ある男のレビュー・感想・評価
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予告のわりには期待はずれ
それなりに楽しめるけど、映画やドラマ慣れしている人には、期待はずれのよくある筋書き。
また、内容にあまりリアリティが感じられない。死刑囚の子どもとして自分を責めているのに、家庭を作り女の子までもうけている。また、男の子を可愛がるのは、自分もそうしてもらいたかったからなのか?自分のことに精一杯の人間が、他者を思いやる余裕がそこまであるのか?
死刑囚の子どもとしての葛藤や苦しみ、また、おそらく父から受け継いだであろう激しい性格や、幼い時の子育ても含めた心のトラウマの面が描ききれていない。・・それが、映画の迫力を削ぎ、嘘っぽくさせている。
キャストの素晴らしさ
ヒューマンミステリーなので静かな映画だったが
窪田正孝さん、安藤さくらさん
そして妻夫木くんよ
妻夫木くんはこんな感じの静かだが内面に爆弾持ってるような役やらせたら天下一品やわ
話が進むごとに
榎本明さんや清野菜奈さん、仲野太賀さん、でんでんさん…
出るわ出るわ
名演オンパレード
小籔とかもちょうど良い息抜きポイントで
苦悩のあった人生だったけど
戸籍を変えることで
別人として生きる事で
家族、血縁の暗い部分は捨てれたのだろうか。
安藤さくらとの三年数ヶ月は幸せだったのだ。
血は切っても切れないと悩む大祐だったが
安藤さくらの息子、悠人と血の繋がりはなかったが
親子以上の関係を築けたことに
血より愛が優った。
妻夫木くんの奥さんがね。。。
この監督らしい終わり方だと思ったなー
私とは何者なのか‼️❓極限の果てに見るものは❓‼️
原作では、弁護士の配分が多く、ある男と五分五分くらい、のようですが、映画ではほぼある男。
戸籍ロンダリングですが、如何にして、よりも、なんのために、です。
ある男は、ある意味わかりやすい、加害者遺族が生い立ちの負から逃れるため、人間性が素晴らしい、のに、とゆうことで。
ただ、あれほどクリソツなら、死にたくなるだろう、でも、子供ができてから鏡の呪いは逃れたのかな。
ある男はシンプルなので、実は、興味のほとんどはイケメン韓国人3世弁護士にある。
人種差別に激昂し、妻や子、姑との距離感がとても不安定で、これぞミステリーなんて思う。
ロンダリング囚人との会話と最後のバーの話はリンクしてるのだろうか。
ならば、バーのでの子の話は上は今の妻との子で、下の子は、妻を成敗した後の、ロンダリング後の子とゆうことか、なら、弁護士でありながら性格が不安定な理由もわかる。
想像を掻き立てるミステリー、是非。
ただ、差別問題としては、やや、時事的に、不釣り合いな気がします。
平野啓一郎の最新分人主義を知るために、どうぞ。
ざわざわ感が抜けない
1番推しのブッキー主演作『ある男』
久しぶりに主演をはると聞いた時……
『キターーー!』と喜んだのを覚えてる😊
彼の芝居、声、仕草…全てが好きなんです😍
あの苦悩する姿とかも…。(推しの前置きはこの位で)
観終わって…
またやられたぁ〰️って気持ちにさせられる作品でした。
ラストが気になる終わり方だし…なぜあの終わり方なのか?
原作未読の私には、またざわざわ感が残った。
窪田くんが謎の男としての存在感がとてもリアルで最後までどういう展開になるのか気になり、誰がどのように戸籍を交換したのかも途中、分からなくなり…
ボトルに名前を貼り説明する場面で少し理解が出来たりと…最後までホント目が離せませんでした。
城戸がファイルを叩きつける場面や面会場面での怒りの芝居にはドキッとさせられ心が締め付けられるほど悲しい気持ちにもさせられました🥺
ただ…一人に焦点を当てたのではなく、城戸にも謎な部分がある事を話を進めるにつれて分かり、あのラストはなぜあの様な展開になったの?
城戸も誰かになりすましたかったの?!
もう ざわざわ感のままエンドロールを迎えました😰
原作を読めば分かるのか❓
このざわざわ感は観終わっても残り…
他の方のレビューを見て少し落ち着きたいと思った。
幸い…Twitterで『ある男』公式さまより
ムビチケオンライン券を頂いたので
もう1回観るチャンスを頂きました😊✨
◎おそらく今年のベストワン作品
平野啓一郎が2018年に発表した小説を原作とするヒューマンミステリー。物語を貫く「自分は何者なのか」という根源的な問いかけは想像力をかき立て、自らについて考えさせてくれます。純文学作家という印象の強い平野ですが、そのエンターテインメントの要素を「完璧な構成だった」と、石川慶監督は絶賛。映画化したものが本作です。
愛していた男が実は別人で、いったいその男は誰だったのか。映画やドラマで何度も取り上げられてきた設定ですが、群を抜いています。ドラマの密度やリアリズム、精緻な演出と役者のたたずまいに目を離す隣がありません。骨太なエンターテインメント作品といえるでしょう。
男の後ろ姿の向こうに、鏡に映したように同じ男の後ろ姿が描かれている意味深長な絵画(ルネ・マグリットの「複製禁止」)。冒頭と終幕に映し出されるこの絵に、映画のテーマが端的に示されていると思います。それは“私は何者なのか?”という哲学的な問いかけ。
石川慶監督が表現する奇妙な味わいは、長編デビュー作で同じく妻夫木聡主演の「愚行録」に通ずるものがあり、今作のテーマに見事にはまっていました。
離婚を経て、子連れで故郷の宮崎に戻った里枝(安藤サクラ)は、自ら切り盛りする文房具店で客として出会った森の伐採現場で働く大祐(窪田正孝)と再婚。娘も生まれて4人で幸せに暮らしていました。しかし、大祐が不慮の事故で亡くなり、法要に訪れた大祐の兄谷口恭一(眞島秀和)から、遺影の男は弟ではないと断言されるのでした。つまり夫は戸籍を偽り、「大祐」という男性になりすましていたことになります。では夫は何者なのか? なぜ他人を偽って生きていたのか?
里枝は、離婚調停で世話になった弁護士の城戸章良(妻夫木聡)に夫の身元を調べるよう依頼します。
冒頭からはしばらく、宮崎での2人の日々が描かれます。少し長い気がしますが、夫婦が育んだ愛の深さを実感させる効果をもたらしていました。そして、城戸が登場して以降はミステリー仕立てに転調。城戸が「X」と呼ぶことにした里枝の夫の謎に、各地の関係者を訪ね歩いて迫っていくなかで。この調査にのめり込んでいくのでした。
本物の大祐の容姿も判明しますが、「殺された」「拉致された」、Xは「重罪を隠したかったのでは」などと、関係者が臆測で語るセリフの差し込み方がうまいのです。先の読めない展開に引き込まれました。
極めつきは詐欺師・小見浦(柄本明)と城戸が刑務所で面会する場面。在日韓国人3世の城戸を小ばかにし、おちょくる小見浦の言動はとにかく胸くそが悪かったです。
一方、真実をにおわせる言葉も残します。尺は短いですが、物語の鍵を握るこのシーンはすさまじい印象を残すことでしょう。この2人だからこそできたのであろう名演が見られました。
城戸は、あることをきっかけに、Xと過去の事件とのつながりを見いだします。別人として生きたXに同情、共感とも呼べる感情を抱いていくのです。そしてついに、謎が明らかになり、衝撃的な最終盤につながっていくことになります。
自分ではいかんともしがたい、血の重さとは?悲しみに満ちた真相に近づくにつれ、城戸はその男の人生にアイデンティティーを揺さぶられ、自分の生き方と深く向き合うことになっていくのでした。
石川監督は、この作品の核は「私とは何か」という問いだと考えたそうです。形而上学的な主題だがミステリーの中に取り込むことで、「広く観客に見てもらえる作品にしたかった」と狙いを語っています。
今作に限らず「愚行録」 「蜜蜂と遠雷」など、小説を原作に映画を撮ってきました。長大であるなど映像化が難しい作品も多く、「内容を変えざるを得なかったが、そこから出発できるのが自分には心地よかった。とはいえ、読後感は絶対に変えないようにしている」とのこと。
今作もヘイトスピーチや死刑問題。さらにいくつもの差別の実態、家柄や家庭環境から派生する家族の問題など、原作にある社会派の要素を盛り込でいます。但し題材や核心を重層構造で見せながらも、美しい映像とその透明感が柔らかさとぬくもりを照らす。緩急が巧みなのです。だからこそ物語の核になる「他の人になりたい」という願望に温かな視線が感じられ、「大祐」らの生きる懸命さが切々と伝わってきたのでした。
そんな「大祐」の真の姿を理解したのは終盤の里枝と長男悠人ではないかと思いました。全てを受け入れつつも、「大祐」との幸福な日々を思いだすのです。「大祐」がつらい過去や他人になりたいという思いの中で、充実した日々を味わった数年をこの家族は知っているのです。きっと、それを大切に生きていくことでしょう。
城戸の感情の変遷のほか、鏡に映る自分の姿に動揺するXの様子、里枝の長男が再び名字が変わることに戸惑う姿など、自身のアイデンティティーが揺らぐ人物の様子を重視して描いたように見えました。何があろうと過去と向き合うべきか。忌まわしき思い出は消し去って生きてもよいのか。上質なミステリーとして楽しめつつ、現代社会における大きな問いもさりげなく突きつけていました。
ところで、ある人物の過去を探るうちに、思わぬ謎と真実が浮かび上がってきます。そんな形式の人間ミステリーは「砂の器」に代表されるように、かつての日本映画のお家芸でした。一級のスタッフ&キャストを得て、この伝統的なジャンルに挑んだ石川監督、大勢の登場人物が重層的に絡む物語を繊細かつ巧みに映像化したものと評価しています。
最後に、主要人物を演じた3人は、それぞれ異なるアプローチで役に臨んだそうです。窪田は元ボクサーという設定に合わせ、撮影前に体作りをきっちりしてきました。窪田の演じる「X」が抱える父親からのトラウマの言い知れない凄みは、助演男優賞ものです。
安藤は自宅を兼ねる文房具店のセットを見るところから始め、次第に母親の空気をまとっていったそうです。「子役と2人、(カメラの前に)座った瞬間に親子になる。そうなるとカット割りができず、親子の場面は長回しにならざるをえなかった」と石川監督は語っています。
さらに「愚行録」でも主役を演じた妻夫木には、石川監督は絶大な信頼を置いていました。「ある男」の行方をたどる狂言回し的な役回り、様々な人々の気持ちを受けとめる役ですが、狂言回しにとどまらず、本作に隠された主題の”当事者”になっていく展開に引き込まれます。「最後にダーツと話を自分に引き寄せる腕力が必要になる。大変な役をやってもらった」と石川監督は感謝していました。
素晴らしい俳優が集まると、監督は何もやらなくていい。彼らが同じ空間にいるだけで独特の空気ができるものでしょうか。改めて役者の力を見せつけられた作品でした。
欲をいえば、結末の衝撃性がもうひと押しほしかったですが(^^ゞ
こりゃなんだ コリアンダー
2022年映画館鑑賞64作品目
11月20日(日)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円
原作未読
原作は『マチネの終わりに』の平野啓一郎
ヤフーニュースでお馴染みの人だ
村上春樹も政治的発言はするがTwitterはやらない
コタツ記事ライターは生活費の足しのためTwitterを見るが本は読んでいる暇はない
監督は『愚行録』『蜜蜂と遠雷』『Arc アーク』の石川慶
脚本は『リンダリンダリンダ』『マイ・バック・ページ』『ふがいない僕は空を見た』『愚行録』『マイ・ブロークン・マリコ』の向井康介
再び幸せを掴んだのも束の間に再婚してから数年ののち夫を事故で亡くした谷口里枝
一周忌に訪ねてきた「夫の兄」は遺影を見て夫の谷口大祐は別人だと里枝に告げる
里枝は離婚裁判のときにお世話になった弁護士の城戸に偽の谷口大祐「X」の正体の調査を依頼した
調査の結果Xの本名は死刑囚の息子で元プロボクサー(リングネーム緒形勝利)の原誠
本物の谷口大祐と闇業者小見浦の仲介で戸籍交換したのだ
冒頭はマグリット風の絵画
最後の方で妻夫木の後頭部の前に例の絵というシーンはわりと好き
死刑囚の父も演じた窪田正孝は今回の作品がこれまでの俳優人生の集大成と言える
さまざまな窪田正孝が『ある男』に詰まっている
窪田正孝ファンは必ず映画館で観よう
窪田正孝以上に良かったのは安藤サクラ
彼女の演技力がとにかく素晴らしい
谷口里枝の悲哀と苦悩を安藤サクラが見事に表現した
文房具の店番でひょっとこのように顔を歪ませて涙する里枝
飲食店で病気で亡くなった次男について谷口大祐こと原誠に話す里枝の一連のシーン
などなど
親になったことがない自分でも安藤サクラのチカラで貰い泣きしてしまった
二世俳優というだけでバカにする人は世の中に少なからずいるが「かかってこんかい」とキレたくもなる
奥田瑛二を完全に超えたね
原誠は谷口大祐の前に曽根崎義彦という男と戸籍交換しており谷口大祐は原誠ではなく曽根崎義彦を名乗っていた
原作では登場するであろうヤクザの曽根崎と原誠を名乗る知的障害者田代正蔵は映画には出てこない
城戸弁護士はいわばミステリーものの探偵的役割を担っている
一応城戸弁護士が主役のようだが谷口里枝と谷口大祐こと原誠中心に描かれるべきである
だからこそ城戸が日本に帰化した元在日朝鮮人というエピソードも思い切ってカットするべきだった
作品をより骨太にするため必要だったのかもしれないが曽根崎や田代をカットするなら必ずしも必要とは思えない
古畑任三郎や湯川学や江戸川コナンは朝鮮半島がルーツだろうか
人権派を気取りたいのはわかるが詰め込みすぎだと感じた
在日差別を取り上げることに猛烈に反対するわけではないが扱いによっては在日や帰化人にとても不快な思いをさせてしまうのでないか
『パッチギ』の井筒和幸もそうだったし被差別部落問題を取り上げた平田弘史の漫画『血だるま剣法』にしても然り
差別問題はより慎重さが求められるわけでたとえリベラルの良心だとしても当人たちからすればありがた迷惑になることもある
リベラルが天下を取ったとあまりにも調子にのれば狂信的な保守派を生み出し性的マイノリティーに対する乱射事件が起きてしまう
衝撃的なことは確かだが修復不可能になりつつある分断状態に銃社会では充分に起こりうることだった
あっちを立てればなんとやら人の世は簡単にはいかない
拉致問題慰安婦問題徴用工問題領土問題に加え北朝鮮のミサイルに韓国軍のレーザー照射に旧統一教会などなど課題は尽きない
だとしても自分としては日本で生まれ育ち普通に日本語が話せる彼らを国籍だけで嫌悪することはない
元ヤクルトの上田は大好きだ
日本語がろくに話せないにも関わらずなんとかなるさという軽い気持ちで出稼ぎにやってくるベトナム人男性に比べたらよっぽど好感が持てる
あと坂元愛登の芝居が子役のわりに良かった
子役なりに細かい演技ができてる
映画はとても重い話ではあるが妹役の小野井奈々が可愛くてそれで少しは癒される
里枝からの依頼を受ける弁護士の城戸章良に妻夫木聡
バツイチ子持ちで実家の文房具屋で店番をしている谷口里枝に安藤サクラ
谷口大祐を名乗りのちに里枝と「結婚」するXこと原誠に窪田正孝
本物の谷口大祐の恋人の後藤美涼に清野菜名
本物の谷口大祐の兄で伊香保温泉の宿を経営している谷口恭一に眞島秀和
城戸の相棒をしている弁護士の中北に小籔千豊
里枝の前夫との間に生まれた長男で中学生になった谷口悠人に坂元愛登
谷口大祐こと原誠と里枝の間に生まれた長女の花に小野井奈々
里枝の母に武本初江に山口美也子
章良の妻・城戸香織に真木よう子
谷口大祐こと原誠が勤めていた林産会社社長の伊東にきたろう
ボクサー時代の原誠のガールフレンド茜に河合優実
原誠が所属していたボクシングジムの会長の小菅にでんでん
小菅が経営するボクシングジムのトレーナー柳沢にカトウシンスケ
香織の父にモロ師岡
香織の母に池上季実子
美涼が勤める店のバーテンダーに芹澤興人
香織の不倫相手に矢柴俊博
温泉宿の次男坊で本物の谷口大祐に仲野太賀
戸籍交換のブローカーもやっていた詐欺師の小見浦憲男に柄本明
みんないろいろ抱えてるよ。出来るなら…。
誰にでもある
人生は上書きできるのか
サスペンスやミステリを期待していたが、人間ドラマの色が濃かったかな。
演技に関しては全員素晴らしかった。
今回は特に柄本明の底知れなさを感じる怪演が残る。
脇を含めて隙なし。(河合優実はもっと観たい)
反面、脚本はややまとまりに欠けた印象。
最後に真木よう子の浮気や妻夫木くんの騙りが入ったことで、『誰もが仮面を被っているし、誰かになりたいと思っている』という有り触れた結論に見えてしまった。
「真実を知らなくてもよかった」というところで締めた方が綺麗だったのでは。
まぁそうすると、様々に描いた差別や偏見が無駄になってしまうのですが。。
しかし、窪田くんはボクシングジム周りの人間関係には恵まれてたハズなのに、それでも足りなかったのか。
そこから2回も戸籍を変えた、その背景や心情を知りたい。
別の人になりかわってみたいことあるよね。
鏡に自分の後頭部が写ったら?どんな世界が見えるんだろうか?
3年9ヶ月愛した旦那が、ある日突然に「ある男X」になる。そんな状況に巻き込まれて翻弄する里枝(安藤サクラ)が真相を探る為に弁護士の城戸(妻夫木聡)に依頼することから始まるミステリー。城戸はこの依頼に仕事を超えて、自らの出自と重ねるようにのめり込んでいく。
在日、戸籍、差別、なりすましが主なテーマの原作だけに、かなり複雑で重い。しかし最後まで目が離せない脚本と演出はお見事❗️
死刑囚の息子が暗い過去を塗り変えたことは全く違和感はない。自分だってそう思うだろう。
城戸と小見浦(柄本明)の刑務所のやり取りが今作の見所。城戸に向かって小見浦が言う。「先生はなんで私が、小見浦ってわかるんですか?顔に書いてありますか?」このセリフに少しゾッとすると同時に、戸籍なんてただの紙切れなんだよなあと思う。ラストの城戸のバーのシーンと奇妙な絵がなにか色んな想像をさせながら締めてくれた。キャストの感想。窪田正孝のボクサー役は凄い。「初恋」を思い出した。安藤サクラさんは気丈な母親役を見事に演じてました。その義父の柄本明の短いシーンだが謎解きの鍵になる役を怪演。わざとらしい関西弁が逆に面白い。清野菜々さん今年は何本映画撮ってるんだ〜?売れっ子ですね。でんでんも何やらせてもしっくりくるなぁ。仲野太賀はラスト一瞬だけ贅沢に使いましたね。
久々の骨太の邦画ミステリー満足でした👍
ある男だらけ?
ミステリーとしての雰囲気は最高 だが、あの人物の描写がないのが残念
里枝(安藤サクラ)が大祐という人物と再婚して、大祐が事故で死亡した後、大祐が実物とは別人と判明するところから始まる物語です。
結局、原という男が曽根崎という人物と戸籍交換し、さらに大祐と戸籍交換したことが判明します。
肝心の曽根崎という人物についての描写がないため、説明不足に感じました。
最後の弁護士の城戸についても、なりすましを匂わせながら幕を閉じましたが、衝撃はそれ程ありませんでした。
ミステリー映画としての雰囲気は最高ですが、曽根崎という人物の描写は、ある程度いれるべきだったと思います。
追記 ミステリー映画としての引き込み度は、今年のトップクラスだと思います。
タイトルのある男とは誰のことなのか?純文学を映画で読む
直木賞・芥川賞は以前は読んでいたのですが、仕事が忙しくなったタイミングで読まなくなったのが平野さんが受賞した頃のため、受賞作も本作も読んでいません。
京都大在学中に芥川賞を受賞したとのことで当時メディアによく出演されていました。
2歳ころ父親を亡くしたため気持ちがそこへ向かうとのことを話していたことがあり、そのことが何故か印象的でした。
本作も義理父と子供の交流のシーンなどもあり、なんとなく納得。
全体的にほんわかしたゆっくりムードで進みますが、飽きることなくテンポよく最後まで進みます。
タイトルや予告編と異なり、謎解き要素は少ないです。
謎解きサスペンスではありません、爽快感や面白さを求めて鑑賞しないほうがいいかと。
人としての存在について考えさせられることが多かったです。
見ていて考えすぎるほど強くはなく、問題提起というかんじでしょうか。
妻夫木くんを映画で久しぶりに見ましたが、大人の男を非常にかっこよく演じられており、さすがだな~と思いました。ほかの出演者も見事です。
1つ気になったのは特に法律関係の仕事は守秘義務が発生するため、家族間の会話に出すことはできません。ですが弁護士がどのような人探しをしているかを奥さんが知っていて会話をしていることに少し違和感を感じました。
結局タイトルの「ある男」とは「どの男」を指すのかについては、見た人によって異なります。
ラストもあまり過度な期待はしないほうがいいかもしれません、こちらも見た人によって異なるかと思われます。事実?それともただのつくり話なのか?ここを見る人がどのように受け取るかにより異なります。
いずれにしても別の人生を生きてみたいと思うことは誰でもありますよね?
国籍、血縁、変えられない多くの背景が重く感じることもあります。
見終わったあと、なんともいえない、考えさせられるような要素が残りましたが、それもまた読書をした後の感じに似ていて心地いいです。そういった意味では良い映画だと思います。
何回も見たいという幸せな映画ではないですが、純文学を映画で読める印象はわるくはないです。
人は自分の過去を上書きできるのか
平野啓一郎のヒューマンミステリーを映像化。俳優陣の演技、作品テーマ、脚本・演出の力など、今年の日本映画では出色の出来になっている。
冒頭、安藤サクラと窪田正孝の出会いのシーンから、ただならぬ密度の濃さ。二人の関係が深まり、幸せな家庭を築いたことをしっかり描いた上で、突然訪れる悲劇と混乱。ここから主人公である妻夫木聡が登場し、身元調査を始めてからの展開は、十分謎解きになっていて、引き込まれる。
調査によって明らかになる男の過去は、あまりに辛いもの。在日三世である主人公は国籍変更により出自を消したが、人は自分の過去を自分の手で上書きすることができるのか、そんな根源的な問いかけに感情が揺さぶられる。それでも、二人が築いた家庭が幸せなものであったことは確かで、そこに希望を見たい。長男が自分から妹に真実を伝える覚悟を示すシーンには、涙がこぼれた。
安藤サクラは、ほのかな色気も感じさせて、とにかくうまい。窪田正孝は、ピュアさと狂気さが彼ならではの持ち味。妻夫木聡は難役だった。脇では、柄本明の怪演が強烈。掘り出し物は、小籔千豊。コメディリリーフとしてうまくはまっていた。
向井康介のシナリオの功績は大きい。石川慶の演出は、これまでの作品で時折見られたギミックを排し、正攻法で好ましい。ラストは、なるほどと思いつつも、それまでの展開からすると軽いように感じた。
塗り替えたい人生
ずいぶん前に原作を読んだが、正直 その時には
それほどピンとくる感じではなかった。
…が、しかし役者に惹かれて鑑賞。
個人的には、原作より分かりやすく面白かった。
安藤サクラは、まさに田舎町の文具屋さんにピッタリの
配役だったし、窪田正孝も親の罪を背負ったような
苦しみを切なく演じている。
それに、妻夫木聡は登場した際に、おやっと思うくらい
雰囲気が変わっていて、弁護士という富裕層の立ち位置と
在日という生まれを背負っている複雑な生い立ちを
良く表現していた。
生きてきたことを何もかもリセットしたい。
そんなふうに思う人は多いのだろう。
この作品は、見方によってそちらにも重心が
置けるし、また 安藤サクラの「ある男」が
結局は、誰でも良かったという「愛」の物語として
感じることもできる、とても面白い映画と思う。
しかし、江本明はどの作品に出てもどんな性格
の人物でも、いったい演技なのか本人なのか…
彼が出演することで、作品の深みが数倍上がる
ようなきがする。
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