劇場公開日 2022年1月21日

  • 予告編を見る

「☆☆☆☆(ちょい甘で) 少しだけの感想で。 これはまた強烈な作品が...」さがす 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0☆☆☆☆(ちょい甘で) 少しだけの感想で。 これはまた強烈な作品が...

2024年3月21日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆☆(ちょい甘で)

少しだけの感想で。

これはまた強烈な作品が現れた。
作品のテイストは、完全に昨今の韓国ノワール映画群と比べても遜色ないほどだった。

先ずもって、大阪は西成地区の風景が作品にマッチしている…と言っては、失礼に値してしまうのだろうか?と、ちょっと躊躇してしまうところが無きにしも非ず💧

非情な殺人犯役として登場する山内のキャラクター設定には、ある程度ですが少し前に話題になった市橋であったり。あの津久井やまゆり園で大量殺人を犯した、植松死刑囚のイメージが少しばかり頭に浮かぶ。
その為なのか?作品中の主な舞台設定は大阪なのだが、大量の死体が出るのは東京の西多摩地区に設定されていた。
(津久井は神奈川県の川崎市郊外で2つの地域性は近い)

タイトルの『さがす』は、作品を観て行くとまさにその通りで。娘から見た父親は、1年前に亡くなった母親の居ない現在となり、実に大きな存在となっているのが分かる。
そんな父親のちょっとした違和感を、この娘は感じ取り。その際に提示される(父親の台詞等の)雰囲気や娘の記憶等を頼りに探し始める。

従って、前半は色々な伏線が貼られ。後半にそれらの答え合わせが徐々に始まって来る。
その際に、観ていてちょっとだけ違和感を感じた場面があって。それが山内が3カ月前に品川徹演じるお爺さんを殺める場面。
この時の品川徹がもう絶品!
素晴らしい程の変態ジジイで最高だった。
この時に山内が、一見すると自身の性癖に《目覚めた》様に見えるのですが。その後に13カ月前と字幕が出て。ある人物を、映画の登場人物の中での重要な人物と共に殺める時にも、山内は【ある性癖】を露わにする場面があり。観ながら「ん?」…ってなってしまった。
あの場面だけはちょっと意味が分からなかったのだが、、、

ところでこの監督さん。前作の『岬の兄妹』の時はまだ粗削りな面が強かったと思うのですが。その対象者への目線であり、演出力やストーリー展開での語り口が、かなり洗練されて来ているのが分かります。

最後のCGで描かれるピンポン玉と、素振りのスピードと角度とのズレがかなりあって。それがこの父娘の想いのズレを表していたようにも見えた。
だからなのか?最後の最後にはそのCGを消す事によって、この父娘の想いがやっと重なりあっているようにも見えたのでした。

2022年2月1日 テアトル新宿

※ 映画本編とは関係ないのでここに

ところで、撮影された時期が今ひとつ分からないのですが、コロナ禍での大阪と思われるロケ撮影だと思います。
画面での出演者の周りに居る人の反応を見ると、おそらくはゲリラ撮影と思うのですが。その時の感染具合に関係するとは言え、多くの人がマスクをしていないのがちょっと気になってしまった。
現況の大阪で蔓延する感染具合が、人口数からして東京と比べてかなり少ないのに。1日辺りの感染者数が東京の感染者数とそれほど変わらないのは、そんなところにもあるのかなあ〜と。

コメントする
松井の天井直撃ホームラン