さがすのレビュー・感想・評価
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さがしものは何ですか
得られたもの
すべてがハッキリと解明されないのがまた、気持ちいい
R12だけど、大丈夫?R15くらいにした方が…と心配になるくらいには目を覆いたいなるような衝撃シーンが多い。メンタル的にもR15にするべきでは…
かくゆう私は、鑑賞してその夜寝れなくなったというはじめての体験をした。
色んな台詞、映像が頭の中にこびりついて、ずっと脳内が静かに興奮してる。
なので、安眠(整理)するためにも纏めている。
予告でもあった殺人犯と楓の対決が、プロローグに過ぎなかった事に旋律を覚えた。
予告編での「殺したんか」
てっきり中盤かラストの方かと思ってたら………
まさかこんな地獄絵図を魅せられとは
すべての謎が、ハッキリと解き明かされてないのがまた、気持ちいい。
語り過ぎないのがまた気持ち悪くて気持ちいい。
もう一度観たら、少しは解明されるものもあるかもしれない(解明されなくても良い)
骨太な見応え
韓国ノワールや李相日もどきが日本映画のトレンドになっているので猫も杓子もみんなそういうのをつくるからこれもそういうのだと思っていたが違った。はきだめな雰囲気と座間の事件からもってきたぽいサイコ野郎とスリリングなミステリー。佐藤二朗も伊東蒼も清水尋也も森田望智もぐいぐいきた。
たとえば瀬々敬久監督や白石和彌監督なんかのふつうの日本映画だとシリアスムードへもっていくだけはもっていく。が、スリリングにはできない。この映画は途中から倒叙になり、しっかりとした謎解きをやって面白がらせる。かえりみて面白いという尺度で見ることができた超めずらしい日本映画だった。
はじめから泥臭い底辺のムードに気圧される。すてきかすてきでないかといえばすてきでない。
映画というものはときとしてわたしの出自をわすれさせるための幻影だ。きれいなものを見てじぶんが日本にすむ日本人であることを束の間忘れたいがための映画なのだ──という見地がないわけではない。そういうことを映画に求めるとき、じぶんの生活環境と五十歩百歩なはきだめが描かれる映画に食指が動かないのは当然だ。なんで日本映画というものは揃いも揃ってこうまで鬱陶しいのか。さんざん嫌な目に遭っている日常に、なんで映画の中でまで遭わなきゃならないのか。いったい誰がそんなの見るの。・・・。
片山慎三監督を知らなかったので「さがす」は営々といつもの日本映画をつくりだす瀬々敬久や白石和彌や大森立嗣や熊切和嘉や阪本順治などなどのシリアス演歌と同じなのかと思っていたが違った。演出がうまい。吉田恵輔のヒメアノ~ルを見たときの感じと似ている。
日本のクリエイターはたいがい不幸自慢型だと思う。日本のYouTuberがもっともよく使う釣り言葉は“ぎりぎり”や“がけっぷち”や“限界”であり、日本人は往往にして“俺の窮状はおまえより酷いんだぞ”とうったえる謂わば“4人のヨークシャー男”風(モンティパイソンのスケッチ)の自己アピールや作風を好んでいる。映画監督もそうだ。
したがって日本の映画監督は悲惨や下層を描いて自らの創作活動が悲惨や下層に寄り添ってきたという立脚点を訴えるのが好きだ。しかしそこに地獄を感じるかそれとも“俺は地獄を知っているんだぜ”という作り手の承認欲求を感じるのかは観客次第である。岬の兄妹を見た印象はやはり日本の映画らしかった。悲惨や下層といった不幸が誇らしげで日本映画らしい悲惨誇示感“スゲーだろ”感があるわけである。勢いは感じたが常套な日本映画だと思った。しかし“さがす”は面白かった。日本映画で面白かったという感想をもったのが超珍しかったので、はっきりいってよく解らないが、なにしろこれは面白かった。
佐藤二朗が見たことない骨太な印象を出して、すこし笑いもとる。じぶんは佐藤二朗がすきだったがはるヲうるひとという映画を見てすきではなくなった。が、演技しているときのひょうひょうとした感じはやっぱりよかった。
「さがす」は映画自体が嫌悪を発している。観る者は暗くて悲惨で嫌だ嫌だと感じるような奈落に落とされる。ホラーよりも効果てきめんに落とされる。それが最後までいっこうに晴れない。にもかかわらず何か力強い手ごたえがある。
しっかりものな楓(伊東蒼)のまともさが予定調和へもっていってくれるわけでもない。
くそな奴にはまってくそなことをするくそな世界で、嘱託殺人を依頼した女(森田望智)は最初の出会いでしねなくて、飛び降りをはかったが手足を骨折しただけでしねず、再度の依頼でしめ損ねて息を吹き返し、またしめろといってしめてもらってやっとしぬわけである。そんな夢も希望もない暗黒なのになんか得体もしれない力強さがある。それがなんなのかわからないが、得体の知れなさと面白がらせるのを両方やっている驚いた映画だった。
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重い世相を素材にした軽い推理ドラマ
事前情報なしに見始めた。
だらしない父親にしっかり者の娘。ある日突然、父が失踪してしまい、娘は警察や学校に相談するが何の役にも立たない。
あーこれは社会派ドラマなのか、娘役の子は頑張ってるなと思っていると、シーンは自殺志願の女性と同意殺人屋のカップルの話に移り、殺人屋がたくさん人を殺していることがわかってくる。
おや、今度は自殺願望の話? 自殺を願う人々の多い社会病理の問題に移るのか。これは父親失踪とどうつながっていくのかと思って見ていくと、彼に殺された第一号が初めに出てきた父親の妻であることが判明。難病に冒され死を願う妻の姿から介護問題や安楽死問題に移っていくのか。
ところがところが、である。その後、父親と殺人屋は共謀で同意殺人を繰り返す殺人業に手を染めていき、やがて父親は殺人屋を殺し、責任をすべて彼に押し付ける策略を練る。その計画が完結する寸前、再び娘が登場。あ~こうつながってきて、こうひっくり返すのかw
というわけで、いろいろ振り回されて見てきたが、最後には納まりのよい推理ドラマで決着するのでした。
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重っ苦しい話題を次々に重ねて肩が凝りそうだが、それはそれで刺激的で観客の興味をそそるし、あまり深く突っ込まずメリハリのついた場面転換を行うことで重さが後を引かない。それらを全部、最後に軽いタッチの推理モノにまとめる監督の手際の良さが光っている。
あっ、これはロストケアだね
多くは語らない。見たら分かる
ただただ悲しくなった。
奥さんとの事やお金の事、手をかけた自殺志願者の事と
色々な要素が重って死が救いであると信じ、殺しを続けようとしてしまうのも少し理解が出来てしまう。
待ち合わせに応じていなければ通報されなかっただろうとも思うし、考える程に悲しくなる。
現実と非現実が入り交じり、本当の父親を知ってしまった娘、壊れていっ...
伊藤蒼さんを知った
伊藤蒼の映画。
父と中学生の娘。
お金がない。
ある日、父は300万円の懸賞金がかかった連続殺人犯を見たという。
信じない娘。
その翌朝、父は失踪。
娘は父を探す。
日雇いの事務所で父の名前を発見し、現場に向かうと父の名前を名乗っている若者がいた。
失意の娘がふと見た指名手配のチラシには、日雇い現場の若者が。
父親の佐藤二朗がズルズルと悪事に手を染めていくさまも見ごたえがありますが、娘役の伊藤蒼の演技が光る作品です。
最後の卓球のシーン。必死に探した大好きな父を、警察に差し出した娘の心境。
父もその気持ちが分かっており、二人でラリーをする。
長く続くラリー。聞こえてくるパトカーのサイレン。
考えさせられましたね。
明らかにわかるCGは不要だったような。ミスしても普通に続けていても良かったかなと思いました。
by TRICKSTER10
伊東蒼さん、素晴らしい。
デザイン会社が潰れた社長の成れの果てです
いやー佐藤二朗ええわ。
普通の生活困難者が生きていくうえで
悪事に染まっていく術が見事に表現されている。
長女が周囲を気にせずひたすらオトンを探すのは
いくら関西人でもそんなことすんのかな?とは思うが。
80点
5
アレックスシネマ大津 20220218
父ちゃんよりも山内を見せられる(泣)
もうこのポスターからして佐藤二朗さんの何かこう、、、(笑)とにかく観てみたくなるような雰囲気がプンッップンッッに漂っていて思わず観てしまった方も多くいらしてそうですね。
物語は冒頭から原田(佐藤二朗)が頼りないを通り越して、何かしらの障害も疑われるような奇行に走っている様子から始まり、それをまだ”高校生どころか中学生の娘が向かいに行く”という場面からスタートする。
「おいおいこんな親子関係嫌すぎるだろこれから受験に青春に忙しい娘さんがマジで気の毒だわ」、なんて思わざる得ない家族の様子を見せられ、と同時にこんな父ちゃんが失踪したら検討なんてつかねえわ(笑)と早くも推理お手上げ状態だった僕。
まあ【さがす】のタイトルの通り少なくとも誰かしらをさがすストーリーになるのは明白なわけで、一体どのように展開されていくのか?このちょっと遅れてるっぽい父ちゃんからどのような物語が紡がれていくのかが全く想像できない。
そんなワクワク感と最初の三分の一ほどでは娘(伊東蒼)がひたすら父ちゃんを探すという展開になるため、期待を裏切らず惹きつけられるストーリーが展開される。
この娘役を演じた伊東蒼さんがもう本当に素晴らしい演技でこれは大成しますね。表情から読み取れる情報量や説得力がもう大物のソレなんです!!しかもよく見ると可愛い(失礼)
さてさて、それでなんやかんや有って実は衝撃の父ちゃん裏稼業してましたオチが明かされる。
のだが、ん~やっぱりこれ邦画あるあるなんだけども、冒頭の父ちゃんいくらなんでも痴呆すぎやしないかと。。。。。
騙す方向に力が入りすぎてて、「そういえば!!」みたいな閃きは無くて「あ~冒頭の父ちゃんは普通に”鑑賞者に向けてるくらいの”痴呆ボケをしてたのね」っていう。
そもそも冒頭の万引きは結局なんだったのかは明かされていない。なのでてっきり若干遅れてる父ちゃんを介護しながら学生生活も送ってるすげえ女子中学生という組み合わせの物語かと思いきや、実は普通に普通の父ちゃんで何ならちょっと前まで母ちゃんも居ましたという事実が明かされる。
そしてその母ちゃんは筋肉的な病気で身動きが取れないまさに障害者の方なのだが、この”母ちゃんが登場するシーンで娘の影が薄すぎる”。というか一切登場してなかった?のでてっきり十数年くらい前のシーンかと思ったレベル。
この勢いで触れておくとこの作品重要な要素が小出しでかつ一瞬なので後から「アレ?」「アレ?」という具合でカタルシスも薄い。母ちゃんの首吊り幻影を見ている娘のシーンが前半に有ったそうなのだが、ナニソレ有ったっけというアハ体験レベル。
で、実質的な主人公とも言える山内(清水尋也)も邦画的気狂い系殺人者という感じで魅力が無い。そして特に過去に「陸上部で賞を取っていたアイツが・・・」みたいな背景も語られないので説得力に欠ける身体能力と手際の良さを見せられて何か宙に浮いているような感覚が否めない。
本作ではやや希薄な親子関係と、介護問題と、自殺者問題の大きく3つが扱われていて、そういった社会に根ざす問題に焦点を当てつつエンタメにも昇華したようなバランスなのだと思う。
しかし、このなんとも言えないやはり邦画らしい消化不良感の正体は、【原田と娘の親子関係】にもっと焦点が当たるのかと思いきや、”物語の大部分では山内の逃避行や原田との協力関係”が描かれて、娘はさっぱりな部分に有ると思うのだ。
あれほど序盤に『お父ちゃん!お父ちゃん!』と見せつけてそのお父ちゃんをもっと見せてくれるのかと思いきや、いきなり何の縁もゆかりもない山内の狂気を見せられる。
まあネットに疎い方からしたらニュースで聞く”自殺者同士が集まって~”みたいな背景は実際こういう感じなんだっていう学びは有ったかもしれない(笑)。
それでも最後の最後で原田と娘に焦点が戻ってきて一回もミスれないピンポンの名シーンを見れたのは良かったと思う。伊東蒼ちゃんのどこかモヤモヤしながら会話を紡いでいる様子が最高だった。
で、、、、
結局冒頭の万引きはなんだったんだい
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