ある男のレビュー・感想・評価
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名前なんてなんでもいいじゃん
別になにか後ろめたいことや悪いことしてなくても
過去も名前も捨ててしまいたくなること....
あるんだろうな、それで救われる心もあるんだろうな
曾根崎義彦は誰じゃ
ある男とは誰のことなのだろう
当然ながらこの作品から見るにXさんのことだと思われます
しかし「ある男」、この表現だと男であれば誰でも当てはまってしまうのです
主役はどうやら妻夫木さんのようです
彼も生い立ちを気にして生きている
多かれ少なかれ私達は何かしら気にしているのでしょうね
それに関しては性別すら関係ない
この作品を深読みするととんでもない世界的な社会問題にぶつかります、しかし私たちの身近にあることばかりなのです
メディア、報道、野次馬、うわさ、陰口、いじめ、虐待、差別、人種、罪、恐怖、逃避、ごまかしそして幸せ
人生の最後を幸せに暮らせた人はいいかもしれない
息子や娘は? 妻は?
心から許さなければこの先の幸せはないのでしょうね
簡単ではない
私はたまにアンケートなどで偽名を使うことがあります
やはり佐藤や鈴木は定番になってしまいます
今度はもっと楽しい名にしてみよう
谷口大祐
みんな演技が素晴らしい。
子役の男の子も小籔さんも。
めちゃくちゃ惹き込まれた。
窪田正孝ってこういう役上手いよなー。
Xは一体誰なのか。
本物の谷口大祐は生きているのか。
なぜ入れ替わっていたのか。
最後には全部わかるけど、残された者たちにとってはわかったから何なんだという虚しさ。
それでも真実は知りたいよね。
意味深な終わり方に絶句した
この物語の主人公は、作品の途中から登場する妻夫木くん演じる弁護士だ。
彼が登場したとき、彼の役を妻夫木くんがしていたことで違和感が走った。
在日3世という逃げようない血筋と、そのことを妻の父にまで軽く言葉にされてしまうのは、彼にとってはどこまでも付いてくるレッテルだ。
彼は安藤サクラ演じる理恵の夫が何者なのかを調査することになる。
彼が妻に話したように、彼自信この事件にのめり込んでいくのは、「X」という人物がなぜ身分詐称をしたのかということと、彼に罪はないものの、そのどうにも逃れられない事情を知りたいと強く思ったからだ。
やがて、理恵の夫は谷口大祐ではなく原誠だということが判明するが、その逃げようのなかった人生に深く共感する。
同時に本物の谷口大祐を見つけ出すが、彼もまた老舗温泉旅館の次男坊という肩書を変えたいと思っていたのだ。
作品の面白さの一部は、誰が主役なのかわからないというのか、主役が交代していくように描かれているところだろう。
これはヘイトスピーチ、つまりレッテルや差別と同様だ。
他人からの決めつけとレッテルこそ、この作品のテーマだろう。
身分を変える 他人と交換する 身元ロンダリング
「そうしなければならない人がいる」
この作品の一番強いメッセージだ。
理恵は弁護士に「知ってしまってからなんですが、本当のことなんか知る必要などなかったのかもしれません」
つまり、夫は彼ら家族が見たそのままの人で、見た通りの人だった。それ以上でも以下でもない。名前さえ、どうでもいいのだろう。彼と過ごした3年9ヶ月こそたった一つの真実なのだ。
さて、事件が解決してまた幸せを噛みしめるような日常を取り戻した弁護士だったが、妻の携帯の着信を見てしまう。
そして映画の冒頭のとあるお店に誰かが現れ、あの変な絵画へと戻って来るシーンがエピローグとなる。
そのとき妻夫木が何者なのかはわからないが、そこはバーで、彼は初めて会う客と雑談する。
彼は「私は伊香保にある老舗温泉宿の次男です」という。「名刺を切らせて、あいにく…」
在日3世… 妻の浮気… 彼は仕事で得た知識を使い、谷口大祐になったのだ。
その過程は描かれてないが、彼の顔には「その二番目の人生を楽しみたい」と書いてあるようにしか見えなかった。
若干オソロシイ…
出てくる男みんなの代名詞
過去を隠して理想と思う家庭を築き、どこかで逃げ出したいと思う男の話だ。彼が追う事件によって、自分と重ねてその世界にどんどん引き込まれていく。彼が最後にした選択によって本当の安堵は得られたのか。それにしてもこんなに簡単に他人になれるなら、私もなりたい。誰もが今の生活を抜け出したいとどこかで思っているのでは。そんなことを思う自分にぞっとした。
窪田正孝さんのファンになった
構図に拘りを感じる。
カメラワークが良い。
BGMはナチュラル。
今作を視聴して窪田正孝さんのファンになったし、パンチグローブが欲しくなった。
妻夫木聡さん演じる城戸章良と小藪千豊さん演じる中北の二人がいいコンビ。
子役達の演技が良い。
柄本明さん演じる小見浦憲男が面白い。
安藤サクラさんの小石の蹴りかたがカッコ良い。
仲野太賀さんは一瞬しか出てこないが存在感がある。
絵画展での講演「国家が死刑執行する理由は、前提として人は変われないからであるが、しかし、人は変われる云々...」をもっと聞きたい。
陰謀論者が北朝鮮の誘拐だと言っていたがシロ。
だが3.11の話は...劇中ではセリフでシロとして上手に処理しているが...氣になる。
戸籍問題、行方不明者、帰化人、なりすまし、殺人犯の子など、興味のあるワードが沢山出てくる作品。
家族が犯罪者
家族が人殺しのせいで人生がだいなしになるシリーズ、過去の代表的な類似背景ならば【手紙】山田孝之 が素晴らしかったが、これもなかなか最後まで見させられた感があります。
👌
世にも奇妙な物語
とても面白かった。
導入から怪しげな雰囲気を醸し出す
窪田さんが素晴らしかったし、
事故からの展開もどうなって行くのかドキドキしながら
観れました。
妻夫木さんのパートでは一気にミステリーになり
物語が加速し、在日と言うキャラクターもラストに
生きてて唸りました。
これは男だから分かるのか、それとも全員に当てはまるのかは分からないけど、
普通に生きてても、この場から逃げたい、この立場、
この責任から逃げたいと言う気持ちが湧く時がある。
ラストは賛否ありそうな、急な世にも奇妙な物語みたいなオチだったけど、
誰も知らない所でやり直したいと言う気持ちは分からないでもない。
難しい題材を簡単に分かりやすく、だけど映像や空気感は重厚でとても面白い映画でした。
ヘイトヘイト言うのが不自然に感じる
原作者の平野啓一郎は作風が合わないので芥川賞受賞作以来読んでないしきっと今後も読む予定はない。
物語は面白い。
窪田正孝側の事情はよく分かったんだけれど、仲野大賀の方がなぜ戸籍を交換したのかはわからないまま、確かにお兄さん嫌なやつだし清野菜名の涙目は言葉もないくらいではあるが。
妻夫木の顔で在日の顔って、それはちょっとないよなと思う。
そういう事言う人たちも何ものべつまくなし言うわけじゃないからね。
だからと言って心ない人からそう言われ続けて生きるストレスというのは言葉にし難いの程なのだろうし、いつか何かで発散する日はやってくるのだ誰もが。
この物語に在日コリアンのくだりを入れると話はややこしくなる気がする。
とは言え、原作にあるのなら やらない訳にはいかない。
自分ではどうしようもない事実を背負って生きる人間の苦しみ、
昔 宮崎勤という凶悪小児性愛の連続殺人鬼がいて
彼の行動の異常性は世間を嫌と言うほど騒がせた。
その父親は自殺し 結婚を控えていたきょうだいはもちろん破談になった(のちに遠方で幸せになっていると聞いた事もある)
そういう その人本人には全く罪のない事情で生きづらくなるのはやはり間違っているので
昨今 何かの事件があっても全国的にテレビで公表される事はなくなっているような気がする。
と思う。
というか 最近私はワイドショー見ないのでわからないだけかもしれないが。
そういう題材に在日を入れ込むのは なんとなく今の時代では方向が違うような気もしなくない。
真木よう子の配役も見ただけで これは真っ当にはいかないよねって分かっちゃうしね。
出自…
それは自分では選ぶことができない。殺人犯の息子という事実を消し去りたかった。僅かな時間だったが宮崎での生活は幸せだったのだろう。残された家族は複雑だろうけど、特に幼い娘は。ラスト在日の弁護士は妻の浮気で今の生き方を捨てたのだろうか。元々妻やその家族とは合ってなさそうだが。人によっては辛い過去、逃げ出したくなる今があり、人生をリセットして生きていきたい、ということ。柄本明は怪演だった。
自分とは本当は何者でもない
ハッとさせられる映画でした。
本当に観てよかった!
妻夫木聡さん演じる弁護士の心の闇がだんだんと現れてくるところから、ぐっと面白くなった。”人探しをしながら自分を癒している”というようなセリフがあったが、表向き立派な弁護士でありながら、在日3世という劣等感をぬぐいきれずもがいている様がしっかり伝わってきた。
キャストそれぞれの演技が素晴らしかったことで世界観に入り込むことができたし、1コマ1コマに無駄がないというか、短尺ながら訴えたいことを凝縮した演出も素晴らしかった。日本アカデミー賞を席巻したのも納得!
人間は「私というのはこういう者」という認識の上で自分の現実を作っている。もし記憶喪失になればその日から人生が変わる。つまり過去の経験やアイデンティティが今の自分を作っているということ。
そんなある意味不確実性に包まれた「自分」を他の誰かが定義することなんて、できないんじゃないかと思った。区別なんて必要だろうか。区分けを強調すればするほど差別の心は生まれてきやすくなる気もする。国籍、血筋、性別、学歴、そんなものは見えているほんの一部でしかない。肩書ではなく内側から発しているものを感じとる大切さを改めて感じた。
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