ある男のレビュー・感想・評価
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ヒューマンドラマと、娯楽ミステリーの
人を深く掘り下げたテーマを持ったヒューマンドラマと、娯楽ミステリーを融合させたような作品だと捉えると、それに成功した作品だと感じた。
特に中盤まで、キャラクターが一定以上掘られることなくミステリー要素が際立っていた。X(原誠)と城戸いずれも「ルーツを打ち消したい」というジレンマ以外に掘り下げられた描写が見えなかったので「分人主義」を用いた評もちょっとしっくり来ないところがあり、ただ娯楽ミステリーとして楽しむモードでいた。
結局その部分はそれほどすっきり解消されたわけではないのだが、ラストあたりで急激にヒューマンドラマとしてまとまってきた。
本物の谷口大祐の行動がほぼ説明されていない事や、最も出演の長い城戸を軸に見るとテンポが悪かったり、ラストで不倫発覚するのが取ってつけたようなタイミングになるなど、気になるところは他にも多かったが、「原作がある作品の映画化としてはしょうがない部分があったんだろうな」と、冒頭に挙げたようにミステリーとヒューマンドラマの融合を狙ったものと捉えると良いテンポで引き込ませる力を持った作品だったと思える。
あまりにも退屈なお話
ここまでつまらない話で退屈なまま終わり。
枝葉まで言葉で語らないのは良いと思うけど、映画館で観ていたらお金返せと思ったでしょう。
ひとつ確かなことはこの監督の作品は二度と見ないだろうということ。
なかなか重いテーマでした
驚きがない
在日 死刑囚の息子
その生き方にフォーカスするのはよかったと思うが
正体がわかってからは退屈な時間だった。
この男はもっと別の顔があるのではと期待して
最後まで見たが説明されている通りの男。
ルーツに着眼するのはいいがその人がどんな苦しみを負って生きたかが
劇中ではそこまで触れられていないので
見た人の想像に委ねられている。
ある程度非難されて生きたり苦しい経験をしていたのは
思いつくがもっとそこに具体性があったら良かった。
窪田正孝がスケッチに描いた絵は何を思って書いたのか
父の呪縛から逃げられないことをあらわしたにしても
あそこまで嫌ってる親の絵を真似する心境が分からない。
死刑囚の息子だと観てる側に気付かせる為だとしたら短絡的すぎる。
原作は読んでいないのでもしかしたらもっと深い話なのかと。
普通の生き方をすることはとても難しいと考えさせられるが
その境遇に入り込めなかった。
全体的にだらだらと進んでいく感じがして時間が長く感じた一本でした。
ピオトル・ニエミイスキじゃない
成りすましまでして代えたい人生
未だ余韻の中
「どんな境遇でもいいから、今の自分を捨てて新しい自分になりたい。
そうでもしないと生きられない人がいるんです。」
城戸の言葉に胸を打たれた。
人の人生を追いかけていると気が紛れると言った城戸も、原誠や谷口と同じく自分のルーツや人生をどこか受け入れきれずに過ごしてきたのだろう。里枝の言葉「本当のことを知る必要はなかったのかもしれない。一緒にすごした時間ははっきりとした事実」という言葉でやっと、自分のこと、自分の選んだ妻、築いた家庭を受け入れ、向き合っていこうと思えたのではないだろうか。谷口大祐の調査を経て、彼もまた救われたのかもしれない。
そう思った矢先に、奥さまの浮気発覚。最後バーで谷口大祐の人生を語ったのは逃避だろうか。「人の人生を追いかけていると気が紛れる」という言葉の通りになってしまった。
最後にマグリットの絵「複製禁止」を映したのは、彼が自分自身を直視出来ない、受け入れられないということを表しているのだろうか。谷口や原誠がそうであったように。
妻夫木聡の、感情を押し殺した絶妙な表情の変化が素晴らしかった。激しく怒ったり泣いたりしなくても、こんなに心の内を表現出来るものなのかと。
安藤サクラの自然な演技も大好きだし、窪田正孝も可愛くて応援したくなってしまった。
亡くなった子供を思って名前を呼んでくれるシーンはぐっと来た。
柄本明怖すぎ。
最近は洋画ばかり観ていたけれど、邦画の力、役者の力を見たような気持ち。
自分の人生を捨てて、人の人生を生き直したい、そう思うほどの境遇に自分は居ないはずなのに、すごく共感できて、感情移入してしまった。
谷口大祐として生きた数年間は、原誠にとってどれだけ幸せな時間であっただろうか。
相手の名前やルーツではなく、今自分が見ている相手、一緒に過ごしてきた時間が大事だと改めて思うことが出来た。
見終わったあともしばらく余韻が残るような、素晴らしい映画だった。
違う誰かになりたいと思う。
引き寄せられる社会派エンタメ
社会派エンタメ、ミステリーとしてどんどん先が気になる映画だった。
血縁、人種だけを理由にしたレッテル貼り、迫害は絶対にあってはならないし、それから逃れたいと望む人は悪なのか?その人同士が望むなら良いのではないか?
最後妻夫木聡は窪田正孝の最後の人生を自分ごととして語る。
あるいは、妻夫木聡と仲野太賀の同意のもと名前を変え、安藤サクラと結ばれ、中学生の息子は名前を変えずに済んだのかもしれない。
蜜蜂と遠雷と比較すると、衝撃的な映像みたいなものは少なかった。
少しセリフ回しが不自然な印象はあった。
傑作。窪田正孝と安藤サクラは好演。なぞがいくつか残ったが。柄本明じ...
演技は上手い
原作未読。
役者は子役含め、みんな上手い人で揃えている。ただ、この役をこの人?って言うのが幾つか有った。
それと、妻夫木の在日三世設定って要るのかなぁ。原作でもそうなんだろうし、テーマ的に必要なのは分かるんだけど、小説ならその話題の時の妻夫木演じる弁護士の内面がハッキリと出るだろうけど、映画で見ている限り、それ程かなぁと。それより、本物の谷口が消える理由(原作ではどれ位触れているのか?)をもっと出して欲しかったかなぁ。
見終わった後、ググって妻夫木が妻の浮気をLINEで知った時にスルーした理由は分かったけど、映画だけだと「えっ?スルー?」ってなってしまう。
面白かった。ミステリーとしても、演出も。
原作未読で、上映時も観そびれていたが、妹が面白かったとラインしてきて、ようやくアマゾンで観た。安藤サクラ、妻夫木聡、窪田正孝は名演で、河合優美もさすがの存在感。名前でなく、各人の存在と相手との関係性が重要というメッセージを感じた。最後のオチがおおっと思った。
アマン
血と戸籍と家族
黄昏 ≒ 誰そ彼?
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