護問題や安楽死問題に移っていくのか。
ところがところが、である。その後、父親と殺人屋は共謀で同意殺人を繰り返す殺人業に手を染めていき、やがて父親は殺人屋を殺し、責任をすべて彼に押し付ける策略を練る。その計画が完結する寸前、再び娘が登場。あ~こうつながってきて、こうひっくり返すのかw
というわけで、いろいろ振り回されて見てきたが、最後には納まりのよい推理ドラマで決着するのでした。
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重っ苦しい話題を次々に重ねて肩が凝りそうだが、それはそれで刺激的で観客の興味をそそるし、あまり深く突っ込まずメリハリのついた場面転換を行うことで重さが後を引かない。それらを全部、最後に軽いタッチの推理モノにまとめる監督の手際の良さが光っている。
あっ、これはロストケアだね
多くは語らない。見たら分かる
ただただ悲しくなった。
奥さんとの事やお金の事、手をかけた自殺志願者の事と
色々な要素が重って死が救いであると信じ、殺しを続けようとしてしまうのも少し理解が出来てしまう。
待ち合わせに応じていなければ通報されなかっただろうとも思うし、考える程に悲しくなる。
現実と非現実が入り交じり、本当の父親を知ってしまった娘、壊れていっ...
伊藤蒼さんを知った
伊藤蒼の映画。
父と中学生の娘。
お金がない。
ある日、父は300万円の懸賞金がかかった連続殺人犯を見たという。
信じない娘。
その翌朝、父は失踪。
娘は父を探す。
日雇いの事務所で父の名前を発見し、現場に向かうと父の名前を名乗っている若者がいた。
失意の娘がふと見た指名手配のチラシには、日雇い現場の若者が。
父親の佐藤二朗がズルズルと悪事に手を染めていくさまも見ごたえがありますが、娘役の伊藤蒼の演技が光る作品です。
最後の卓球のシーン。必死に探した大好きな父を、警察に差し出した娘の心境。
父もその気持ちが分かっており、二人でラリーをする。
長く続くラリー。聞こえてくるパトカーのサイレン。
考えさせられましたね。
明らかにわかるCGは不要だったような。ミスしても普通に続けていても良かったかなと思いました。
by TRICKSTER10
伊東蒼さん、素晴らしい。
#今日空から伊東蒼さんが気になった方
はぜひこちらの作品も観ていただきたいです。
今の伊東蒼さんの演技は、この作品でもしっかりと光っています。
特にラストシーンは、観る者の心に深く刺さる対峙の場面でした。
伊東蒼さんと佐藤二朗さんが対峙するその瞬間は、息を呑むような緊張感と切実さに満ちており、圧巻の一言。
正義感に突き動かされた彼女の涙は、真っすぐにこちらの胸を打ちます。
一方で、佐藤二朗さん演じる父親は、本来持っていたはずの正義を失い、世の中にもまれてあっさりと汚れてしまった人間のリアルを見せてくれます。汚れた顔、吹き出す汗、その一つひとつが、背負った過去と重さを物語っていました。
決して派手な演出ではありませんが、言葉の奥に宿る感情のぶつかり合いが胸を締めつけ、ラストまで一瞬たりとも目が離せません。
純粋だからこそ見えてしまう「正義」。
親という現実に立ち向かう少女の姿は、観る者の心を深く抉り、静かに、しかし確かに衝撃を残します。
‘23.6.23鑑賞
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