「単なる真実の追究ではなく、社会問題の提起」ある男 しょたごんさんの映画レビュー(感想・評価)
単なる真実の追究ではなく、社会問題の提起
弁護士の城戸は、かつての依頼者・里枝から、亡くなった夫・大祐の身元調査をして欲しいという奇妙な相談を受ける。
里枝は離婚を経験後に子どもを連れて故郷へ帰り、やがて出会った大祐と再婚、新たに生まれた子どもと4人で幸せな家庭を築いていたが、大祐は不慮の事故で帰らぬ人となった。
ところが、長年疎遠になっていた大祐の兄が、遺影に写っているのは大祐ではないと話したことから、愛したはずの夫が全くの別人だったことが判明したのだ。
城戸は男の正体を追う中で様々な人物と出会い、驚くべき真実に近づいていく。(解説より)
再婚した相手が全くの別人で、その正体を探るというだけでもストーリー的におもしろみがあるが、なかなかに問題が複雑であった。
死刑制度、人種差別等数々の社会問題が裏で絡み合う。
さまざまな問題で、人生白紙からやり直したいと思う方もいるのだろう。
最後、里枝が「全てを知る必要があったのですかね」というようなニュアンスの発言をしていたが、答えは人それぞれかなと思う。
ただ間違いなく大祐が最期過ごしたひとときは、真実であったと思う。
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