劇場公開日 2022年1月21日

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「予告も含めて上手い」さがす サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0予告も含めて上手い

2022年1月27日
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鑑賞方法:映画館

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佐藤二朗主演作。もうこれだけで惹かれます。
しかも、清水尋也と「空白」の伊東蒼が共演。ジャンルはヒューマンサスペンス。その上予告、めちゃくちゃ面白そう。かなり期待値は高め。絶賛の声も多いですし。
案の定、めちゃくちゃ面白かったです。

3人ともええ演技するんですわ。(エセ関西弁)
まずは伊東蒼。空白では事故死してしまう娘の役であまり演技が見られなかったが、今回は長いこと見れて改めて「良い女優さんだなぁ」と思いました。なんだろ、この安定感。楓というキャラクターも良かったし、マッチしていたし。大注目の子役ですね。

そして清水尋也。まぁ、狂ってること狂ってること。幾度となく頭おかしいキャラを演じてきた俳優。「ミスミソウ」や「妖怪人間ベラ」でも気持っち悪い役をやってきましたが、今回もまた気持っち悪かったです。(褒め言葉) ネタバレになるので、このキャラについて深く言うことは出来ませんが、目や唇の動きで優しさと恐ろしさを同時に表す彼の演技に鳥肌が立ちました。

そしてそして、佐藤二朗。最近では彼が脚本と監督を務めた「はるヲうるひと」で役者の新境地を見せていたが、今回はあの作品よりはシリアスではなく、でもいつもの佐藤二朗ではないというなんとも絶妙な位置のキャラで、また新たな一面が見れた。こんな演技を魅せたらコメディ以上にサスペンス映画のオファーが殺到するんじゃない?あの1人でもがくシーン、すごかったなぁ...。

今公開されているコンフィデンスマンJPの新作みたいな作りでしたね。3人の視点に立って物事が描かれ、徐々に徐々に全体像が見えてくる。登場人物全員が何かを求めて探し続ける。様々な「さがす」が出てきて、警察の「君は一体、何を探してんの?」が頭から離れない。もう1回見たくなる作品でしたね。

ラストシーンはうわぁぁぁって感じ笑
ネタバレ出来ないのが歯痒いですが、とにかく後半30分は謎の緊迫感に押し潰されそうになるんです。エンドロールで気付いたよ、ここまで心臓がドキドキしているなんて。その上、あの長回しにビックリしましたね。劇場に音が鳴り響き、ジリジリと観客を追い込む。やられた。鑑賞からしばらく経つと面白さがより感じられます。

ただ、後半までがダルかったかな。
インパクトが足りなかった。後半に差し掛かるまでは、これ大丈夫か?と不安になるくらい見応えが薄かったです。丁寧さが欠けている。伏線が前に出過ぎていて、前半の面白さが伊東蒼に頼りっきり。もっともっと面白い映画にできたはず。

でも、ハードルかなり高かったのに見事乗り越えてくれました。これは、予告の作り方が功を奏してますね。日本映画界に今最も大切な要素ですよこれ。

サプライズ